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第百五十三話 決意の光
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王国騎士団の兵士は、半分弱が動けるようになりました。
「ギールさん王国騎士団に、どういう生き方を望むのか決めさせて下さい。そしてあなた自身の生き方も決めて下さい。ついでに言っておきますが、魔王はあなたの生きたいという心を大変喜んでいます」
私は嬉しそうに微笑む少女が、まるで魔王様のように見えました。
ギール様はもう泣くことを隠さず、声を上げて子供のように泣いています。
私も泣きそうです。
とてもつらかったのだと、強く感じました。
「なあ、アド……さ……ま、教えてくれ、もし、俺が魔王様に降伏したら、どういう扱いを受けるのだろうか?」
領主様はアドちゃんをどう呼んで良いのか苦しみ、アド様を選んだようです。
アドちゃんが氷のような冷ややかな目を、領主様に向けました。
そして、私に今までより強く体をすり寄せてきました。
まるで撫でることを要求しているみたいです。
私は要求に応じるように、全身をなで回しました。
「うひゃひゃひゃひゃ!! ラ、ライファ撫で過ぎニャ!! 仕方が無いニャ。アドはライファに撫でられて超ご機嫌ニャ。その質問にだけ、魔王の七大将軍の一人として答えてやるニャ」
「えっ、七大将軍!!」
私と、領主様、イゴウさん、戦場からようやく矢を取って来た兵士と、まわりに控えている兵士達が驚いた。
矢を取って来た兵士は、「どうですかこんなに速く取って来た」と、自慢そうですが、私と領主様の手に矢があるのを見て、もう一度目玉が飛び出すほど驚いています。
「ライファ、手が止っているニャ。――魔王様は寛大なお方ニャ。でも、嫌いなことがあるニャ。それは無駄死にと、民を苦しめる事ニャ。お前が、民を苦しめるような政治をせず、兵士が死んでいない今なら、歓迎されるはずニャ。アドが口添えをしてやってもいいニャ」
「……」
領主様は目を閉じ押し黙った。
しばらく、考え込んでいるようです。
「クザン、左翼と右翼に攻撃命令を!!」
少女が声を上げた。
本陣で赤黒い鎧の兵士が旗を上げ、大きく振った。
「オウブ軍出撃!!!」
「シジセイ軍出撃!!!」
「うおおおおおおおおーーーーーー!!!!」
初めての魔王軍の攻勢です。
大きな喚声が上がります。
中央に多くの王国騎士団がいる為、魔王軍は大きく左右に迂回して、デイラ領兵に向ってきます。
領兵は領都の前で盾を構え、襲いかかる魔王軍に備えます。
デイラ領自慢の魔法攻撃隊は、魔王軍本陣に照準を合わせている為、左右から向ってくる魔王軍には、機能しません。
ここで、一か八かの魔法攻撃を魔王軍本陣に仕掛ける事も出来ますが、その場合せっかく復活した王国騎士団を巻き込み、多くの兵士の犠牲が出るでしょう。
「左翼が、オウブさん、右翼がシジセイさんですね。出番が来て張り切っていますね」
「ま、まさか、ライファさんはあの二人とも知り合いなのか!?」
領主様はまた大きく驚いています。
「えっ!!」
私はそんなに驚かれるとは思わず、逆に自分が驚いた。
「にゃははは、知り合いも何も、アドもオウブもシジセイも、ライファを恐れているニャ。アドが恐れた人物は、魔王とフォリスとライファとエマだけニャ」
「くはははは、ライファ様参りました。領都内の領兵の、家族の警護をお願いしてもよろしいですか?」
領主様はふたたび私を様呼びします。
でも、私はそれを受け入れることにした。
領主様の目に決意の光が宿っています。
「ギールさん王国騎士団に、どういう生き方を望むのか決めさせて下さい。そしてあなた自身の生き方も決めて下さい。ついでに言っておきますが、魔王はあなたの生きたいという心を大変喜んでいます」
私は嬉しそうに微笑む少女が、まるで魔王様のように見えました。
ギール様はもう泣くことを隠さず、声を上げて子供のように泣いています。
私も泣きそうです。
とてもつらかったのだと、強く感じました。
「なあ、アド……さ……ま、教えてくれ、もし、俺が魔王様に降伏したら、どういう扱いを受けるのだろうか?」
領主様はアドちゃんをどう呼んで良いのか苦しみ、アド様を選んだようです。
アドちゃんが氷のような冷ややかな目を、領主様に向けました。
そして、私に今までより強く体をすり寄せてきました。
まるで撫でることを要求しているみたいです。
私は要求に応じるように、全身をなで回しました。
「うひゃひゃひゃひゃ!! ラ、ライファ撫で過ぎニャ!! 仕方が無いニャ。アドはライファに撫でられて超ご機嫌ニャ。その質問にだけ、魔王の七大将軍の一人として答えてやるニャ」
「えっ、七大将軍!!」
私と、領主様、イゴウさん、戦場からようやく矢を取って来た兵士と、まわりに控えている兵士達が驚いた。
矢を取って来た兵士は、「どうですかこんなに速く取って来た」と、自慢そうですが、私と領主様の手に矢があるのを見て、もう一度目玉が飛び出すほど驚いています。
「ライファ、手が止っているニャ。――魔王様は寛大なお方ニャ。でも、嫌いなことがあるニャ。それは無駄死にと、民を苦しめる事ニャ。お前が、民を苦しめるような政治をせず、兵士が死んでいない今なら、歓迎されるはずニャ。アドが口添えをしてやってもいいニャ」
「……」
領主様は目を閉じ押し黙った。
しばらく、考え込んでいるようです。
「クザン、左翼と右翼に攻撃命令を!!」
少女が声を上げた。
本陣で赤黒い鎧の兵士が旗を上げ、大きく振った。
「オウブ軍出撃!!!」
「シジセイ軍出撃!!!」
「うおおおおおおおおーーーーーー!!!!」
初めての魔王軍の攻勢です。
大きな喚声が上がります。
中央に多くの王国騎士団がいる為、魔王軍は大きく左右に迂回して、デイラ領兵に向ってきます。
領兵は領都の前で盾を構え、襲いかかる魔王軍に備えます。
デイラ領自慢の魔法攻撃隊は、魔王軍本陣に照準を合わせている為、左右から向ってくる魔王軍には、機能しません。
ここで、一か八かの魔法攻撃を魔王軍本陣に仕掛ける事も出来ますが、その場合せっかく復活した王国騎士団を巻き込み、多くの兵士の犠牲が出るでしょう。
「左翼が、オウブさん、右翼がシジセイさんですね。出番が来て張り切っていますね」
「ま、まさか、ライファさんはあの二人とも知り合いなのか!?」
領主様はまた大きく驚いています。
「えっ!!」
私はそんなに驚かれるとは思わず、逆に自分が驚いた。
「にゃははは、知り合いも何も、アドもオウブもシジセイも、ライファを恐れているニャ。アドが恐れた人物は、魔王とフォリスとライファとエマだけニャ」
「くはははは、ライファ様参りました。領都内の領兵の、家族の警護をお願いしてもよろしいですか?」
領主様はふたたび私を様呼びします。
でも、私はそれを受け入れることにした。
領主様の目に決意の光が宿っています。
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