100 / 100
第400章『End of All Hope―全ての希望が潰える時―』
しおりを挟む
第400章『End of All Hope―全ての希望が潰える時―』
活骸が第一防壁へと到達してから五日目の朝、高根は執務室のソファの上で目を覚ました。
自宅にはもう随分と長い間帰っていない、妻である凛は彼女の兄の島津宅へと避難させた後、避難命令に従い兄嫁達と共に博多の街を去り太宰府駐屯地の避難所に身を寄せていたが、先だっての九州からの退去命令に従い今は陸路で旧関門海峡を経由して避難をしている最中の筈だ。出産予定日迄もうそれ程の日数は残されていないが、それ迄に事が片付き再会出来るかは皆目見当もつかない。
ソファでの一人寝が続いている生活の中で、寝入る時と目を覚ました時にいつも思うのは凛の事。早くこの腕に彼女の小さな身体を抱いて安堵したい、そう思い長い溜息を吐きながら起き上がる面持ちは全く冴えず、それを机を挟んだ向かい側のソファに寝転がっていた黒川が眠たそうな様子で見ながら掠れた声を出す。
「何かもう、全身から嫁さん欲しいって垂れ流しになってんぞお前」
「それじゃ俺が独り身みてぇじゃねぇか、嫁はいるっつの。まぁ、もう随分顔見てねぇけどよ。そんな事言うならおめぇも随分ひでぇ有様じゃねぇか、髭は伸び放題だわ髪は脂でべったりしてるわ戦闘服は皺だらけだわ、中洲の種馬の伊達男は何処行ったってんだよ?」
「言わないで、それ言わないで……って、そろそろ起きるか」
事が起こって以来、博多駐屯地の事は駐屯地司令である横山に任せ、黒川自身は上官である副長と共に指揮所の設置された海兵隊基地に入ったままだ。服装は副長と共に初日こそ制服を着ていたが、手入れの楽な戦闘服に二人共早々に着替えてしまい、着替える事も無くそのままで過ごし、袖を通した時にはしゃっきりとしていたそれは、今ではすっかりとくたびれてしまった。人の上に立つ者として身形をきちんと整えているという事は重要な事ではあるのだが、自分達へと向けられている銃口がいつ火を噴くか分からない状況では流石にそこ迄気を配る事も出来ず、自分がするにしろ部下にさせるにしろ、着替えの準備に時間や人手を割く等馬鹿馬鹿しいと、普段であればそういった流れに神経を配る筈の黒川も副長も何も言わず、くたびれた格好のまま過ごしている。
海兵隊はと言えば、こちらは陸軍に比べ平素からそういった事には頓着しない集団であり、その頂点である高根やその副官である小此木も陸軍の黒川や横山よりは無頓着。多少は身綺麗にしているとは言えど然して気にしている様子は無い。
「朝飯は何かね、今日は」
「缶飯か乾パンか好きな方選べ」
「対馬区への出撃が毎月有って食べ慣れてるお前等と違うんだよ陸軍は。はー……炊き立ての飯と味噌汁が欲しいぜ……」
「贅沢言うなっつの」
副長は来客用の部屋の寝台で、副司令の小此木は自らの執務室で休んでおり、今この場には同郷の幼馴染の腐れ縁の二人しかいない為、お互いに砕けた調子で言葉を交わしながら起き上がりソファを降りて立ち上がる。半長靴を履いて執務室を出て給湯室へと向かい、そこで顔を洗い歯を磨いてから指揮所へと入る。
「お早う御座います」
「お早う御座います」
「ああ、お早う」
指揮所には夜間当直の他、既に起き出していた小此木を始めとして既に多くの人員が揃っており、二人はその彼等から向けられた言葉に返事をして自らの席へと腰を下ろした。
「状況は?」
「はい、夜間は特に何も。昨日の日没と共に帰投した機体群は今日はまだ動きは有りませんが、昨日迄の動きを考えるとそろそろまた飛来するかと」
「そうか……総監、我々もまた現場に行ってみますか。監視台に上がってそこから向こう側を見れば、何か目新しいものが見えるかも知れませんよ」
「確かに……それじゃ、朝の打ち合わせが終わったら」
「ええ、そうしましょう」
上層部が最前線に頻繁に顔を出せば現場指揮官の顔を潰す事になるし、指揮命令系統にも混乱が生じ易くなる。現場の士気を維持する為にも総大将達は普段は後方にどっかりと構え上がって来る報告元に采配を振るい、現場の事は現場指揮官に任せ、自分達は要所要所で顔を出し部下達に声を掛け労わり鼓舞する。それが士気の維持だけでなくそれを高める事に繋がるのだと、高根も黒川も、嘗て自分達自身が現場にいた経験から知っている。だからこそ事が起こった直後は現状を正確に把握する為に第一防壁へと直接赴いた事も有るが、それ以降は後方の指揮所へと下がりそこで采配を振るって来た。しかしそろそろ顔を出す頃合いかと話しながら夜の間に積み上がった報告書の束を手に取り目を通し始めれば副長も入室して来て、指揮所は朝のいつもの流れへと乗り始めた。
それが中断されたのは第一防壁からの入電、前日迄と同じ様に機体群が飛来した事を告げるそれに手元の資料へと落としていた顔を上げ、窓の向こうに広がる対馬区の方向へと視線を向ける。
次の瞬間、窓の外から差し込んで来た閃光、それとほぼ同時に響き渡る爆音と振動、今迄に経験した事の無いそれに室内にいた人間は一瞬動きと言葉を失い、次の瞬間には高根と黒川、そしてそれに僅かに遅れて副長が立ち上がり窓とは反対の方向、扉へと向かって動き出す。
「おい真吾!俺も連れて行け!!背負え!!」
咄嗟の事で繕う事も忘れた黒川の言葉、高根はそれを聞いて舌打ちをし、背負えと要求する親友を乱暴に担ぎ上げて階段へと向かって走り出した。
「何なんだ今の!」
「分かんねぇよ!!だからそれを確かめに行くんだろうが!!」
全速で階段を駆け下りながら交わされる言葉、それには緊迫の色がありありと浮かび、未知の事態への緊張と警戒を二人共隠そうともしない。後に続いて駆け下りる副長もまた言葉は無いものの面持ちは二人と同じで、三人揃って本部棟を飛び出し、正面玄関の前へと止められていた四駆の乗用車に飛び乗り高根の運転で第一防壁の方向へと向かって走り出す。
何かが爆発したらしいという事だけは辛うじて把握したが、それだけだ。何によってどんな規模の爆発が何処へと齎されたのか、まさか第一防壁が破壊されたのかと思いつつそちらの方向へと走り続ければ、昨日迄と同じ姿を保ったままの第一防壁が見えて来る。それを見て一瞬ほっとしたものの、防壁と自分達の間にいる部下達の殺気立ち緊迫し切った様子にやはり只事ではないと舌打ちをし、高根は車を更に加速させた。
「司令!」
防壁の直ぐ手前迄突っ込み、車を降りれば周囲にいた海兵達が縋る様な眼差しと言葉を投げ掛けて来る。それに
「落ち着け!呑まれるな!!」
と、短くも明瞭な言葉で返し、指揮所を出た時と同じ様に黒川を背負い今度は監視台への階段を駆け上った。
双眼鏡を覗いて最初に目に入ったのは、活骸の群れのど真ん中にぽっかりと空いた空間。そこを埋め尽くしているであろう活骸の姿は無く、地面が綺麗な円を描く様にして剥き出しになっている。
次に見えたのはその円の上を飛行している機体、普段よりもかなり高い高度を飛行しているのが見て取れる。双眼鏡の視界にちらりと映ったものに気付きそちらへと頭を向ければ、そこには同じ程度の高高度を飛行している機体、そして、その下には活骸で埋め尽くされた対馬区の大地。
機体の下に何か、楕円に近い物体が固定されている。高根がそう思った次の瞬間その物体が突如投下され、投下した機体はそれと同時に急発進しその場を離脱しつつ凄まじい勢いで上昇する。
投下された物体の上に大きな布が広がり落下速度が落ち、物体はゆっくりと地面へと向かって落下する。地面迄百m程になった時その周囲に何か靄の様なものが一瞬にして立ち込め、あれは何なのかと高根が、そしてその横で同じ様に事態の推移を見守る黒川や副長がそう思った、次の瞬間。
第一防壁から五百m程の地点に突如として出現した巨大な火球、その余りの光量に思わず顔を背ければ、それと同時に凄まじい轟音が響き渡り激しい爆風と振動がその場の全員の身体へと打ち付ける。
何が起こったのかと高根がもう一度双眼鏡を覗き込めば、そこに在ったのは地獄としか言い様の無い光景。
爆風によって薙ぎ払われた活骸の群れ、爆心地を中心にして円状に地面が剥き出しになり、その外側にが転がる、無残な肉塊となった活骸の身体。
突然の未知の事態に狼狽し逃げ惑う数多くの活骸、難を逃れた彼等は四方へと走り出し、一部はこちらへと、本土へと向かって走って来る。やがてそれ等は第一防壁へと到達し、先程の爆発からどうにかして逃れよう遠ざかろうと、既にそこにいた同族達を押し退ける様にして殺到し柵の間からこちらへと腕を伸ばし叫びを上げ続けた。
凄まじい熱量と爆発力と威力、ワシントンでもまだ限られた者しかその威力を目にしていない新兵器、サーモバリック爆弾。今日はそれがワシントン国外で実戦へと投入された初めての日となった。
それを唐突に目と鼻の先に投下されその凄まじい威力を突き付けられた大和軍、その一翼である海兵隊。その総司令である高根は、自分達が必死に保ち続けていた希望が呆気無く潰れるのをはっきりと感じ取っていた。
活骸が第一防壁へと到達してから五日目の朝、高根は執務室のソファの上で目を覚ました。
自宅にはもう随分と長い間帰っていない、妻である凛は彼女の兄の島津宅へと避難させた後、避難命令に従い兄嫁達と共に博多の街を去り太宰府駐屯地の避難所に身を寄せていたが、先だっての九州からの退去命令に従い今は陸路で旧関門海峡を経由して避難をしている最中の筈だ。出産予定日迄もうそれ程の日数は残されていないが、それ迄に事が片付き再会出来るかは皆目見当もつかない。
ソファでの一人寝が続いている生活の中で、寝入る時と目を覚ました時にいつも思うのは凛の事。早くこの腕に彼女の小さな身体を抱いて安堵したい、そう思い長い溜息を吐きながら起き上がる面持ちは全く冴えず、それを机を挟んだ向かい側のソファに寝転がっていた黒川が眠たそうな様子で見ながら掠れた声を出す。
「何かもう、全身から嫁さん欲しいって垂れ流しになってんぞお前」
「それじゃ俺が独り身みてぇじゃねぇか、嫁はいるっつの。まぁ、もう随分顔見てねぇけどよ。そんな事言うならおめぇも随分ひでぇ有様じゃねぇか、髭は伸び放題だわ髪は脂でべったりしてるわ戦闘服は皺だらけだわ、中洲の種馬の伊達男は何処行ったってんだよ?」
「言わないで、それ言わないで……って、そろそろ起きるか」
事が起こって以来、博多駐屯地の事は駐屯地司令である横山に任せ、黒川自身は上官である副長と共に指揮所の設置された海兵隊基地に入ったままだ。服装は副長と共に初日こそ制服を着ていたが、手入れの楽な戦闘服に二人共早々に着替えてしまい、着替える事も無くそのままで過ごし、袖を通した時にはしゃっきりとしていたそれは、今ではすっかりとくたびれてしまった。人の上に立つ者として身形をきちんと整えているという事は重要な事ではあるのだが、自分達へと向けられている銃口がいつ火を噴くか分からない状況では流石にそこ迄気を配る事も出来ず、自分がするにしろ部下にさせるにしろ、着替えの準備に時間や人手を割く等馬鹿馬鹿しいと、普段であればそういった流れに神経を配る筈の黒川も副長も何も言わず、くたびれた格好のまま過ごしている。
海兵隊はと言えば、こちらは陸軍に比べ平素からそういった事には頓着しない集団であり、その頂点である高根やその副官である小此木も陸軍の黒川や横山よりは無頓着。多少は身綺麗にしているとは言えど然して気にしている様子は無い。
「朝飯は何かね、今日は」
「缶飯か乾パンか好きな方選べ」
「対馬区への出撃が毎月有って食べ慣れてるお前等と違うんだよ陸軍は。はー……炊き立ての飯と味噌汁が欲しいぜ……」
「贅沢言うなっつの」
副長は来客用の部屋の寝台で、副司令の小此木は自らの執務室で休んでおり、今この場には同郷の幼馴染の腐れ縁の二人しかいない為、お互いに砕けた調子で言葉を交わしながら起き上がりソファを降りて立ち上がる。半長靴を履いて執務室を出て給湯室へと向かい、そこで顔を洗い歯を磨いてから指揮所へと入る。
「お早う御座います」
「お早う御座います」
「ああ、お早う」
指揮所には夜間当直の他、既に起き出していた小此木を始めとして既に多くの人員が揃っており、二人はその彼等から向けられた言葉に返事をして自らの席へと腰を下ろした。
「状況は?」
「はい、夜間は特に何も。昨日の日没と共に帰投した機体群は今日はまだ動きは有りませんが、昨日迄の動きを考えるとそろそろまた飛来するかと」
「そうか……総監、我々もまた現場に行ってみますか。監視台に上がってそこから向こう側を見れば、何か目新しいものが見えるかも知れませんよ」
「確かに……それじゃ、朝の打ち合わせが終わったら」
「ええ、そうしましょう」
上層部が最前線に頻繁に顔を出せば現場指揮官の顔を潰す事になるし、指揮命令系統にも混乱が生じ易くなる。現場の士気を維持する為にも総大将達は普段は後方にどっかりと構え上がって来る報告元に采配を振るい、現場の事は現場指揮官に任せ、自分達は要所要所で顔を出し部下達に声を掛け労わり鼓舞する。それが士気の維持だけでなくそれを高める事に繋がるのだと、高根も黒川も、嘗て自分達自身が現場にいた経験から知っている。だからこそ事が起こった直後は現状を正確に把握する為に第一防壁へと直接赴いた事も有るが、それ以降は後方の指揮所へと下がりそこで采配を振るって来た。しかしそろそろ顔を出す頃合いかと話しながら夜の間に積み上がった報告書の束を手に取り目を通し始めれば副長も入室して来て、指揮所は朝のいつもの流れへと乗り始めた。
それが中断されたのは第一防壁からの入電、前日迄と同じ様に機体群が飛来した事を告げるそれに手元の資料へと落としていた顔を上げ、窓の向こうに広がる対馬区の方向へと視線を向ける。
次の瞬間、窓の外から差し込んで来た閃光、それとほぼ同時に響き渡る爆音と振動、今迄に経験した事の無いそれに室内にいた人間は一瞬動きと言葉を失い、次の瞬間には高根と黒川、そしてそれに僅かに遅れて副長が立ち上がり窓とは反対の方向、扉へと向かって動き出す。
「おい真吾!俺も連れて行け!!背負え!!」
咄嗟の事で繕う事も忘れた黒川の言葉、高根はそれを聞いて舌打ちをし、背負えと要求する親友を乱暴に担ぎ上げて階段へと向かって走り出した。
「何なんだ今の!」
「分かんねぇよ!!だからそれを確かめに行くんだろうが!!」
全速で階段を駆け下りながら交わされる言葉、それには緊迫の色がありありと浮かび、未知の事態への緊張と警戒を二人共隠そうともしない。後に続いて駆け下りる副長もまた言葉は無いものの面持ちは二人と同じで、三人揃って本部棟を飛び出し、正面玄関の前へと止められていた四駆の乗用車に飛び乗り高根の運転で第一防壁の方向へと向かって走り出す。
何かが爆発したらしいという事だけは辛うじて把握したが、それだけだ。何によってどんな規模の爆発が何処へと齎されたのか、まさか第一防壁が破壊されたのかと思いつつそちらの方向へと走り続ければ、昨日迄と同じ姿を保ったままの第一防壁が見えて来る。それを見て一瞬ほっとしたものの、防壁と自分達の間にいる部下達の殺気立ち緊迫し切った様子にやはり只事ではないと舌打ちをし、高根は車を更に加速させた。
「司令!」
防壁の直ぐ手前迄突っ込み、車を降りれば周囲にいた海兵達が縋る様な眼差しと言葉を投げ掛けて来る。それに
「落ち着け!呑まれるな!!」
と、短くも明瞭な言葉で返し、指揮所を出た時と同じ様に黒川を背負い今度は監視台への階段を駆け上った。
双眼鏡を覗いて最初に目に入ったのは、活骸の群れのど真ん中にぽっかりと空いた空間。そこを埋め尽くしているであろう活骸の姿は無く、地面が綺麗な円を描く様にして剥き出しになっている。
次に見えたのはその円の上を飛行している機体、普段よりもかなり高い高度を飛行しているのが見て取れる。双眼鏡の視界にちらりと映ったものに気付きそちらへと頭を向ければ、そこには同じ程度の高高度を飛行している機体、そして、その下には活骸で埋め尽くされた対馬区の大地。
機体の下に何か、楕円に近い物体が固定されている。高根がそう思った次の瞬間その物体が突如投下され、投下した機体はそれと同時に急発進しその場を離脱しつつ凄まじい勢いで上昇する。
投下された物体の上に大きな布が広がり落下速度が落ち、物体はゆっくりと地面へと向かって落下する。地面迄百m程になった時その周囲に何か靄の様なものが一瞬にして立ち込め、あれは何なのかと高根が、そしてその横で同じ様に事態の推移を見守る黒川や副長がそう思った、次の瞬間。
第一防壁から五百m程の地点に突如として出現した巨大な火球、その余りの光量に思わず顔を背ければ、それと同時に凄まじい轟音が響き渡り激しい爆風と振動がその場の全員の身体へと打ち付ける。
何が起こったのかと高根がもう一度双眼鏡を覗き込めば、そこに在ったのは地獄としか言い様の無い光景。
爆風によって薙ぎ払われた活骸の群れ、爆心地を中心にして円状に地面が剥き出しになり、その外側にが転がる、無残な肉塊となった活骸の身体。
突然の未知の事態に狼狽し逃げ惑う数多くの活骸、難を逃れた彼等は四方へと走り出し、一部はこちらへと、本土へと向かって走って来る。やがてそれ等は第一防壁へと到達し、先程の爆発からどうにかして逃れよう遠ざかろうと、既にそこにいた同族達を押し退ける様にして殺到し柵の間からこちらへと腕を伸ばし叫びを上げ続けた。
凄まじい熱量と爆発力と威力、ワシントンでもまだ限られた者しかその威力を目にしていない新兵器、サーモバリック爆弾。今日はそれがワシントン国外で実戦へと投入された初めての日となった。
それを唐突に目と鼻の先に投下されその凄まじい威力を突き付けられた大和軍、その一翼である海兵隊。その総司令である高根は、自分達が必死に保ち続けていた希望が呆気無く潰れるのをはっきりと感じ取っていた。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです