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第百二十三話 駿河公認アイドル ピーツイン
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パン! パン!
発砲音がします。その音に合わせて古賀さんが手を動かします。
まるで銃弾を手ではじき返すように。
実際は、全部体に当たってつぶれた弾が下に落ちているだけです。
でもなんだか、手で受け止めたように見えます。
「なっ、なにぃーーっ!! お前達ぼやっとするんじゃねえ!! 全員撃てーーっ!!」
「おっ、おおーっ」
敵対勢力の男達は、隊長の命令に呼応して、発砲し始めました。
全部で隊長含め十三人です。
パン、パン
古賀忍軍は九人います。古賀さんを含めると丁度十人。
私とヒマリちゃんを加えると、味方は十二人です。
とうさんはきっと、駿河のマグロ祭りに合せて、古賀さんに忍者コスチュームを作って渡しておいたのだわ。
――こんなこともあろうかと
とうさんの声が聞こえた気がします。
私とヒマリちゃん、九人の紫影にそれぞれ一人ずつ、古賀さんにもう一人が発砲を始めました。
パパパパーーン
遠慮無く撃ってきますが、効果はありません。
とうとう弾切れになりました。
「おっ、お前達は…… いっ、いったい何者なんだーーーっ!!!!」
隊長が驚きを隠せません。
「ふっふっふっ、とうとう、その言葉を言ってしまいましたね」
私とヒマリちゃんと、古賀さんの声が重なりました。
「私達はーーー!!!」
三人の声はそろい、大きく響きます。
「シンアンナメーダーマン!!」
「尾張忍者、黃影!!」
「駿河古賀忍軍首領、紫影!!」
三人がここはそろいませんでした。バラバラです。
「いっ、一緒に言ったら、何を言ったのか分からないぞ」
隊長は何を言ったのか分からなかったようです。
「隊長、黒いメイド服は、アンナメーダーマンと言ったようです」
「隊長、黄色の模様の入った忍者は、こうえい、と言いました」
「隊長、紫の模様の忍者は、しえい、と言いました」
配下の男達が、自分の前の言葉は拾っていたようです。
「全員バラバラなのかよう。お前達、ナイフを出せーー!!」
服の中から、サバイバルナイフでしょうか、少し大きめのナイフを出しました。
「行けぇーーっ!!」
「おおっーー」
全員が襲いかかってきました。
「がふっ」
私は、目の前に来た男の胸を素早く手のひらで押しました。
ピューッとすごい勢いで飛んで行きました。
「ひ、酷い」
ヒマリちゃんが飛んで行って、倒れた男を見てつぶやきました。
他の人達は目の前で男が倒れています。
ピューッと飛んで行ったのは、私に襲いかかった男だけです。
これでも優しくしたんですよーー!!
私は変身すると力が強くなりすぎるようです。
敵の隊長には、古賀さんが華麗な蹴りを顔面に入れました。
やったーー。
スカートがひっくり返って、エッチな紐パンが丸出しになっています。
薄い紫色の紐のパンツはとてもエッチです。
古賀さんは恥ずかしそうにスカートをなおします。
「なんだか、コスチュームの上に、はいているのに恥ずかしいわ」
それは、そんなパンツをはいているからです。
「引っ捕らえろ!!」
尾野上隊長が、近くに待機していた護衛の、今川家の兵士を連れて戻って来て、賊を連行していきました。
「うおおおおおおーーーーーー!!!!」
オタクの大きいお兄さんから盛大な声援が上がりました。
逃げて下さいと言ったのに近くにいたみたいです。
その後、お客さんの声援で忍者アイドルとメイドアンナメーダーマンの十二人勢揃いのステージをやらされました。
紫影のお姉さん達のエッチなパンツが見える度に、客席の声援が大きくなります。
お客さんは大変満足してくれたようです。
とうさんはこのためにコスチュームの上に、パンツをはかせたのでしょうか。
だとすれば、恐ろしい人です。
「すげーー!! ピッチピチのコスチュームにあのパンツは反則だぜ! 考えた奴は神だぜ!」
オタクの大きいお兄さん達が頬を赤らめて言っています。
神ではなく、ただの豚です。
――じゃ、ないですーーっ!!
私はこんなことをしている場合ではないのです。
とうさんを探しているのです。
「あのー、尾野上さん」
「はい」
「とうさんを知りませんか」
「あずきちゃんは、大田さんを探しているのですか。確か、マグロを持って来てくれたのは三日程前でした。ついでに祭りの警備用にと、古賀さんにあのコスチュームを、五十枚置いていってくださいました。ですがあれ、男用はないのですよね」
全くあきれました。
とうさんはきっとパンツのことしか考えてなかったようです。
でも、とうさんの場合は美しさを求めてやっている気もしますけど。
この後、はるさんや、今川の殿様にも聞きましたが、次の行き先は言っていなかったようです。
すぐに次へ行こうとしたら、もう一日祭りがあるから手伝って欲しいと言われて、お店でお泊まりとなりました。
翌日のステージは、お城の近くの会館で本格的なステージでした。
お客様も一杯いて、少し圧倒されました。
ここで、今川の殿様に
「駿河今川家公認アイドル、ピーツイン!」
と、公認アイドルとして紹介されました。
ヒマリちゃんが可愛すぎるので、ステージは最高に盛り上がりました。
とても楽しかったです。アイドルになるのは女の子の夢ですからね。
結局、駿河を後にしたのは翌日でした。
発砲音がします。その音に合わせて古賀さんが手を動かします。
まるで銃弾を手ではじき返すように。
実際は、全部体に当たってつぶれた弾が下に落ちているだけです。
でもなんだか、手で受け止めたように見えます。
「なっ、なにぃーーっ!! お前達ぼやっとするんじゃねえ!! 全員撃てーーっ!!」
「おっ、おおーっ」
敵対勢力の男達は、隊長の命令に呼応して、発砲し始めました。
全部で隊長含め十三人です。
パン、パン
古賀忍軍は九人います。古賀さんを含めると丁度十人。
私とヒマリちゃんを加えると、味方は十二人です。
とうさんはきっと、駿河のマグロ祭りに合せて、古賀さんに忍者コスチュームを作って渡しておいたのだわ。
――こんなこともあろうかと
とうさんの声が聞こえた気がします。
私とヒマリちゃん、九人の紫影にそれぞれ一人ずつ、古賀さんにもう一人が発砲を始めました。
パパパパーーン
遠慮無く撃ってきますが、効果はありません。
とうとう弾切れになりました。
「おっ、お前達は…… いっ、いったい何者なんだーーーっ!!!!」
隊長が驚きを隠せません。
「ふっふっふっ、とうとう、その言葉を言ってしまいましたね」
私とヒマリちゃんと、古賀さんの声が重なりました。
「私達はーーー!!!」
三人の声はそろい、大きく響きます。
「シンアンナメーダーマン!!」
「尾張忍者、黃影!!」
「駿河古賀忍軍首領、紫影!!」
三人がここはそろいませんでした。バラバラです。
「いっ、一緒に言ったら、何を言ったのか分からないぞ」
隊長は何を言ったのか分からなかったようです。
「隊長、黒いメイド服は、アンナメーダーマンと言ったようです」
「隊長、黄色の模様の入った忍者は、こうえい、と言いました」
「隊長、紫の模様の忍者は、しえい、と言いました」
配下の男達が、自分の前の言葉は拾っていたようです。
「全員バラバラなのかよう。お前達、ナイフを出せーー!!」
服の中から、サバイバルナイフでしょうか、少し大きめのナイフを出しました。
「行けぇーーっ!!」
「おおっーー」
全員が襲いかかってきました。
「がふっ」
私は、目の前に来た男の胸を素早く手のひらで押しました。
ピューッとすごい勢いで飛んで行きました。
「ひ、酷い」
ヒマリちゃんが飛んで行って、倒れた男を見てつぶやきました。
他の人達は目の前で男が倒れています。
ピューッと飛んで行ったのは、私に襲いかかった男だけです。
これでも優しくしたんですよーー!!
私は変身すると力が強くなりすぎるようです。
敵の隊長には、古賀さんが華麗な蹴りを顔面に入れました。
やったーー。
スカートがひっくり返って、エッチな紐パンが丸出しになっています。
薄い紫色の紐のパンツはとてもエッチです。
古賀さんは恥ずかしそうにスカートをなおします。
「なんだか、コスチュームの上に、はいているのに恥ずかしいわ」
それは、そんなパンツをはいているからです。
「引っ捕らえろ!!」
尾野上隊長が、近くに待機していた護衛の、今川家の兵士を連れて戻って来て、賊を連行していきました。
「うおおおおおおーーーーーー!!!!」
オタクの大きいお兄さんから盛大な声援が上がりました。
逃げて下さいと言ったのに近くにいたみたいです。
その後、お客さんの声援で忍者アイドルとメイドアンナメーダーマンの十二人勢揃いのステージをやらされました。
紫影のお姉さん達のエッチなパンツが見える度に、客席の声援が大きくなります。
お客さんは大変満足してくれたようです。
とうさんはこのためにコスチュームの上に、パンツをはかせたのでしょうか。
だとすれば、恐ろしい人です。
「すげーー!! ピッチピチのコスチュームにあのパンツは反則だぜ! 考えた奴は神だぜ!」
オタクの大きいお兄さん達が頬を赤らめて言っています。
神ではなく、ただの豚です。
――じゃ、ないですーーっ!!
私はこんなことをしている場合ではないのです。
とうさんを探しているのです。
「あのー、尾野上さん」
「はい」
「とうさんを知りませんか」
「あずきちゃんは、大田さんを探しているのですか。確か、マグロを持って来てくれたのは三日程前でした。ついでに祭りの警備用にと、古賀さんにあのコスチュームを、五十枚置いていってくださいました。ですがあれ、男用はないのですよね」
全くあきれました。
とうさんはきっとパンツのことしか考えてなかったようです。
でも、とうさんの場合は美しさを求めてやっている気もしますけど。
この後、はるさんや、今川の殿様にも聞きましたが、次の行き先は言っていなかったようです。
すぐに次へ行こうとしたら、もう一日祭りがあるから手伝って欲しいと言われて、お店でお泊まりとなりました。
翌日のステージは、お城の近くの会館で本格的なステージでした。
お客様も一杯いて、少し圧倒されました。
ここで、今川の殿様に
「駿河今川家公認アイドル、ピーツイン!」
と、公認アイドルとして紹介されました。
ヒマリちゃんが可愛すぎるので、ステージは最高に盛り上がりました。
とても楽しかったです。アイドルになるのは女の子の夢ですからね。
結局、駿河を後にしたのは翌日でした。
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