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第百二十九話 おもてなし
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最初に僕の前に置かれたのは、茶碗というものに入れられたご飯という物だった。
熱々で、白い。米という物を炊いたものらしい。
王様が、嬉しそうな顔をしてこちらを見ている。
この世にこれ以上のうまいものは無いという自信に満ちた顔だ。
僕は一口くちに運んだ。
よかった。王様のどや顔よりおいしく無かった。
ほかほかして、不味くは無いけど、味があまりしない。
「ほれ、これをかけるのじゃ」
王様は小鉢の黄色い液体を茶碗に入れた。
そして、グチャグチャかき混ぜた。
僕たちの国ではこんな下品な食べ方をする物はない。
でも、王様に勧められて断るわけにも行かない。
「くはあーーーっ」
真っ赤な顔をしてフォリスさんが、ため息のような声を出した。
まさか、こんな物がうまいのか? でもフォリスさんは、意外と貧乏舌なのでなんでもおいしがる。
僕の舌はそうはいかない。
「あっ」
僕は口に入れて固まってしまった。
「おいしいーー」
僕とフォリスさんの声がかさなった。
「こ、これが、この国一番の食べ物なのですね!!」
フォリスさんが叫んだ。
僕もそう思った。確かに王様が自慢するだけのおいしさだ。
人生でも上位に入るうまさだ。
いや、正直に言うと、いままで食べた物の中でも一番と言ってもいい。
ただし初めて食べる味という加点をしてのことですけどね。
「はぁーーっ!! 何を言っておるただの玉子かけご飯じゃ。これは、ご飯という物がどんな物かの味見じゃぞ! 本番はこれからじゃ」
な、なにーーっ
次は丼という器に入った、物が四つ運ばれてきた。
「こ、これは?」
僕たちが驚いていると、王様がさっきより上機嫌になって言う。
「丼、四兄弟じゃ。一番左が親子カツ丼、天丼、牛丼、そしてどて丼じゃ! どて丼は味が濃いから最後に食べてくれ」
恐らく並んでいる順に食べろということなのだろう。
親子カツ丼というのは、親子丼の上に揚げたてのとんカツという物が乗っている丼ということらしい。
カツと玉子と鶏肉とタマネギ、ご飯を合せて口に入れた。
カツがサクサクで、とろりとした玉子の食感が面白い。
そして、甘辛い味に鶏肉と豚肉のうま味が口の中で同時に広がり、それをご飯が全部足し算でまとめ上げている。
「ぎゃーーーっ、うまいーー」
アドも爺さんもフォリスさんも叫んでいる。
そんな僕たちを見つめ、王様がニコニコだ。
別に勝負では無いのですが、すごく敗北感に包まれた。
さらに、天丼、牛丼が追い打ちをかけるようにうまかったが、四番手のどて丼がまたうまかった。
ここまでの丼は、醤油ベースということだったが、どて丼は味噌で甘く豚の内臓が、柔らかくなるまで煮込んだ物が乗っている。
「さ、最高に美味しかったです。ありがとうございました」
もうフォリスさんは感動して、目がうるうるして、頬が赤くなっている。
「なにを言っておる、まだまだ終らんぞ、次は寿司じゃ。それとお酒も出さねばな」
王様が言い終わらないうちに、僕たちの前に綺麗に盛り付けられた寿司という物が置かれた。
そして、僕とアド以外の人の前に清酒というお酒が置かれた。
「うまーーい」
でしょうね。
僕とアドの前には紅茶が用意された。これはいつもの味だった。
寿司は、さめたご飯が甘酸っぱく味付けられていて、上の魚介類を引き立てて、さっぱりしてとてもおいしい。
僕はここで気が付いた、すべての料理に共通する味がある。甘みだ。
そして初めて味わう調味料、醤油に味噌、全く知らない味だ。
この味はもう忘れられる味では無い。やばい。
「うう、何回私の一番を書き替える気なのでしょうか」
フォリスさんが、真剣な顔をしてつぶやいている。
きっとフォリスさんの一番美味しいが、何度も入れ替わったのでしょうね。
まあ、僕の一番も入れ替わりましたよ、玉子ご飯の段階からね。
王様だけで無く、チガーさんやレオナさんまで、嬉しそうな顔をしてこっちを見ている。
「まだ、次があるぞー」
王様は、更に上機嫌になって言った。
僕は、さっきから何度もエリクサーを飲んでいる。
お腹がはち切れそうなので、エリクサーで通常状態へ戻しているのだ。
綺麗な四角い箱が運び込まれてきた。
この入れ物だけでも豪華で贅沢な食べ物とわかる。
何が来たのかと、わくわくが止らない。
熱々で、白い。米という物を炊いたものらしい。
王様が、嬉しそうな顔をしてこちらを見ている。
この世にこれ以上のうまいものは無いという自信に満ちた顔だ。
僕は一口くちに運んだ。
よかった。王様のどや顔よりおいしく無かった。
ほかほかして、不味くは無いけど、味があまりしない。
「ほれ、これをかけるのじゃ」
王様は小鉢の黄色い液体を茶碗に入れた。
そして、グチャグチャかき混ぜた。
僕たちの国ではこんな下品な食べ方をする物はない。
でも、王様に勧められて断るわけにも行かない。
「くはあーーーっ」
真っ赤な顔をしてフォリスさんが、ため息のような声を出した。
まさか、こんな物がうまいのか? でもフォリスさんは、意外と貧乏舌なのでなんでもおいしがる。
僕の舌はそうはいかない。
「あっ」
僕は口に入れて固まってしまった。
「おいしいーー」
僕とフォリスさんの声がかさなった。
「こ、これが、この国一番の食べ物なのですね!!」
フォリスさんが叫んだ。
僕もそう思った。確かに王様が自慢するだけのおいしさだ。
人生でも上位に入るうまさだ。
いや、正直に言うと、いままで食べた物の中でも一番と言ってもいい。
ただし初めて食べる味という加点をしてのことですけどね。
「はぁーーっ!! 何を言っておるただの玉子かけご飯じゃ。これは、ご飯という物がどんな物かの味見じゃぞ! 本番はこれからじゃ」
な、なにーーっ
次は丼という器に入った、物が四つ運ばれてきた。
「こ、これは?」
僕たちが驚いていると、王様がさっきより上機嫌になって言う。
「丼、四兄弟じゃ。一番左が親子カツ丼、天丼、牛丼、そしてどて丼じゃ! どて丼は味が濃いから最後に食べてくれ」
恐らく並んでいる順に食べろということなのだろう。
親子カツ丼というのは、親子丼の上に揚げたてのとんカツという物が乗っている丼ということらしい。
カツと玉子と鶏肉とタマネギ、ご飯を合せて口に入れた。
カツがサクサクで、とろりとした玉子の食感が面白い。
そして、甘辛い味に鶏肉と豚肉のうま味が口の中で同時に広がり、それをご飯が全部足し算でまとめ上げている。
「ぎゃーーーっ、うまいーー」
アドも爺さんもフォリスさんも叫んでいる。
そんな僕たちを見つめ、王様がニコニコだ。
別に勝負では無いのですが、すごく敗北感に包まれた。
さらに、天丼、牛丼が追い打ちをかけるようにうまかったが、四番手のどて丼がまたうまかった。
ここまでの丼は、醤油ベースということだったが、どて丼は味噌で甘く豚の内臓が、柔らかくなるまで煮込んだ物が乗っている。
「さ、最高に美味しかったです。ありがとうございました」
もうフォリスさんは感動して、目がうるうるして、頬が赤くなっている。
「なにを言っておる、まだまだ終らんぞ、次は寿司じゃ。それとお酒も出さねばな」
王様が言い終わらないうちに、僕たちの前に綺麗に盛り付けられた寿司という物が置かれた。
そして、僕とアド以外の人の前に清酒というお酒が置かれた。
「うまーーい」
でしょうね。
僕とアドの前には紅茶が用意された。これはいつもの味だった。
寿司は、さめたご飯が甘酸っぱく味付けられていて、上の魚介類を引き立てて、さっぱりしてとてもおいしい。
僕はここで気が付いた、すべての料理に共通する味がある。甘みだ。
そして初めて味わう調味料、醤油に味噌、全く知らない味だ。
この味はもう忘れられる味では無い。やばい。
「うう、何回私の一番を書き替える気なのでしょうか」
フォリスさんが、真剣な顔をしてつぶやいている。
きっとフォリスさんの一番美味しいが、何度も入れ替わったのでしょうね。
まあ、僕の一番も入れ替わりましたよ、玉子ご飯の段階からね。
王様だけで無く、チガーさんやレオナさんまで、嬉しそうな顔をしてこっちを見ている。
「まだ、次があるぞー」
王様は、更に上機嫌になって言った。
僕は、さっきから何度もエリクサーを飲んでいる。
お腹がはち切れそうなので、エリクサーで通常状態へ戻しているのだ。
綺麗な四角い箱が運び込まれてきた。
この入れ物だけでも豪華で贅沢な食べ物とわかる。
何が来たのかと、わくわくが止らない。
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