底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

覧都

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夏休み編

三百六十九話 痛恨のミス

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「お楽しみのところ申し訳ないが、弾道ミサイルなんてものはゴミだ。特に日本に飛んでいくような物はなあ」

 ゴミと判定した物は、処理がはやい。
 空を飛ぶ弾道ミサイルはその姿を消した。
 何と言っても俺はゴミ処理ヒーロー、アンナメーダーマンだからなあ。

「なあぁぁ!! ミッ、ミサイルがぁ……きっ、消えたあぁーー!!??」

 艦長……それとも提督か?
 滅茶苦茶驚いている。

「げっぷっ! ちっ! 消化不良でゲップが出ちまったぜ!!」

「あははははーー、弾道ミサイルを二十四本も処理してゲップって」

 あずさに爆笑された。

「あずさー! 海の中に潜水艦がいる。ひっくり返して、アメリカの街に飛ばしてくれ」

「わかったわ。西海岸の都市のど真ん中に送り届けます」

「いったい、お前は何者なんだーーーー????」

 提督が驚きを隠さないまま聞いてきた。

「日本じゃあなあ!! 名乗りもしねえもんに、名乗る名はねえんだーーこのやろーー!!!!」

「ちっ! わしの名はペリーだ!」

「ふっ、だと思ったぜ。俺は言っても分からんだろうが、日本の正義のヒーロー、アンナメーダーマンだ!!」

「くそがーーーー!!!! なにがアンナメーダーマンだーーーー!!!! 嘘を言うんじゃねーー!!!! ぶっ殺す!!!!」

 空母の上で激怒する者がいた。
 金髪で、全身が金色に輝いている。
 まるで、龍の玉でおなじみの戦闘民族の戦士のような奴だ。
 体には、アメリカ国旗のような派手な服を着ている。

「な、何々!!?? そもそも誰??」

「うるさいんだよ!!!! 私の名はサンダーアメリカ様だーー!!!!」

 そう叫びながら空母の直上にいる俺の前に飛んできた。

「サンダーアメリカ? まあたぶん、アメリカ様のヒーローかな」

「そうだ。私こそが、アメリカ人の、命と生活を守る正義のヒーロー、サンダーアメリカだ!!」

「アメリカ人? 世界中の人々じゃねえのかよ」

「当たり前だ。世界の最高級民族アメリカ人さえ幸せなら、他の下等民族など死滅しようがどうでもいい」

「ふふふ、さみしいねえ。俺は、日本人の生命と財産と笑顔を守りたいと考えているが、日本人が生活できるようになったら、次は地球上に住む全ての人々の暮しを守りたいと思って居るのだがなあ」

「き、きれい事を言ううんじゃねえ。この偽者がーーーー!!!! サンダーバーストーーーー!!!!!!」

 サンダーアメリカが問答無用で攻撃してきた。

「うぎゃああーーーーーーー!!!!!!」

 すごい攻撃だ。
 拳に雷をまとい、恐ろしく破壊力の有るパンチを繰り出し俺の腹に当てた。
 耳をつんざく破裂音がして俺は海面に吹飛ばされた。
 海面は俺を飲み込むのを拒み、月のクレーターのように丸くへこんで、俺の体は水の中にすぐには沈まなかった。
 俺はその攻撃に、思わず悲鳴を上げてしまった。

「ひゃああはっはっは!!!! くたばりゃあがったか?」

 クレーター状に広がった海面が元に戻ろうと、大きな波がしぶきを上げて中央に集って来た。
 そして、俺の体はその波に飲み込まれていく。
 ザザザザザァァァァーーという音と、ゴポゴポと空気の移動する音が聞こえる。

 ――なんちゅー攻撃だあー!!

 あせったー!! 俺じゃ無ければ、大ダメージだぞ!!
 まだ、世界にはこんな奴がいるのかー。まいるぜ!

「ふん、私の前でアンナメーダーマンの名をかたるとは、命知らずな奴め……!? なっなにーーっ!!」

「ふーまいるぜ! 思わず悲鳴が出ちまったぜ」

 俺は首をコキコキ左右に曲げながら水面からゆっくり浮き上がった。

「ま、まさか、無傷なのかーー? う、うそだろーー??」

 サンダーアメリカが驚いて叫んだ。

「まあ、あんたの攻撃には心底驚いた! おめーさん、すげーなーー!!!!」

「く、くそーー、サンダーデストラクション!!!! サンダーデストロイ!!!!!!」

 次々攻撃を加えてくる。
 雷をまとった攻撃は、一撃一撃に雷撃が乗り落雷の音がする。
 だが、最初の一撃と威力は余り変わらない。
 ちゃんと力を想定して踏ん張りながら受ければ、吹飛ばされる事は無かった。
 サンダーアメリカの攻撃は、俺の体を突き抜け衝撃波が海面を波立たせた。

「くそーー!!!! なんなんだお前はー? いったいなんなんだよーー!!!!」

「だから、アンナメーダーマンだって言っているだろう」

「やかましい!! 偽物めーー!!!! アンナメーダーマンは、デブでジャージにヘルメットなんだよ! そんなにかっこいいわけが無いだろーー!!!!」

 いまの俺は、クザンのコスチュームが矯正下着のように、体のシルエットを少しシュッとさせてくれている。
 いつものジャージの時より、数段かっこよくなっている。

「えっ!! そっちを知っているの?? 一体何者??」

「ふん、私はウルトラウーマンの弟子、31ヒーローの一人サンダーアメリカだ。日本人は嫌いだが、アンナメーダーマンだけは世界一尊敬している者だ。アンナメーダーマンを愚弄する者は許さん!!!!」

「いやいや、愚弄はしていないよね。それに俺は本物のアンナメーダーマンだしな。さっきの攻撃で、実力は分かったんじゃ無いのか」

「えっ!? まさか本物?? 本物のアンナメーダーマン様ですか?」

「そ、そうです!! 俺が本物のアンナメーダーマンです」

「ほ、ほんも……の……」

「はい、本物です」

「うわああぁぁーーー!!!! 会いたかったーー!!!!」

 サンダーアメリカが抱きついて来た。
 みた感じ、美形の少年のようだが、女にも見える。
 俺は男か女か判断に困ってしまった。

「きゃあああああああぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」

 すごい悲鳴がした。

「し、しまったーーーー!!!!」

「にゃ、にゃにをしゅりゅのりぇしゅかーーーー」

 サンダーアメリカが、真っ赤な顔をしている。
 あっ、なんかかわいい。

「とーーーさーーーん!! 何をするのですかーー!!!!」

 カーーーーーーーン!!!!!!

 強烈な金属音がした。
 あずさの乗ったバムードの強烈なパンチが俺を吹飛ばした。
 俺の体は光のスピードぐらいの速さで海面に衝突した。
 衝撃で津波が起きて、弩級空母がフラフラ揺れている。
 いままで受けてきた攻撃の中で一番強烈な一撃だったよ。さすがあずさだ。
 星が、いくつか見えた。なんだか奴隷船の中が見えた。

 俺は、知らず知らず、無意識でサンダーアメリカの性別をパフパフで確認してしまったのだ。
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