底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

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第四十六話 新しい仲間

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 俺がいくつかの人の気配を感じていると、愛美ちゃんとミサとシュラが帰って来た。
 ミサは胸に黄色いくちばしのマスコットの頭を持っている。
 シュラがその体を持っている。

 ――あいつらもかよー

 俺は、嬉しそうに持ち帰ってくるミサに近寄って、臭いを嗅いでみた。
 あずさのとは違って、臭いはそれほどきつくなかった。

「中を嗅いでみて」

 ミサが、首の穴を見せてきた。
 俺は、首の穴の臭いを嗅いでみた。

「ゲホッ、ゲホッ、くせーーーっ!」

 すごい、汗が腐敗した臭いがして臭かった。

「知ってる、この遊園地、マスコットの中には女の人しか入ってなかったのよ」

「えーーっ、こ、これが女の人の臭いー!!」

 し、信じられない、女の人からこんな臭いが出るのだろうか。

「あ、当たり前でしょ。女だって汗をかけば臭くなるわ。わ、私はならないけど」

 くそーミサの奴、また心を読んだな。
 俺は、本当かどうかミサを臭ってみた。

「少しにおうな」

「ばかーー!! ほんと信じられない!!!」

 本気で怒られた。
 俺は、臭いを嗅ぐと見せかけて、ミサに小声で誰にもわからないように話しかけた。
 本当は、ミサは見た目通りの良い匂いがしている。

「なあ、ミサ何か気配がしないか」

 ミサのテレパシーで気配を探ってもらおうと思ったのだ。

「まあ、二十人ほど、いるわね。でも影響は無いと思うわ」

 すでにミサは、気が付いているようだった。

「そうか。じゃあ大丈夫だな」

 ミサが言うなら間違いない。

「ほんとずるい人」

 ミサが赤い顔をして、文句を言っている。
 意味がよくわからないのでミサは放置して、俺は正座をしている、悪党共の所に戻った。
 いつまでも放置は出来ない。

「さて、お前らは、強盗の現行犯だ。すでに国家が崩壊している今、お前達に裁判など受ける権利は無い」

「好きにしろ、いつかこうなる事は覚悟できている」

「お前達もか?」

 ゴリラの部下にも聞いて見た。
 自分たちの立場が理解出来ているのか、震えながら下を向いている。

「ゲン一家のルールじゃあ。敵は全員皆殺しだ。だろゲン」

 俺はゲンの顔を見た。
 ゲンの顔は無表情だ。
 ゴリラたちも俺につられてゲンの顔を見た。

「ヒッ」

 その顔がかえって怖かったようだ。
 小さく悲鳴を上げた。
 俺がすぐに殺さないのは、本当は殺したくないからだ。
 ゴリラが命乞いをして、ゲンの部下になってくれないかなと考えている。
 でも、それが無いのなら,やはり強盗は死刑かな。

「お前達の覚悟もちゃんと聞きたい! 答えろ!」

 俺は、黙ってうつむいて震えている部下に答えるように言った。

「俺たちはどうなってもかまわない。リラさんだけは助けて欲しい」

「はあーーーっ」

 思わぬ返事がかえってきた。

「待ってーーー!!」

「!?」

 とうとう隠れている影が出て来た。
 それは、みすぼらしいガリガリに痩せた、五歳から十歳位の子供達だった。
 正座する悪党共のまわりを囲んで両手を広げた。

「お前達、なんで、なんで、出て来たー! こいつらは、血も涙も無い悪党だ! 皆殺しにされる。うおーーーっ!!!」

 リラと呼ばれたゴリラが泣きだした。
 あっ、ゴリラだからリラか。
 そーじゃない、そんなことはどうでもいい。
 こいつら俺たちを悪党言いやがった。

「リラ、なんか、勘違いしているようだが、俺たちは悪い悪党じゃ無いよ」

 し、しまったー。悪い悪党じゃ無いって、どんな悪党だよー。

「何だお前、悪い悪党じゃ無いって、馬鹿なのかよー」

 なんちゅー口の悪いガキだー!

「ガキが、生意気言ううんじゃねえ。これだから男の子はかわいげが無いんだ」

 子供に正論を言われて、反射的に返してしまった。

「あ、あの、こいつら全員女の子なんですけど」

 リラが涙を拭きながら言った。

「そ、そうなの?」

 そうやって聞けば、なんか可愛らしい。

「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」

 子供達が化け物を見たみたいに怯えている。
 くそーーっ、俺の顔はそんなに酷いのかよ。
 少し微笑んだだけだろー。

「リラ、おめーさんはこの子供達の為に、食料をよこせと言ってきたのか?」

 俺では話しが進まないと思ってか、ゲンがリラに話しかけた。
 それとも、もしかして子供が出て来たからかな。考えすぎか。

「そ、そうだ!!」

「ふん、じゃあ、女をよこせとは、どういう了見だ! 夜のお伴にでもするつもりだったのか?」

「ち、違う。こいつらがお母さんを……。いやそんなことはどうでもいい。ゲンさん、俺は八つ裂きにされても恨まねえし、文句も言わねえ。でも、この不憫な子供達だけは助けて欲しい」

「だそうだ、兄弟どうする?」

 俺は、感動している。
 こんな世界で、必死で子供を守っている男がいた。
 すでに、心の友よーと言って、抱きつきたいぐらいだ。

 ここまで考えて、ハッとした。ミサのことが気になったのだ。
 ミサの顔を見たら、口がジャイ○ンかよって動いている。
 だから、心をよむなー。

「条件がある。ゲン一家の一員となって、ゲン一家の中で一番働くんだ、働けば働いただけその報酬として、子供達に食料を与えよう」

「はははーーっ、殿様ーー!! ありがとうごぜえますだーー!!」

 おーい、殿様と農民みたいになっているぞー。
 だから、殿様はやめろよなーまじでー。

「殿様ーーー!! この子達おなか空いているってー!! ご飯食べさせてもいいー?」

 なーーっ! 
 あずさまで殿様呼びをしているよー。
 可愛い顔して、いい笑顔だなー。
 って、俺の返事を待たずにもう食べさせているじゃねえかよー。
 殿様って、言いたいだけじゃねえかー。
 ガッカリだぜ。
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