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第347章『腕の中』
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第347章『腕の中』
深夜の海兵隊基地本部棟、その一角に在る最先任上級曹長の執務室。その中では机上の書類の山と格闘している部屋の主、敦賀の姿が在った。
演習の方に感け過ぎていた、通常の仕事は演習が終わってから片付ければ良いと思っていたが流石に溜め過ぎた、そう思いながら書類から顔を上げてみればまだまだ高いままの書類の山、一体いつになったらこれが無くなるのかとげんなりとした心持ちになるが、溜め込んだのは自分で片付けられるのも自分だけ、とにかくやるしか無いなと大きく溜息を吐き、それでも少し休憩するかと立ち上がり給湯室で茶を淹れる。
今日の博多駐屯地での会議の後、一緒に基地に戻ったタカコは、用事が有る、そう言って私服に着替えた後営外へと出て行った。会議室を出る寸前に黒川を助けつつ何か紙片の様なものを手渡していたから、きっと今頃は彼と会っているのだろう、恐らく今夜は戻るまい。
その事に苛立ちを感じないわけではないが、それでも束縛の出来る間柄ではない。明日の課業開始前にはきっと戻って来る、そうすればまた彼女の傍にいられる。それで納得しようと思いながら執務机へと戻り、茶をもう一啜りした後は今度は煙草に火を点け、天井を仰ぎゆっくりと煙を吐き出した。
もう残り一ヶ月を切った『千日目』、正確な日付は確認した事は無いが、自分達が出会ったあの日が起算日なら、『千日目』は今月、五月の二十七日。後三週間と二日でやって来るかも知れない期限に気持ちは焦る一方だが、それでも無理強いはしたくない。彼女の過去を聞かされてからは尚更その想いが強くなった。
一体どうしたものか、何度考えても答えは出ない。期限迄に自分達の関係を確かなものにしたいとは思うものの無理強いも出来ず、それが解決したとしても今度はタカコにこの国に、自分の隣に残って欲しいという新たな願いが障害の前に残るだけ。何を何処迄片付ければすっきりするのか、頭が痛くなるなと思いながら、もう一度煙を吐き出して火種を灰皿へと押し付ければ、扉が遠慮がちに数度叩かれる。
誰だ、もう誰も残っていないと思っていたがと思いつつ入室の許可を口にすれば、それからやや有ってから開かれた扉の向こうから現れた人物、それが誰であるかを認識した敦賀は動きを失った。
「……タカコ」
「まだ仕事してたのか、手伝おうか?」
いつもの笑みを浮かべて入って来たのはタカコ、今夜の内に帰って来るとは欠片も思っていなかった所為で唖然とする敦賀、そんな彼等意に介さない様子で真っ直ぐに執務机へと向かって来て、やがてそれを回り込み、窓を背にして座ったままの敦賀の前へとやって来てそこで立ち止まる。
「……敦賀?どうかしたか?」
手を伸ばせば届く距離に在る、普段とは逆に少し上から自分を見下ろす視線、動かない様子を妙に思っているのか僅かに首が傾げられ、もう一度、
「敦賀?」
と、名前を呼ばれた。
「……龍興のところに行ってたんじゃねぇのか」
「うん、行ったけど、話が終わったから帰って来た」
「……話?」
「うん、関係をね、終わらせて来た」
「終わらせた、って……お前、それ」
「そのまんまの意味だよ、タツさんとは身体の関係を終わらせて帰って来た。これからは、親友?かな?」
柔らかく笑ってそう言うタカコ、その言葉と雰囲気に、ほんの一瞬だけ『次は自分なのか』と身構えた敦賀の心が急速に逆の方向へと振れ始める。黒川『とは』関係を終わらせたと言ったタカコ、そして、『帰って来た』と言ったタカコ。では自分とはどうなのか、帰って来たとはどういう意味なのか、それを彼女に尋ねたい、答えが欲しい、出来れば自分が望むものが、そんな敦賀の欲望はあっさりと他の諸々を凌駕し、言葉となって口を突いて目の前のタカコへと向けられる。
「……龍興とは関係を終わらせたってのなら……俺とは?」
「……私がこうやって今ここにいる理由……何だと思う?」
「……俺の都合の良い様に解釈するぞ……?」
「……うん、そうしてくれると……私も、嬉しい」
もう、その言葉だけで充分だった。
椅子を弾く勢いで立ち上がり、実際に倒れてしまった事にも構わずに目の前の小さな身体に手を伸ばし、思い切り抱き締める。
「嘘じゃ……嘘じゃねぇな?」
「……うん、嘘じゃないよ、敦賀の傍にいる、敦賀の傍が良い」
「……ああ、そうしろ……俺の隣にいろ、何処にも行くんじゃねぇぞ」
その後にはもう言葉は無く、両腕で抱き締めたままタカコを持ち上げてソファへと運び、ソファに下ろすと同時に敦賀が覆い被さり唇を彼のそれが塞ぎ、深く、深く侵して行く。時折鼻から抜けるタカコの高く甘い声、唇が離れた拍子に漏れる濡れた音。拒否はされていない、それどころから背中にタカコの両腕が回されきつく抱き締め返され、先を求める様に舌を絡められ身体を摺り寄せられ、その全てが敦賀を煽りに煽った。
「ちょ……やっぱりここは拙い!止まれ!!」
しかし、それを中断させたのはその煽った本人、シャツの釦へと敦賀の指が掛かり一つ二つ外した辺りで急に暴れ出し、何なんだと顔を上げた敦賀に向かってタカコが抗議の声を上げる。
「ここ執務室!仕事するところ!!」
「……煽ったのはお前だろうが」
「そうだけど!外行こう外!」
既に下半身は臨戦態勢、この状態に迄しておいて何を言うのかと、敦賀が構わずにタカコの首筋へと顔を埋めてそこを緩く吸い上げれば、びくりと身体を震わせ喘ぎを漏らしつつも、タカコは再び敦賀の身体を押し遣って潤んだ眼差しで彼を見上げ、今度は消え入りそうな小さな声で呟いた。
「……誰か来るかもなんて心配しながらなんて……嫌、だ。ゆっくり、抱いて……欲しい」
それを聞いた敦賀は立ち上がりタカコから離れ、自らの執務机へと戻ると手近な紙に何やら書き込み、その後はタカコを通り過ぎて部屋を出て行く。暫くしてから扉が開かれる音がして直ぐにまた今度は閉じられる音、一体何なんだと身体を起こしたタカコが扉の方を見て様子を窺えば、戻って来たかと思った敦賀は
「待ってろ、直ぐ戻る」
そう言って今度は階段の方へと歩いて行く。
「……何を……やってるんだあいつは」
事態が飲み込めないタカコが起き上がり、何処に行ったのかと窓の方へと歩み寄って下を見ていると、本部棟の正面玄関を出て仮設営舎の方へと走って行く敦賀の背中が見える。暫くすると私服に着替えた彼が、同じ様に走って戻って来るのが見て取れた。
「……何してんの?」
「……外行くぞ」
「いや……それは良いんだけど、何で着替え――」
「明日は休む」
「そっか、だから着替え――、っておい!あれだけ仕事溜まってるのに正気かお前!!」
「うるせぇ、一晩じゃ足りねぇんだよ」
直球な敦賀の言葉、それにタカコが言葉と動きを失えば、これ幸いとばかりに敦賀は彼女の腕を引いて歩き出し、やがて基地の正門を潜り中洲の方向へと消えて行く。
敦賀の執務室の二つ隣に在る総司令執務室、そこへと出勤して来た部屋の主の高根が、机の上に置かれた
『今日はタカコと休む 敦賀』
という殴り書きに気が付いて頭を抱えるのは、翌朝の事。
深夜の海兵隊基地本部棟、その一角に在る最先任上級曹長の執務室。その中では机上の書類の山と格闘している部屋の主、敦賀の姿が在った。
演習の方に感け過ぎていた、通常の仕事は演習が終わってから片付ければ良いと思っていたが流石に溜め過ぎた、そう思いながら書類から顔を上げてみればまだまだ高いままの書類の山、一体いつになったらこれが無くなるのかとげんなりとした心持ちになるが、溜め込んだのは自分で片付けられるのも自分だけ、とにかくやるしか無いなと大きく溜息を吐き、それでも少し休憩するかと立ち上がり給湯室で茶を淹れる。
今日の博多駐屯地での会議の後、一緒に基地に戻ったタカコは、用事が有る、そう言って私服に着替えた後営外へと出て行った。会議室を出る寸前に黒川を助けつつ何か紙片の様なものを手渡していたから、きっと今頃は彼と会っているのだろう、恐らく今夜は戻るまい。
その事に苛立ちを感じないわけではないが、それでも束縛の出来る間柄ではない。明日の課業開始前にはきっと戻って来る、そうすればまた彼女の傍にいられる。それで納得しようと思いながら執務机へと戻り、茶をもう一啜りした後は今度は煙草に火を点け、天井を仰ぎゆっくりと煙を吐き出した。
もう残り一ヶ月を切った『千日目』、正確な日付は確認した事は無いが、自分達が出会ったあの日が起算日なら、『千日目』は今月、五月の二十七日。後三週間と二日でやって来るかも知れない期限に気持ちは焦る一方だが、それでも無理強いはしたくない。彼女の過去を聞かされてからは尚更その想いが強くなった。
一体どうしたものか、何度考えても答えは出ない。期限迄に自分達の関係を確かなものにしたいとは思うものの無理強いも出来ず、それが解決したとしても今度はタカコにこの国に、自分の隣に残って欲しいという新たな願いが障害の前に残るだけ。何を何処迄片付ければすっきりするのか、頭が痛くなるなと思いながら、もう一度煙を吐き出して火種を灰皿へと押し付ければ、扉が遠慮がちに数度叩かれる。
誰だ、もう誰も残っていないと思っていたがと思いつつ入室の許可を口にすれば、それからやや有ってから開かれた扉の向こうから現れた人物、それが誰であるかを認識した敦賀は動きを失った。
「……タカコ」
「まだ仕事してたのか、手伝おうか?」
いつもの笑みを浮かべて入って来たのはタカコ、今夜の内に帰って来るとは欠片も思っていなかった所為で唖然とする敦賀、そんな彼等意に介さない様子で真っ直ぐに執務机へと向かって来て、やがてそれを回り込み、窓を背にして座ったままの敦賀の前へとやって来てそこで立ち止まる。
「……敦賀?どうかしたか?」
手を伸ばせば届く距離に在る、普段とは逆に少し上から自分を見下ろす視線、動かない様子を妙に思っているのか僅かに首が傾げられ、もう一度、
「敦賀?」
と、名前を呼ばれた。
「……龍興のところに行ってたんじゃねぇのか」
「うん、行ったけど、話が終わったから帰って来た」
「……話?」
「うん、関係をね、終わらせて来た」
「終わらせた、って……お前、それ」
「そのまんまの意味だよ、タツさんとは身体の関係を終わらせて帰って来た。これからは、親友?かな?」
柔らかく笑ってそう言うタカコ、その言葉と雰囲気に、ほんの一瞬だけ『次は自分なのか』と身構えた敦賀の心が急速に逆の方向へと振れ始める。黒川『とは』関係を終わらせたと言ったタカコ、そして、『帰って来た』と言ったタカコ。では自分とはどうなのか、帰って来たとはどういう意味なのか、それを彼女に尋ねたい、答えが欲しい、出来れば自分が望むものが、そんな敦賀の欲望はあっさりと他の諸々を凌駕し、言葉となって口を突いて目の前のタカコへと向けられる。
「……龍興とは関係を終わらせたってのなら……俺とは?」
「……私がこうやって今ここにいる理由……何だと思う?」
「……俺の都合の良い様に解釈するぞ……?」
「……うん、そうしてくれると……私も、嬉しい」
もう、その言葉だけで充分だった。
椅子を弾く勢いで立ち上がり、実際に倒れてしまった事にも構わずに目の前の小さな身体に手を伸ばし、思い切り抱き締める。
「嘘じゃ……嘘じゃねぇな?」
「……うん、嘘じゃないよ、敦賀の傍にいる、敦賀の傍が良い」
「……ああ、そうしろ……俺の隣にいろ、何処にも行くんじゃねぇぞ」
その後にはもう言葉は無く、両腕で抱き締めたままタカコを持ち上げてソファへと運び、ソファに下ろすと同時に敦賀が覆い被さり唇を彼のそれが塞ぎ、深く、深く侵して行く。時折鼻から抜けるタカコの高く甘い声、唇が離れた拍子に漏れる濡れた音。拒否はされていない、それどころから背中にタカコの両腕が回されきつく抱き締め返され、先を求める様に舌を絡められ身体を摺り寄せられ、その全てが敦賀を煽りに煽った。
「ちょ……やっぱりここは拙い!止まれ!!」
しかし、それを中断させたのはその煽った本人、シャツの釦へと敦賀の指が掛かり一つ二つ外した辺りで急に暴れ出し、何なんだと顔を上げた敦賀に向かってタカコが抗議の声を上げる。
「ここ執務室!仕事するところ!!」
「……煽ったのはお前だろうが」
「そうだけど!外行こう外!」
既に下半身は臨戦態勢、この状態に迄しておいて何を言うのかと、敦賀が構わずにタカコの首筋へと顔を埋めてそこを緩く吸い上げれば、びくりと身体を震わせ喘ぎを漏らしつつも、タカコは再び敦賀の身体を押し遣って潤んだ眼差しで彼を見上げ、今度は消え入りそうな小さな声で呟いた。
「……誰か来るかもなんて心配しながらなんて……嫌、だ。ゆっくり、抱いて……欲しい」
それを聞いた敦賀は立ち上がりタカコから離れ、自らの執務机へと戻ると手近な紙に何やら書き込み、その後はタカコを通り過ぎて部屋を出て行く。暫くしてから扉が開かれる音がして直ぐにまた今度は閉じられる音、一体何なんだと身体を起こしたタカコが扉の方を見て様子を窺えば、戻って来たかと思った敦賀は
「待ってろ、直ぐ戻る」
そう言って今度は階段の方へと歩いて行く。
「……何を……やってるんだあいつは」
事態が飲み込めないタカコが起き上がり、何処に行ったのかと窓の方へと歩み寄って下を見ていると、本部棟の正面玄関を出て仮設営舎の方へと走って行く敦賀の背中が見える。暫くすると私服に着替えた彼が、同じ様に走って戻って来るのが見て取れた。
「……何してんの?」
「……外行くぞ」
「いや……それは良いんだけど、何で着替え――」
「明日は休む」
「そっか、だから着替え――、っておい!あれだけ仕事溜まってるのに正気かお前!!」
「うるせぇ、一晩じゃ足りねぇんだよ」
直球な敦賀の言葉、それにタカコが言葉と動きを失えば、これ幸いとばかりに敦賀は彼女の腕を引いて歩き出し、やがて基地の正門を潜り中洲の方向へと消えて行く。
敦賀の執務室の二つ隣に在る総司令執務室、そこへと出勤して来た部屋の主の高根が、机の上に置かれた
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