底辺おじさん、助けた異世界転生美少女の異世界魔法と異世界アイテムそして特殊能力ゴミ処理で世界を救う

夏休み編

第三百七十九話 幸せな顔

「がはっ」
「ぐおっ！」
「げぼおぉぉぉ！！」

　信さんとスケさんとカクさんが、襲いかかる賊達に強めの一撃を腹に加えている。
　腹への一撃は、地獄の苦しみと聞いた事がある。
　賊達へのお仕置きとしては丁度良いだろう。

　俺はデブの賊の親玉の方へのそりと移動した。
　俺の怒りのオーラは最高潮に出ているはずだ。

「八兵衛さん、弱いのだから動かないで下さい！！」

　信さんに言われてしまった。

　――うおおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーー！！！！！

　そうでした。俺は今、弱い八兵衛でしたー！
　この、怒りのオーラはどうしたらいいんだーー！！

「野郎共、その弱い醜いデブの豚を人質に取れーー！！！！」

　俺の近くにいる、賊の手下が一斉に俺を見た。

「待ちなさい。人質ならそんな醜い臭い汚い豚より私にしなさい！！」

　女性を解放しているうちに正気を取り戻したのか、先程までの青い顔から血の気が戻って来たミサが声をあげた。
　俺は、ミサの顔を見るためだけに顔を動かしたのだが、その目に大勢の裸の女性の姿が飛び込んできた。
　可哀想に全身あざだらけだ。すぐに助け出しますから、もう少しのしんぼうです。

　この間にも信さんとスケさん、カクさんは手を休めず手下を倒している。
　すげー人数がいるなあ。テレビと大違いだ。

　ミサを見た賊の手下の顔から、緊張感が無くなり鼻の下が伸びている。
　すげーなー！　おっぱいのでかい美女のパワーは。
　ミサは、胸を強調した露出の大きい服を着ている。
　その服装で腕を胸の下で組み、揺すりながら上にあげた。
　揺れながらこぼれそうになる胸は、もはや凶器だよ。

「はああぁぁぁぁぁーーーーーっ！！」

　ミサは揺すっていた手を離すと、深く息を吸うと鼻の下を伸ばした男達に蹴りを加えた。
　油断している男達は、強烈な蹴りをくらっているにもかかわらず、幸せな表情で次々倒れていった。
　それもそのはず、ミサは短いスカートをはいている。
　いつも、フージコちゃーーんな服装だ。

　臭い汚いパンツが丸見えになり、男達は幸せな表情なのだ。

「な、な、な、なんですってーーーー！！！！　臭くて汚いかどうか確かめてみなさいよーー！！！！」

　ミサが激怒の表情で近づいてくる。あいつ、また俺の心を読んだなー。
　スカートの裾を両手で握り、いつでも上にあげられる体勢だ。
　おいおい、それで俺に臭いをかがせる気かーー？？

　――冗談に決まっているだろー。俺の事を臭い汚いと言った仕返しだよ。

　あせりながら、心の中で言った。

「ま、まあ、それならいいわ」

　っていうか、お前らーーーー！！
　俺の事を醜いとか汚いとか臭いとか散々言いやがってーーーー！！！！
　泣けるぜーーーー！！！！！！

「くひっ！」

　ミサが笑っている。

　ミサの参加のおかげで手下は全員片づいてしまった。
　弱い八兵衛の出番は全くなかった。
　これじゃあ、ただ悪口を言われただけじゃねえかー。くそっ！！

「さて、残るはあなただけですが、何か言いたいことはありますか」

　信さんが、賊の親玉に話しかけた。