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第百十六話 アメリカ旅行の準備
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「とうさん、ここにブワッと空気を入れてください」
あずさは、岐阜城の前に結界を作ると、一カ所手が入るくらいの穴を開けた。
俺はそこに手を入れると、空気を送り込んだ。
「これで良いのか?」
「うん、ありがとう。これで煙たくなくなったわ」
金華山山頂は、山火事状態で明るくて良いのだが、煙がすごい。
あずさは、俺を空気清浄機代わりにしたのだ。
空気が綺麗になると、ビニールシートを敷き、うな重を用意している。
こんな夜中に重い夜食を食べるつもりのようだ。
「とうさんは来ないの?」
「ああ、俺には美女五人はまぶしすぎる。五人で楽しんでくれ。それに試したいことがあるしな」
「うふふ、変態研究ね」
俺は、桜木と戦ってみて、この四人のコスチュームが物足りなく感じている。
高く見積もって互角、恐らく逃げる以外では桜木に勝るスペックはないだろう。
俺は、コスチュームの性能を上げなくては安心出来ない。
この無邪気な美女四人を死なせてはならないと思っているのだ。
アダマンタイトのインゴッドのブロックを出した。
ミスリルは、魔法適性が高く、魔力を加えやすい。
対して、アダマンタイトは適性が無く魔力を加えられない。
このコスチュームは、六十パーセントのアダマンタイトに四十パーセントのミスリルの合金で、四十パーセントのミスリルの方に魔力を入れている。
だが、高出力の魔力を、無理矢理アダマンタイトにねじ込んだらどうなるのだろうか?
これを実験しようと考えているのだ。
実験なので、一メートル四方のアダマンタイトのインゴッドブロックに手を当て、魔力を込めていく。
俺の魔力は、最初あずさから分けてもらった魔力しか無かったが、今では俺の中の蜂蜜さんが魔力を大量に生産してくれている。
その魔力をグイッとブロックに送り込んだ。
パーーーーン
「うおっ」
「うわあああーーーー」
漆黒のアダマンタイトが金色に輝き、金色の花火のように破裂音と共にはじけ飛んだ。
俺も、美女達も驚いた。
「な、何をしているのですか。驚いて大事な、うな重を落としそうになりました」
「悪い,悪い。……じゃねーーんだよ。だから一人でやりてーーんだ。集中したいからー。文句があるなら名古屋へ帰りゃあがれ」
「私達の事は気にしないで頑張ってください」
しかし、よかった。
あずさが結界を張っていてくれたおかげで、けがをしなかったようだ。
今ので、アダマンタイトにも魔力を入れる事が出来るのが分かった。
さっきは入れすぎただけだ。
再度アダマンタイトのブロックを出して、試して見る。
「あずさちゃん、すごーーい。それ三杯目でしょ。そんな小さなおなかのどこに入るのー」
全員が驚いている。
あずさは昔から、大食いだからなあ。
じゃねーんだよ。
集中出来ねー。
はぁーっ、集中、集中。
集中して微調整しながら、魔力を込める。
「ふむ、やはり、アダマンタイトにも魔力を入れる事が出来るようだ」
かなりの強力な魔力を必要とするが、アダマンタイトも魔力をぶち込めるようだ。
後でコスチュームの改造をしておこう。
「さて、そろそろ火を消さんと山が丸焼けになる。雨を降らすぞ」
「えーーっ、そんなことも出来るのですか!!」
あずさ以外の四人が驚いている。
「水を空からまくだけだ簡単だろう」
俺は手を空に向けて、水を出す魔法を使った。
心の中でウォーターボールと叫びながら。
あずさはうなずいているが、四人は空を見上げ大きな口を開けている。
バサッ
あーしまった。
空に巨大な水の玉を作って、落としたものだから大変な事になる。
辺り一面、ゲリラ豪雨より酷い状態になったのだ。
何しろ巨大な水の固まりが落ちてきたのだから。
俺は、体を山の木にぶつけながら流された。
美女達は大丈夫かと心配であわてて戻ってみれば、結界に守られて涼しい顔でモグモグうな重を食っていた。
俺だけビチャビチャだ。
やれやれだぜ。
翌日、尾張から二十人ほどの人を岐阜城に入れ、岐阜城も管理する事にした。
「とうしゃーーん」
金髪、碧眼の少女アメリちゃんが尾張名古屋城を訪ねて来た。
「おお、アメリちゃーーん」
俺はあまりにも可愛いアメリちゃんを見付けて、駆け寄り脇の下に手を入れ持ち上げていた。
「セクハラです」
あずさの機嫌が一瞬で悪くなった。
「しょろしょろです」
「んっ!?」
「しょろしょろ、アメリカへ行かにゃいといけましぇん」
すでに季節は、秋になっていた。
アメリカのトウモロコシの収穫がやって来たのだ。
「よしじゃあ行こう。あずさー!!」
「はあーーっ、『あずさー』じゃないですよ! 何を言っているのですか。近所のコンビニへ行くのじゃないですからね」
ミサが怒っている。
「あーっ、ごめん、ごめん。ミサでいいや。テレポートでアメリカへ移動してくれ」
「ちがーーう。ミサでいいや、も失礼ですが。そういうことではありません。折角行くのですから、ちゃんとして下さい」
「はあーっ、何を言っているのか分からん。いったい何を言っているんだ」
「とうさん、アメリカへ行くのなら、UFOでと言う事です」
「はああー、めんどくせー。ぱぱっと済まそうぜー」
「あずさちゃん、呼ぶメンバーは前回と一緒でいいのかしら」
「そうですねえ」
「私も行きまーーす」
ヒマリと古賀さんが参加の表明をした。
あー、まただ。俺の意見など聞いちゃあいねえ。
無視されました。
まあ、皆が楽しそうならいいか。
こうして、アメリカ行きの準備が始まった。
あずさは、岐阜城の前に結界を作ると、一カ所手が入るくらいの穴を開けた。
俺はそこに手を入れると、空気を送り込んだ。
「これで良いのか?」
「うん、ありがとう。これで煙たくなくなったわ」
金華山山頂は、山火事状態で明るくて良いのだが、煙がすごい。
あずさは、俺を空気清浄機代わりにしたのだ。
空気が綺麗になると、ビニールシートを敷き、うな重を用意している。
こんな夜中に重い夜食を食べるつもりのようだ。
「とうさんは来ないの?」
「ああ、俺には美女五人はまぶしすぎる。五人で楽しんでくれ。それに試したいことがあるしな」
「うふふ、変態研究ね」
俺は、桜木と戦ってみて、この四人のコスチュームが物足りなく感じている。
高く見積もって互角、恐らく逃げる以外では桜木に勝るスペックはないだろう。
俺は、コスチュームの性能を上げなくては安心出来ない。
この無邪気な美女四人を死なせてはならないと思っているのだ。
アダマンタイトのインゴッドのブロックを出した。
ミスリルは、魔法適性が高く、魔力を加えやすい。
対して、アダマンタイトは適性が無く魔力を加えられない。
このコスチュームは、六十パーセントのアダマンタイトに四十パーセントのミスリルの合金で、四十パーセントのミスリルの方に魔力を入れている。
だが、高出力の魔力を、無理矢理アダマンタイトにねじ込んだらどうなるのだろうか?
これを実験しようと考えているのだ。
実験なので、一メートル四方のアダマンタイトのインゴッドブロックに手を当て、魔力を込めていく。
俺の魔力は、最初あずさから分けてもらった魔力しか無かったが、今では俺の中の蜂蜜さんが魔力を大量に生産してくれている。
その魔力をグイッとブロックに送り込んだ。
パーーーーン
「うおっ」
「うわあああーーーー」
漆黒のアダマンタイトが金色に輝き、金色の花火のように破裂音と共にはじけ飛んだ。
俺も、美女達も驚いた。
「な、何をしているのですか。驚いて大事な、うな重を落としそうになりました」
「悪い,悪い。……じゃねーーんだよ。だから一人でやりてーーんだ。集中したいからー。文句があるなら名古屋へ帰りゃあがれ」
「私達の事は気にしないで頑張ってください」
しかし、よかった。
あずさが結界を張っていてくれたおかげで、けがをしなかったようだ。
今ので、アダマンタイトにも魔力を入れる事が出来るのが分かった。
さっきは入れすぎただけだ。
再度アダマンタイトのブロックを出して、試して見る。
「あずさちゃん、すごーーい。それ三杯目でしょ。そんな小さなおなかのどこに入るのー」
全員が驚いている。
あずさは昔から、大食いだからなあ。
じゃねーんだよ。
集中出来ねー。
はぁーっ、集中、集中。
集中して微調整しながら、魔力を込める。
「ふむ、やはり、アダマンタイトにも魔力を入れる事が出来るようだ」
かなりの強力な魔力を必要とするが、アダマンタイトも魔力をぶち込めるようだ。
後でコスチュームの改造をしておこう。
「さて、そろそろ火を消さんと山が丸焼けになる。雨を降らすぞ」
「えーーっ、そんなことも出来るのですか!!」
あずさ以外の四人が驚いている。
「水を空からまくだけだ簡単だろう」
俺は手を空に向けて、水を出す魔法を使った。
心の中でウォーターボールと叫びながら。
あずさはうなずいているが、四人は空を見上げ大きな口を開けている。
バサッ
あーしまった。
空に巨大な水の玉を作って、落としたものだから大変な事になる。
辺り一面、ゲリラ豪雨より酷い状態になったのだ。
何しろ巨大な水の固まりが落ちてきたのだから。
俺は、体を山の木にぶつけながら流された。
美女達は大丈夫かと心配であわてて戻ってみれば、結界に守られて涼しい顔でモグモグうな重を食っていた。
俺だけビチャビチャだ。
やれやれだぜ。
翌日、尾張から二十人ほどの人を岐阜城に入れ、岐阜城も管理する事にした。
「とうしゃーーん」
金髪、碧眼の少女アメリちゃんが尾張名古屋城を訪ねて来た。
「おお、アメリちゃーーん」
俺はあまりにも可愛いアメリちゃんを見付けて、駆け寄り脇の下に手を入れ持ち上げていた。
「セクハラです」
あずさの機嫌が一瞬で悪くなった。
「しょろしょろです」
「んっ!?」
「しょろしょろ、アメリカへ行かにゃいといけましぇん」
すでに季節は、秋になっていた。
アメリカのトウモロコシの収穫がやって来たのだ。
「よしじゃあ行こう。あずさー!!」
「はあーーっ、『あずさー』じゃないですよ! 何を言っているのですか。近所のコンビニへ行くのじゃないですからね」
ミサが怒っている。
「あーっ、ごめん、ごめん。ミサでいいや。テレポートでアメリカへ移動してくれ」
「ちがーーう。ミサでいいや、も失礼ですが。そういうことではありません。折角行くのですから、ちゃんとして下さい」
「はあーっ、何を言っているのか分からん。いったい何を言っているんだ」
「とうさん、アメリカへ行くのなら、UFOでと言う事です」
「はああー、めんどくせー。ぱぱっと済まそうぜー」
「あずさちゃん、呼ぶメンバーは前回と一緒でいいのかしら」
「そうですねえ」
「私も行きまーーす」
ヒマリと古賀さんが参加の表明をした。
あー、まただ。俺の意見など聞いちゃあいねえ。
無視されました。
まあ、皆が楽しそうならいいか。
こうして、アメリカ行きの準備が始まった。
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