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第百六十三話 激戦の予感
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「ばか者ーー!! ライファ様にいつまでこんな格好をさせておくつもりだーー!!」
バルゼオめー、お前が全部やったんだよ!!
と言いたかったけど、私は恥ずかしい格好のままです。
何も言えません。
聖騎士隊が、バルゼオの剥ぎ取った服を拾って持ってきてくれました。
それを目にも止らぬ早業で着ましたが、これは寝間着です。
男の人に見られるのはやはり恥ずかしい格好です。
でも下着よりましですね。
「しかし、ライファ様に助けを求められるような、羨ましいお方がおられるとは嫉妬し過ぎますね」
やばい、助けを求めた声が、リョウキ様に聞かれていたみたいです。
でも誰かまでは聞かれなかったようです。
一夜明け、リョウキ様と、別れを惜しむバルゼオに避難民の事をお願いして、私達聖騎士は王都を目指しました。
「お疲れ様でした」
可愛いイルナ様に迎えられて、聖女屋敷に到着しました。
早馬で今回の戦いの結果は、私達より前に王都に届いているはずです。
王国騎士団の壊滅を天帝の勇者は鼻で笑ったそうです。
王都には無頼の、やからが大勢歩いています。
彼らは新たな王国騎士団に入る為に、集まっているとのことです。
「天帝の勇者は何を考えているのでしょうか?」
私が疑問をぶつけると、イルナ様は暗い表情になり首を振りました。
「あの方の考える事は私にはわかりません。ですが、このままにしておけないことだけは確かです」
「では!!」
私が少し喜ぶと。
「まだまだ、準備の最中ですが、私の力になってくれると約束してくれる有力者が増えてきました。じっくり力を蓄えたいと思います」
イルナ様が天帝の勇者との戦いは、まだまだ先と言っています。
ですが私は、イルナ様が天帝の勇者と戦う決意をされたことがうれしかった。
それと同時に内戦に苦しむことになる、国民の事を思うと心が苦しくなります。
「よう、魔王いるな!」
僕は週に一度、ここに座るように側近の方々に懇願されて座ることになりました。
魔王城に新たに用意された広い執務室です。
ファージさんが、戦況報告に来てくれました。
「いますよ!」
「不満そうだな」
「そうですね」
「まあ、そう嫌がるな。皆あんたに、心服している。この日に行けば会えるというのは必要だ」
ファージさんは恐い顔をしているのですが、今日は機嫌がいいのか恐さを感じません。
「で、今日の御用向きはなんですか?」
「ふふふ、デイラの周辺の領地だが、ギール率いる元王国騎士団とデイラ率いるデイラ兵団、イゴウ率いるロウロ兵団のおかげで、大きな戦闘も無く次々平定が進んでいる。おかげで、オウブ達がやることが無くて愚痴を言っている始末だ。次ぎ会う時には、平定が終っていると思うぞ。それを伝えたくてな」
「いよいよ、バルビロ領ですか」
「うむ」
「……」
僕とファージさんは無言になった。
バルゼオめー、お前が全部やったんだよ!!
と言いたかったけど、私は恥ずかしい格好のままです。
何も言えません。
聖騎士隊が、バルゼオの剥ぎ取った服を拾って持ってきてくれました。
それを目にも止らぬ早業で着ましたが、これは寝間着です。
男の人に見られるのはやはり恥ずかしい格好です。
でも下着よりましですね。
「しかし、ライファ様に助けを求められるような、羨ましいお方がおられるとは嫉妬し過ぎますね」
やばい、助けを求めた声が、リョウキ様に聞かれていたみたいです。
でも誰かまでは聞かれなかったようです。
一夜明け、リョウキ様と、別れを惜しむバルゼオに避難民の事をお願いして、私達聖騎士は王都を目指しました。
「お疲れ様でした」
可愛いイルナ様に迎えられて、聖女屋敷に到着しました。
早馬で今回の戦いの結果は、私達より前に王都に届いているはずです。
王国騎士団の壊滅を天帝の勇者は鼻で笑ったそうです。
王都には無頼の、やからが大勢歩いています。
彼らは新たな王国騎士団に入る為に、集まっているとのことです。
「天帝の勇者は何を考えているのでしょうか?」
私が疑問をぶつけると、イルナ様は暗い表情になり首を振りました。
「あの方の考える事は私にはわかりません。ですが、このままにしておけないことだけは確かです」
「では!!」
私が少し喜ぶと。
「まだまだ、準備の最中ですが、私の力になってくれると約束してくれる有力者が増えてきました。じっくり力を蓄えたいと思います」
イルナ様が天帝の勇者との戦いは、まだまだ先と言っています。
ですが私は、イルナ様が天帝の勇者と戦う決意をされたことがうれしかった。
それと同時に内戦に苦しむことになる、国民の事を思うと心が苦しくなります。
「よう、魔王いるな!」
僕は週に一度、ここに座るように側近の方々に懇願されて座ることになりました。
魔王城に新たに用意された広い執務室です。
ファージさんが、戦況報告に来てくれました。
「いますよ!」
「不満そうだな」
「そうですね」
「まあ、そう嫌がるな。皆あんたに、心服している。この日に行けば会えるというのは必要だ」
ファージさんは恐い顔をしているのですが、今日は機嫌がいいのか恐さを感じません。
「で、今日の御用向きはなんですか?」
「ふふふ、デイラの周辺の領地だが、ギール率いる元王国騎士団とデイラ率いるデイラ兵団、イゴウ率いるロウロ兵団のおかげで、大きな戦闘も無く次々平定が進んでいる。おかげで、オウブ達がやることが無くて愚痴を言っている始末だ。次ぎ会う時には、平定が終っていると思うぞ。それを伝えたくてな」
「いよいよ、バルビロ領ですか」
「うむ」
「……」
僕とファージさんは無言になった。
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