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第59章『電話』
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第59章『電話』
「真吾?」
「ああ……どうした?」
あと一時間程で日付が変わろうかという頃合い、総司令執務室の扉が数度叩かれる。入室の許可を口にすれば、入って来たのは日中の制服姿からいつもの戦闘服へと着替えたタカコだった。
出動自体では死者を出さなかった海兵隊、しかし、家族を亡くした海兵が全てに絶望し自死という選択をするという何とも遣る瀬無い惨劇の結末を迎え、今回も結局は葬儀を執り行う事になった。
通常であれば海兵隊墓地では土葬が主流だが、今回は家族全員と合葬する上に変異体は火葬するという政府令に従う為に家族全員が火葬となり、その遺骨が墓碑の下へと埋められた。
葬儀は出動の後は毎回の事で、最低限の人間を基地に残しほぼ全員が参列する。その時も参列する海兵の面持ちは沈痛なものだが、今回は更にその色は濃く深く、参列者の中には同じ様に息子や娘が活骸に変異した者、活骸に家族を食い殺された者もおり、その彼等の様子はとても正視出来なかったというのが高根にとっても正直なところだった。事情を慮り彼等は参列せず残された家族についていてやれる様に取り計らえと命令を出してはいたが、敦賀や直属の上官からそれを伝えられた彼等本人がそれを辞し、彼等自身の意思で参列を決めたらしい。
「葬儀も終わったし、一度家に帰ったらどうだ?」
「……ああ、分かっちゃいるんだがよ……家族亡くした人間の気持ち考えると、なかなかな……」
確かにもう十日程帰宅していない。心身共に疲労は限界に来ていると自分でも感じているし、葬儀も終えてひと段落下今、課外に自宅へと帰る事にそう問題は無いのだろうという事も分かっている。しかし、帰宅とその先が何を意味するのか、そこに自分は何を求めているのかと思い至れば、家族を亡くした部下達の事も有りどうにも躊躇が生まれてしまうという状態だった。高根のそんな胸中はタカコにも伝わっているのだろう、言い淀む高根を見て困った様に笑いながら言葉を続ける。
「また明日からも暫くしんどい日々が続くんだ、お膝元での曝露なんだから陸軍とも併せて責任の所在についても中央と遣り合わないといけないだろ、今日はもう帰って、ゆっくり休めよ。それに……」
「それに?何だ?」
「お前の家とその前で派手にやっちゃったからさ、玄関も外も血塗れだったのよ。あれ、凛ちゃん一人で掃除させるの可哀相でさ……あんな可愛い嫁さん一人にしといちゃ駄目だ、心細いに決まってんだろ、帰ってやれ」
曝露発生からもう日は経っているし、区域内は陸軍西方旅団の防疫部隊が総動員されて清浄化を突貫で行い今はもうすっかり綺麗になっている事は当然タカコも知っており、陸軍と協調し作業を進めた海兵隊の最高司令官である高根もそれは同じである事も理解している筈だ。それなのに敢えてそんな話題を持ち出してきたという事は、何が何でも自分を帰らせようとしているのに違いなく、また、高根自身も凛の名を持ち出されて僅かに気持ちが揺れ動く。
「……そうだな……今日はもう帰るよ……あの日、あいつを助けてくれて有り難うな」
「なんの。お前の為じゃなくて凛ちゃんの為だし、ほら、とっとと帰れよ、きっと良い報せが待ってる」
タカコ自身もあの日浅くはない傷を負ったというのにそれはおくびにも出さずに飄々と笑い、着替えようと立ち上がった高根を見て目を細め、部屋を出ようと踵を返した。
「ん?良い報せって何だよ?」
「帰ってから凛ちゃんに聞け」
「……分かったよ、お疲れ、お前も無理するなよ」
「はいはい、お疲れさん」
その彼女が口にした『言い報せ』という言葉に引っ掛かりを覚え呼び止めれば、タカコは首だけを捻って高根へと振り返り、思わせぶりな事を口にし再び歩き出す。そんな彼女の背に言葉を投げかければ、振り返る事も無く手を挙げひらひらと振りながら出て行った。
一人になった室内、着替えの衣擦れの音だけが僅かに空気を揺らす中、ふう、と大きく溜息を吐き一度天井を仰ぐ。そう、タカコが言っていた様に自分に課せられた仕事はまだまだ山積しており、あまり好きでも得意でもない『政治』も目の前に迫っている。これを片付けられるのは海兵隊では自分だけであり、腹心の小此木にすら任せる事は出来ない。それならば、それをしっかりと片付ける為にも今日はとにかく帰宅し、身体も心も多少なりとも休めよう。そんな事を考えつつ着替えを終えて廊下へと出て階段を降りれば、途中階段や廊下で何人もの海兵達とすれ違い敬礼を受けた。
「いい、楽にしろ。悪いが今日は帰らせてもらう、お前達も早く休め。明日からもまた頼むぞ」
そんな言葉を掛けつつ一階へと降りればそには風呂上りなのかさっぱりとした様子で何やら話している敦賀と小此木の姿。浴場も士官と下士官以下では分けられているから一緒に湯船に入っていたのではないのだろうが、頼もしい腹心二人のそんな平和を感じさせる佇まいに僅かに口元を緩め、
「お疲れさん。俺は今日はもう帰らせてもらうわ。色々と限界なんでな」
と、そんな言葉を掛けながら歩み寄る。
「そうしろそうしろ、ひどいツラしてるぞお前」
「見てくれに気を遣え馬鹿が、頭がしゃきっとしてなきゃ士気に関わるんだよ、さっさと帰れ」
そんな言葉を返して来た二人と少しばかり話し込み、
「お休み、お疲れさん」
と最後に言葉を掛け、基地を出た。
帰る道すがら考えるのは凛の事ばかり。体調が悪いと言っていたのに二週間近くも家を空け、しかもその間博多は激動と惨劇の渦中に在った。きっと心細い思いをさせただろうし心配もしてくれているだろう、帰ったら先ずは抱き締めて、自分の無事を伝えたい、そして、彼女の無事を喜びたい。
「ただいま」
通い慣れた道を歩き自宅へと帰り着き中へと入れば、口にした言葉と共に扉が閉まるよりも早く居間から凛が飛び出して来る。
「お帰りなさい!怪我とか、してませんか!?」
「俺は平気だよ。ごめんな、博多がこんな状態になっちまってさ、俺も仕事から離れられなくて。俺よりもお前の方が心配だったよ」
「私は大丈夫ですよ。ちゃんと家に閉じ籠もってましたから」
「体調は?もう良くなったか?」
「はい、時々気持ち悪くなる事も有るんですけど、少し休めば直ぐに楽になりますから」
「まだ吐き気が有るのか?もう一度病院に――」
「あの、真吾さん、お話が有ります」
凛が不調を訴えていたのはもう十日も前の話、それなのに未だに復調していないとはと高根は眉根を寄せる。もう一度病院に、そう言いかけた彼を制止したのは、妙に思い詰めた様子の凛の言葉と眼差しだった。
「どうした?」
「あの、実は――」
ジリリリリリリリリリ――、ジリリリリリリリリリ――、ジリリリリリリリリリ――
居間の電話が鳴り始めたのはその直後、こんな時間に電話を掛けて来るという事は、相手は実家か自分の帰宅を知っている基地からだろう。相手がどちらにせよこんな深夜に掛かって来るという事はどうやら緊急の要件らしい、そう判断し
「悪い、ちょっと待っててくれ」
そう言って凛の頭を一撫でし靴を脱ぐ。凛が何かを言おうとしたのには気付きはしたものの、直ぐに済むから、と居間へと入り受話器を持ち上げた。
「はい、た――」
『直ぐに戻って来い!!タカコが刺された!!』
受話器の向こうから聞こえて来たのは焦り切羽詰まった小此木の声。それが紡ぐ意味を理解した瞬間、高根は声を張り上げていた。
「刺されたってどういう事だ!!」
『俺も分からん!!曹長の浜口がとか他の曹長が喚いてる!大和田先生には連絡したが、お前も直ぐに戻れ!!』
「ふざけんな何やってんだ!!今から行く!!」
受話器を叩き付けて廊下へと走り出せば、様子を窺っていた凛とぶつかり小さな身体が大きく揺れる。咄嗟にその身体へと腕を伸ばし一度強く抱き締め、
「悪い、会社に戻る。戻ってから聞くから今は勘弁な?」
額へと口付けを落としながらそう告げた。
「え、何か――」
「タカコが……刺された……!」
一瞬にして凛の表情が強張り、それを見て『言うべきではなかった』と己の軽はずみな言動に一瞬舌打ちをしたものの、高根は凛の身体を離して走り出す。
「戸締りはしっかりしとけ!出来るだけ早く帰るから!ごめんな!!」
靴を履きながらそう告げた後はもう振り返る事も無く基地へと向かい走り出し、凛はその高根の様子を呆然とした様子で見送った。
「真吾?」
「ああ……どうした?」
あと一時間程で日付が変わろうかという頃合い、総司令執務室の扉が数度叩かれる。入室の許可を口にすれば、入って来たのは日中の制服姿からいつもの戦闘服へと着替えたタカコだった。
出動自体では死者を出さなかった海兵隊、しかし、家族を亡くした海兵が全てに絶望し自死という選択をするという何とも遣る瀬無い惨劇の結末を迎え、今回も結局は葬儀を執り行う事になった。
通常であれば海兵隊墓地では土葬が主流だが、今回は家族全員と合葬する上に変異体は火葬するという政府令に従う為に家族全員が火葬となり、その遺骨が墓碑の下へと埋められた。
葬儀は出動の後は毎回の事で、最低限の人間を基地に残しほぼ全員が参列する。その時も参列する海兵の面持ちは沈痛なものだが、今回は更にその色は濃く深く、参列者の中には同じ様に息子や娘が活骸に変異した者、活骸に家族を食い殺された者もおり、その彼等の様子はとても正視出来なかったというのが高根にとっても正直なところだった。事情を慮り彼等は参列せず残された家族についていてやれる様に取り計らえと命令を出してはいたが、敦賀や直属の上官からそれを伝えられた彼等本人がそれを辞し、彼等自身の意思で参列を決めたらしい。
「葬儀も終わったし、一度家に帰ったらどうだ?」
「……ああ、分かっちゃいるんだがよ……家族亡くした人間の気持ち考えると、なかなかな……」
確かにもう十日程帰宅していない。心身共に疲労は限界に来ていると自分でも感じているし、葬儀も終えてひと段落下今、課外に自宅へと帰る事にそう問題は無いのだろうという事も分かっている。しかし、帰宅とその先が何を意味するのか、そこに自分は何を求めているのかと思い至れば、家族を亡くした部下達の事も有りどうにも躊躇が生まれてしまうという状態だった。高根のそんな胸中はタカコにも伝わっているのだろう、言い淀む高根を見て困った様に笑いながら言葉を続ける。
「また明日からも暫くしんどい日々が続くんだ、お膝元での曝露なんだから陸軍とも併せて責任の所在についても中央と遣り合わないといけないだろ、今日はもう帰って、ゆっくり休めよ。それに……」
「それに?何だ?」
「お前の家とその前で派手にやっちゃったからさ、玄関も外も血塗れだったのよ。あれ、凛ちゃん一人で掃除させるの可哀相でさ……あんな可愛い嫁さん一人にしといちゃ駄目だ、心細いに決まってんだろ、帰ってやれ」
曝露発生からもう日は経っているし、区域内は陸軍西方旅団の防疫部隊が総動員されて清浄化を突貫で行い今はもうすっかり綺麗になっている事は当然タカコも知っており、陸軍と協調し作業を進めた海兵隊の最高司令官である高根もそれは同じである事も理解している筈だ。それなのに敢えてそんな話題を持ち出してきたという事は、何が何でも自分を帰らせようとしているのに違いなく、また、高根自身も凛の名を持ち出されて僅かに気持ちが揺れ動く。
「……そうだな……今日はもう帰るよ……あの日、あいつを助けてくれて有り難うな」
「なんの。お前の為じゃなくて凛ちゃんの為だし、ほら、とっとと帰れよ、きっと良い報せが待ってる」
タカコ自身もあの日浅くはない傷を負ったというのにそれはおくびにも出さずに飄々と笑い、着替えようと立ち上がった高根を見て目を細め、部屋を出ようと踵を返した。
「ん?良い報せって何だよ?」
「帰ってから凛ちゃんに聞け」
「……分かったよ、お疲れ、お前も無理するなよ」
「はいはい、お疲れさん」
その彼女が口にした『言い報せ』という言葉に引っ掛かりを覚え呼び止めれば、タカコは首だけを捻って高根へと振り返り、思わせぶりな事を口にし再び歩き出す。そんな彼女の背に言葉を投げかければ、振り返る事も無く手を挙げひらひらと振りながら出て行った。
一人になった室内、着替えの衣擦れの音だけが僅かに空気を揺らす中、ふう、と大きく溜息を吐き一度天井を仰ぐ。そう、タカコが言っていた様に自分に課せられた仕事はまだまだ山積しており、あまり好きでも得意でもない『政治』も目の前に迫っている。これを片付けられるのは海兵隊では自分だけであり、腹心の小此木にすら任せる事は出来ない。それならば、それをしっかりと片付ける為にも今日はとにかく帰宅し、身体も心も多少なりとも休めよう。そんな事を考えつつ着替えを終えて廊下へと出て階段を降りれば、途中階段や廊下で何人もの海兵達とすれ違い敬礼を受けた。
「いい、楽にしろ。悪いが今日は帰らせてもらう、お前達も早く休め。明日からもまた頼むぞ」
そんな言葉を掛けつつ一階へと降りればそには風呂上りなのかさっぱりとした様子で何やら話している敦賀と小此木の姿。浴場も士官と下士官以下では分けられているから一緒に湯船に入っていたのではないのだろうが、頼もしい腹心二人のそんな平和を感じさせる佇まいに僅かに口元を緩め、
「お疲れさん。俺は今日はもう帰らせてもらうわ。色々と限界なんでな」
と、そんな言葉を掛けながら歩み寄る。
「そうしろそうしろ、ひどいツラしてるぞお前」
「見てくれに気を遣え馬鹿が、頭がしゃきっとしてなきゃ士気に関わるんだよ、さっさと帰れ」
そんな言葉を返して来た二人と少しばかり話し込み、
「お休み、お疲れさん」
と最後に言葉を掛け、基地を出た。
帰る道すがら考えるのは凛の事ばかり。体調が悪いと言っていたのに二週間近くも家を空け、しかもその間博多は激動と惨劇の渦中に在った。きっと心細い思いをさせただろうし心配もしてくれているだろう、帰ったら先ずは抱き締めて、自分の無事を伝えたい、そして、彼女の無事を喜びたい。
「ただいま」
通い慣れた道を歩き自宅へと帰り着き中へと入れば、口にした言葉と共に扉が閉まるよりも早く居間から凛が飛び出して来る。
「お帰りなさい!怪我とか、してませんか!?」
「俺は平気だよ。ごめんな、博多がこんな状態になっちまってさ、俺も仕事から離れられなくて。俺よりもお前の方が心配だったよ」
「私は大丈夫ですよ。ちゃんと家に閉じ籠もってましたから」
「体調は?もう良くなったか?」
「はい、時々気持ち悪くなる事も有るんですけど、少し休めば直ぐに楽になりますから」
「まだ吐き気が有るのか?もう一度病院に――」
「あの、真吾さん、お話が有ります」
凛が不調を訴えていたのはもう十日も前の話、それなのに未だに復調していないとはと高根は眉根を寄せる。もう一度病院に、そう言いかけた彼を制止したのは、妙に思い詰めた様子の凛の言葉と眼差しだった。
「どうした?」
「あの、実は――」
ジリリリリリリリリリ――、ジリリリリリリリリリ――、ジリリリリリリリリリ――
居間の電話が鳴り始めたのはその直後、こんな時間に電話を掛けて来るという事は、相手は実家か自分の帰宅を知っている基地からだろう。相手がどちらにせよこんな深夜に掛かって来るという事はどうやら緊急の要件らしい、そう判断し
「悪い、ちょっと待っててくれ」
そう言って凛の頭を一撫でし靴を脱ぐ。凛が何かを言おうとしたのには気付きはしたものの、直ぐに済むから、と居間へと入り受話器を持ち上げた。
「はい、た――」
『直ぐに戻って来い!!タカコが刺された!!』
受話器の向こうから聞こえて来たのは焦り切羽詰まった小此木の声。それが紡ぐ意味を理解した瞬間、高根は声を張り上げていた。
「刺されたってどういう事だ!!」
『俺も分からん!!曹長の浜口がとか他の曹長が喚いてる!大和田先生には連絡したが、お前も直ぐに戻れ!!』
「ふざけんな何やってんだ!!今から行く!!」
受話器を叩き付けて廊下へと走り出せば、様子を窺っていた凛とぶつかり小さな身体が大きく揺れる。咄嗟にその身体へと腕を伸ばし一度強く抱き締め、
「悪い、会社に戻る。戻ってから聞くから今は勘弁な?」
額へと口付けを落としながらそう告げた。
「え、何か――」
「タカコが……刺された……!」
一瞬にして凛の表情が強張り、それを見て『言うべきではなかった』と己の軽はずみな言動に一瞬舌打ちをしたものの、高根は凛の身体を離して走り出す。
「戸締りはしっかりしとけ!出来るだけ早く帰るから!ごめんな!!」
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