301 / 428
学園生活編
第三百一話 総集編② 木田家周辺勢力解説
しおりを挟む
「先生、今一番人口が多いのはどこですか?」
女子生徒が質問しました。
「人口調査はまだ出来ていませんが、私が知る限りでは仙台ですね」
「わーっ、仙台ってお祭りのあった所でしょ。私も行ったわ。アイドルのピーツインかわいかったなー」
ピーツインの言葉に私は、過剰反応してガタンと椅子をならしてしまいました。
ピーツインは青い衣装のあずさと、黄色い衣装のヒマリという女の子のアイドルですが何をかくそう、そのあずさこそ私なのです。
そして、ヒマリちゃんは私のかわいい妹です。私は目を閉じてステージを思い出しました。
そうだ! 美代ちゃんには顔を見られています。バレていないでしょうか?
「ええっ、なに、アスカ君! 私という者が有りながらピーツインが好きなの??」
美代ちゃんが言いました。おかげでライちゃんまで私を見つめます。
「違います!」
でも、バレていないようです。ほっ、よかった。
「そう言えば、アスカさんって、あずさちゃんに少し似ていないか?」
前の席で、中川が小さな声で言いました。
勝手に席替えをして、中川は今、私の前の席にいます。
ちなみに、左隣にライちゃん、右隣が美代ちゃんです。
中川の左隣がノブ君です。
「ばかを言うんじゃ無い! あっちは女だぞ」
私は、なるべく声を低くして男の子の声で言いました。
「ですよねー」
中川にも気付かれなかったようです。よかったー。
「あの二人、滅茶苦茶かわいいよなー」
「俺は、あずさちゃんがいいなー」
「俺は優しそうなヒマリちゃんだー」
教室中がピーツインの話題でザワザワしています。
「ちずかにちてくだちゃーい!」
すぐに静かになります。
さすがは、アメリ先生です。
「では、話を戻します。木田家のまわりには、越前の福井城を本拠地にする織田家、安芸の広島城を本拠地にする新政府があります。新政府は四国も支配していますね。支配していると言ったのは文字通り支配しているからです。九州は群雄割拠の時代が来ていましたが、新政府軍の侵攻を防ぐため団結しているようですね。ですが、いつ裏切られるかという疑心暗鬼の状態で、硬い団結ではないようです。おかげで豊前への侵入を許しています」
「先生、新政府が出来ているなら、木田家も新政府に支配されたらいいのではないですか?」
今川家のグループの男子生徒が聞きました。
「ばかやろー!! あんな奴らに支配されたらお終まいだ!!」
新政府に支配をされてきたノブ君が切れました。
「うふふ、ノブ君、遠慮しなくていいから、そのままどういうことか説明して下さい」
「新政府というのは名ばかりで、首相を名のる鈴木の独裁国だ。住民から全てを奪い去り、男は兵隊にして女は城に連れて行く。子供は放置だ。生きていけないぞ。支配されたいなら、一度行ってみろ!」
「そうですね。だから木田家が戦っているのです。わかって頂けますか? 新政府から日本人を救う戦いをしているのです。木田家は日本を支配したいわけでは無く、困っている人を助けたいだけなのですよ」
「すみません……」
質問した生徒がしょんぼりしています。
「続いて北海道ですが、ここは北海道国を名のり日本から独立をしたようです」
「ええーーっ!!」
これは知らない生徒がいたみたいです。
「ここも、政治家主導のもと独立をしましたが、多くの粛清ののち首相の藤崎による独裁国になりました。
北海道には自衛隊の師団が二つ有り、ここの武器を入手した北海道国は独裁者のやりたい放題です。
北海道以外ではすでに弾薬が底をついて、燃料もないので近代兵器はほぼ使用不能ですが、北海道国軍には武器が豊富で戦車まで使用可能という事です。航空機も使える物があるのじゃ無いでしょうか」
「あの、北海道は農業国です。食糧とかは十分ではないのですか?」
「そうですね。北海道は豊なので安定した暮らしが出来るはずですよね。ですが独裁者は国民を奴隷と考えているようです。結果新政府と同じ事をしているようです」
「……」
教室は静かになりました。
「実は、隕石は本当に地球にぶつかる予定でした。ですが隕石は正義のヒーロー達三十一人の手によって、消し飛ばされたのです。
その中の一人のヒーローがこう言っていたそうです。何故、隕石がぶつかるその日まで普通の生活が出来なかったのだろうかって」
「……」
生徒は何も言えません。
「地球にもどったそのヒーローは、真っ暗な東京の街を呆然と見つめていたそうです。『こんなことなら、隕石がぶつかって地球なんか無くなっちまった方が良かったんじゃないのか』ってつぶやいたそうですよ。皆さんはどう思いますか。生きていて良かったですか。これからどうしたいですか?」
「それでも俺は生きていて良かった。そして、この先もしっかり生きて行きたい」
ノブ君が言いました。
そうですよね、ノブ君は沢山の命の犠牲を見ていますものね。
いいえ、ここにいる生徒全員が見ているはずですね。
「そうですか。じゃあ、この学校で一緒に学びましょう。これからどう生きて行くのか。どう生きたらいいのかを」
とうさんは、こんなことを考えていたのですか。
そのために急いで学校を作ったのですか。
荒くれてすさんでしまった子供達の心を真っ直ぐいい子にしたいのですね。私は、少し感動しています。
「じゃあ、少し休憩しましょう。休憩後は体育館に移動して下さい」
古賀先生が言いました。
女子生徒が質問しました。
「人口調査はまだ出来ていませんが、私が知る限りでは仙台ですね」
「わーっ、仙台ってお祭りのあった所でしょ。私も行ったわ。アイドルのピーツインかわいかったなー」
ピーツインの言葉に私は、過剰反応してガタンと椅子をならしてしまいました。
ピーツインは青い衣装のあずさと、黄色い衣装のヒマリという女の子のアイドルですが何をかくそう、そのあずさこそ私なのです。
そして、ヒマリちゃんは私のかわいい妹です。私は目を閉じてステージを思い出しました。
そうだ! 美代ちゃんには顔を見られています。バレていないでしょうか?
「ええっ、なに、アスカ君! 私という者が有りながらピーツインが好きなの??」
美代ちゃんが言いました。おかげでライちゃんまで私を見つめます。
「違います!」
でも、バレていないようです。ほっ、よかった。
「そう言えば、アスカさんって、あずさちゃんに少し似ていないか?」
前の席で、中川が小さな声で言いました。
勝手に席替えをして、中川は今、私の前の席にいます。
ちなみに、左隣にライちゃん、右隣が美代ちゃんです。
中川の左隣がノブ君です。
「ばかを言うんじゃ無い! あっちは女だぞ」
私は、なるべく声を低くして男の子の声で言いました。
「ですよねー」
中川にも気付かれなかったようです。よかったー。
「あの二人、滅茶苦茶かわいいよなー」
「俺は、あずさちゃんがいいなー」
「俺は優しそうなヒマリちゃんだー」
教室中がピーツインの話題でザワザワしています。
「ちずかにちてくだちゃーい!」
すぐに静かになります。
さすがは、アメリ先生です。
「では、話を戻します。木田家のまわりには、越前の福井城を本拠地にする織田家、安芸の広島城を本拠地にする新政府があります。新政府は四国も支配していますね。支配していると言ったのは文字通り支配しているからです。九州は群雄割拠の時代が来ていましたが、新政府軍の侵攻を防ぐため団結しているようですね。ですが、いつ裏切られるかという疑心暗鬼の状態で、硬い団結ではないようです。おかげで豊前への侵入を許しています」
「先生、新政府が出来ているなら、木田家も新政府に支配されたらいいのではないですか?」
今川家のグループの男子生徒が聞きました。
「ばかやろー!! あんな奴らに支配されたらお終まいだ!!」
新政府に支配をされてきたノブ君が切れました。
「うふふ、ノブ君、遠慮しなくていいから、そのままどういうことか説明して下さい」
「新政府というのは名ばかりで、首相を名のる鈴木の独裁国だ。住民から全てを奪い去り、男は兵隊にして女は城に連れて行く。子供は放置だ。生きていけないぞ。支配されたいなら、一度行ってみろ!」
「そうですね。だから木田家が戦っているのです。わかって頂けますか? 新政府から日本人を救う戦いをしているのです。木田家は日本を支配したいわけでは無く、困っている人を助けたいだけなのですよ」
「すみません……」
質問した生徒がしょんぼりしています。
「続いて北海道ですが、ここは北海道国を名のり日本から独立をしたようです」
「ええーーっ!!」
これは知らない生徒がいたみたいです。
「ここも、政治家主導のもと独立をしましたが、多くの粛清ののち首相の藤崎による独裁国になりました。
北海道には自衛隊の師団が二つ有り、ここの武器を入手した北海道国は独裁者のやりたい放題です。
北海道以外ではすでに弾薬が底をついて、燃料もないので近代兵器はほぼ使用不能ですが、北海道国軍には武器が豊富で戦車まで使用可能という事です。航空機も使える物があるのじゃ無いでしょうか」
「あの、北海道は農業国です。食糧とかは十分ではないのですか?」
「そうですね。北海道は豊なので安定した暮らしが出来るはずですよね。ですが独裁者は国民を奴隷と考えているようです。結果新政府と同じ事をしているようです」
「……」
教室は静かになりました。
「実は、隕石は本当に地球にぶつかる予定でした。ですが隕石は正義のヒーロー達三十一人の手によって、消し飛ばされたのです。
その中の一人のヒーローがこう言っていたそうです。何故、隕石がぶつかるその日まで普通の生活が出来なかったのだろうかって」
「……」
生徒は何も言えません。
「地球にもどったそのヒーローは、真っ暗な東京の街を呆然と見つめていたそうです。『こんなことなら、隕石がぶつかって地球なんか無くなっちまった方が良かったんじゃないのか』ってつぶやいたそうですよ。皆さんはどう思いますか。生きていて良かったですか。これからどうしたいですか?」
「それでも俺は生きていて良かった。そして、この先もしっかり生きて行きたい」
ノブ君が言いました。
そうですよね、ノブ君は沢山の命の犠牲を見ていますものね。
いいえ、ここにいる生徒全員が見ているはずですね。
「そうですか。じゃあ、この学校で一緒に学びましょう。これからどう生きて行くのか。どう生きたらいいのかを」
とうさんは、こんなことを考えていたのですか。
そのために急いで学校を作ったのですか。
荒くれてすさんでしまった子供達の心を真っ直ぐいい子にしたいのですね。私は、少し感動しています。
「じゃあ、少し休憩しましょう。休憩後は体育館に移動して下さい」
古賀先生が言いました。
0
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる