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再会
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まだ少し果実が付いている種、未練がましさのようなものが垣間見えて、まるで僕と根津のようだった。根津が種で僕が実なのだ。根津は自らの硬い殻の中に入り込んでいるが、その周りを僕という邪魔なものがまとわりついている。なぜか恥ずかしくなった。
女王が僕達に小さくお辞儀した。つまりショーが終わったのだ。周囲は「イかれた」余韻に浸っていた。この余韻は協調性に満ちあふれていてとても美しかった。周囲のところどころで聞こえる不気味な笑い声さえ美しさが感じ取れた。いつの間にか僕もこの余韻に浸っていた。もう余韻に浸っていることが自己満足になっていく。
余韻が続く。周りは各々帰っていき、余韻の形は崩れていったが僕の体は段々火照っていった。僕は赤い天井を見つめ、自らの心を一言で表そうとした。興奮でもなく、歓喜でもなく、感嘆でもない。僕が持ち合わせている少ない語彙で今の心内を表そうと一生懸命に頭の中を模索していた。やがて頭の中にぽつんと二つの文字が現れる。「哀愁」。この興奮に近い感情は哀愁なんだと気付く。つまり自分の新たな性癖を見つけ、僕の心には小さな穴が開いた。やがてその穴を周りの歓声が興奮という形で僕の心の穴を優しく包み込んだ。そして興奮は僕の心の中で化学変化し、やがて哀愁という形で僕自身を包み込んだのだ。「哀愁」という二文字はなぜか椎名林檎の「歌舞伎町の女王」を連想させた。哀愁漂う曲が心地よかった。
「蝉の声を聞くたびに...」
小さく口ずさんでいた。僕は周りをベールで囲んでいた。隣に根津が座っているのに気が付かずに。
女王が僕達に小さくお辞儀した。つまりショーが終わったのだ。周囲は「イかれた」余韻に浸っていた。この余韻は協調性に満ちあふれていてとても美しかった。周囲のところどころで聞こえる不気味な笑い声さえ美しさが感じ取れた。いつの間にか僕もこの余韻に浸っていた。もう余韻に浸っていることが自己満足になっていく。
余韻が続く。周りは各々帰っていき、余韻の形は崩れていったが僕の体は段々火照っていった。僕は赤い天井を見つめ、自らの心を一言で表そうとした。興奮でもなく、歓喜でもなく、感嘆でもない。僕が持ち合わせている少ない語彙で今の心内を表そうと一生懸命に頭の中を模索していた。やがて頭の中にぽつんと二つの文字が現れる。「哀愁」。この興奮に近い感情は哀愁なんだと気付く。つまり自分の新たな性癖を見つけ、僕の心には小さな穴が開いた。やがてその穴を周りの歓声が興奮という形で僕の心の穴を優しく包み込んだ。そして興奮は僕の心の中で化学変化し、やがて哀愁という形で僕自身を包み込んだのだ。「哀愁」という二文字はなぜか椎名林檎の「歌舞伎町の女王」を連想させた。哀愁漂う曲が心地よかった。
「蝉の声を聞くたびに...」
小さく口ずさんでいた。僕は周りをベールで囲んでいた。隣に根津が座っているのに気が付かずに。
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