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第百四十三話 平定
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「オウブ様、領主アンダル降伏勧告を拒否しました」
「ふふふ、そうか。しかし、昨日の晩飯はうまかったなー」
「そうですなー。目を閉じるとあの味が鮮明に思い出されますなー」
「シジセイは何が一番うまかった?」
「最初の肉の寿司という物には、衝撃を受けました」
「うむ、チョカイの棍で殴られたような衝撃だった」
「ブリシャブも最高でした」
「うむ、魚があんなにうまいとは思わなかった」
「酒も最高でした」
「ありゃーー、今まで飲んでいたものが、腐った汁としか感じなくなるほどだった」
「丼四兄弟は、うまい上に腹にたまりましたなー」
「まてまて、それじゃあ全部が一番うまかったことになるぞ」
「ぐわーーーはっはっはっ」
「きさまらーー、何を笑っている!! なめているのかーー!!」
領主アンダルが城壁の張り出し櫓から叫んだ。
頭に毛の無い良く太った、オークの様な醜い顔をした男だ。
俺たちオウブ軍とシジセイ軍は、ロウロ領に隣接する小領地アンダル領の攻略の為に領主の城を包囲している。
降伏勧告をしたが拒否し、まだまだ元気なようだ。
何か秘策でもあるのだろうか。
「だまれ、こっちは大事な軍議中だ!!」
頭の弱そうな領主なので少したき付けた。
「何を言うか! 食い物の話しをしているだけでは無いかー!」
「お前も食いたいか、降伏すれば魔王様に頼んでやるぞー!」
「ぐぬぬ、無知なお前達に教えてやろう。俺はレベルが五十以上ある。ここの兵士は五百人全てレベル三十以上だー!! 貴様らに勝ち目は無い! 死にたくなければ魔人の国へ帰るんだな」
「俺たちの中には、鑑定の魔法が使える者はいない。良い情報をありがとうよ」
領主の自信は、高くも無いレベルのようだ。
「し、信じていないのか? それとも俺たちのレベルが高すぎて、現実味がなさすぎて信じられないのか」
領主は驚いている。
「オウブ様どうしますか」
シジセイが心配そうな顔をして、聞いてくる。
領主があまりにも能力が低そうなので困惑しているようだ。
領主というもの達はだいたいこんなものだった。
ロウロ領の敗北すら知らない者もいる程だ。
ガラガラ
門が開き領兵を指揮して、領主が騎馬に乗り出て来た。
「口で言っても分からんようだから、出て来てやったぞ」
「ど、どうしましょう」
猛将シジセイがうろたえてしまっている。
もちろん、領主の馬鹿さ加減にどう対処して良いのかわからないからだ。
「はーーはっはっはっ!! 今頃うろたえても遅い!!」
領主が有頂天だ。
「俺が一人で行く!! お前達は待機だ」
棍を握り俺は、ゆっくり領主の前に歩み出る。
「貴様、名前は?」
「ふふふ、わが名か。わが名はオウブ、魔王軍の将軍だ。俺は向ってくる敵兵にかける慈悲はもたねえ、覚悟してかかって来な!!」
「かかれーー!!」
「うわーーーーーっ!!!」
領主のかけ声と共に喚声を上げ、五百人の領兵が俺に向ってくる。
本来なら、緊張が走り、手に武者震いの一つでも出てくるのだが、敵のレベルが三十程度とあってはそれすらも無い。
「うおおおおーーー!!!!!!」
体の大きな男がいきなり雑兵を押しのけて、おどりかかってきた。
「ひゃーはっはっはっ、かかったな、そのものは我軍最強のレベル六十オーバーだ。死ねー――!!!」
良く見ると、兵士が俺の前に密集して、棍を振れないように邪魔をしている。
なかなか連携が取れて良い攻撃だ。
俺は渾身の力で棍を振った。
「ふんっ」
「うぎゃーーーあああああ」
棍の前にいた兵士が吹き飛び、最強の兵士の頭が吹き飛んだ。
「おりゃあああーー!!」
吹き飛んだ兵士のあとに出来た隙間に踏み込み、振り上げた棍を力一杯回転させ、兵士の固まりに突っ込んだ。
数十人の兵士が吹き飛んだ。
敵兵はあまりの光景に、体が硬直し声すら上げることが出来ないようだ。
そのまま三度ほど棍を振ったら、領主が城を捨て逃げ出した。
「おい、アンダルそっちはロウロだぞ」
「はーはっはっはっ、ロウロ様のところで兵を立て直し貴様はぶっ殺す!」
「そうかー、それは楽しみだが、ロウロはすでに魔王国になっているぞー!」
「なっ、なにーーっ!!」
「ぎゃーーははははは」
もう兵士が我慢出来なくて笑い出してしまった。
この地は、あんな無能な領主に支配されていたのかと思うと寂しい気持ちになる。
こうしてロウロ周囲の小領地の攻略が終った。
いよいよデイラ攻略戦に入る事になるだろう。
「ふふふ、そうか。しかし、昨日の晩飯はうまかったなー」
「そうですなー。目を閉じるとあの味が鮮明に思い出されますなー」
「シジセイは何が一番うまかった?」
「最初の肉の寿司という物には、衝撃を受けました」
「うむ、チョカイの棍で殴られたような衝撃だった」
「ブリシャブも最高でした」
「うむ、魚があんなにうまいとは思わなかった」
「酒も最高でした」
「ありゃーー、今まで飲んでいたものが、腐った汁としか感じなくなるほどだった」
「丼四兄弟は、うまい上に腹にたまりましたなー」
「まてまて、それじゃあ全部が一番うまかったことになるぞ」
「ぐわーーーはっはっはっ」
「きさまらーー、何を笑っている!! なめているのかーー!!」
領主アンダルが城壁の張り出し櫓から叫んだ。
頭に毛の無い良く太った、オークの様な醜い顔をした男だ。
俺たちオウブ軍とシジセイ軍は、ロウロ領に隣接する小領地アンダル領の攻略の為に領主の城を包囲している。
降伏勧告をしたが拒否し、まだまだ元気なようだ。
何か秘策でもあるのだろうか。
「だまれ、こっちは大事な軍議中だ!!」
頭の弱そうな領主なので少したき付けた。
「何を言うか! 食い物の話しをしているだけでは無いかー!」
「お前も食いたいか、降伏すれば魔王様に頼んでやるぞー!」
「ぐぬぬ、無知なお前達に教えてやろう。俺はレベルが五十以上ある。ここの兵士は五百人全てレベル三十以上だー!! 貴様らに勝ち目は無い! 死にたくなければ魔人の国へ帰るんだな」
「俺たちの中には、鑑定の魔法が使える者はいない。良い情報をありがとうよ」
領主の自信は、高くも無いレベルのようだ。
「し、信じていないのか? それとも俺たちのレベルが高すぎて、現実味がなさすぎて信じられないのか」
領主は驚いている。
「オウブ様どうしますか」
シジセイが心配そうな顔をして、聞いてくる。
領主があまりにも能力が低そうなので困惑しているようだ。
領主というもの達はだいたいこんなものだった。
ロウロ領の敗北すら知らない者もいる程だ。
ガラガラ
門が開き領兵を指揮して、領主が騎馬に乗り出て来た。
「口で言っても分からんようだから、出て来てやったぞ」
「ど、どうしましょう」
猛将シジセイがうろたえてしまっている。
もちろん、領主の馬鹿さ加減にどう対処して良いのかわからないからだ。
「はーーはっはっはっ!! 今頃うろたえても遅い!!」
領主が有頂天だ。
「俺が一人で行く!! お前達は待機だ」
棍を握り俺は、ゆっくり領主の前に歩み出る。
「貴様、名前は?」
「ふふふ、わが名か。わが名はオウブ、魔王軍の将軍だ。俺は向ってくる敵兵にかける慈悲はもたねえ、覚悟してかかって来な!!」
「かかれーー!!」
「うわーーーーーっ!!!」
領主のかけ声と共に喚声を上げ、五百人の領兵が俺に向ってくる。
本来なら、緊張が走り、手に武者震いの一つでも出てくるのだが、敵のレベルが三十程度とあってはそれすらも無い。
「うおおおおーーー!!!!!!」
体の大きな男がいきなり雑兵を押しのけて、おどりかかってきた。
「ひゃーはっはっはっ、かかったな、そのものは我軍最強のレベル六十オーバーだ。死ねー――!!!」
良く見ると、兵士が俺の前に密集して、棍を振れないように邪魔をしている。
なかなか連携が取れて良い攻撃だ。
俺は渾身の力で棍を振った。
「ふんっ」
「うぎゃーーーあああああ」
棍の前にいた兵士が吹き飛び、最強の兵士の頭が吹き飛んだ。
「おりゃあああーー!!」
吹き飛んだ兵士のあとに出来た隙間に踏み込み、振り上げた棍を力一杯回転させ、兵士の固まりに突っ込んだ。
数十人の兵士が吹き飛んだ。
敵兵はあまりの光景に、体が硬直し声すら上げることが出来ないようだ。
そのまま三度ほど棍を振ったら、領主が城を捨て逃げ出した。
「おい、アンダルそっちはロウロだぞ」
「はーはっはっはっ、ロウロ様のところで兵を立て直し貴様はぶっ殺す!」
「そうかー、それは楽しみだが、ロウロはすでに魔王国になっているぞー!」
「なっ、なにーーっ!!」
「ぎゃーーははははは」
もう兵士が我慢出来なくて笑い出してしまった。
この地は、あんな無能な領主に支配されていたのかと思うと寂しい気持ちになる。
こうしてロウロ周囲の小領地の攻略が終った。
いよいよデイラ攻略戦に入る事になるだろう。
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