底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

文字の大きさ
132 / 428

第百三十二話 美術館でちょっぴり趣味の時間

しおりを挟む
 祭りは十日後の土日と決り、今川家が指揮をとり祭りの準備が進んだ。
 陸奥に残された人々は、思いのほか多い。
 仙台は活気を取り戻しているようだ。
 俺は、米の収穫と、鉄道の整備で忙しかった。

 仙台の事など何も知らない俺は、駅前でやればいいやと思っていたが、駅から城までが遠い遠い、歩きでは無理だ。
 地下鉄まで動かすことになった。
 列車は、東京から名古屋まで動かしているのでノウハウがある。
 とりあえず福島から青森までをつないだ。

 仙台駅からは国際センターまでの地下鉄だが、地下鉄は初めてだ、ある程度明かりがいる。真っ暗では本当に何も見えない。
 城趾公園付近が祭りの会場になる予定だ。
 公園の近くにコンサートホールが有り、ここで駿河公認アイドルのコンサートがあると宣伝されている。

「私まで歌を歌うことになったわ」

 ミサが俺の所に来て上機嫌だ。

「ミサが歌うのか、これで歌がうまかったら俺は神を恨むぜ」

 俺は不細工な上に音痴だ、俺が歌を歌うと爆笑になる。
 必死で歌えば歌うほど、全員が笑い出し、仕舞いには呼吸困難になってヒーヒー言い出し、死にそうになる。
 ここまで酷い音痴は、聞いた事が無いそうだ。

「あら、私は結構うまいって褒められるわ」

 やれやれだぜ。美人で、プロポーションが良くて歌までうまい。
 俺は顔が悪くて、デブで、音痴だ。
 どれか一つ位、交換してほしいもんだ。
 そうすりゃあ、もう少しまっとうな人生を、歩けていたかもしれない。

「いいなあーミサは、俺にないものを全部持っている。うらやましいぜ。よし、これで地下鉄も完成だ。ミサも付き合うだろ」

「もちろんよ」

 ミスリル製の機関車に、ステンレスの客車、一応貨物車も連結した。
 試運転は順調だ。
 ミスリルのランプも丁度いい。

「よし、これなら完成で良いだろう」

「すごいわ。本当にすごい」

 ミサが、頬を赤くしてウルウルした目で見つめて来る。
 まるで、不細工でデブで音痴でも、こういうオタクな技術があるじゃないと言っているようだ。
 褒められている気がしねーー。

「うおおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!! すげーー!!」

 独眼竜の殿様が国際センター駅のホームで大声を出している。
 結構な見物人がいる。

「お殿様、この度は大田大商店の列車を導入していただきまして、ありがとうございます」

 大殿とか言い出さないように釘をさしておいた。

「き、きだ、じゃねえ。お、大田殿、すばらしい。電気もねえのに何で動くのかわからねえが、すげえ」

 釘をしっかり刺したのに間違えそうになりゃあがった。

「ほっほっほっ、お褒めにあずかり光栄です。よろしければ御試乗されますか?」

「するする……大殿、これはあれですか、暴れん坊な、あれとか水戸な、あれとかと同じようなあれですか?」

「ちがうわーー、バレると命を狙われたりとか、いろいろめんどーくせーからだよ!! ではなく面倒だからです」

 独眼竜がすれ違いざまに小声で、アホなことを聞いて来たので、思わず大声が出てしまった。

 俺はミサとシュラと、そのまま国際センターの駅を出て、県の美術館に寄った。
 あまり時間は無いが、俺自慢の美術品を寄贈する為だ。
 さすがに美術館だけの事はある。
 玄関に行き着くまでが、こった作りで、キョロキョロしてしまった。

 そして、玄関を入り、高い天井になっているところで、赤く美しい機動戦闘陸鎧天夕改を作り置いた。
 これにはゴーレムの魔法は入れずただの展示物にした。
 だが、原寸大で今にも動きそうな状態にした。

 その隣に、シュラを作った。
 こちらも、魔法は施さず、ただの実物大のフィギュアにした。
 そして、パンツを出した。純白のぱんちいだ。
 もう、ニヤニヤが止まらない。

「あんたねえ、その顔はだめだわ」

「ぎゃーーーっ!!」

 しまったー。ミサがいるのを忘れていた。
 つい、自分の世界に入ってしまったー。
 でも、この位の御褒美はあってもいいよねえ。

「ふん、これでよろこばねえ豚は、ただの豚だぜ!!」

「あっそ、シュラちゃん! 私達今日は、仙台観光をした方がいいみたい。行きましょ。どうぞお好きにやって下さい」

「そっ、そっかー。わりーな」

「ばっかじゃ無いの、こんな美人二人をほっぽり出して趣味の方が楽しいなんて、呆れてものが言えないわ」

 シュラは何度も振り返ったが、ミサはプリプリ怒っていってしまった。
 まあ、そう言いながらミサはきっと気を使ってくれたはずだ。
 だってよー、ほんとずっと働いていたからよー。

 この後、尾張黒鋼深山胴丸具足と真田の赤備えを作った。
 甲冑の後は、オリハルコンと、アダマンタイトのブレードを作り飾った。
 すべて魔法は何も加えていない。ただの美術品だ。

 そして、ミニチュアの鉄道模型だ。
 大きなテーブルも置いて、これには魔法を加えて動くようにした。
 今まさに、地下を走っている地下鉄の模型だ。

 これだけでもずいぶん場所を取ってしまった。
 名匠大田大作の美術品の数々だ。
 折角作ったんだ誰か見てくれねーかなー。

 折角作っても誰にも見てもらえねーと、さみしいもんなー。
 折角何十万字も文章を書いても、誰にも読んでもらえねー作家の気持ちになっちまう。

「兄弟、探したぜ! ちょっといいか?」

 ゲンが来た。なんの用だろう?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...