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予感
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僕は言葉にできない程、憂鬱になっていた。自らの性癖を否定することは、自分自身を否定することと同じだということは分かっていたが、もう自分自身を否定せざるを得なかった。それは周りのイかれた男女を見ているからこそなり得る現象であった。あんな風にはなりたくない、と。僕はMなのだろうか。
「お...おうっ」
もうすがすがしささえ感じられる彼の悶える声がうらやましくなり始めた。彼らは自分の性癖に対して正面から受け止めているからこそこのバーへ来て、SMという変態的なものをエロスとして受け止めることができる。僕は今まで彼らを見下し、嘲笑ってきたが実際可哀想なのは僕ではないか。自分が恥ずかしくなった。
半ばやけくそになっていた。僕の心は目の前にあるカシスオレンジの色のように何色でもない曖昧で矛盾している色だった。どこか心地よさを感じさせる色だけど、同時に目を背けたくなるような曖昧な色。だがグラスと一緒に付いてきたチェリー、それがとても魅力的に感じられた。これは根津なのだ。僕の曖昧な色に華を持たせながら、僕自身を中和してくれる存在。このことに気付くと僕の心は音をたてながら荷を軽くしていった。根津さえいれば大丈夫なのだ。僕は急いでバーの中を見渡す。イかれた奴らのたまり場であるここで、あの冷酷な目を探した。すると狂ったように叫ぶ女の後ろであの冷たい目が見えたような気がしたが、すぐに消えた。見間違いだろうか。でもなんとなく彼女に出会える予感がした。いつの間にかチェリーがカクテルの中に浸かっていた。僕はチェリーについたカクテルを舐め回しながら、「根津」を食べた。
「お...おうっ」
もうすがすがしささえ感じられる彼の悶える声がうらやましくなり始めた。彼らは自分の性癖に対して正面から受け止めているからこそこのバーへ来て、SMという変態的なものをエロスとして受け止めることができる。僕は今まで彼らを見下し、嘲笑ってきたが実際可哀想なのは僕ではないか。自分が恥ずかしくなった。
半ばやけくそになっていた。僕の心は目の前にあるカシスオレンジの色のように何色でもない曖昧で矛盾している色だった。どこか心地よさを感じさせる色だけど、同時に目を背けたくなるような曖昧な色。だがグラスと一緒に付いてきたチェリー、それがとても魅力的に感じられた。これは根津なのだ。僕の曖昧な色に華を持たせながら、僕自身を中和してくれる存在。このことに気付くと僕の心は音をたてながら荷を軽くしていった。根津さえいれば大丈夫なのだ。僕は急いでバーの中を見渡す。イかれた奴らのたまり場であるここで、あの冷酷な目を探した。すると狂ったように叫ぶ女の後ろであの冷たい目が見えたような気がしたが、すぐに消えた。見間違いだろうか。でもなんとなく彼女に出会える予感がした。いつの間にかチェリーがカクテルの中に浸かっていた。僕はチェリーについたカクテルを舐め回しながら、「根津」を食べた。
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