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第百五十九話 力試し
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まだ夜の明けきらないデイラの領都の西側に来ています。
朝日が、デイラ領都の背中から少し顔を出し、世界がオレンジに輝いています。
メンバーは、うな重を食べた魔王の誇る最高幹部の皆さんです。
あれから誰も帰らず、同行しています。
僕が、「デイラさんはどんな作戦で、魔王軍と戦うつもりだったんですか」の一言でやってみる運びとなりました。
「アズサちゃん、本当に大丈夫なのか」
もう何度目かわかりませんが、デイラさんが心配してくれます。
それだけ自信のある作戦ということです。
デイラの領都の門の前に、デイラ魔法兵団が五千人整列しました。
魔法兵団の準備が整うと僕とクザンを置いて、全員で領都十五メートルの防壁の上に移動し、見物を決め込みました。
デイラ領都の周囲は広い荒野になっています。
弱い風が吹くだけで、砂が舞い上がり視界が悪くなります。
さーーっと風が通り過ぎました。
砂が舞い上がります。
防壁の上では同じ風でも少し強いようです。
女性陣がスカートを押さえています。
シュラさんはあまり恥ずかしく無いようで、何も押さえていません。
おかげで何もかも見えそうです。
フォルスさんが慌ててスカートを押さえています。
風がやみ、砂埃が消えて、はっきり魔法兵団の輪郭が見えるようになると、デイラさんが手を上げました。
「遠慮はいらない、ぶちかませーーーー!!!」
あらまあ、さっきまでの心配はどこへやら、楽しそうです。
魔法兵が手を前に出します。
「フルファイアーーー!!」
魔力全開でぶちかましてくるようです。
魔法兵の平均レベルは、十五位でしょうか。
1メートル程の魔法陣がいくつも浮かび上がります。
その魔法陣が、隣の魔法陣と融合しはじめました。
次々融合して、とうとう一つの巨大な魔法陣になります。
「随分時間がかかりましたね」
「そうですな、これでは逃げる時間が十分あります」
僕が言うと、クザンが答えてくれました。
ゴオオオオオオオーーーーー!!!
巨大な炎が襲いかかります。
ドラゴンのブレスよりは強そうですが、魔法陣の大きさからすると、僕が脅威に思うほどの威力は無いようです。
「クザンあれは、ダメージを受けますか」
「申し上げにくいですが、恐らくダメージは受けないかと」
「でしょうね」
どうやら、魔法の威力は足し算で増えるようです。
しかし、経験値も大きく関係しているようです。
五千人の経験値の総数は、フォルスさんがレベルをひとつあげる経験値よりはるかに少ないのでは無いでしょうか。
五千人の炎は僕とクザンにとっては温かな、心地よい風に感じました。
「デイラさん、温かな風をありがとうございます。そろそろ魔王を倒す秘策をお願いします」
「ぎゃあっーはっはっはっは」
デイラさんは大声を上げて転がっています。
朝日が、デイラ領都の背中から少し顔を出し、世界がオレンジに輝いています。
メンバーは、うな重を食べた魔王の誇る最高幹部の皆さんです。
あれから誰も帰らず、同行しています。
僕が、「デイラさんはどんな作戦で、魔王軍と戦うつもりだったんですか」の一言でやってみる運びとなりました。
「アズサちゃん、本当に大丈夫なのか」
もう何度目かわかりませんが、デイラさんが心配してくれます。
それだけ自信のある作戦ということです。
デイラの領都の門の前に、デイラ魔法兵団が五千人整列しました。
魔法兵団の準備が整うと僕とクザンを置いて、全員で領都十五メートルの防壁の上に移動し、見物を決め込みました。
デイラ領都の周囲は広い荒野になっています。
弱い風が吹くだけで、砂が舞い上がり視界が悪くなります。
さーーっと風が通り過ぎました。
砂が舞い上がります。
防壁の上では同じ風でも少し強いようです。
女性陣がスカートを押さえています。
シュラさんはあまり恥ずかしく無いようで、何も押さえていません。
おかげで何もかも見えそうです。
フォルスさんが慌ててスカートを押さえています。
風がやみ、砂埃が消えて、はっきり魔法兵団の輪郭が見えるようになると、デイラさんが手を上げました。
「遠慮はいらない、ぶちかませーーーー!!!」
あらまあ、さっきまでの心配はどこへやら、楽しそうです。
魔法兵が手を前に出します。
「フルファイアーーー!!」
魔力全開でぶちかましてくるようです。
魔法兵の平均レベルは、十五位でしょうか。
1メートル程の魔法陣がいくつも浮かび上がります。
その魔法陣が、隣の魔法陣と融合しはじめました。
次々融合して、とうとう一つの巨大な魔法陣になります。
「随分時間がかかりましたね」
「そうですな、これでは逃げる時間が十分あります」
僕が言うと、クザンが答えてくれました。
ゴオオオオオオオーーーーー!!!
巨大な炎が襲いかかります。
ドラゴンのブレスよりは強そうですが、魔法陣の大きさからすると、僕が脅威に思うほどの威力は無いようです。
「クザンあれは、ダメージを受けますか」
「申し上げにくいですが、恐らくダメージは受けないかと」
「でしょうね」
どうやら、魔法の威力は足し算で増えるようです。
しかし、経験値も大きく関係しているようです。
五千人の経験値の総数は、フォルスさんがレベルをひとつあげる経験値よりはるかに少ないのでは無いでしょうか。
五千人の炎は僕とクザンにとっては温かな、心地よい風に感じました。
「デイラさん、温かな風をありがとうございます。そろそろ魔王を倒す秘策をお願いします」
「ぎゃあっーはっはっはっは」
デイラさんは大声を上げて転がっています。
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