22 / 100
第322章『状況開始』
しおりを挟む
第322章『状況開始』
太陽が対馬区の向こうへと沈んで行く様子を、タカコは油槽船の小さな窓から黙ったまま長い事見詰めていた。
始まる、と思いながら地平線と水平線を見詰める顔、その口元には薄らと笑みが浮かび、双眸は鋭く獰猛な光を湛え、身体からは覇気が噴き出しているそんな彼女を、敦賀もまた何も言わず見詰めている。
巡回は思ったよりも粗く、一度二人組が小銃を手に回って来ただけ、その事について敦賀は若干の警戒を口にしたが、タカコにとってはこの程度であれば想定の範囲内だった。
自分達の部隊がこの油槽船の中に潜伏している事は、恐らくは『奴』はもう気付いているだろう、交渉の窓口に自分達ワシントン勢が一切立たず姿を見せてない事からも感じ取っている筈だ。海から来るのか陸から来るのかの判断はつきかねていたのかも知れない、それでも奪還に必要な程度の人数が身を潜められる場所と言えばここしか無い、陸海どちらから侵入したとしても身を潜めるのに最適な場所はこの油槽船だと分かっているだろう。
その状況でこの油槽船の中を虱潰しに当たらない理由、それは、戦闘が発生すれば相当数の犠牲を出す事になると分かっているから。ここから彼等の相当数が集まっている建屋群迄はそれなりの距離が有る、広大な敷地の中でその外れに在るこの船に兵員を向かわせれば、その分自分達の戦力が削り取られていく羽目になる事が理解出来ない程の馬鹿ではない。そして、夜間こそ急襲に最適な時間帯である事も理解してる、恐らくはタカコ達の部隊もそれを踏襲するであろう事も。そうなれば迎撃側としては態々敵の待ち受ける区画に人員を向かわせる様な真似はしない、時が来れば相手からやって来るのが分かっているのだから、万全の態勢でそれを迎え撃てば良いだけの事。
どちらも理解していてのこの状況、夜になれば激しく厳しい戦いになるな、タカコはそんな事を考えつつ獰猛な笑みを深め、橙色は消え失せ暗くなった水平線と地平線から視線を外し、ゆっくりと踵を返した。
「……気が早いな」
タカコの視線の先には油槽船の中でばらけて潜伏していた部下達の姿、そして、その彼等と行動を共にしていた大和の面々。タカコ程ではないにしろ誰の顔にも鋭さと獰猛さが滲み、それを見たタカコは、良い顔をしている、そう思いながらまた笑みを深くする。
「いつでも動けるぞ、指示をくれ、小隊長」
口を開いたのは島津、第一分隊の分隊長に指名された彼は船内に分散させていたものを集めて来た装備の山を顎でしゃくって見せ、態勢は既に整っているから指示を出せ、そう要求する。第二分隊の分隊長に指名された敦賀は、と見てみればこちらも同じ様な鋭い眼差しで見返され、小さく頷いて島津への同意を言外に示して見せた。
「簡単だ、打って出て、殺して、人質と施設を奪還する。それだけだ」
「……っておい、随分簡単に言ってくれるな。具体的にどう動くんだよ?」
「露払いは我々に任せてくれ、大和側には援護を頼みたい。我々が道を開いいたらその後から来て施設への、制御棟内への侵入だ。その後は最短距離を突っ走って中央制御室へ侵入、一気に制圧する。図面は頭に叩き込んだな?ジェフ、制御棟の電源の遮断はお前に任せる、人間が必要なら連れて行け」
「了解ですマスター。遮断から非常用電源に切り替わる迄は長く見積もっても五秒有るか無いかです、その機会を逃せば厳しくなります、御武運を」
「誰にものを言ってる、任せろ」
自信たっぷりに鷹揚に言葉を返すタカコ、今迄それを黙って見ていた敦賀が静かに口を開く。
「相手の兵員はムラが有るとは言っても施設内の全域に配置されてるだろう、その始末は?」
「中央制御室を制圧すれば施設内の大抵の事は制御下に置ける、監視室も兼ねてるからな。それに、人質を確保出来れば目的の半分以上は達成出来た事になる、残党の始末はその後で良い。各所に爆薬が仕掛けられているだろうから、この排除は制御棟の急襲と同時進行で行う。それに関してはヴィンス、マリオ、アリサ、お前達に任せる。人間が必要なら連れて行け」
「了解です」
「了解、ボス」
「了解しました」
これでタカコを除いたワシントン勢六名の内四名の配置が決まった、残るはカタギリとドレイク、そちらの二人は自分達はどうなるのかと言いた気な視線をタカコに送り、タカコはそれを見てまた笑い口を開く。
「ケイン、お前は私と来い、久し振りに楽しく殺ろうじゃないか、なぁ?」
「……良いですねぇ、負けませんよ?」
タカコの言葉にカタギリを取り巻く空気が変わる。好戦的攻撃的な口調、笑み、こちらはこちらで何かが切り替わった様だなと敦賀が眉根を寄せれば、今度はドレイクが面白くなさそうに言葉をぶつけて来る。
「おいおい、俺は?」
「お前は大和勢の側にいて援護を。お前とも波長は合うが、ケインの方がしっくりくる。何せ失敗の出来ない大仕事だ、万全を期したいんでな、頼むぞ。敦賀、ジャスティンの側にいて指示に従ってくれ」
大和に来てからずっとタカコを傍に置いていた敦賀、時が経てば立場と事情に加えてタカコに対しての想いもそこに加わり距離は更に近くなった。そうして過ごしていた彼がこの配置で黙っているわけが無いと思ったタカコが先制する形でそう言えば、どうやら内心その通りだった様子の敦賀が実に不機嫌な様子で了解の旨を吐き捨てる。タカコはそれを見て今度は少し困った様に笑い、この作戦が終われば頭でも撫でてやるからそう拗ねるな、と、内心でそう言いながらそろそろ出ようと動き出す。
日は完全に落ちた、地平線も水平線ももう見えず、火発の照明の強い光が窓から船内へと入って来る。さあ状況の開始だ、とそう言えば、彼女の部下達とドレイクがそれに従い言葉も無く動き出す。
「俺達は先に出ます、お気をつけて」
「ボスを殺すのは俺だからね、それ迄死んじゃ駄目だよ」
「行って来ます」
先ず船室を出て行ったのは爆薬の排除を命じられた三人とその彼等に指名された数名、それを見届けたタカコは敦賀に装備を預け、
「動き易い方が良いんでな、ちょっと持っててくれ」
そう言いながら戦闘服の上着も脱ぎ捨ててそれも敦賀へと手渡した。
「……!」
見慣れていた大和海兵隊の戦闘服、その下から現れたのは身体にぴったりと密着した黒の長袖。腰にはナイフと拳銃の鞘、そして弾倉を入れておく小さな革製の箱だけがぶら下がり、タカコは肩をコキコキと鳴らしながら
「さて、久し振りの本格的な接触戦だ、ケイン、遅れるなよ」
何処か楽しそうにそう言いながら船外へと向けて歩き出す。
「……おい、ジャスティン」
「何だよ兄弟」
「それ止めろ……そうじゃなくて、何やるつもりなんだ、あいつ」
そんな彼女の背中を見て歩き出す敦賀、隣にいたドレイクへと声を掛け、タカコから感じる違和感について何か知っているのかと問い掛ければ、ドレイクはそれを聞き片眉を上げ、やれやれといった調子で言葉を返した。
「……貧弱な体格、弱い筋力、接触戦肉弾戦をするなら、その二つは普通なら致命的な弱点になる、『普通なら』な」
「どういう意味だ」
「そのままだ。『普通なら』あいつもケインも、接触戦に向いてる体格じゃない。それなのに今二人はそれをする為に出て行った……それが、あいつがProvidenceを立ち上げ、そこにケインが在籍してる理由だ。今から、それをお前は見る事になるぜ、兄弟」
「だから、どういう――」
「見た方が早い。あいつ等他はお構い無しにガンガン進むぞ、遅れるワケにはいかない、行こう」
敦賀にはドレイクの言っている意味は完全には理解出来ず、それでもここでこうして話している時間は無いと彼の言葉に素直に従い歩調を速める。
そして、この直ぐ後、敦賀と、そして大和人達は、Providenceという集団が如何なる理由を以て集団として存在しているのか、その理由を目にする事になった。
太陽が対馬区の向こうへと沈んで行く様子を、タカコは油槽船の小さな窓から黙ったまま長い事見詰めていた。
始まる、と思いながら地平線と水平線を見詰める顔、その口元には薄らと笑みが浮かび、双眸は鋭く獰猛な光を湛え、身体からは覇気が噴き出しているそんな彼女を、敦賀もまた何も言わず見詰めている。
巡回は思ったよりも粗く、一度二人組が小銃を手に回って来ただけ、その事について敦賀は若干の警戒を口にしたが、タカコにとってはこの程度であれば想定の範囲内だった。
自分達の部隊がこの油槽船の中に潜伏している事は、恐らくは『奴』はもう気付いているだろう、交渉の窓口に自分達ワシントン勢が一切立たず姿を見せてない事からも感じ取っている筈だ。海から来るのか陸から来るのかの判断はつきかねていたのかも知れない、それでも奪還に必要な程度の人数が身を潜められる場所と言えばここしか無い、陸海どちらから侵入したとしても身を潜めるのに最適な場所はこの油槽船だと分かっているだろう。
その状況でこの油槽船の中を虱潰しに当たらない理由、それは、戦闘が発生すれば相当数の犠牲を出す事になると分かっているから。ここから彼等の相当数が集まっている建屋群迄はそれなりの距離が有る、広大な敷地の中でその外れに在るこの船に兵員を向かわせれば、その分自分達の戦力が削り取られていく羽目になる事が理解出来ない程の馬鹿ではない。そして、夜間こそ急襲に最適な時間帯である事も理解してる、恐らくはタカコ達の部隊もそれを踏襲するであろう事も。そうなれば迎撃側としては態々敵の待ち受ける区画に人員を向かわせる様な真似はしない、時が来れば相手からやって来るのが分かっているのだから、万全の態勢でそれを迎え撃てば良いだけの事。
どちらも理解していてのこの状況、夜になれば激しく厳しい戦いになるな、タカコはそんな事を考えつつ獰猛な笑みを深め、橙色は消え失せ暗くなった水平線と地平線から視線を外し、ゆっくりと踵を返した。
「……気が早いな」
タカコの視線の先には油槽船の中でばらけて潜伏していた部下達の姿、そして、その彼等と行動を共にしていた大和の面々。タカコ程ではないにしろ誰の顔にも鋭さと獰猛さが滲み、それを見たタカコは、良い顔をしている、そう思いながらまた笑みを深くする。
「いつでも動けるぞ、指示をくれ、小隊長」
口を開いたのは島津、第一分隊の分隊長に指名された彼は船内に分散させていたものを集めて来た装備の山を顎でしゃくって見せ、態勢は既に整っているから指示を出せ、そう要求する。第二分隊の分隊長に指名された敦賀は、と見てみればこちらも同じ様な鋭い眼差しで見返され、小さく頷いて島津への同意を言外に示して見せた。
「簡単だ、打って出て、殺して、人質と施設を奪還する。それだけだ」
「……っておい、随分簡単に言ってくれるな。具体的にどう動くんだよ?」
「露払いは我々に任せてくれ、大和側には援護を頼みたい。我々が道を開いいたらその後から来て施設への、制御棟内への侵入だ。その後は最短距離を突っ走って中央制御室へ侵入、一気に制圧する。図面は頭に叩き込んだな?ジェフ、制御棟の電源の遮断はお前に任せる、人間が必要なら連れて行け」
「了解ですマスター。遮断から非常用電源に切り替わる迄は長く見積もっても五秒有るか無いかです、その機会を逃せば厳しくなります、御武運を」
「誰にものを言ってる、任せろ」
自信たっぷりに鷹揚に言葉を返すタカコ、今迄それを黙って見ていた敦賀が静かに口を開く。
「相手の兵員はムラが有るとは言っても施設内の全域に配置されてるだろう、その始末は?」
「中央制御室を制圧すれば施設内の大抵の事は制御下に置ける、監視室も兼ねてるからな。それに、人質を確保出来れば目的の半分以上は達成出来た事になる、残党の始末はその後で良い。各所に爆薬が仕掛けられているだろうから、この排除は制御棟の急襲と同時進行で行う。それに関してはヴィンス、マリオ、アリサ、お前達に任せる。人間が必要なら連れて行け」
「了解です」
「了解、ボス」
「了解しました」
これでタカコを除いたワシントン勢六名の内四名の配置が決まった、残るはカタギリとドレイク、そちらの二人は自分達はどうなるのかと言いた気な視線をタカコに送り、タカコはそれを見てまた笑い口を開く。
「ケイン、お前は私と来い、久し振りに楽しく殺ろうじゃないか、なぁ?」
「……良いですねぇ、負けませんよ?」
タカコの言葉にカタギリを取り巻く空気が変わる。好戦的攻撃的な口調、笑み、こちらはこちらで何かが切り替わった様だなと敦賀が眉根を寄せれば、今度はドレイクが面白くなさそうに言葉をぶつけて来る。
「おいおい、俺は?」
「お前は大和勢の側にいて援護を。お前とも波長は合うが、ケインの方がしっくりくる。何せ失敗の出来ない大仕事だ、万全を期したいんでな、頼むぞ。敦賀、ジャスティンの側にいて指示に従ってくれ」
大和に来てからずっとタカコを傍に置いていた敦賀、時が経てば立場と事情に加えてタカコに対しての想いもそこに加わり距離は更に近くなった。そうして過ごしていた彼がこの配置で黙っているわけが無いと思ったタカコが先制する形でそう言えば、どうやら内心その通りだった様子の敦賀が実に不機嫌な様子で了解の旨を吐き捨てる。タカコはそれを見て今度は少し困った様に笑い、この作戦が終われば頭でも撫でてやるからそう拗ねるな、と、内心でそう言いながらそろそろ出ようと動き出す。
日は完全に落ちた、地平線も水平線ももう見えず、火発の照明の強い光が窓から船内へと入って来る。さあ状況の開始だ、とそう言えば、彼女の部下達とドレイクがそれに従い言葉も無く動き出す。
「俺達は先に出ます、お気をつけて」
「ボスを殺すのは俺だからね、それ迄死んじゃ駄目だよ」
「行って来ます」
先ず船室を出て行ったのは爆薬の排除を命じられた三人とその彼等に指名された数名、それを見届けたタカコは敦賀に装備を預け、
「動き易い方が良いんでな、ちょっと持っててくれ」
そう言いながら戦闘服の上着も脱ぎ捨ててそれも敦賀へと手渡した。
「……!」
見慣れていた大和海兵隊の戦闘服、その下から現れたのは身体にぴったりと密着した黒の長袖。腰にはナイフと拳銃の鞘、そして弾倉を入れておく小さな革製の箱だけがぶら下がり、タカコは肩をコキコキと鳴らしながら
「さて、久し振りの本格的な接触戦だ、ケイン、遅れるなよ」
何処か楽しそうにそう言いながら船外へと向けて歩き出す。
「……おい、ジャスティン」
「何だよ兄弟」
「それ止めろ……そうじゃなくて、何やるつもりなんだ、あいつ」
そんな彼女の背中を見て歩き出す敦賀、隣にいたドレイクへと声を掛け、タカコから感じる違和感について何か知っているのかと問い掛ければ、ドレイクはそれを聞き片眉を上げ、やれやれといった調子で言葉を返した。
「……貧弱な体格、弱い筋力、接触戦肉弾戦をするなら、その二つは普通なら致命的な弱点になる、『普通なら』な」
「どういう意味だ」
「そのままだ。『普通なら』あいつもケインも、接触戦に向いてる体格じゃない。それなのに今二人はそれをする為に出て行った……それが、あいつがProvidenceを立ち上げ、そこにケインが在籍してる理由だ。今から、それをお前は見る事になるぜ、兄弟」
「だから、どういう――」
「見た方が早い。あいつ等他はお構い無しにガンガン進むぞ、遅れるワケにはいかない、行こう」
敦賀にはドレイクの言っている意味は完全には理解出来ず、それでもここでこうして話している時間は無いと彼の言葉に素直に従い歩調を速める。
そして、この直ぐ後、敦賀と、そして大和人達は、Providenceという集団が如何なる理由を以て集団として存在しているのか、その理由を目にする事になった。
0
あなたにおすすめの小説
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる