底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

文字の大きさ
360 / 428
九州激闘編

第三百六十話 恐ろしいほどの怒り

しおりを挟む
「大友様、殿からの伝言を預かって来ました」

 二人の使者が同時に言いました。

「ふむ、申してみよ」

「はっ、当家の避難民をこの戦争が終わるまで、受け入れていただきたくお願いしますと……」

 二人の使者は同じ用件だったようです。
 でも、私は大殿に意識をもっていかれて、あとは集中が途切れてしまいました。
 だって大殿、宙に浮くんじゃ無いかと思うほど、喜んでいるんですものー。

「す、すばらしい。俺は感動している。モーレツに感動しているーー!! 市民の安全のため事前に避難させる。特に有馬、ここを逃せば市民が移動出来なくなる。絶妙なタイミングだ! 素晴らしい! いやあ竜造寺も素晴らしい、市民の脱出の為に必死になってくれている。二人とも合格だーーーー!!!!!!」

 大殿は、使者の二人に抱きつかんばかりに喜んでいます。

「て、てめーー!! このくそ豚ーー!!!! 殿を呼び捨てにするんじゃねーー!!!! なーにが合格だー!!!! えらそうにするんじゃねえーー!!」

 二人の使者は、激怒しました。
 私は大殿ばかり見ていて、こいつらの行動にまで注意が行っていませんでした。
 大殿はいい笑顔のまま蹴られて、数メートル飛んでいき三回ころがりました。

 こんなことをされても、大殿の笑顔はそのままです。
 しかし、息の合ったいい蹴りでした。
 大殿は喜びすぎていて、よける気も無かったようです。

「な、何だこいつ、気持ちわりーー!! うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」

 そりゃあそうですよね
 大殿ですもんね。

 真田様、三好様、ベッキー、ミサ様、猿飛佐助ちゃん、霧隠才蔵ちゃんの六人が真っ黒なブレードを、使者の首に付けています。つ、付けたら切れますよね。

「やめないかーー!!」

 大殿があせって言いました。

「し、失礼しました」

 すぐに、ブレードをしまいました。
 でも使者の首には、六つの赤い点が出来ていて、それが少しずつ広がっていきます。

「おい! 使者殿!! きぃーつけて行動せーや。大友にはよう、血の気の多い奴が沢山いるからのう。見てみーや、殺気だっちまってるぜーー!! ひっひっひっ!!」

 うふふ、素敵な殺気がただよっています。
 すごいです。五千人以上の人がギラギラ殺気をギンギンに出しています。
 宇城の大地に殺気が充満しています。
 すごーーい!! なんてすごい光景でしょう!!!!

 あっ!! 使者さんお漏らしをしました。

 しかし、この殺気に当てられもせず笑っているとは、大友様は恐ろしいお方のようです。

「ふぁのー。こ、このお方は、ど、どの様なお方なのでしょうか?」

 御使者様二人が泣きながら聞きました。

「ひゃははは、俺はただのブタですよ。ぶー、ぶー」

 大殿が、「えっ」みたいな顔をしています。
 なんで、うけないのみたいな感じです。
 大殿、この状況の中でうける人がいたら、頭がどうかしていますよー。

「きゃははははーーーー」

 あー、ユウ様とサッチンが爆笑しています。
 大殿がうれしそうに二人を見ました。
 私も笑えばよかったわ。

「常久ー!!」

「はっ!!」

「竜造寺と行動を共にしている、配下の事が気になるだろう?」

「は、はいっ!!」

「報告をしてきたのが、古賀忍軍だったから恐らくさほど時間は立ってねえはずだ。今からでも充分間に合う。安東家総勢四十二人準備しろ、飯が途中でも心配するな。竜造寺の救助が終わったら、この世の物とも思えねえほどうめー、うな重を出してやる」

「野郎共、聞いただろう! 五分で準備しろー!」

 どうやら、大殿は竜造寺様の捨てがまりの、救出に行くつもりのようです。
 うふふ、当然私も同行いたしますよ。
 まわりを見たら、島津様の部隊も、真田様も準備を始めました。

「義弘、真田。お前達はゆっくりしていてくれ、この戦いは安東家と俺と、桃井さん、そして十田衆、ベッキーお前も来い、以上で行う」

 大殿は私の名前を呼ぶとき、こっちを見ていいですかという表情をしました。
 もちろん、私は大きくうなずきました。

「ははっ!!」

 ベッキーがうれしそうに返事をしました。

「島津隊は、部隊を半分に割り北上する部隊と、豊前に向う部隊にわけよ。もう一人隊長がいるなあ。島津四兄弟から一人出してもらってくれ」

「ははっ!」

 義弘様が返事をしました。

「真田隊は、豊前に行く島津隊の方に同行してくれ」

「ははっ!」

「まあ、行動は明日でいい。今日の所はゆっくりしてくれ。豊前の停戦もまだ期間があるしな。じゃあ皆、そろそろ行こうか」

 大殿は、青いUFOに全員を乗せると、一気に久留米まで飛びました。
 そして、久留米からは国道を見ながら進みます。

「ああ、そうだ。ベッキーお前にも具足をやる。安東家と同じ物だ」

「あ、ありがたき幸せ」

 本当に喜んでいます。

「使い方は、常久に聞いておくといいだろう。むっ!?」

 そう言い終わると、大殿は何かを見つけたようです。
 どうやら、竜造寺家の避難民ですね。
 まだまだ、久留米までも道のりは遠いです。

「なんなんだ! なんなんだーーー!!!!!! これはーーーー!!!!」

 大殿が何に怒っているのかは分りませんが、さっきまでの上機嫌が嘘のように、曇ってしまいました。

 う、うっ……。UFOの中に殺気におびえるうなり声が漏れました。

 宇城の五千人以上がギラギラ出していた殺気より、大殿の殺気の方が恐いです。
 ユウ様とサッチンまで、震えています。

 一体なにがあったのでしょうか?
 私には、気の毒な避難民が大きな荷物を背負って、国道を南下して逃げているだけにしか見えません。

「つねひさーーーー!!!! これはどういうことだーーーー!!!!」

「ははっ……!!」

 常久様も、国道を必死で見ています。
 どうやら、わかっていないようです。
 大殿を、これ程怒らすなんて、竜造寺様はいったい何をしたのでしょうか?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...