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第二百三十六話 お風呂場の美女
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「うおおおおーーーー!!!!」
「やったーー!!」
「うふふふ」
ゲームはやっぱり三人協力プレイが楽しい。
最初は対戦格闘、レースに始まって、スポーツ対戦……。
最後は携帯ゲームで、一緒にモンスターを狩った。
あっという間に時間が溶けていく。
お菓子を食べてジュースを飲みながら遊んだが、そろそろ晩ご飯の時間だ。
「ねえ、とうさん。お話があります」
「……」
俺は大体予想はしていた。
きっと、いい話ではないはずだ。
「あのね。ヒマリちゃんと相談したんです」
「うむ」
「今、柳川さんが学校の事で忙しくしています」
「柳川は良くやってくれている」
時々俺は、古賀さんから進捗を聞いているが、四月開校には間に合いそうだと報告を受けている。
「とうさんは、忙しすぎて協力できていないし、それは木田家としてどうかなと思うんです」
「ふ、ふむ」
「木田家って結局、とうさんと私とヒマリちゃんだけでしょ」
「うむ」
「だから、私が名古屋、ヒマリちゃんが東京で学校の準備を手伝おうと思うのです」
「そうか」
二人は学校について深く考えてくれていたようだ。
「すでに寮は出来ていますので、そこに住んでお手伝いしたいと思います」
「なるほど」
来た、来てしまった。
あずさが俺のもとから巣立つ日が。
「それで、私にはクザンを、ヒマリちゃんにはシュラちゃんを貸して下さい。とうさんの形見です」
いやいや、おかしい。
俺、生きていますからね。
「でも、まあ、いいだろう」
「あと、レベル四ダンジョンの、ミスリルとオリハルコン、アダマンタイトをレンタル料としてお渡しします。後で受け取って下さい」
後日、名古屋のドーム球場で受け取ったが、膨大な量だった。
「こんなにいいのか」と言ったら「レベル五ダンジョンの分は、これより多いです」と言った。
何でも、周回が一番多いのがレベル五で、何回周回したのかわからないと言っていた。万は超えているようだ。
それならいいのかと、受け取った。だが、俺は貧乏性だ。無駄遣いはしないと心に誓った。
「じゃあ、もう会えないんだな……」
俺は、今生の別れを覚悟した。
あずさとの思い出が走馬灯のようによみがえってくる。
自然と涙がわいてきた。
「はーーっ、休みの日には会いに来て下さい。こっちからも行きます。何をもう面倒臭い奴に会わなくて済むみたいな顔をしているのですか! うれし涙まで浮かべて。失礼すぎます」
いやいや。
横をみたら、ヒマリまでムッとした顔でしきりにうなずいている。
ちがうからね。
この娘達は俺を誤解しているよ。
さみしがっていますからね。
でも、いつでも会えるのか、なら全然大丈夫かー。安心、安心。
――じゃねえーー!!
やっぱりさみしい。
俺の姿が無いとパニックになっていたあずさが、俺無しで自分から生活すると言っているんだ。
さみしすぎるぜ。
俺は、横にいるあずさとヒマリの肩を抱き寄せた。
大人ぶってはいるが、独り立ちにはまだ早い子供の肩だ。
二人ともうつむいている。
顔に影が落ち表情が見えない。
しばらく沈黙が続いた。
「あのーー、まだですか?」
社長室の外から声がした。
「えっ!?」
「食事の準備が済んでいますよ」
木田産業本社から、女性が迎えに来てくれているようだ。
俺達がいることは、もうバレていたようだ。
外は、すでに暗くなっていて、部屋の明かりが外に漏れている。
丸わかりだ。
俺達三人は、旧社屋を出て、木田城と呼ばれている新社屋に移った。
「大奥へようこそ!!!」
ここは今、大阪で助けた女性とゲン一家のところの女性の、女の園になっている。
それを、大奥と表現したようだ。
女性達が笑顔で元気よく迎えてくれた。
どうやら、大阪の女性も元気になってくれたようだ。
「ここは、いま女性だけなのですか」
「はい、皆、仕事をしていましたが大殿がいると聞きまして、御礼に集りました」
大阪の女性を代表して、おかみさんがあいさつをしてくれた。
「そうですか。皆さん元気になられましたか?」
「はーーーい!!」
全員がいい笑顔だった。
元気ないい返事だ。きっと嫌な仕事はしていないはずだ。
俺達は食事会場に案内された。
大宴会の会場のようになっているが、それでも全員じゃなさそうだ。
別の階でも用意されているのだろう。
だが、机の上には何も無い。
「あれっ!? 何も置いてありませんが?」
「そう言うことですか」
あずさが言うと、うな重を出した。
「なるほど、そう言うことか」
「みなさん、冷めるとおいしく無いので、自分の分を持って行ったらすぐに食べて下さいね」
あずさが、次々女性に手渡していく。
最初の分は、別室に消えていき。
やがて、宴会場でも食べる人が出て来た。
「気にせずに食べ終わったら、お替わりしてくださーい」
あずさが言うと、新たに行列が出来た。
俺達の分が準備される頃にはずいぶん時間が立っていた。
「ふふふ」
「えへへ」
「???」
俺とあずさは上機嫌で笑っている。
それが意味不明なのか、ヒマリがキョトンとして俺とあずさの顔を交互に見ている。
「思えば、節目はうな重だな」
「そうね」
あずさは凄い笑顔だが、涙がポロポロこぼれていた。
俺があずさの顔を良く見ようとしたら、プイッと横を向きうな重をかき込み。俺の分をもぎ取った。
まだ一口しか食べてないけど、これはいつものことだ。
ヒマリちゃんに新しいのを一つ出してから、俺の分のうな重をかき込んだ。
美少女にはあるまじき食べっぷり、いや喰いっぷりだ。
見た目だけは完璧な美少女だが、中身はほぼ俺と同じ、底辺おじさんな痛い美少女なのだ。
ガツガツかき込むその姿は、重労働をした後のおじさんのようだ。
こんな風に育ててしまって、俺は全世界のロリコンのおじさんに謝りたい気分だよ。
でもさあ、最初はわからなかったんだ。こんなに美少女になるなんて。そして、わかって欲しい、美少女に育た無くても俺は、全力で愛情を注ぎ込んで育てていたと。
ひょっとしたら、俺の全力の愛情が神様に認められて、あずさが完璧な美少女になったのかもしれない。
そして今では、この美少女の底辺おじさんっぷりが、たまらなく愛おしいんだ。
「げーーっ」
「!?」
あずさがおっさんのようなゲップをした。
ヒマリちゃんが凄く驚いた顔をした。
そ、育ちの違いだろう。
俺の顔が真っ赤になった。
なんでこうなったーーーーー。大勢が幻滅してしまったぞー。
食べ方も上品で、お嬢様なヒマリがやっぱり一番の美少女なのかもしれない。
俺達三人は食事を済ますと、温泉に入りたいという人を募って大阪城に帰った。
大阪城本丸御殿は無駄に広いので、巨大浴場を作ってある。
ちゃんと、男湯と女湯に別れていて、お湯は伊勢の国の榊原温泉の湯を使っている。
榊原温泉とは枕草子に三名泉の一つに挙げられている温泉なのである。
伊勢の国で藤堂から聞いて確認しておいたのだ。
「浴場のライオンの口からは、榊原温泉の湯が出るようにした。お風呂場の蛇口からは富士の湧水がでる」
俺は大阪城の女湯を、木田城ご一行様に案内した。
もちろん今は、服を着ているし、入り口の外から案内している。
中に誰かいるかもしれないからな。
「ここの湯って、三名泉の一つだったのね。とても良いお湯だったわ」
ミサが中から浴衣で出て来た。
えろい。やばい。
「ミ、ミサ、後は頼んだ」
「しょうが無いなー。じゃあ、もう一回入りますか」
俺は逃げるように女性陣を置いて走りだした。
ここには、もう一つ隠し湯が作ってある。
小さい、浴場だ。
小さいと言っても家族ぐらいでは入ることが出来る。六人用の風呂だ。
大浴場が苦手な人用の個人湯だ。
俺は、ここに入ろうと思っている。
お風呂セットは準備しているので、さっさと服を脱いで浴室に入った。
「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」
そこには、全裸の美女がいた。しまった空いているかを確認するのを忘れた。
だが、誰だかわからない。い、いったい誰なんだ?
し、仕方が無い誰か確認するため、そのためだけにもう一度見よう。
いや、わからん。いったいだれなんだよーー。
「やったーー!!」
「うふふふ」
ゲームはやっぱり三人協力プレイが楽しい。
最初は対戦格闘、レースに始まって、スポーツ対戦……。
最後は携帯ゲームで、一緒にモンスターを狩った。
あっという間に時間が溶けていく。
お菓子を食べてジュースを飲みながら遊んだが、そろそろ晩ご飯の時間だ。
「ねえ、とうさん。お話があります」
「……」
俺は大体予想はしていた。
きっと、いい話ではないはずだ。
「あのね。ヒマリちゃんと相談したんです」
「うむ」
「今、柳川さんが学校の事で忙しくしています」
「柳川は良くやってくれている」
時々俺は、古賀さんから進捗を聞いているが、四月開校には間に合いそうだと報告を受けている。
「とうさんは、忙しすぎて協力できていないし、それは木田家としてどうかなと思うんです」
「ふ、ふむ」
「木田家って結局、とうさんと私とヒマリちゃんだけでしょ」
「うむ」
「だから、私が名古屋、ヒマリちゃんが東京で学校の準備を手伝おうと思うのです」
「そうか」
二人は学校について深く考えてくれていたようだ。
「すでに寮は出来ていますので、そこに住んでお手伝いしたいと思います」
「なるほど」
来た、来てしまった。
あずさが俺のもとから巣立つ日が。
「それで、私にはクザンを、ヒマリちゃんにはシュラちゃんを貸して下さい。とうさんの形見です」
いやいや、おかしい。
俺、生きていますからね。
「でも、まあ、いいだろう」
「あと、レベル四ダンジョンの、ミスリルとオリハルコン、アダマンタイトをレンタル料としてお渡しします。後で受け取って下さい」
後日、名古屋のドーム球場で受け取ったが、膨大な量だった。
「こんなにいいのか」と言ったら「レベル五ダンジョンの分は、これより多いです」と言った。
何でも、周回が一番多いのがレベル五で、何回周回したのかわからないと言っていた。万は超えているようだ。
それならいいのかと、受け取った。だが、俺は貧乏性だ。無駄遣いはしないと心に誓った。
「じゃあ、もう会えないんだな……」
俺は、今生の別れを覚悟した。
あずさとの思い出が走馬灯のようによみがえってくる。
自然と涙がわいてきた。
「はーーっ、休みの日には会いに来て下さい。こっちからも行きます。何をもう面倒臭い奴に会わなくて済むみたいな顔をしているのですか! うれし涙まで浮かべて。失礼すぎます」
いやいや。
横をみたら、ヒマリまでムッとした顔でしきりにうなずいている。
ちがうからね。
この娘達は俺を誤解しているよ。
さみしがっていますからね。
でも、いつでも会えるのか、なら全然大丈夫かー。安心、安心。
――じゃねえーー!!
やっぱりさみしい。
俺の姿が無いとパニックになっていたあずさが、俺無しで自分から生活すると言っているんだ。
さみしすぎるぜ。
俺は、横にいるあずさとヒマリの肩を抱き寄せた。
大人ぶってはいるが、独り立ちにはまだ早い子供の肩だ。
二人ともうつむいている。
顔に影が落ち表情が見えない。
しばらく沈黙が続いた。
「あのーー、まだですか?」
社長室の外から声がした。
「えっ!?」
「食事の準備が済んでいますよ」
木田産業本社から、女性が迎えに来てくれているようだ。
俺達がいることは、もうバレていたようだ。
外は、すでに暗くなっていて、部屋の明かりが外に漏れている。
丸わかりだ。
俺達三人は、旧社屋を出て、木田城と呼ばれている新社屋に移った。
「大奥へようこそ!!!」
ここは今、大阪で助けた女性とゲン一家のところの女性の、女の園になっている。
それを、大奥と表現したようだ。
女性達が笑顔で元気よく迎えてくれた。
どうやら、大阪の女性も元気になってくれたようだ。
「ここは、いま女性だけなのですか」
「はい、皆、仕事をしていましたが大殿がいると聞きまして、御礼に集りました」
大阪の女性を代表して、おかみさんがあいさつをしてくれた。
「そうですか。皆さん元気になられましたか?」
「はーーーい!!」
全員がいい笑顔だった。
元気ないい返事だ。きっと嫌な仕事はしていないはずだ。
俺達は食事会場に案内された。
大宴会の会場のようになっているが、それでも全員じゃなさそうだ。
別の階でも用意されているのだろう。
だが、机の上には何も無い。
「あれっ!? 何も置いてありませんが?」
「そう言うことですか」
あずさが言うと、うな重を出した。
「なるほど、そう言うことか」
「みなさん、冷めるとおいしく無いので、自分の分を持って行ったらすぐに食べて下さいね」
あずさが、次々女性に手渡していく。
最初の分は、別室に消えていき。
やがて、宴会場でも食べる人が出て来た。
「気にせずに食べ終わったら、お替わりしてくださーい」
あずさが言うと、新たに行列が出来た。
俺達の分が準備される頃にはずいぶん時間が立っていた。
「ふふふ」
「えへへ」
「???」
俺とあずさは上機嫌で笑っている。
それが意味不明なのか、ヒマリがキョトンとして俺とあずさの顔を交互に見ている。
「思えば、節目はうな重だな」
「そうね」
あずさは凄い笑顔だが、涙がポロポロこぼれていた。
俺があずさの顔を良く見ようとしたら、プイッと横を向きうな重をかき込み。俺の分をもぎ取った。
まだ一口しか食べてないけど、これはいつものことだ。
ヒマリちゃんに新しいのを一つ出してから、俺の分のうな重をかき込んだ。
美少女にはあるまじき食べっぷり、いや喰いっぷりだ。
見た目だけは完璧な美少女だが、中身はほぼ俺と同じ、底辺おじさんな痛い美少女なのだ。
ガツガツかき込むその姿は、重労働をした後のおじさんのようだ。
こんな風に育ててしまって、俺は全世界のロリコンのおじさんに謝りたい気分だよ。
でもさあ、最初はわからなかったんだ。こんなに美少女になるなんて。そして、わかって欲しい、美少女に育た無くても俺は、全力で愛情を注ぎ込んで育てていたと。
ひょっとしたら、俺の全力の愛情が神様に認められて、あずさが完璧な美少女になったのかもしれない。
そして今では、この美少女の底辺おじさんっぷりが、たまらなく愛おしいんだ。
「げーーっ」
「!?」
あずさがおっさんのようなゲップをした。
ヒマリちゃんが凄く驚いた顔をした。
そ、育ちの違いだろう。
俺の顔が真っ赤になった。
なんでこうなったーーーーー。大勢が幻滅してしまったぞー。
食べ方も上品で、お嬢様なヒマリがやっぱり一番の美少女なのかもしれない。
俺達三人は食事を済ますと、温泉に入りたいという人を募って大阪城に帰った。
大阪城本丸御殿は無駄に広いので、巨大浴場を作ってある。
ちゃんと、男湯と女湯に別れていて、お湯は伊勢の国の榊原温泉の湯を使っている。
榊原温泉とは枕草子に三名泉の一つに挙げられている温泉なのである。
伊勢の国で藤堂から聞いて確認しておいたのだ。
「浴場のライオンの口からは、榊原温泉の湯が出るようにした。お風呂場の蛇口からは富士の湧水がでる」
俺は大阪城の女湯を、木田城ご一行様に案内した。
もちろん今は、服を着ているし、入り口の外から案内している。
中に誰かいるかもしれないからな。
「ここの湯って、三名泉の一つだったのね。とても良いお湯だったわ」
ミサが中から浴衣で出て来た。
えろい。やばい。
「ミ、ミサ、後は頼んだ」
「しょうが無いなー。じゃあ、もう一回入りますか」
俺は逃げるように女性陣を置いて走りだした。
ここには、もう一つ隠し湯が作ってある。
小さい、浴場だ。
小さいと言っても家族ぐらいでは入ることが出来る。六人用の風呂だ。
大浴場が苦手な人用の個人湯だ。
俺は、ここに入ろうと思っている。
お風呂セットは準備しているので、さっさと服を脱いで浴室に入った。
「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」
そこには、全裸の美女がいた。しまった空いているかを確認するのを忘れた。
だが、誰だかわからない。い、いったい誰なんだ?
し、仕方が無い誰か確認するため、そのためだけにもう一度見よう。
いや、わからん。いったいだれなんだよーー。
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