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第二百十三話 星空の照明
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「食糧探しを始めた俺達は、すぐにあいつらの食糧倉庫を見つけたんだ。色々なところから集められた食糧が、倉庫に詰め込まれていたんだ。見張りは夜より昼間の方が少ないから、昼間に忍び込んで、少しずつ奪ったんだ。同じ所に隠すと、バレたときに一度で終ってしまうから、いろんな所に隠したんだよ」
「なるほど、頭が良いな」
「でもね、さすがに何日も続けたら、気が付いたみたい。待ち伏せをされて仲間が三人殺されちゃった。食べ物を運んでいるところを後ろから容赦無く撃たれて死んじゃったんだ。俺は運良く助かったんだ。皆より前を走っていたから助かっただけ、本当に運だったんだ。この時思ったんだ。食糧を確保するためには情け容赦は入らないって、ためらったら自分がやられるってね」
「ふむ」
「倉庫の警戒が厳重になってしまったから、今度は運搬している所を襲うことにしたんだ。少人数で運んでいる運搬部隊を狙ったんだ。奪うときは情け容赦なく、奪ったんだよ。あいつらがやっていることさ、やらなきゃ幼い兄弟が飢死しちゃうからね。そんな時、隠れ家を壊している冴子さんに会ったんだ。
『お前達は、こんな所に子供だけで住んでいるのか?』
『そうさ、大人の男の人は殺されて、女の人は連れて行かれたからね』
『そうか』冴子さんは悲しそうな顔をしたんだよ。
『うん』
『ちょっと、ここで待っていろ』
そう言うと、冴子さんは何処かへ行ってしまったんだ。
しばらくすると帰って来て
『おーい、ガキ共ー』
『なんだよ、大きな声で呼ぶなよ。見つかっちゃうだろ』
『済まない、許しておくれ。その代わりこれをやる』
冴子さんは、まだ温かいおにぎりをいっぱい持って来てくれたんだ。
『ありがとう』
本当に嬉しかったんだ。温かい食べ物は久しぶりだったからね。
『このあたりは、もうじき壊すから、もっと遠くで隠れるんだ。私以外には見つからないようにな』
『うん』
この時には、伊藤と江藤っていう、冴子さんの弟子も、街を壊していたんだ。冴子さんは伊藤と江藤に見つかるなって教えてくれたんだよ」
「そうか。あのパンツ女、優しいんだな」
「そうさ、優しいんだ。しばらくすると伊藤が何故かいなくなって、その後江藤がいなくなったんだ。二人がいなくなると冴子さんは一人で街を壊していたんだよ。時々再会すると。
『元気か?』
『僕はね。弟が二人病気で死んじゃった』
『そうか。少し待っていろ』悲しそうな顔をすると、俺達に食べ物を持って来てくれるんだ。
『ありがとう』
『元気でな。このあたりも、じきに壊すまた少し遠くへ行くんだ』
俺達は、場所を移したんだ。
そしたら、その途中で伊藤か江藤が半分壊したビルを見つけて、そこを利用することを考えついたんだ」
たぶんいなくなった伊藤と江藤は、サイコ伊藤とエスパー江藤のことだろう。
「それが、あれか」
仲間の子供が、壊れたビルに閉じ込められて困っている振りをして、それを助けようとする優しいおじさんを、殺して物資を奪うというやり方だ。
俺もついついその策略にはまって、殺されそうになった。
後ろから、腹にナイフを突き立てられたのだ。
普通のおじさんなら致命傷だ。本当に情け容赦の無い、可愛げの無いやり方だ。
だが、そこにいたるまでの過程を聞くと、そうしないと生きて行けない状況だったというのがわかった。
「そうさ、ビックリしたよ。ナイフが刺さらないんだから」
「うっ、うっうっ、うう……」
泣き声が聞こえる。
水着の美女軍団が、俺達のまわりに集って泣いている。
肩が揺れて、それにつられて、プルンプルン胸のあたりの脂肪が揺れている。特にミサのが大きく揺れている。
「お前達いつから聞いていたんだよー」
「『隕石の』のあたりから!!!」
「最初からじゃねえか。盗み聞きとは趣味が悪いぜ」
「全然盗んでいませんよ。正々堂々聞いていました」
美女軍団が全員で答えた。
「ノブ!」
「な、何だよ! 急に」
「俺は、二月一日に大阪城を攻める。その目標は大阪城のハルラと、その横の高層ビル群だ」
「う、うん」
「そのビル群の中にシノさんがいるかもしれない」
「えっ!?」
「本当は、子供を参加させたくはなかったが仕方が無い。ノブだけは例外だ同行を許そう」
「護衛はスケさんカクさん、響子さんカノンさんにお願いしようかな」
「い、いけません。一人になってしまいます」
響子さんが焦って答えた。
「いいや、ハルラとの決戦はやっぱり一人がいい。他人を巻き込むのは最初からするべきでは無いと思っていたんだ。でも、だからこそ、スケさんカクさん、響子さんカノンちゃん、女性は全員必ず助けてくれ」
「は……、はい」
四人は暗い表情で、返事をした。
夜、丑三つ時に俺は、宿舎にしているUFOから抜けだし、浜辺に出た。
女性陣には、ミスリル製のコテージを出し眠ってもらい。男はUFOで休んでいる。
繰り返す波の音は、心の奥まで染みこんできて心地良い。
「相変わらず綺麗な星空だ」
空には大量の星が輝き、天の川がピンク色に輝いて見える。
そんな星空を見ていると、人間が死んだり生きようとして必死になっている姿は、とても小さな事に思えてくる。
俺は、戦局をもう一度考えてみたくなって、抜け出してきた。
美しい砂浜で、心地よい波のBGMを聞きながら一人になり、星空の照明の下なら名案が出て来るかもしれない。そう思ったのだ。
「なるほど、頭が良いな」
「でもね、さすがに何日も続けたら、気が付いたみたい。待ち伏せをされて仲間が三人殺されちゃった。食べ物を運んでいるところを後ろから容赦無く撃たれて死んじゃったんだ。俺は運良く助かったんだ。皆より前を走っていたから助かっただけ、本当に運だったんだ。この時思ったんだ。食糧を確保するためには情け容赦は入らないって、ためらったら自分がやられるってね」
「ふむ」
「倉庫の警戒が厳重になってしまったから、今度は運搬している所を襲うことにしたんだ。少人数で運んでいる運搬部隊を狙ったんだ。奪うときは情け容赦なく、奪ったんだよ。あいつらがやっていることさ、やらなきゃ幼い兄弟が飢死しちゃうからね。そんな時、隠れ家を壊している冴子さんに会ったんだ。
『お前達は、こんな所に子供だけで住んでいるのか?』
『そうさ、大人の男の人は殺されて、女の人は連れて行かれたからね』
『そうか』冴子さんは悲しそうな顔をしたんだよ。
『うん』
『ちょっと、ここで待っていろ』
そう言うと、冴子さんは何処かへ行ってしまったんだ。
しばらくすると帰って来て
『おーい、ガキ共ー』
『なんだよ、大きな声で呼ぶなよ。見つかっちゃうだろ』
『済まない、許しておくれ。その代わりこれをやる』
冴子さんは、まだ温かいおにぎりをいっぱい持って来てくれたんだ。
『ありがとう』
本当に嬉しかったんだ。温かい食べ物は久しぶりだったからね。
『このあたりは、もうじき壊すから、もっと遠くで隠れるんだ。私以外には見つからないようにな』
『うん』
この時には、伊藤と江藤っていう、冴子さんの弟子も、街を壊していたんだ。冴子さんは伊藤と江藤に見つかるなって教えてくれたんだよ」
「そうか。あのパンツ女、優しいんだな」
「そうさ、優しいんだ。しばらくすると伊藤が何故かいなくなって、その後江藤がいなくなったんだ。二人がいなくなると冴子さんは一人で街を壊していたんだよ。時々再会すると。
『元気か?』
『僕はね。弟が二人病気で死んじゃった』
『そうか。少し待っていろ』悲しそうな顔をすると、俺達に食べ物を持って来てくれるんだ。
『ありがとう』
『元気でな。このあたりも、じきに壊すまた少し遠くへ行くんだ』
俺達は、場所を移したんだ。
そしたら、その途中で伊藤か江藤が半分壊したビルを見つけて、そこを利用することを考えついたんだ」
たぶんいなくなった伊藤と江藤は、サイコ伊藤とエスパー江藤のことだろう。
「それが、あれか」
仲間の子供が、壊れたビルに閉じ込められて困っている振りをして、それを助けようとする優しいおじさんを、殺して物資を奪うというやり方だ。
俺もついついその策略にはまって、殺されそうになった。
後ろから、腹にナイフを突き立てられたのだ。
普通のおじさんなら致命傷だ。本当に情け容赦の無い、可愛げの無いやり方だ。
だが、そこにいたるまでの過程を聞くと、そうしないと生きて行けない状況だったというのがわかった。
「そうさ、ビックリしたよ。ナイフが刺さらないんだから」
「うっ、うっうっ、うう……」
泣き声が聞こえる。
水着の美女軍団が、俺達のまわりに集って泣いている。
肩が揺れて、それにつられて、プルンプルン胸のあたりの脂肪が揺れている。特にミサのが大きく揺れている。
「お前達いつから聞いていたんだよー」
「『隕石の』のあたりから!!!」
「最初からじゃねえか。盗み聞きとは趣味が悪いぜ」
「全然盗んでいませんよ。正々堂々聞いていました」
美女軍団が全員で答えた。
「ノブ!」
「な、何だよ! 急に」
「俺は、二月一日に大阪城を攻める。その目標は大阪城のハルラと、その横の高層ビル群だ」
「う、うん」
「そのビル群の中にシノさんがいるかもしれない」
「えっ!?」
「本当は、子供を参加させたくはなかったが仕方が無い。ノブだけは例外だ同行を許そう」
「護衛はスケさんカクさん、響子さんカノンさんにお願いしようかな」
「い、いけません。一人になってしまいます」
響子さんが焦って答えた。
「いいや、ハルラとの決戦はやっぱり一人がいい。他人を巻き込むのは最初からするべきでは無いと思っていたんだ。でも、だからこそ、スケさんカクさん、響子さんカノンちゃん、女性は全員必ず助けてくれ」
「は……、はい」
四人は暗い表情で、返事をした。
夜、丑三つ時に俺は、宿舎にしているUFOから抜けだし、浜辺に出た。
女性陣には、ミスリル製のコテージを出し眠ってもらい。男はUFOで休んでいる。
繰り返す波の音は、心の奥まで染みこんできて心地良い。
「相変わらず綺麗な星空だ」
空には大量の星が輝き、天の川がピンク色に輝いて見える。
そんな星空を見ていると、人間が死んだり生きようとして必死になっている姿は、とても小さな事に思えてくる。
俺は、戦局をもう一度考えてみたくなって、抜け出してきた。
美しい砂浜で、心地よい波のBGMを聞きながら一人になり、星空の照明の下なら名案が出て来るかもしれない。そう思ったのだ。
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