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第274章『体温』
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第274章『体温』
変わらない雨音と時折乱れる寝息、それ等に他の気配が混じる事も無く、あまりの静けさに時折眠りへと落ちそうになりながら敦賀はまんじりともせずに過ごしていた。もう少しで桜の蕾がほころび始めるという季節ではあるが、まだまだ冷え込みは厳しい。上着だけとは言え厚い生地の戦闘服を脱いだ上に動かずにいては随分と寒さが堪えるなと思いつつタカコの方を見てみれば、こちらは更に薄着で濡れた下着は身に着けたままの状態で眠っているから余計に冷えるのか、先程から頻りに身体を動かし小さく丸まる姿勢をとる様になっている。
「……着替えは……そんなもん持って来てねぇしな……」
自分よりもずっと小さな身体では熱を維持するのも余計に体力を使うだろう、濡れていれば尚更だ。腕の中に収めてしまえば温めてやる事も出来るか、そう思い至った敦賀は、そっとタカコの身体へと両腕を伸ばした。
「――――!!」
タカコの肩へと指先が触れたか触れないか、その瞬間空気が揺れた気がした。次に感じたのは上から押さえ付ける力と床板の冷たさ、そして、自分の身体が床を打つ音。
「ってぇ……おい、いきなり何しやがるこの馬鹿女」
「それはこっちの台詞だ!声も掛けずにいきなり触るんじゃねぇ!もう少しで殺すところだぞ!」
触れようとした方の腕を取られ身体を反転させられ床に捻じ伏せられ、背中で腕を捩じり上げられるという、男としては少々情け無い状況の中、敦賀は背中に乗ったタカコへと言葉を吐き出す。ただ単に温めてやろうと思っただけなのにこの扱いは何なんだ、そう言えば、タカコは大きく溜息を吐きながら拘束を解き敦賀の上から退いてソファへと腰を下ろした。
「普段なら良いよ、切り替わってないから。でも今は駄目だ、頭の中が実戦状態になってるから、何の前触れも無く触ったりしたら反射的に反撃しちまう。まぁ、言っておかなかった私も悪かったよ」
瞬間的に噴き出した殺気の残滓を纏いながら、タカコが若干苛立った声音でそう言うのが闇の中で伝わって来る。自分達海兵隊とは違い特殊任務に従事する事が殆どであろうタカコ、そんな環境で過ごしていればこうなるのも無理は無い、生き延びる為に、任務を成功させる為には必要な行動なのだろう。そう思い至った敦賀は大きく息を吐き立ち上がり、頭をガシガシと掻きながら彼女の隣へと腰を下ろす。
「で?もう交代の時間か?」
「……いや、随分寒そうにしてたから、温めてやるかと思ったんだけどよ」
「あー……確かに寒いかも。ほれ、手が超冷たい、足も」
そんな言葉の後に敦賀の頬に触れるタカコの指先、寝ていた筈なのに冷え切っているなとそれを手に取って包んでやれば、暗闇の向こうで人の動いた気配がして、次の瞬間にはそれが自分の膝の上に乗っていた。
「……何やってんだ、寒いのか」
「うん。敦賀、脱げ」
「……は?」
「脱げ」
口だけはあれこれと品な事や際どい事も言うタカコだが、こういう事に関してはからっきし口だけ大将なのは二年半の付き合いでよく知っているし、言ったとしてもこんな風に行動が伴う事等まず無い。
「私が戦闘服脱いでお前がシャツを脱いで、それで私を抱っこするだろ?で、私が脱いだ戦闘服をお前が羽織れば二人共寒くない!タカコさん超頭良い!」
「……お前……本気で馬鹿なんだな……」
「え?どうかしたか?早く脱げ、寒いんだよ私は」
三十cm程離れたところから聞こえて来るタカコの言葉、自分の言っている意味には欠片も気が付いていない様子で、本気で良い考えだと思っているのだろという事実に、敦賀は若干の頭痛を感じて溜息を吐く。本人はそれで事を進めるつもりなのか敦賀から借りた戦闘服を脱ぐ気配が伝わって来て、後の事はどうなっても知らんぞ、そう考えながら自らが着ているシャツへと手を伸ばし脱ぎ始めた。
抱き締めてやる事に異論は無い、自分もそうしてやるつもりで彼女へと手を伸ばしたのだ。しかしそれはお互いに服を着たままを想定しての事。跨られた状態で素肌を重ねる事になれば、その先に自分に起きるであろう反応と胸中に湧くであろう欲、最後にタカコを抱いたのは彼女が瀕死の重傷を負う前の事、踏み止まる自信は全く無いのだが、と、そんな事を考えつつ、シャツを脱いだ腕と胸にそっと寄り添って来る小さな身体を抱き締める。
「……敦賀……」
「……悪ぃか、最近縁遠いんだ、当然の反応だろうが」
「……まだ何も言ってないけど私」
「じゃあ何なんだ」
「勃って――」
「うるせぇ、黙れ」
即座に起きた下半身の反応を言い当てられ、誰の所為だと思っているのかと腕に力を込めれば、胸板へと添わされていた両手が背中へと回され、それに背筋をぞくりとさせつつ更に腕に力を込め、頬へと一つ口付けを落とした。
「……やんねぇぞ、体力消耗させるんじゃねぇぞ」
「……なぁ……こういうの、何て言うか知ってるか……生殺しって言うんだよ、生殺しって」
「くっついて寝て体力の消耗抑えるのは現場じゃ当然の事だ、野郎同士でも普通にやるわ。私だって何度か経験有るよ……まぁ、流石にこんな格好で素肌密着は旦那としか――」
言いかけて口を噤むタカコ、敦賀はその様子に目を細め、タカコの顎を緩く掴み唇を深く犯す。多少なりとも色気の有る状況の中で他の男の名前を出されるのは愉快な事ではないが、それでもこんな状況を許した相手が自分以外には亡夫だけ。不愉快な気持ちはそれで綺麗さっぱり相殺されていき、唇が離れた後は再度抱き締め直しタカコの身体を自らのそれへとそっと押し付ける。
「仕事だしな……別に機会は今だけじゃねぇ……もう眠れ、時間になったら起こすから」
「……ん、そうする」
腕の中から聞こえる声、腕と胸を揺らす穏やかな心地良い振動と優しい温かさに敦賀はまた目を細め、段々と弱まり始めた窓の外の雨音へと意識を向けた。
変わらない雨音と時折乱れる寝息、それ等に他の気配が混じる事も無く、あまりの静けさに時折眠りへと落ちそうになりながら敦賀はまんじりともせずに過ごしていた。もう少しで桜の蕾がほころび始めるという季節ではあるが、まだまだ冷え込みは厳しい。上着だけとは言え厚い生地の戦闘服を脱いだ上に動かずにいては随分と寒さが堪えるなと思いつつタカコの方を見てみれば、こちらは更に薄着で濡れた下着は身に着けたままの状態で眠っているから余計に冷えるのか、先程から頻りに身体を動かし小さく丸まる姿勢をとる様になっている。
「……着替えは……そんなもん持って来てねぇしな……」
自分よりもずっと小さな身体では熱を維持するのも余計に体力を使うだろう、濡れていれば尚更だ。腕の中に収めてしまえば温めてやる事も出来るか、そう思い至った敦賀は、そっとタカコの身体へと両腕を伸ばした。
「――――!!」
タカコの肩へと指先が触れたか触れないか、その瞬間空気が揺れた気がした。次に感じたのは上から押さえ付ける力と床板の冷たさ、そして、自分の身体が床を打つ音。
「ってぇ……おい、いきなり何しやがるこの馬鹿女」
「それはこっちの台詞だ!声も掛けずにいきなり触るんじゃねぇ!もう少しで殺すところだぞ!」
触れようとした方の腕を取られ身体を反転させられ床に捻じ伏せられ、背中で腕を捩じり上げられるという、男としては少々情け無い状況の中、敦賀は背中に乗ったタカコへと言葉を吐き出す。ただ単に温めてやろうと思っただけなのにこの扱いは何なんだ、そう言えば、タカコは大きく溜息を吐きながら拘束を解き敦賀の上から退いてソファへと腰を下ろした。
「普段なら良いよ、切り替わってないから。でも今は駄目だ、頭の中が実戦状態になってるから、何の前触れも無く触ったりしたら反射的に反撃しちまう。まぁ、言っておかなかった私も悪かったよ」
瞬間的に噴き出した殺気の残滓を纏いながら、タカコが若干苛立った声音でそう言うのが闇の中で伝わって来る。自分達海兵隊とは違い特殊任務に従事する事が殆どであろうタカコ、そんな環境で過ごしていればこうなるのも無理は無い、生き延びる為に、任務を成功させる為には必要な行動なのだろう。そう思い至った敦賀は大きく息を吐き立ち上がり、頭をガシガシと掻きながら彼女の隣へと腰を下ろす。
「で?もう交代の時間か?」
「……いや、随分寒そうにしてたから、温めてやるかと思ったんだけどよ」
「あー……確かに寒いかも。ほれ、手が超冷たい、足も」
そんな言葉の後に敦賀の頬に触れるタカコの指先、寝ていた筈なのに冷え切っているなとそれを手に取って包んでやれば、暗闇の向こうで人の動いた気配がして、次の瞬間にはそれが自分の膝の上に乗っていた。
「……何やってんだ、寒いのか」
「うん。敦賀、脱げ」
「……は?」
「脱げ」
口だけはあれこれと品な事や際どい事も言うタカコだが、こういう事に関してはからっきし口だけ大将なのは二年半の付き合いでよく知っているし、言ったとしてもこんな風に行動が伴う事等まず無い。
「私が戦闘服脱いでお前がシャツを脱いで、それで私を抱っこするだろ?で、私が脱いだ戦闘服をお前が羽織れば二人共寒くない!タカコさん超頭良い!」
「……お前……本気で馬鹿なんだな……」
「え?どうかしたか?早く脱げ、寒いんだよ私は」
三十cm程離れたところから聞こえて来るタカコの言葉、自分の言っている意味には欠片も気が付いていない様子で、本気で良い考えだと思っているのだろという事実に、敦賀は若干の頭痛を感じて溜息を吐く。本人はそれで事を進めるつもりなのか敦賀から借りた戦闘服を脱ぐ気配が伝わって来て、後の事はどうなっても知らんぞ、そう考えながら自らが着ているシャツへと手を伸ばし脱ぎ始めた。
抱き締めてやる事に異論は無い、自分もそうしてやるつもりで彼女へと手を伸ばしたのだ。しかしそれはお互いに服を着たままを想定しての事。跨られた状態で素肌を重ねる事になれば、その先に自分に起きるであろう反応と胸中に湧くであろう欲、最後にタカコを抱いたのは彼女が瀕死の重傷を負う前の事、踏み止まる自信は全く無いのだが、と、そんな事を考えつつ、シャツを脱いだ腕と胸にそっと寄り添って来る小さな身体を抱き締める。
「……敦賀……」
「……悪ぃか、最近縁遠いんだ、当然の反応だろうが」
「……まだ何も言ってないけど私」
「じゃあ何なんだ」
「勃って――」
「うるせぇ、黙れ」
即座に起きた下半身の反応を言い当てられ、誰の所為だと思っているのかと腕に力を込めれば、胸板へと添わされていた両手が背中へと回され、それに背筋をぞくりとさせつつ更に腕に力を込め、頬へと一つ口付けを落とした。
「……やんねぇぞ、体力消耗させるんじゃねぇぞ」
「……なぁ……こういうの、何て言うか知ってるか……生殺しって言うんだよ、生殺しって」
「くっついて寝て体力の消耗抑えるのは現場じゃ当然の事だ、野郎同士でも普通にやるわ。私だって何度か経験有るよ……まぁ、流石にこんな格好で素肌密着は旦那としか――」
言いかけて口を噤むタカコ、敦賀はその様子に目を細め、タカコの顎を緩く掴み唇を深く犯す。多少なりとも色気の有る状況の中で他の男の名前を出されるのは愉快な事ではないが、それでもこんな状況を許した相手が自分以外には亡夫だけ。不愉快な気持ちはそれで綺麗さっぱり相殺されていき、唇が離れた後は再度抱き締め直しタカコの身体を自らのそれへとそっと押し付ける。
「仕事だしな……別に機会は今だけじゃねぇ……もう眠れ、時間になったら起こすから」
「……ん、そうする」
腕の中から聞こえる声、腕と胸を揺らす穏やかな心地良い振動と優しい温かさに敦賀はまた目を細め、段々と弱まり始めた窓の外の雨音へと意識を向けた。
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