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第493章『想』
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第493章『想』
命令なのだからと自分を納得させ、部下の為だと言い聞かせ、そして、幸せになって良いんだと、部下達の為には先ずお前が幸せになれと言われ、そうやって再び大和の大地を踏み締めた。けじめは付けなければと副長の自宅へと挨拶に向かい、そこでも受け入れられ、これで本当に大丈夫なのだと、そう思える様になった。
そうして迎えた今日、約束の時間が近付けば近付く程、当の本人には何も言えていない謝罪も出来ていない事への罪悪感と恐怖感が大きくなり、逃げ出しても無意味だとは分かっていても、部下達の目を盗んでその場から逃げ出した。結局それでどうなるものでもなくこうして連れ戻され、一番会いたかった、そして、一番会いたくなかった人物へと向かい冷静を装いながら挨拶をしたものの、彼は相変わらず感情の振れ幅は大きくないらしく、肚の内が読めない眼差しをこちらへと向けている。
何か言わなければ、そう思って唇を動かしてもそれは言葉にはならず、心臓がどくどくと逸る音すら聞こえそうだと、タカコがそんな事を考えていた時、動いたのは高根と、そして黒川だった。
「金子さん、通訳を。この二人はサシで話さないとならん事が山程有る様ですから、場所を変えませんか?」
「そうですね、高根総司令の言う通り、どうやら時間が必要な様です。顔も人となりも最初からよく知ってるんだから、もうこれ以上顔合わせの意味も無いでしょう。実務的な話は、明日以降という事でどうですか」
若干の含みを持たせた二人の言葉、それはどうやらほぼ正確にテイラーへと伝わったらしく、テイラーはお互いを見据えて固まったまま動かないタカコと敦賀の二人を数度交互に見た後ににっこりと笑い、
『……そういう事でしたか。そうですね、食事でもしながらでどうですか。とは言っても、ここの食堂のですが』
そう言いながら歩き出す。それに室内の全員が従い、室内にはタカコと敦賀、そしてヤスコとトルゴだけが残された。
『ヤスコ、トルゴ、伏せ』
ピスピスと鼻を鳴らしながら二人の周囲をうろうろと歩き回っていた二頭に対しタカコが命令すれば、彼等は静かにそれに従い、少し離れたところで並んで伏せの体勢をとり、揃えた前脚の間に鼻を突っ込んで上目遣いで様子を窺い始める。タカコはそれを横目で見ながらこちらの方は大丈夫な様だと思いつつ視線を前へと戻し、敦賀の大きな体躯を視界の中央へと据えた。
「……墓参り」
「……え?」
「今朝、墓参り、来たのか」
「ああ……うん、夜明け頃に。眠れなかったから」
「そうか」
「あの……、手入れ、してくれてたんだろ?有り難う」
「いや……別に礼を言われる様な事じゃねぇ」
その後に訪れたのは長い沈黙、元々口数が多いわけではない敦賀、普段は饒舌でも今回ばかりは気まずさと緊張が勝ってしまい何も言い出せないタカコ。自分はどうしたいのか、決めた筈だ、紆余曲折や各方面の思惑は有ったにせよ、最終的には自らの自由意思に基づいてこの地への再赴任を決めた。
以前は真っ直ぐ気持ちをぶつけてくれていた敦賀、その彼の気持ちが今も同じかは分からない。けれど、だからこそ、今度は自分が想いを彼へと素直に伝える番なのだと、それに対しての敦賀の答えがどうであれ、自分はそうしなければいけないのだとタカコは自らに言い聞かせ、萎えそうになる気持ちを奮い立たせながらゆっくりと口を開く。
「お前に……確認したい事が有るんだ」
「……何だ、言ってみろ」
更に逸る心臓、こんなに鼓動が速くては身体も震えているかも知れないなと思いつつ、タカコは敦賀に促され続きを口にする。
「……私のこれから先の人生全て、貰い受ける気は無いか?」
どうやって気持ちを伝えようかと、何日も何日も真剣に考えた。そうして辿り着いた結論は、今迄散々自分の都合で振り回して来た以上、要求する事は、それを押し付ける事はしたくないという、実に中途半端なもの。それでもだからと言って何も言わない事は卑怯だとも思え、何よりも出来れば自分を受け入れて欲しいという思いから、最終的に、敦賀に決断を委ねる事にした。
それで受け入れてもらえなかったとしても、それは自分が蒔いた種、自業自得。いっさすっぱり斬って捨ててくれた方が諦めもつくかも知れないと思いつつ絞り出したタカコの言葉に、敦賀は暫くの間何の反応も示さなかった。
室内に二人きりで向かい合って立ったまま、時間だけが過ぎていく。コチコチという時計が時を刻む音だけが流れ続ける中、敦賀が口を開いたのは五分程も経ってからの事だった。
「……今更か」
イマサラカ――、その言葉の意味を直ぐには理解出来なかったのは、大和語を久しく耳にしていなかったからなのか、それとも、聞きたくなかったからなのか。いずれにせよ敦賀が吐き出した言葉が変わる事は無く、その意味を理解したタカコの心臓は一度大きく跳ね、そして、急激に拍動は静かになっていく。
それが敦賀の答えなのだと理解すれば、後はもう今迄の非礼を詫び、彼の前から姿を消すだけだ。任務はどうしようもないから今後も顔を合わせる事になるが、それでも今迄と同じ様な付き合いではなく、一線も二線も引いた付き合いになるのだろう。その事に酷く落胆している事は事実だし、出来れば受け入れて欲しかった。それでも、今迄彼を傷付け続けて来た自分に縋り許しを請う資格は無い、拒絶されたのであれば、彼のその意志を尊重し速やかにこの場を去るだけだと、ぐ、と口元を引き締め、するり、と音も無く踵を返す。
「そうか、分かった……変な事言って、悪かった……すまん。もう、忘れてくれ」
泣くな、泣くな、泣くな、自分にそんな資格は無い。落胆している事も傷付いている事も彼に悟らせてはならない、それはまた彼を傷付ける、不快にさせる事になる。今迄の非礼を詫びて速やかにこの場を去れと胸中で自分を罵った時、不意に何故か周囲の空気が温かく、そして濃密になった気がした。
「……待たせ過ぎだ、この、馬鹿女が」
背後からすっぽりと自分を抱き締める敦賀の腕、背中に感じる分厚い胸板と腹筋。その状況が飲み込めずにタカコが身体を捩れば息が苦しくなる程に強く深く抱き締められ、髪にそっと口付けられた感触が伝わって来る。
「お前がそう言うなら、俺はもう今度こそ何が有ろうとお前を手放す気は無ぇぞ」
「……え」
「お前が俺に愛想を尽かして泣いて喚いて暴れて嫌がったとしても、お前はもうこの先ずっと俺のもんだ、離れて行くのなんか絶対に許さねぇ……それでも、良いのか」
「だって……私、今迄いっぱい酷い事――」
「悪いと思ってんのなら、俺の望む通りにしろ。俺の傍にいて、くだらねぇ事言って馬鹿みたいに大口開けて笑って、俺の隣で歳とっていけ……良いな?」
「だって……私、何もお前に……ごめん、ごめん、ごめ――」
懐かしい、そして想い焦がれ求めた優しい温かさと匂い。それが自分を包み込みそして求めてくれているのだという状況にタカコの感情は急激に昂ぶり、双眸からは止め処無く涙が溢れ出す。その後はもう何を言おうとしても言葉にならず、ただしゃくりあげるだけになり、敦賀はそんな彼女の身体から一旦離れ、そしてゆっくりと、優しく自分の方へと振り向かせた。
「泣くな……俺は器用じゃねぇから、どうしたら良いか分からん、だから……泣くな」
その後はもう、大きな体躯へとしがみ付き、声を上げて泣く事しか出来なかった。謝罪も感謝も何一つ言葉にはならず、子供の様に声を上げて泣くタカコに、敦賀は目を細めて髪へと口付けを振らせ、優しく抱き締めあやす様に背中を撫で続けていた。
命令なのだからと自分を納得させ、部下の為だと言い聞かせ、そして、幸せになって良いんだと、部下達の為には先ずお前が幸せになれと言われ、そうやって再び大和の大地を踏み締めた。けじめは付けなければと副長の自宅へと挨拶に向かい、そこでも受け入れられ、これで本当に大丈夫なのだと、そう思える様になった。
そうして迎えた今日、約束の時間が近付けば近付く程、当の本人には何も言えていない謝罪も出来ていない事への罪悪感と恐怖感が大きくなり、逃げ出しても無意味だとは分かっていても、部下達の目を盗んでその場から逃げ出した。結局それでどうなるものでもなくこうして連れ戻され、一番会いたかった、そして、一番会いたくなかった人物へと向かい冷静を装いながら挨拶をしたものの、彼は相変わらず感情の振れ幅は大きくないらしく、肚の内が読めない眼差しをこちらへと向けている。
何か言わなければ、そう思って唇を動かしてもそれは言葉にはならず、心臓がどくどくと逸る音すら聞こえそうだと、タカコがそんな事を考えていた時、動いたのは高根と、そして黒川だった。
「金子さん、通訳を。この二人はサシで話さないとならん事が山程有る様ですから、場所を変えませんか?」
「そうですね、高根総司令の言う通り、どうやら時間が必要な様です。顔も人となりも最初からよく知ってるんだから、もうこれ以上顔合わせの意味も無いでしょう。実務的な話は、明日以降という事でどうですか」
若干の含みを持たせた二人の言葉、それはどうやらほぼ正確にテイラーへと伝わったらしく、テイラーはお互いを見据えて固まったまま動かないタカコと敦賀の二人を数度交互に見た後ににっこりと笑い、
『……そういう事でしたか。そうですね、食事でもしながらでどうですか。とは言っても、ここの食堂のですが』
そう言いながら歩き出す。それに室内の全員が従い、室内にはタカコと敦賀、そしてヤスコとトルゴだけが残された。
『ヤスコ、トルゴ、伏せ』
ピスピスと鼻を鳴らしながら二人の周囲をうろうろと歩き回っていた二頭に対しタカコが命令すれば、彼等は静かにそれに従い、少し離れたところで並んで伏せの体勢をとり、揃えた前脚の間に鼻を突っ込んで上目遣いで様子を窺い始める。タカコはそれを横目で見ながらこちらの方は大丈夫な様だと思いつつ視線を前へと戻し、敦賀の大きな体躯を視界の中央へと据えた。
「……墓参り」
「……え?」
「今朝、墓参り、来たのか」
「ああ……うん、夜明け頃に。眠れなかったから」
「そうか」
「あの……、手入れ、してくれてたんだろ?有り難う」
「いや……別に礼を言われる様な事じゃねぇ」
その後に訪れたのは長い沈黙、元々口数が多いわけではない敦賀、普段は饒舌でも今回ばかりは気まずさと緊張が勝ってしまい何も言い出せないタカコ。自分はどうしたいのか、決めた筈だ、紆余曲折や各方面の思惑は有ったにせよ、最終的には自らの自由意思に基づいてこの地への再赴任を決めた。
以前は真っ直ぐ気持ちをぶつけてくれていた敦賀、その彼の気持ちが今も同じかは分からない。けれど、だからこそ、今度は自分が想いを彼へと素直に伝える番なのだと、それに対しての敦賀の答えがどうであれ、自分はそうしなければいけないのだとタカコは自らに言い聞かせ、萎えそうになる気持ちを奮い立たせながらゆっくりと口を開く。
「お前に……確認したい事が有るんだ」
「……何だ、言ってみろ」
更に逸る心臓、こんなに鼓動が速くては身体も震えているかも知れないなと思いつつ、タカコは敦賀に促され続きを口にする。
「……私のこれから先の人生全て、貰い受ける気は無いか?」
どうやって気持ちを伝えようかと、何日も何日も真剣に考えた。そうして辿り着いた結論は、今迄散々自分の都合で振り回して来た以上、要求する事は、それを押し付ける事はしたくないという、実に中途半端なもの。それでもだからと言って何も言わない事は卑怯だとも思え、何よりも出来れば自分を受け入れて欲しいという思いから、最終的に、敦賀に決断を委ねる事にした。
それで受け入れてもらえなかったとしても、それは自分が蒔いた種、自業自得。いっさすっぱり斬って捨ててくれた方が諦めもつくかも知れないと思いつつ絞り出したタカコの言葉に、敦賀は暫くの間何の反応も示さなかった。
室内に二人きりで向かい合って立ったまま、時間だけが過ぎていく。コチコチという時計が時を刻む音だけが流れ続ける中、敦賀が口を開いたのは五分程も経ってからの事だった。
「……今更か」
イマサラカ――、その言葉の意味を直ぐには理解出来なかったのは、大和語を久しく耳にしていなかったからなのか、それとも、聞きたくなかったからなのか。いずれにせよ敦賀が吐き出した言葉が変わる事は無く、その意味を理解したタカコの心臓は一度大きく跳ね、そして、急激に拍動は静かになっていく。
それが敦賀の答えなのだと理解すれば、後はもう今迄の非礼を詫び、彼の前から姿を消すだけだ。任務はどうしようもないから今後も顔を合わせる事になるが、それでも今迄と同じ様な付き合いではなく、一線も二線も引いた付き合いになるのだろう。その事に酷く落胆している事は事実だし、出来れば受け入れて欲しかった。それでも、今迄彼を傷付け続けて来た自分に縋り許しを請う資格は無い、拒絶されたのであれば、彼のその意志を尊重し速やかにこの場を去るだけだと、ぐ、と口元を引き締め、するり、と音も無く踵を返す。
「そうか、分かった……変な事言って、悪かった……すまん。もう、忘れてくれ」
泣くな、泣くな、泣くな、自分にそんな資格は無い。落胆している事も傷付いている事も彼に悟らせてはならない、それはまた彼を傷付ける、不快にさせる事になる。今迄の非礼を詫びて速やかにこの場を去れと胸中で自分を罵った時、不意に何故か周囲の空気が温かく、そして濃密になった気がした。
「……待たせ過ぎだ、この、馬鹿女が」
背後からすっぽりと自分を抱き締める敦賀の腕、背中に感じる分厚い胸板と腹筋。その状況が飲み込めずにタカコが身体を捩れば息が苦しくなる程に強く深く抱き締められ、髪にそっと口付けられた感触が伝わって来る。
「お前がそう言うなら、俺はもう今度こそ何が有ろうとお前を手放す気は無ぇぞ」
「……え」
「お前が俺に愛想を尽かして泣いて喚いて暴れて嫌がったとしても、お前はもうこの先ずっと俺のもんだ、離れて行くのなんか絶対に許さねぇ……それでも、良いのか」
「だって……私、今迄いっぱい酷い事――」
「悪いと思ってんのなら、俺の望む通りにしろ。俺の傍にいて、くだらねぇ事言って馬鹿みたいに大口開けて笑って、俺の隣で歳とっていけ……良いな?」
「だって……私、何もお前に……ごめん、ごめん、ごめ――」
懐かしい、そして想い焦がれ求めた優しい温かさと匂い。それが自分を包み込みそして求めてくれているのだという状況にタカコの感情は急激に昂ぶり、双眸からは止め処無く涙が溢れ出す。その後はもう何を言おうとしても言葉にならず、ただしゃくりあげるだけになり、敦賀はそんな彼女の身体から一旦離れ、そしてゆっくりと、優しく自分の方へと振り向かせた。
「泣くな……俺は器用じゃねぇから、どうしたら良いか分からん、だから……泣くな」
その後はもう、大きな体躯へとしがみ付き、声を上げて泣く事しか出来なかった。謝罪も感謝も何一つ言葉にはならず、子供の様に声を上げて泣くタカコに、敦賀は目を細めて髪へと口付けを振らせ、優しく抱き締めあやす様に背中を撫で続けていた。
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