146 / 208
第百四十六話 王国騎士団の脅威
しおりを挟む
「おい、焦りすぎだ。落馬するぞ」
防壁の東門に、王国騎士団の先発隊が着いたのは、軍議が終り昼食を済ました後だった。
門の警備の衛兵に騎馬隊は止められます。
「何者だ!!」
「ふふふ、俺はこたびの戦争の総大将を務めるザビロ様だ。すぐに領主を呼べー!!」
領主様と私は城門の上から、ザビロの姿を見下ろした。
ここの領主デイラ様と王国騎士団の隊長では、領主様の方が身分は高い。
だがザビロの態度が悪い、何かありそうです。
「俺が領主デイラだ。王国騎士団に援軍を頼んだ覚えは無い。邪魔なだけだ帰ってもらおう」
騎馬隊は、ザビロを先頭に五百騎程が並んでいる。
どいつも、人相が悪く、ニヤニヤして気味が悪い。
ザビロの手勢だろうか。
「ちっ、田舎領主風情が偉そうに、これを見ろ」
ザビロが、一枚の封書を出し衛兵に渡した。
領主様がそれを受け取ると、封蝋のしてある正式文書だった。
内容は、戦場においてザビロに、国王と同等の権限を与えるという内容だった。
ご丁寧に玉璽まで押してある。
ザビロは国王の宝剣を抜き、ニヤニヤしている。
領主様はザビロの前に進み出ると、臣下の礼をとった。
私は領主様にならった。
「ひゃあーーはっはっ、俺がここでは、国王だー! 野郎共、お宝は後だ、最初は五百人の処女だー!! いけえーーー!! 一番の美人は俺のもんだー」
ザビロが、背筋の寒くなることを言いながら、配下と共に領都へおどり込んだ。
これを楽しみに必死で騎馬を走らせてきたようです。
「いけねえ、ライファちゃん、こいつらの狙いは、あんたの部隊だ!!」
「皆さんは、静観していて下さい。手出しをすれば、どんな災難が降りかかるかもしれません」
私が領主様と領兵に声をかけると、悲壮な表情になった。
「う、うむ。すまねえ。勅令の前じゃあ俺たちは手が出せねえ」
国王の権限をもった盗賊団のできあがりです。
「やれやれです」
「呼びましたー」
「!?」
シュドウからここの状況を聞いてくれたのでしょうか。
イルナ様が呼んでもいないのに来てくれました。
「私の可愛い聖騎士に、酷いことをしようとしているのですから、相応の罰を与えなければいけませんね」
「その声は、大聖女イルナ様ですか」
領主様はイルナ様の声がわかるようです。
姿は、聖騎士の服を着て、顔は布を巻き隠しています。
「違います。イルゾーです。ライファさん、何をしているのですか行きますよ!」
「ふふふ、俺たちは、城壁の上から見学させてもらうぜ」
領主様に笑顔が戻った。
ザビロの騎馬隊は街の中央に進みましたが、私達の駐留している場所は、門をそのまま左に曲がった先にあります。
まだ当分かかりそうです。
私達の駐留先は、四方を壁に囲まれた居住区で、入り口が四カ所ある。
正面の門に移動魔法で移動すると、顔を布で隠した聖騎士が二人いる。
「あの、」
私が呆れて声を出すと、勝手に名乗った。
「私はアンゾーだ」
「わ、私はエゾーです」
エマ姉は、言い慣れていないのか少し恥ずかしそうだ。
「はい、ライゾーさんこれを!」
リアン王女が、私に布を渡してくる。
「わ、私もやるのですかー?」
「当たり前です。守護神覆面四騎士なのですから」
イルナ様がノリノリです。
「バカヤロー!!、道を間違える奴があるかーー!!」
ザビロが怒鳴りながらやってきました。
「ここです!!」
「聞けーー!! 女聖騎士共ー!! これから始まることは、俺たちが内緒にしておいてやる。おとなしく従えーー。そうすればー、痛くしないでやるーー!! げひひひひー」
ザビロが気持ち悪い下品な顔をしてニヤニヤしながら言いました。
少し口からよだれが垂れています。
「やかましー下郎!! 痛い目に遭いたくなければ、大人しくお家へ帰れー!!」
イルナ様が叫びます。
あんまり迫力がありません。
何だかかわいらしさが抜けていません。
「なんだー! てめえらは?」
「我らは、聖騎士の守護神、覆面四騎士だ」
「ぎゃーーはっはっはっはっはっはー!!!」
盛大に笑われました。
おおいに恥ずかしいです。
「まずは、この馬鹿共から血祭りに上げろーー、かかれーー!!」
防壁の東門に、王国騎士団の先発隊が着いたのは、軍議が終り昼食を済ました後だった。
門の警備の衛兵に騎馬隊は止められます。
「何者だ!!」
「ふふふ、俺はこたびの戦争の総大将を務めるザビロ様だ。すぐに領主を呼べー!!」
領主様と私は城門の上から、ザビロの姿を見下ろした。
ここの領主デイラ様と王国騎士団の隊長では、領主様の方が身分は高い。
だがザビロの態度が悪い、何かありそうです。
「俺が領主デイラだ。王国騎士団に援軍を頼んだ覚えは無い。邪魔なだけだ帰ってもらおう」
騎馬隊は、ザビロを先頭に五百騎程が並んでいる。
どいつも、人相が悪く、ニヤニヤして気味が悪い。
ザビロの手勢だろうか。
「ちっ、田舎領主風情が偉そうに、これを見ろ」
ザビロが、一枚の封書を出し衛兵に渡した。
領主様がそれを受け取ると、封蝋のしてある正式文書だった。
内容は、戦場においてザビロに、国王と同等の権限を与えるという内容だった。
ご丁寧に玉璽まで押してある。
ザビロは国王の宝剣を抜き、ニヤニヤしている。
領主様はザビロの前に進み出ると、臣下の礼をとった。
私は領主様にならった。
「ひゃあーーはっはっ、俺がここでは、国王だー! 野郎共、お宝は後だ、最初は五百人の処女だー!! いけえーーー!! 一番の美人は俺のもんだー」
ザビロが、背筋の寒くなることを言いながら、配下と共に領都へおどり込んだ。
これを楽しみに必死で騎馬を走らせてきたようです。
「いけねえ、ライファちゃん、こいつらの狙いは、あんたの部隊だ!!」
「皆さんは、静観していて下さい。手出しをすれば、どんな災難が降りかかるかもしれません」
私が領主様と領兵に声をかけると、悲壮な表情になった。
「う、うむ。すまねえ。勅令の前じゃあ俺たちは手が出せねえ」
国王の権限をもった盗賊団のできあがりです。
「やれやれです」
「呼びましたー」
「!?」
シュドウからここの状況を聞いてくれたのでしょうか。
イルナ様が呼んでもいないのに来てくれました。
「私の可愛い聖騎士に、酷いことをしようとしているのですから、相応の罰を与えなければいけませんね」
「その声は、大聖女イルナ様ですか」
領主様はイルナ様の声がわかるようです。
姿は、聖騎士の服を着て、顔は布を巻き隠しています。
「違います。イルゾーです。ライファさん、何をしているのですか行きますよ!」
「ふふふ、俺たちは、城壁の上から見学させてもらうぜ」
領主様に笑顔が戻った。
ザビロの騎馬隊は街の中央に進みましたが、私達の駐留している場所は、門をそのまま左に曲がった先にあります。
まだ当分かかりそうです。
私達の駐留先は、四方を壁に囲まれた居住区で、入り口が四カ所ある。
正面の門に移動魔法で移動すると、顔を布で隠した聖騎士が二人いる。
「あの、」
私が呆れて声を出すと、勝手に名乗った。
「私はアンゾーだ」
「わ、私はエゾーです」
エマ姉は、言い慣れていないのか少し恥ずかしそうだ。
「はい、ライゾーさんこれを!」
リアン王女が、私に布を渡してくる。
「わ、私もやるのですかー?」
「当たり前です。守護神覆面四騎士なのですから」
イルナ様がノリノリです。
「バカヤロー!!、道を間違える奴があるかーー!!」
ザビロが怒鳴りながらやってきました。
「ここです!!」
「聞けーー!! 女聖騎士共ー!! これから始まることは、俺たちが内緒にしておいてやる。おとなしく従えーー。そうすればー、痛くしないでやるーー!! げひひひひー」
ザビロが気持ち悪い下品な顔をしてニヤニヤしながら言いました。
少し口からよだれが垂れています。
「やかましー下郎!! 痛い目に遭いたくなければ、大人しくお家へ帰れー!!」
イルナ様が叫びます。
あんまり迫力がありません。
何だかかわいらしさが抜けていません。
「なんだー! てめえらは?」
「我らは、聖騎士の守護神、覆面四騎士だ」
「ぎゃーーはっはっはっはっはっはー!!!」
盛大に笑われました。
おおいに恥ずかしいです。
「まずは、この馬鹿共から血祭りに上げろーー、かかれーー!!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる