80 / 208
第八十話 汚名返上
しおりを挟む
「リアン王女、あんたはなにもわかってねえ」
ガイコツ男は言いながら、うつ伏せの体勢から仰向きに体勢を入れ替えようとした。
両手両足が折れているガイコツ男の腕や足が、変にねじれて、ブチブチ音がした。腱や血管、神経が切れている音だ。
少しつらそうな表情をしたが、夜空を見て少し微笑んだ。
部屋の光が明るくて、星はあまり見えませんが、月がとても綺麗です。
その顔は、全ての未練を断ち切った人の顔のようで、恐ろしい顔が少し優しげに見えました。
そして視線を、空から私達に向けました。
「ふーーーっ、滅茶苦茶つえーー相手が、お前達のように美しい女とはよーー」
折れた手足が痛いはずなのに、微笑んだ顔には、いたそうな表情が微塵もありません。
痛みを感じないのでしょうか……
私には生きることを諦めた為に、痛みを必要としなくなりスイッチが切り替わった、そんな感じがしました。
「俺が、受けた命令の第一目標は、リアン王女あんただ。そして第二目標はここに集まっている貴族全員だ。あんたが俺を見たのは、殺す目標の顔をしっかり確認する為に近づいた時だ。この意味がわかるか」
「……誰かが私を殺そうとしている。恐らく天帝の勇者か、教祖……」
「ふふふ、まあ依頼者が誰かは俺たちに知らされねえ。だが、あんたはどちらの陣営にも付かず、中立の立場を取っている。そして今日集まっている貴族は、そんなあんたを支持している。目障りになったんだろうな。だから国王を殺した事とは全く関係ねえ話ということだ」
「…………もしかすると両方から命を狙われたということかしら…………?!!! 国王を殺した事とは無関係ですってー!!」
「そうだ、俺は組織の最高幹部の一人だ。特に王族の暗殺をメインの仕事にしている。国王も第三王女も俺が殺した」
「な、なんですって、お姉様を殺した。……自殺じゃ無かったのですか」
アンちゃんが驚いたけど、私も驚いた。
この国では、第三王女は自殺って聞いている。
ライファさんの唇が震えている。
「そうだ、天帝の勇者からの直接依頼だ。組織にも秘密にしろと言われてやってやったが、その後執拗に殺そうとしやあがった。あいつは本当に糞野郎だ。まあ刺客は全員返り討ちにしてやったがな」
「その件についてもっと詳しく知りませんか」
後ろからエマさんが質問した。
「お、お前、どうしてここへ、手下はどうした」
「雑魚は、全員倒しましたよ」
「ふははは、雑魚だと。あれはうちの手下の中でも最強クラスだ。まいるぜ!!」
「そんなことより、第三王女のことを教えなさい!!」
エマさんの声が荒々しくなります。
「おいおい、何をそんなに熱くなっているのか知らねえが、俺は、あれが天帝の勇者が、天神の勇者アスラをはめる為にやった事ぐれえしか知らねえぜ。アスラってのは、かわぇえそうな奴だったぜ。ずっと教祖と天帝の勇者におとしいれられて、誰からも嫌われてよ。俺なら耐えられんぜ」
「なぜ、天神の勇者様を殺さなかったのでしょう」
アンちゃんが、疑問をぶつけた。
「なあーはっはっはっ、ありゃあ別世界の生命体だ。殺せるわけがねえ。強すぎるのさ。あいつは誰にも殺せねえ化け物……だから天帝の勇者も教祖も社会的に殺そうとして、あの手この手で嫌がらせをしたのさ。最もそれが、正直者の天神の勇者には効いていたみてえだがな。見ていてかわいそうだったぜ」
アンちゃんの目からツーっと涙があふれ出して小さな声でゆっくり話し始めました。
ガイコツ男は言いながら、うつ伏せの体勢から仰向きに体勢を入れ替えようとした。
両手両足が折れているガイコツ男の腕や足が、変にねじれて、ブチブチ音がした。腱や血管、神経が切れている音だ。
少しつらそうな表情をしたが、夜空を見て少し微笑んだ。
部屋の光が明るくて、星はあまり見えませんが、月がとても綺麗です。
その顔は、全ての未練を断ち切った人の顔のようで、恐ろしい顔が少し優しげに見えました。
そして視線を、空から私達に向けました。
「ふーーーっ、滅茶苦茶つえーー相手が、お前達のように美しい女とはよーー」
折れた手足が痛いはずなのに、微笑んだ顔には、いたそうな表情が微塵もありません。
痛みを感じないのでしょうか……
私には生きることを諦めた為に、痛みを必要としなくなりスイッチが切り替わった、そんな感じがしました。
「俺が、受けた命令の第一目標は、リアン王女あんただ。そして第二目標はここに集まっている貴族全員だ。あんたが俺を見たのは、殺す目標の顔をしっかり確認する為に近づいた時だ。この意味がわかるか」
「……誰かが私を殺そうとしている。恐らく天帝の勇者か、教祖……」
「ふふふ、まあ依頼者が誰かは俺たちに知らされねえ。だが、あんたはどちらの陣営にも付かず、中立の立場を取っている。そして今日集まっている貴族は、そんなあんたを支持している。目障りになったんだろうな。だから国王を殺した事とは全く関係ねえ話ということだ」
「…………もしかすると両方から命を狙われたということかしら…………?!!! 国王を殺した事とは無関係ですってー!!」
「そうだ、俺は組織の最高幹部の一人だ。特に王族の暗殺をメインの仕事にしている。国王も第三王女も俺が殺した」
「な、なんですって、お姉様を殺した。……自殺じゃ無かったのですか」
アンちゃんが驚いたけど、私も驚いた。
この国では、第三王女は自殺って聞いている。
ライファさんの唇が震えている。
「そうだ、天帝の勇者からの直接依頼だ。組織にも秘密にしろと言われてやってやったが、その後執拗に殺そうとしやあがった。あいつは本当に糞野郎だ。まあ刺客は全員返り討ちにしてやったがな」
「その件についてもっと詳しく知りませんか」
後ろからエマさんが質問した。
「お、お前、どうしてここへ、手下はどうした」
「雑魚は、全員倒しましたよ」
「ふははは、雑魚だと。あれはうちの手下の中でも最強クラスだ。まいるぜ!!」
「そんなことより、第三王女のことを教えなさい!!」
エマさんの声が荒々しくなります。
「おいおい、何をそんなに熱くなっているのか知らねえが、俺は、あれが天帝の勇者が、天神の勇者アスラをはめる為にやった事ぐれえしか知らねえぜ。アスラってのは、かわぇえそうな奴だったぜ。ずっと教祖と天帝の勇者におとしいれられて、誰からも嫌われてよ。俺なら耐えられんぜ」
「なぜ、天神の勇者様を殺さなかったのでしょう」
アンちゃんが、疑問をぶつけた。
「なあーはっはっはっ、ありゃあ別世界の生命体だ。殺せるわけがねえ。強すぎるのさ。あいつは誰にも殺せねえ化け物……だから天帝の勇者も教祖も社会的に殺そうとして、あの手この手で嫌がらせをしたのさ。最もそれが、正直者の天神の勇者には効いていたみてえだがな。見ていてかわいそうだったぜ」
アンちゃんの目からツーっと涙があふれ出して小さな声でゆっくり話し始めました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる