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第十四話 守りたいもの
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「まあ、見てくれ」
俺は机の上にあったクリップを、左手に持ち右手にコピーを出した。
「なるほど、すごいですね。どうなっているのですか」
「よく分からないが、体の中にある金属は液体なんだ」
「水銀の様な感じと言う事ですか」
「そうだな。そんな感じだ。だから形を自由に出来る」
「堅さとかはどうなんですか」
鉄は、熱処理によって堅さが変わる。
柳川はその事を言っている様だ。
「見本があれば、同じに出来る。逆に言えば図面で指定されても出来ない」
「なるほど。わかりました。……養鶏場に鉄工所、廃棄物処理場ですか」
「ああ、あとはスクラップ場もやりたい」
「車のスクラップですか」
「そうだな、そうすれば鉄の補給も出来る。廃棄物処理場も増やしたい」
「忙しくなりそうですね」
俺と柳川の話はずっと続いた。
あずさがいつの間にか学校から帰ってきて、横で宿題をしている。
夕方三人で食事をして、柳川との話は続いた。
「キャベツは百円、米は十キロ二千五百円の激安スーパーもやりたいし、フードロスを減らす為賞味期限ギリギリの商品も激安で売りたい」
「それじゃあ、町そのものを木田さんが運営する様なものですよ。ふふふ」
結局俺は、低所得者が住みやすい町を作りたいということらしい。
この時、柳川に着信があった。
すでに午前0時を過ぎている。
「な、なんだって!!」
柳川が顔面蒼白になり、唇がワナワナ震えている。
「どうした?」
柳川の様子があきらかにおかしい。
「い、いえ何でもありません」
「ゲンが俺には言わない様に言ったんだな」
「うっ」
「教えてくれ、柳川ほどの男がそこまで慌てる出来事なら、ただごとじゃねえ。俺に出来る事なら手助けしたい」
「実は、覚醒剤の取引を邪魔しようと潜入していた者達が捕まり人質になりました。それを助けようとゲンさんが現地へ向った様です」
か、覚醒剤、やばい予感しかしない。
「かたぎの人間が手出しする様なことじゃねえ、と、ゲンさんは言っているようです」
「覚醒剤の取引をしているわけじゃないんだな」
「ええ、ゲンさんは麻薬やドラッグを憎んでいます。だから徹底的に取引の妨害をしています。そのために命をいつも狙われているのです」
「ふーー、麻薬は俺も憎んでいる」
なぜなら、あずさの両親も麻薬で精神を壊し、あずさの心まで壊した。
そんな物の取引なら、俺もぶち壊したい。
だが、恐い。
「無理はしなくても大丈夫です。ゲンさんも言わなくていいと言っているのですから」
柳川が俺の表情を見て恐怖心を読み取った様だ。
情けない顔をしているのだろう。
「俺は、守りたい物が3つある。命より大事な物だ」
「は、はあ」
「一つ目はあずさだ。そして、二つ目は俺みたいな者を、兄弟とまで呼んでくれた男、ゲンだ。そして、三つ目は俺みたいな奴の馬鹿話を真剣に聞いてくれる男、柳川だ。この三人の命だけは、命を捨ててでも必ず守ると決めている」
「えっ」
まあ、人間関係が築けているのがこの三人だけとも言えるのだが。
なんだか、柳川が微妙な表情をしている。
少し照れくさくなった。
「場所を教えてくれ」
「それなら、一緒に行きましょう」
「いや、車で行ったら時間がかかりすぎる。俺は自分で走った方が速い」
柳川に地図情報をスマホにセットしてもらった。
俺は机の上にあったクリップを、左手に持ち右手にコピーを出した。
「なるほど、すごいですね。どうなっているのですか」
「よく分からないが、体の中にある金属は液体なんだ」
「水銀の様な感じと言う事ですか」
「そうだな。そんな感じだ。だから形を自由に出来る」
「堅さとかはどうなんですか」
鉄は、熱処理によって堅さが変わる。
柳川はその事を言っている様だ。
「見本があれば、同じに出来る。逆に言えば図面で指定されても出来ない」
「なるほど。わかりました。……養鶏場に鉄工所、廃棄物処理場ですか」
「ああ、あとはスクラップ場もやりたい」
「車のスクラップですか」
「そうだな、そうすれば鉄の補給も出来る。廃棄物処理場も増やしたい」
「忙しくなりそうですね」
俺と柳川の話はずっと続いた。
あずさがいつの間にか学校から帰ってきて、横で宿題をしている。
夕方三人で食事をして、柳川との話は続いた。
「キャベツは百円、米は十キロ二千五百円の激安スーパーもやりたいし、フードロスを減らす為賞味期限ギリギリの商品も激安で売りたい」
「それじゃあ、町そのものを木田さんが運営する様なものですよ。ふふふ」
結局俺は、低所得者が住みやすい町を作りたいということらしい。
この時、柳川に着信があった。
すでに午前0時を過ぎている。
「な、なんだって!!」
柳川が顔面蒼白になり、唇がワナワナ震えている。
「どうした?」
柳川の様子があきらかにおかしい。
「い、いえ何でもありません」
「ゲンが俺には言わない様に言ったんだな」
「うっ」
「教えてくれ、柳川ほどの男がそこまで慌てる出来事なら、ただごとじゃねえ。俺に出来る事なら手助けしたい」
「実は、覚醒剤の取引を邪魔しようと潜入していた者達が捕まり人質になりました。それを助けようとゲンさんが現地へ向った様です」
か、覚醒剤、やばい予感しかしない。
「かたぎの人間が手出しする様なことじゃねえ、と、ゲンさんは言っているようです」
「覚醒剤の取引をしているわけじゃないんだな」
「ええ、ゲンさんは麻薬やドラッグを憎んでいます。だから徹底的に取引の妨害をしています。そのために命をいつも狙われているのです」
「ふーー、麻薬は俺も憎んでいる」
なぜなら、あずさの両親も麻薬で精神を壊し、あずさの心まで壊した。
そんな物の取引なら、俺もぶち壊したい。
だが、恐い。
「無理はしなくても大丈夫です。ゲンさんも言わなくていいと言っているのですから」
柳川が俺の表情を見て恐怖心を読み取った様だ。
情けない顔をしているのだろう。
「俺は、守りたい物が3つある。命より大事な物だ」
「は、はあ」
「一つ目はあずさだ。そして、二つ目は俺みたいな者を、兄弟とまで呼んでくれた男、ゲンだ。そして、三つ目は俺みたいな奴の馬鹿話を真剣に聞いてくれる男、柳川だ。この三人の命だけは、命を捨ててでも必ず守ると決めている」
「えっ」
まあ、人間関係が築けているのがこの三人だけとも言えるのだが。
なんだか、柳川が微妙な表情をしている。
少し照れくさくなった。
「場所を教えてくれ」
「それなら、一緒に行きましょう」
「いや、車で行ったら時間がかかりすぎる。俺は自分で走った方が速い」
柳川に地図情報をスマホにセットしてもらった。
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