137 / 208
第百三十七話 乙女の瞬間
しおりを挟む
砦へは、先頭にチガーさんとレオナさんが率いる親衛隊、騎兵五十人。
僕たちもここに同行しています。
その後ろに、二千人の傭兵部隊、街に駐留していた三千人の正規兵が続きます。
厄介なのは傭兵の多くが、賊の一味ということでしょうか。
砦に近づくと賊達は、砦の前で僕たちを待ち受けています。
一万人以上のガラの悪い連中が、圧倒的な兵力差なので余裕の笑顔です。
彼らの後ろにはドラゴンも八匹控えています。
ドラゴンたちはまだ砦の中にいて、姿は見えません。
「では、いってきます」
「えっ」
僕がフォリスさんとアドと三人で行こうとしたら、チガーさんとレオナさんが驚いています。
「あー済みません、言い忘れていました。チガーさん、レオナさん達には、ショートさんとジュウベイさん、ツヅルさんの護衛を御願いします」
「三人で行く気なのですか?」
二人の声がそろった。
「当たり前だ! 弱い奴らがチョロチョロしたら邪魔なだけだ。女は黙ってそこで待っていろ!」
フォリスさんが厳しい顔でレオナさんをにらみ付けました。
そしてツカツカと近寄るとレオナさんの頬に手を当てた。
あーー、わかってしまった。女の人が乙女になる瞬間がー。
レオナさんの目がうるうるして、頬が赤くなっています。
こ、今度誰かで試してみよう。
と、おもったら。
チガーさんがレオナさんを良いなーという顔で見ているので、僕も同じようにして見ようと思った。チガーさんの頬に手を当てようと手を伸ばした。
チガーさんは背が高いので、手が届かなくて頬は無理だった。しまらない、はなしです。
仕方が無いので、胸に手を置いた。
チガーさんがみるみる真っ赤になった。
レオナさんより真っ赤になっている。
「さあ行くニャ!!」
アドが呆れたような表情で歩き出した。
僕とフォリスさんは少し遅れてアドの後ろを歩き出した。
賊達は、子供三人が群れを出て近づいてくるのを見て、笑い出しました。
「ひゃーはははー、兵隊さんは子供三人で何をさせる気だーー!!」
アドは、ゆっくり歩きながら九字の印を結び叫んだ。
「分身の術!!」
すると、アドの体が二つになり、四つになり、八つになり……。
「くっ……」
フォリスさんが苦しそうな声を出し座り込んだ。
僕は驚いてフォリスさんを見つめた。
フォリスさんの肩がガタガタ震えだした。
フォリスさんは大丈夫なのだろうか?
「ぎゃーーーーっ」
フォリスさんが叫び声を上げた。
「はっはっはっー、ひーっひっひーっ」
最早倒れ込んで、右へ左へ、ゴロゴロ転がり出した。
うーん、これは苦しんでいるのでは無く、笑っていますね。
フォリスさんが笑いながら指をさしました。
僕は恐る恐る、指の先を見ました。
「ぎゃーーはははははー」
ふ、不謹慎ですが、僕も可笑しくって立てなくなりました。
目の前に、アドの軍団がいます。
二千人は超えているのでは無いでしょうか。
「全員いくニャーー!!」
一万人の賊は、僕とフォリスさんが笑い転げているうちに、一瞬でアスラバキになりました。
僕たちもここに同行しています。
その後ろに、二千人の傭兵部隊、街に駐留していた三千人の正規兵が続きます。
厄介なのは傭兵の多くが、賊の一味ということでしょうか。
砦に近づくと賊達は、砦の前で僕たちを待ち受けています。
一万人以上のガラの悪い連中が、圧倒的な兵力差なので余裕の笑顔です。
彼らの後ろにはドラゴンも八匹控えています。
ドラゴンたちはまだ砦の中にいて、姿は見えません。
「では、いってきます」
「えっ」
僕がフォリスさんとアドと三人で行こうとしたら、チガーさんとレオナさんが驚いています。
「あー済みません、言い忘れていました。チガーさん、レオナさん達には、ショートさんとジュウベイさん、ツヅルさんの護衛を御願いします」
「三人で行く気なのですか?」
二人の声がそろった。
「当たり前だ! 弱い奴らがチョロチョロしたら邪魔なだけだ。女は黙ってそこで待っていろ!」
フォリスさんが厳しい顔でレオナさんをにらみ付けました。
そしてツカツカと近寄るとレオナさんの頬に手を当てた。
あーー、わかってしまった。女の人が乙女になる瞬間がー。
レオナさんの目がうるうるして、頬が赤くなっています。
こ、今度誰かで試してみよう。
と、おもったら。
チガーさんがレオナさんを良いなーという顔で見ているので、僕も同じようにして見ようと思った。チガーさんの頬に手を当てようと手を伸ばした。
チガーさんは背が高いので、手が届かなくて頬は無理だった。しまらない、はなしです。
仕方が無いので、胸に手を置いた。
チガーさんがみるみる真っ赤になった。
レオナさんより真っ赤になっている。
「さあ行くニャ!!」
アドが呆れたような表情で歩き出した。
僕とフォリスさんは少し遅れてアドの後ろを歩き出した。
賊達は、子供三人が群れを出て近づいてくるのを見て、笑い出しました。
「ひゃーはははー、兵隊さんは子供三人で何をさせる気だーー!!」
アドは、ゆっくり歩きながら九字の印を結び叫んだ。
「分身の術!!」
すると、アドの体が二つになり、四つになり、八つになり……。
「くっ……」
フォリスさんが苦しそうな声を出し座り込んだ。
僕は驚いてフォリスさんを見つめた。
フォリスさんの肩がガタガタ震えだした。
フォリスさんは大丈夫なのだろうか?
「ぎゃーーーーっ」
フォリスさんが叫び声を上げた。
「はっはっはっー、ひーっひっひーっ」
最早倒れ込んで、右へ左へ、ゴロゴロ転がり出した。
うーん、これは苦しんでいるのでは無く、笑っていますね。
フォリスさんが笑いながら指をさしました。
僕は恐る恐る、指の先を見ました。
「ぎゃーーはははははー」
ふ、不謹慎ですが、僕も可笑しくって立てなくなりました。
目の前に、アドの軍団がいます。
二千人は超えているのでは無いでしょうか。
「全員いくニャーー!!」
一万人の賊は、僕とフォリスさんが笑い転げているうちに、一瞬でアスラバキになりました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる