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第378章『裏切り』
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第378章『裏切り』
中州に出た時に時折食べた屋台の蒸し饅頭、液体状の胡麻を混ぜ込んだ小豆餡が入ったものと刻んだ筍や茸を混ぜ込んだ挽肉餡が入ったものがお気に入りだった。買った覚えは無いのに何故か今それを持っている両手を見てタカコは暫し考え込み、まぁ良いかと先ずは右手に持った小豆餡の方へと齧り付く。
『……ボス、私の胸は食べ物ではないんですが』
味がしない、そもそも噛み切れない、そう思った直後に上から聞こえて来たマクギャレットの声、それと同時に結構な勢いで頭を叩かれタカコは目を開く。
『くっつき過ぎです、暑くないですか?』
『……あんまんは?肉まんは?』
『夢です、貴方が両手に掴んでるのは私の胸です、痛いので離して下さい』
夢、そう言われて様子を窺えば、確かに両手はマクギャレットの胸を服の上から鷲掴みにしており、身体は並んで漁船の操舵室の隅の床へと横たえられている。
『……あー……博多に舞い戻ったからかな、中州でよく食べてた饅頭の夢見てたわ』
『……夢に見る優先度が饅頭以下の方々が若干気の毒になりました、今』
誰とは明示しないマクギャレットの物言い、それを無視して起き上がり、舵を取るウォーレンへと歩み寄った。カタギリとキムが漁師に扮して見張りに就き、他の面々は今し方迄のタカコ達と同じ様に、操舵室の床に転がって仮眠を摂っている。
『どうだ、様子は』
『済州島迄百kmを切りました、随分前に沿岸警備隊の監視海域は抜けた様です。思っていたよりも早かったと言うか、沖合に迄は配備を広げていませんね。寧ろ済州島との最短距離の海域は五島列島を抜けて直ぐ辺り迄狭められている印象です』
『大和も馬鹿じゃない、済州島が橋頭堡になるという事は伝わっているが、自分達だけでワシントンと渡り合う事は難しいという事は理解しているだろう。大和から仕掛ける事も論外だと理解している筈だ、そうなれば下手に近付かず守りを固める事が最適解だな。燃料はどうなってる』
『済州島に到達する為に必要な量の倍を持ち込んでいます、多少流されても何とかなるでしょう』
『そうか、分かった。引き続き操舵を頼む』
『了解です』
そんな遣り取りを交わした後は引き続きウォーレンに操舵を任せ、タカコ自身は甲板へと出る。時刻は深夜、空は曇天、漁船に偽装している為に掲げられている漁火以外に明かりは無く、水を割って進む船の僅かばかりの周囲以外は真っ暗闇。カタギリとキムは右舷と左舷の二手に分かれ、夫々甲板へと座り込み煙草をふかしながら船の側面から前方に掛けての海をじっと見詰めていた。
『早いですね、まだ眠ってても良かったのに』
カタギリの方へと歩み寄れば、こちらへと向いた顔が笑みを浮かべるのが漁火に照らされて見える。
『饅頭食う夢見てな、ぱくっといったのに噛み切れなくてさ、はぐはぐしてたらリーサのおっぱいに食い付いてたわ。食い物じゃねぇって殴られた』
『何をやってるんですかあんたは……』
呆れた様に笑うカタギリ、その様子を見てタカコも笑い、カタギリの横に並んで立ち真っ暗な海を見詰める。
『……どうなりますかね』
『さぁな……こればっかりは私も読めん、出たとこ勝負だな。連中が間に合ってくれていれば良いんだが』
『何千kmも離れてる所為で連絡手段も無いですしねぇ』
『阿呆抜かせ、ゼロが一つ足りないだろう。まぁ、連中も優秀だ、自分の仕事をきっとり果たしてくれているだろうよ』
『だと良いんですけど』
その後は二人共言葉も無く日中であれば既に島の稜線が見えているであろう方向へと目を向ける。
陸軍の要職に在る三名を狙っての爆破事件、侵攻が近付けば実行されるかも知れないと危惧していた事が実際に起きたのは一週間前。その事以外にも大和側へ揺さぶりを掛け意識を佐世保から逸らす事、そして、自分達Providenceを佐世保から遠ざける事も纏めて成功させる為に、ヨシユキは一連の爆破事件の実行命令を下したのだろう。吐き気がする程有能な男だと胸中で毒吐けば反対側にいたキムが声を張り上げた。
『見えました!信号送ります!!』
いよいよ本隊が大和への接触を開始する、それを見越して再度博多を離れ佐世保へと舞い戻り、船と燃油を調達し、済州島か、既にそこを出港して大和へと向かっているかも知れない艦艇を目指し夜陰に乗じてこうして出港した。その狙いは正しかったらしく、艦から漏れる光をキムが見付け、タカコや仲間達へとその事実を知らせる。それから、所属、そして敵意が無い事を知らせる為に大型投光器の電源を入れて艦艇の方へと向け、電源を忙しなく切ったり入れたりして信号を送り始めた。
相手に、ヨシユキの意志が及んでいないかは分からない、及んでいたとしてそれに従うのか、従わずにこちらへと与してくれるのかも分からない。甲板へと上がった時に自分達に向けられるのは労りの言葉なのか、それとも銃口なのか、こればかりは本国や他の部隊と連絡の取れなかったタカコには皆目見当も付かない。
しかし、それでも自らに課せられた任務の為には戻らざるを得ず、さて、この後はどうなるのか、と、流石に少々痛む胃を戦闘服の上から摩りつつ、タカコは起き出して来た他の面々と並びキムが信号を送る様子を見守り続ける。
『……返事が来たな』
所属と敵意が無い事、それを数度繰り返し動きを止めて様子を窺えば少しばかりの間を置いて艦艇から応答が有った。『カクニンシタ、ジョウカンシロ』、タカコは短くも明確なそれに小さく息を吐き、この応答に裏が無い事を祈るしか無いな、そう思いながら口を開いた。
『艦艇の横につけろ!乗艦するぞ!!』
『了解です!!』
『準備を忘れるなよ!!』
『了解!死にたくはないですからね!』
タカコの言葉に船内が慌ただしく動き出す。装備を纏めたり船首を艦艇の方向へと変えたり、そうこうしている内、十五分程で船は大きな艦艇へと横付けをする形で停止した。
『……行くか』
やがて上から投げ下ろされる縄梯子、上がって来いという声も聞こえる。タカコは梯子を掴みそれを聞きながら短くそう言い、彼女を先頭にして全員が縄梯子を登り始める。十m程を垂直に移動し甲板へと上がってみればそこは光で満たされており、今し方迄の暗さに慣れていた目にはそれは眩し過ぎ、全員が甲板へと上がった後もタカコは暫くの間顔に手を翳し目を細めていた。
『お久し振りです、ボス』
『御無事でしたか』
『元気そうですね』
明かりを背にした沢山の影、その中の幾つかがタカコへと向かって言葉を投げ掛ける。聞き覚えの有る声にタカコがそちらを向けば、数人が列から歩み出て甲板の際に立つタカコ達へと歩み寄って来た。
そこに在ったのは本国に残して来た忠実な部下達の顔。笑みを浮かべたそれにタカコが
(間に合ったか……良かった)
と、そう思い小さく安堵の息を吐いた次の瞬間、
『残念です、ボス』
『さようなら』
そんな言葉がその場にいた全員の耳朶を打ち、次の瞬間には再会したばかりの部下達が手にしていた銃口がタカコ達へと向けられると同時に牙を剥いた。
突然の事に反応出来ずに銃弾を浴び、勢いに負けて柵を乗り越えて言葉も無く次々に今上がって来たばかりの海へと落ちて行く大和へと潜入していた部下達。残ったのはタカコと、そしてドレイクの二人だけ。落ちて行った仲間を追おうと動き掛けたタカコを制止したのは、彼女の腕を掴んだドレイクの手と
『悪いなぁ?俺、沈むって分かってる船に乗り続ける趣味は無ぇんだよ』
という言葉、そして、肉を裂いて体内へと入って来た、ドレイクが手にしたナイフの刃の感覚。
『ドレイク大尉、お久し振りですね』
『ああ、久し振り。何だ、お前等も乗り換えたのか』
『ええ、この人の下で働くのはもううんざりなんですよ』
『気持ちは分かるよ』
タカコの腕を掴んで腹へとナイフを刺したままのドレイクに部下の一人が歩み寄って来て話し掛ける。何とも緊張感の無いそんな会話をドレイクと交わした後、
『そういう事ですので、ボス。自分達は鞍替えする事にしましたから……さようなら』
そうタカコに話し掛け、ドレイクがナイフを引き抜いたのを見計らい、タカコの身体を勢いを付けて持ち上げ、そのまま暗い海へと放り落とす。
先程立て続けに上がった、重量物が落水する音がまた上がる中、ドレイクの手とそこに握られたナイフが赤く染まっているのを甲板の光が照らしていた。
中州に出た時に時折食べた屋台の蒸し饅頭、液体状の胡麻を混ぜ込んだ小豆餡が入ったものと刻んだ筍や茸を混ぜ込んだ挽肉餡が入ったものがお気に入りだった。買った覚えは無いのに何故か今それを持っている両手を見てタカコは暫し考え込み、まぁ良いかと先ずは右手に持った小豆餡の方へと齧り付く。
『……ボス、私の胸は食べ物ではないんですが』
味がしない、そもそも噛み切れない、そう思った直後に上から聞こえて来たマクギャレットの声、それと同時に結構な勢いで頭を叩かれタカコは目を開く。
『くっつき過ぎです、暑くないですか?』
『……あんまんは?肉まんは?』
『夢です、貴方が両手に掴んでるのは私の胸です、痛いので離して下さい』
夢、そう言われて様子を窺えば、確かに両手はマクギャレットの胸を服の上から鷲掴みにしており、身体は並んで漁船の操舵室の隅の床へと横たえられている。
『……あー……博多に舞い戻ったからかな、中州でよく食べてた饅頭の夢見てたわ』
『……夢に見る優先度が饅頭以下の方々が若干気の毒になりました、今』
誰とは明示しないマクギャレットの物言い、それを無視して起き上がり、舵を取るウォーレンへと歩み寄った。カタギリとキムが漁師に扮して見張りに就き、他の面々は今し方迄のタカコ達と同じ様に、操舵室の床に転がって仮眠を摂っている。
『どうだ、様子は』
『済州島迄百kmを切りました、随分前に沿岸警備隊の監視海域は抜けた様です。思っていたよりも早かったと言うか、沖合に迄は配備を広げていませんね。寧ろ済州島との最短距離の海域は五島列島を抜けて直ぐ辺り迄狭められている印象です』
『大和も馬鹿じゃない、済州島が橋頭堡になるという事は伝わっているが、自分達だけでワシントンと渡り合う事は難しいという事は理解しているだろう。大和から仕掛ける事も論外だと理解している筈だ、そうなれば下手に近付かず守りを固める事が最適解だな。燃料はどうなってる』
『済州島に到達する為に必要な量の倍を持ち込んでいます、多少流されても何とかなるでしょう』
『そうか、分かった。引き続き操舵を頼む』
『了解です』
そんな遣り取りを交わした後は引き続きウォーレンに操舵を任せ、タカコ自身は甲板へと出る。時刻は深夜、空は曇天、漁船に偽装している為に掲げられている漁火以外に明かりは無く、水を割って進む船の僅かばかりの周囲以外は真っ暗闇。カタギリとキムは右舷と左舷の二手に分かれ、夫々甲板へと座り込み煙草をふかしながら船の側面から前方に掛けての海をじっと見詰めていた。
『早いですね、まだ眠ってても良かったのに』
カタギリの方へと歩み寄れば、こちらへと向いた顔が笑みを浮かべるのが漁火に照らされて見える。
『饅頭食う夢見てな、ぱくっといったのに噛み切れなくてさ、はぐはぐしてたらリーサのおっぱいに食い付いてたわ。食い物じゃねぇって殴られた』
『何をやってるんですかあんたは……』
呆れた様に笑うカタギリ、その様子を見てタカコも笑い、カタギリの横に並んで立ち真っ暗な海を見詰める。
『……どうなりますかね』
『さぁな……こればっかりは私も読めん、出たとこ勝負だな。連中が間に合ってくれていれば良いんだが』
『何千kmも離れてる所為で連絡手段も無いですしねぇ』
『阿呆抜かせ、ゼロが一つ足りないだろう。まぁ、連中も優秀だ、自分の仕事をきっとり果たしてくれているだろうよ』
『だと良いんですけど』
その後は二人共言葉も無く日中であれば既に島の稜線が見えているであろう方向へと目を向ける。
陸軍の要職に在る三名を狙っての爆破事件、侵攻が近付けば実行されるかも知れないと危惧していた事が実際に起きたのは一週間前。その事以外にも大和側へ揺さぶりを掛け意識を佐世保から逸らす事、そして、自分達Providenceを佐世保から遠ざける事も纏めて成功させる為に、ヨシユキは一連の爆破事件の実行命令を下したのだろう。吐き気がする程有能な男だと胸中で毒吐けば反対側にいたキムが声を張り上げた。
『見えました!信号送ります!!』
いよいよ本隊が大和への接触を開始する、それを見越して再度博多を離れ佐世保へと舞い戻り、船と燃油を調達し、済州島か、既にそこを出港して大和へと向かっているかも知れない艦艇を目指し夜陰に乗じてこうして出港した。その狙いは正しかったらしく、艦から漏れる光をキムが見付け、タカコや仲間達へとその事実を知らせる。それから、所属、そして敵意が無い事を知らせる為に大型投光器の電源を入れて艦艇の方へと向け、電源を忙しなく切ったり入れたりして信号を送り始めた。
相手に、ヨシユキの意志が及んでいないかは分からない、及んでいたとしてそれに従うのか、従わずにこちらへと与してくれるのかも分からない。甲板へと上がった時に自分達に向けられるのは労りの言葉なのか、それとも銃口なのか、こればかりは本国や他の部隊と連絡の取れなかったタカコには皆目見当も付かない。
しかし、それでも自らに課せられた任務の為には戻らざるを得ず、さて、この後はどうなるのか、と、流石に少々痛む胃を戦闘服の上から摩りつつ、タカコは起き出して来た他の面々と並びキムが信号を送る様子を見守り続ける。
『……返事が来たな』
所属と敵意が無い事、それを数度繰り返し動きを止めて様子を窺えば少しばかりの間を置いて艦艇から応答が有った。『カクニンシタ、ジョウカンシロ』、タカコは短くも明確なそれに小さく息を吐き、この応答に裏が無い事を祈るしか無いな、そう思いながら口を開いた。
『艦艇の横につけろ!乗艦するぞ!!』
『了解です!!』
『準備を忘れるなよ!!』
『了解!死にたくはないですからね!』
タカコの言葉に船内が慌ただしく動き出す。装備を纏めたり船首を艦艇の方向へと変えたり、そうこうしている内、十五分程で船は大きな艦艇へと横付けをする形で停止した。
『……行くか』
やがて上から投げ下ろされる縄梯子、上がって来いという声も聞こえる。タカコは梯子を掴みそれを聞きながら短くそう言い、彼女を先頭にして全員が縄梯子を登り始める。十m程を垂直に移動し甲板へと上がってみればそこは光で満たされており、今し方迄の暗さに慣れていた目にはそれは眩し過ぎ、全員が甲板へと上がった後もタカコは暫くの間顔に手を翳し目を細めていた。
『お久し振りです、ボス』
『御無事でしたか』
『元気そうですね』
明かりを背にした沢山の影、その中の幾つかがタカコへと向かって言葉を投げ掛ける。聞き覚えの有る声にタカコがそちらを向けば、数人が列から歩み出て甲板の際に立つタカコ達へと歩み寄って来た。
そこに在ったのは本国に残して来た忠実な部下達の顔。笑みを浮かべたそれにタカコが
(間に合ったか……良かった)
と、そう思い小さく安堵の息を吐いた次の瞬間、
『残念です、ボス』
『さようなら』
そんな言葉がその場にいた全員の耳朶を打ち、次の瞬間には再会したばかりの部下達が手にしていた銃口がタカコ達へと向けられると同時に牙を剥いた。
突然の事に反応出来ずに銃弾を浴び、勢いに負けて柵を乗り越えて言葉も無く次々に今上がって来たばかりの海へと落ちて行く大和へと潜入していた部下達。残ったのはタカコと、そしてドレイクの二人だけ。落ちて行った仲間を追おうと動き掛けたタカコを制止したのは、彼女の腕を掴んだドレイクの手と
『悪いなぁ?俺、沈むって分かってる船に乗り続ける趣味は無ぇんだよ』
という言葉、そして、肉を裂いて体内へと入って来た、ドレイクが手にしたナイフの刃の感覚。
『ドレイク大尉、お久し振りですね』
『ああ、久し振り。何だ、お前等も乗り換えたのか』
『ええ、この人の下で働くのはもううんざりなんですよ』
『気持ちは分かるよ』
タカコの腕を掴んで腹へとナイフを刺したままのドレイクに部下の一人が歩み寄って来て話し掛ける。何とも緊張感の無いそんな会話をドレイクと交わした後、
『そういう事ですので、ボス。自分達は鞍替えする事にしましたから……さようなら』
そうタカコに話し掛け、ドレイクがナイフを引き抜いたのを見計らい、タカコの身体を勢いを付けて持ち上げ、そのまま暗い海へと放り落とす。
先程立て続けに上がった、重量物が落水する音がまた上がる中、ドレイクの手とそこに握られたナイフが赤く染まっているのを甲板の光が照らしていた。
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