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第二百五十七話 アイドルピーツインの前夜祭ステージ
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夕方になると、ミサさんと坂本さんそして、古賀さんが美術館に帰って来ました。
「す、凄いです」
私は素直に感動しています。
三人が若くなっています。
若い三人は、アイドルくらい美しくてかわいくなっています。
お肌がピチピチです。
三人とも、服までかわいくして、お風呂に入ったのか良い香りがします。
「どうかしら」
ミサさんが、右手を頭の後ろに回し、胸を反らしました。
胸が、半分ほど飛び出しました。でもギリギリセーフです。
ミサさんの胸はプリンと張りが出て、心なしか上の方に存在しています。
だから、飛び出しそうです。
「あ、やばい。力加減を間違えました」
ミサさんは、あわてて手のひらで押し込んでいます。
三人はソワソワしながら、キョロキョロしています。
「とうさんは、夢中で祭りの準備をしています。きっと何もかも眼中にありません。今日も帰ってくるかどうか」
あずさちゃんがつまらなそうに言いました。
「えーーっ!!」
三人が驚きの声をあげました。
この三人が綺麗にしてきたのは、とうさんに見せつけるためだったようです。
「すっ、すげーー!! すげーーぞお!!!」
叫びながら左近さんが玄関から入って来ました。
監視のお役目を交替して帰って来たようです。
「ど、どうしました」
オオエさんがすかさず聞き返します。
「アド様の言った意味がわかってきた」
「どういうことですか」
「で、電車が走っている。アド様に聞いたら、北は青森までつながっているそうだ」
正確には電車ではありませんけどね。
「ええっ!?」
「それだけじゃない。屋台がすげー。目の前の鉄板で肉が焼けるし、お好み焼きやたこ焼きが焼ける。ハンバーガーまであった。和歌山駅から城までの通りが屋台で埋め尽くされている。マグロの刺身まであった。思わず大声が出て、おやじ様に見つかってしまった。そしたら食べたいものを食べて良いと言ってくれた。見てくれこの腹を」
左近さんのお腹が前だけでなく、横にまで膨れています。
「アド様に怒られませんでしたか?」
「俺達が食べて良いと言われた瞬間から、姿を現して一番食っていました」
ア、アドちゃん。
「ふふふ」
オオエさんがアドちゃんの姿を想像したのか笑っています。
「祭りの当日はそれが全部無料で食べられるそうです」
「ええっ!?」
「それだけではありません、電車も無料だそうです。大きな駅にはスーパーがあって、キャベツや、柿、玉子、鶏肉などの食料品が安価に販売されているそうです」
「ス、スーパー! 今のこの日本にスーパー!!」
「そんなことより左近さん、あの人はどこにいますか」
ミサさんが質問しました。
「そ、そんなこと……。おやじ様ですか。おやじ様は、和歌山城ホールにいます。子供達のためにアンナメーダーマンショウの準備をしています」
そんなこと呼ばわりされて、左近さんがさらに驚いています。
「ありがとうございます」
三人が大急ぎで玄関を出て行きました。
どうしても、綺麗になった姿をとうさんに見せたいようです。
やれやれですね。
「あの三人にとっては、そんな当たり前のことと言う事なのですね」
オオエさんがあきれたように言いました。
「で、ですね。俺達はこの後も色々驚かされそうですね」
「そのようですね」
「フォリスさん、カンリの皆さんはお任せします。私とヒマリちゃんはレッスンをしますのでよろしく」
私達は、アイドルの振り付けの練習を続けました。
祭りは五日後と言ったはずなのに、気の早い人達が一日前のまだ十三時なのにゾクゾクと和歌山に入ってきています。
最初は兵士だけの予定でしたが、一般の人も参加出来る事になったため、親子連れも大勢来ています。
治安のため旧ゲン一家、今は警察隊の人も大勢入って来ました。
「こ、こんなに大勢の人が和歌山に集るなんて、まるで隕石の落下前にもどったみたいです」
オオエさんが嬉しそうです。
「ヒマリちゃーーん!! はやくーー!!」
和歌山城の北の道路上に、設営されたステージの上からあずさちゃんが呼んでいます。
和歌山城からもよく見えるようにしたため、このステージはけっこう高く作られています。
危険なので立ち入り禁止の縄張りがしてありますが、その縄の外からでもスカートの中が丸見えです。
ステージの端に寄ると、お尻の方まで見えるほどのローアングルです。
ステージの後ろまで行ってはじめて、パンツ丸出しくらいです。
やばいです。スカートは駄目です。
私はあずさちゃんに「スカートの中が丸見えです」って、ジェスチャーで教えてあげました。
そしたら、あずさちゃんは何を勘違いしたのか、スカートをまくり上げました。
「うおおおおーー」
お城から声が上がりました。
お城からだとスカートの中が見えなかったようです。
あずさちゃんはそういうことか、ありがとうってジェスチャーしました。
そういう事でも、ありがとうでもありません。全然違います。
どうやら、あずさちゃんはパンツを見せるのも仕事の内と考えているようです。
そうですよね。どうせ見られても良いように水着も着ていますしね。
私はあきらめてステージに昇りました。
「うおおおおおおーーーーーー!!!!」
私がステージに昇ると、お城とステージのお客様から大歓声が上がりました。
もう、パンツくらい穴が開くほど見られても良いと思えるほど高揚してきました。
ステージの上から客席を見ると、今川家の殿様……私のお父さんが、参戦服を着て正面にいます。
――ぎゃーー! パンツを見られるより恥ずかしい!
すでにオタ芸の準備まで万端です。
黄色の鉢巻きなので、私の応援でしょうか。
全く、殿様は暇なのでしょうか?
「和歌山城のみなさーん、お水は飲んで頂けましたかー?」
「うまかったー」
お城から返事が返ってきました。
あずさちゃんは、耳に手をやり、聞こえないふりです。
「飲んで頂けましたかー?」
「うまかったーーーー!!!!」
「うふふ」
あずさちゃんがあり得ないほどの笑顔です。
そして私の肩を抱きしめます。
「わたしたちー! 駿河公認アイドルー!」
ここで私も大きく息を吸います。
「ピーツイーーーン!!」
ここだけは声を合せて大声を出しました。
「青い方が私、あずさでーす!」
「アズサチャーーーンン!!」
凄い声援です。私にはこんな声援は無いでしょう。
「黄色い方が、ヒマリでーーす!!」
「ヒマリチャーーーンン!!」
良かったです。あずさちゃんと同じ位の声援がありました。
すこし感動して、涙目になりました。
「ピーツインからのお知らせでーす。今日はこれから、前夜祭のステージをします。本番は明日からの三日間です。屋台や、飲み物は全部無料です。お城の皆さんも参加自由でーす。ピーツインは待っていまーす」
これが、あずさちゃんの作戦だったんだ!
今、気づきました。あずさちゃんはさすがです。
「……」
お城からは返事がありません。
急にお通夜のようになりました。
でも、お城のまわりでこれだけの人が楽しそうに美味しい物を食べていれば、脱走する人が必ず出てくるはずです。
「では、ご挨拶代わりのピーツインオリジナル曲でーす」
「ハイ! ハイ!」
オタ芸自慢の大きいお兄さん達が合いの手を入れてくれます。
ローアングラーの大きいお兄さんは真剣な目である一点を見つめてきます。
私はサービス精神を忘れないように真剣にステージを務めました。
「す、凄いです」
私は素直に感動しています。
三人が若くなっています。
若い三人は、アイドルくらい美しくてかわいくなっています。
お肌がピチピチです。
三人とも、服までかわいくして、お風呂に入ったのか良い香りがします。
「どうかしら」
ミサさんが、右手を頭の後ろに回し、胸を反らしました。
胸が、半分ほど飛び出しました。でもギリギリセーフです。
ミサさんの胸はプリンと張りが出て、心なしか上の方に存在しています。
だから、飛び出しそうです。
「あ、やばい。力加減を間違えました」
ミサさんは、あわてて手のひらで押し込んでいます。
三人はソワソワしながら、キョロキョロしています。
「とうさんは、夢中で祭りの準備をしています。きっと何もかも眼中にありません。今日も帰ってくるかどうか」
あずさちゃんがつまらなそうに言いました。
「えーーっ!!」
三人が驚きの声をあげました。
この三人が綺麗にしてきたのは、とうさんに見せつけるためだったようです。
「すっ、すげーー!! すげーーぞお!!!」
叫びながら左近さんが玄関から入って来ました。
監視のお役目を交替して帰って来たようです。
「ど、どうしました」
オオエさんがすかさず聞き返します。
「アド様の言った意味がわかってきた」
「どういうことですか」
「で、電車が走っている。アド様に聞いたら、北は青森までつながっているそうだ」
正確には電車ではありませんけどね。
「ええっ!?」
「それだけじゃない。屋台がすげー。目の前の鉄板で肉が焼けるし、お好み焼きやたこ焼きが焼ける。ハンバーガーまであった。和歌山駅から城までの通りが屋台で埋め尽くされている。マグロの刺身まであった。思わず大声が出て、おやじ様に見つかってしまった。そしたら食べたいものを食べて良いと言ってくれた。見てくれこの腹を」
左近さんのお腹が前だけでなく、横にまで膨れています。
「アド様に怒られませんでしたか?」
「俺達が食べて良いと言われた瞬間から、姿を現して一番食っていました」
ア、アドちゃん。
「ふふふ」
オオエさんがアドちゃんの姿を想像したのか笑っています。
「祭りの当日はそれが全部無料で食べられるそうです」
「ええっ!?」
「それだけではありません、電車も無料だそうです。大きな駅にはスーパーがあって、キャベツや、柿、玉子、鶏肉などの食料品が安価に販売されているそうです」
「ス、スーパー! 今のこの日本にスーパー!!」
「そんなことより左近さん、あの人はどこにいますか」
ミサさんが質問しました。
「そ、そんなこと……。おやじ様ですか。おやじ様は、和歌山城ホールにいます。子供達のためにアンナメーダーマンショウの準備をしています」
そんなこと呼ばわりされて、左近さんがさらに驚いています。
「ありがとうございます」
三人が大急ぎで玄関を出て行きました。
どうしても、綺麗になった姿をとうさんに見せたいようです。
やれやれですね。
「あの三人にとっては、そんな当たり前のことと言う事なのですね」
オオエさんがあきれたように言いました。
「で、ですね。俺達はこの後も色々驚かされそうですね」
「そのようですね」
「フォリスさん、カンリの皆さんはお任せします。私とヒマリちゃんはレッスンをしますのでよろしく」
私達は、アイドルの振り付けの練習を続けました。
祭りは五日後と言ったはずなのに、気の早い人達が一日前のまだ十三時なのにゾクゾクと和歌山に入ってきています。
最初は兵士だけの予定でしたが、一般の人も参加出来る事になったため、親子連れも大勢来ています。
治安のため旧ゲン一家、今は警察隊の人も大勢入って来ました。
「こ、こんなに大勢の人が和歌山に集るなんて、まるで隕石の落下前にもどったみたいです」
オオエさんが嬉しそうです。
「ヒマリちゃーーん!! はやくーー!!」
和歌山城の北の道路上に、設営されたステージの上からあずさちゃんが呼んでいます。
和歌山城からもよく見えるようにしたため、このステージはけっこう高く作られています。
危険なので立ち入り禁止の縄張りがしてありますが、その縄の外からでもスカートの中が丸見えです。
ステージの端に寄ると、お尻の方まで見えるほどのローアングルです。
ステージの後ろまで行ってはじめて、パンツ丸出しくらいです。
やばいです。スカートは駄目です。
私はあずさちゃんに「スカートの中が丸見えです」って、ジェスチャーで教えてあげました。
そしたら、あずさちゃんは何を勘違いしたのか、スカートをまくり上げました。
「うおおおおーー」
お城から声が上がりました。
お城からだとスカートの中が見えなかったようです。
あずさちゃんはそういうことか、ありがとうってジェスチャーしました。
そういう事でも、ありがとうでもありません。全然違います。
どうやら、あずさちゃんはパンツを見せるのも仕事の内と考えているようです。
そうですよね。どうせ見られても良いように水着も着ていますしね。
私はあきらめてステージに昇りました。
「うおおおおおおーーーーーー!!!!」
私がステージに昇ると、お城とステージのお客様から大歓声が上がりました。
もう、パンツくらい穴が開くほど見られても良いと思えるほど高揚してきました。
ステージの上から客席を見ると、今川家の殿様……私のお父さんが、参戦服を着て正面にいます。
――ぎゃーー! パンツを見られるより恥ずかしい!
すでにオタ芸の準備まで万端です。
黄色の鉢巻きなので、私の応援でしょうか。
全く、殿様は暇なのでしょうか?
「和歌山城のみなさーん、お水は飲んで頂けましたかー?」
「うまかったー」
お城から返事が返ってきました。
あずさちゃんは、耳に手をやり、聞こえないふりです。
「飲んで頂けましたかー?」
「うまかったーーーー!!!!」
「うふふ」
あずさちゃんがあり得ないほどの笑顔です。
そして私の肩を抱きしめます。
「わたしたちー! 駿河公認アイドルー!」
ここで私も大きく息を吸います。
「ピーツイーーーン!!」
ここだけは声を合せて大声を出しました。
「青い方が私、あずさでーす!」
「アズサチャーーーンン!!」
凄い声援です。私にはこんな声援は無いでしょう。
「黄色い方が、ヒマリでーーす!!」
「ヒマリチャーーーンン!!」
良かったです。あずさちゃんと同じ位の声援がありました。
すこし感動して、涙目になりました。
「ピーツインからのお知らせでーす。今日はこれから、前夜祭のステージをします。本番は明日からの三日間です。屋台や、飲み物は全部無料です。お城の皆さんも参加自由でーす。ピーツインは待っていまーす」
これが、あずさちゃんの作戦だったんだ!
今、気づきました。あずさちゃんはさすがです。
「……」
お城からは返事がありません。
急にお通夜のようになりました。
でも、お城のまわりでこれだけの人が楽しそうに美味しい物を食べていれば、脱走する人が必ず出てくるはずです。
「では、ご挨拶代わりのピーツインオリジナル曲でーす」
「ハイ! ハイ!」
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