24 / 74
リューシャ編
23話
しおりを挟む
「【アルブレスタ・ウィンディア】!」
リリエが四方八方に風を起こし、スカイに向かっていく剣や槍を吹き飛ばす。
「…っ!」
「【ランスムーン・グレイド】」
スカイが放つ氷をギリギリでかわしていくレステルトだが、その動きには明らかに疲れが出てきていた。
「…動きが遅くなってる気がするけど、まさか疲れてきたなんてことは無いよね?これだけで疲れるなんてそれでよく番人が務まるよ。」
「…くっ!」
″…魔力を最近使っていなかったせいか疲労が激しい…このままだと…″
「【エクレセンデッド・ストーム】!」
「っ!」
スカイとリリエの攻撃でレステルトは押されていた。
「っ…」
レステルトは左手を前に勢いよく出し、剣を召喚し、リリエとスカイの方へと放つ。
「【ルーニムクト・ブリーズ】!」
リリエは向かってくる剣を慣れたように風で払うと、先とは違って風は、威力を失うことなくレステルトへと向かっていった。
「?!っ【ワンス・スピアンス】!」
咄嗟にレステルトは巨大な槍を召喚し、風に向かって放った。風は槍とぶつかり合ったが、槍の大きさで集まった風を分散させてしまい、風がレステルトに当たることはなかった。
″…結局、私たちの考察した弱点、全部違ったじゃん!″
リリエは、そうスカイの方を見ながら心の中で言った。リリエと目が合ったスカイは、それが伝わったのか一瞬目線を斜め下に向けると、リリエの方をもう一度見て頷いた。
″…怪しかったから確定はさせないでおいたけど、両方とも違ったら違うで、対策の立てようが…こうなったら…″
「…1番強い攻撃をぶつけて、威力で押しきった方が早いかな?」
「?…なんだ…?」
「?…!」
スカイの方を見ながらスカイの言った言葉にはてなマークを浮かべるレステルトだが、リリエはなにかを察したかの様に突然スカイの後方へと下がった。
″なんだ…突然後ろに下がった……!ということはまさか…っ!″
リリエが後ろに下がったのに反応して、なにかを仕掛けてくると分かったレステルトはやらせるまいとスカイに召喚した剣を勢い良く放った。
「…っ……?!」
リリエは剣を払おうと魔法を放ちかけたが、前方にいるスカイになにかとても強いなにかを感じ、動きを止めた。
「…残念ながら、もう無駄だよ。…【アブソリュート・ゼロ】」
リリエが動きを止めたとほぼ同時にスカイはそう呟き、両手を横に広げながら詠唱を唱えた。スカイを中心として竜巻のような冷たい風が起こる。
「…っ!」
その風の強さと冷たさに1度目を閉じ、次に目を開けたときには、部屋全体がきれいな透明の氷に包まれていた。氷に包まれていたのは飛んできていた剣はもちろん、レステルトでさえも凍りついていた。それに対しリリエはどこも凍っておらず、強いて言えば足下までしか氷が迫っていなかった。
「…これ…」
「あれはあのまましばらく動けなくなるまで体力を削っていく。威力の割にコントロールはそこそこ効くけど、連発はもちろん出来ない。」
「すごい…本当にスカイって強いよね。羨ましいくらいに」
そのリリエの言葉にスカイは一瞬黙りこむと、ふと呟くように言った。
「…俺は…強くなんて無い…絶対に…あの時何も出来なかった俺が…強いわけ無い…」
「…あの時…?」
リリエの問いかけにスカイは少しハッとすると言った。
「いや、何でもない。昔のことを思い出しただけ」
スカイはそういうとレステルトの凍っている後ろにある扉を見た。
「…あの先に神の皇子と皇女がいる。強い上にここから先へ簡単に通すとは考えられない。…戦闘は確実だろうね」
「そっか…さっきは、スカイにほとんど任せちゃったから、次は私が頑張ろうかな?」
「いいけど、無理だけはしないでよ」
リリエはスカイの言葉に笑って頷くと、ふとなにかを思い出したようにスカイの方を向いて言った。
「ところで、魔力って何?」
「…?あ、リリエは知らないんだ。簡単に説明すると、魔力は魔法の威力を最大限引き出して使えるようになる力のこと。体力を使ってるとき使えなかった魔法が魔力を使えば簡単に使えるようになるんだ。」
「じゃあ、この部屋全体を凍らせたのは魔力を使ったからなんだ…ってことは今も魔力は発動してるの?」
リリエの問いにスカイは首を振って答えた。
「今はもう発動してない。俺もあんまりいうほど使いこなせてないから、ずっと発動してると疲れるんだ。」
「へぇ、そうなんだ」
「…さて、そろそろ皇の間に入ろう。」
スカイはそう言って皇の間への扉に手をかけ、前に押し出した。扉はゆっくりと開く。扉が完全に開いた先の皇の間の奥の椅子には神の皇子と皇女だと思われる者が威厳を放ちながら座っていた。
「…よくここまでこれたな。反逆者たちよ。私は神の皇子、レスデオ・ルディーラ。」
「私は神の皇女、シエルテ・ルディーラ。」
「…反逆者たちよ、まずお前たちがここまで来た理由を聞かせてもらおう。」
そう神の皇子レスデオは鋭い視線をスカイとリリエに向けた。
リリエが四方八方に風を起こし、スカイに向かっていく剣や槍を吹き飛ばす。
「…っ!」
「【ランスムーン・グレイド】」
スカイが放つ氷をギリギリでかわしていくレステルトだが、その動きには明らかに疲れが出てきていた。
「…動きが遅くなってる気がするけど、まさか疲れてきたなんてことは無いよね?これだけで疲れるなんてそれでよく番人が務まるよ。」
「…くっ!」
″…魔力を最近使っていなかったせいか疲労が激しい…このままだと…″
「【エクレセンデッド・ストーム】!」
「っ!」
スカイとリリエの攻撃でレステルトは押されていた。
「っ…」
レステルトは左手を前に勢いよく出し、剣を召喚し、リリエとスカイの方へと放つ。
「【ルーニムクト・ブリーズ】!」
リリエは向かってくる剣を慣れたように風で払うと、先とは違って風は、威力を失うことなくレステルトへと向かっていった。
「?!っ【ワンス・スピアンス】!」
咄嗟にレステルトは巨大な槍を召喚し、風に向かって放った。風は槍とぶつかり合ったが、槍の大きさで集まった風を分散させてしまい、風がレステルトに当たることはなかった。
″…結局、私たちの考察した弱点、全部違ったじゃん!″
リリエは、そうスカイの方を見ながら心の中で言った。リリエと目が合ったスカイは、それが伝わったのか一瞬目線を斜め下に向けると、リリエの方をもう一度見て頷いた。
″…怪しかったから確定はさせないでおいたけど、両方とも違ったら違うで、対策の立てようが…こうなったら…″
「…1番強い攻撃をぶつけて、威力で押しきった方が早いかな?」
「?…なんだ…?」
「?…!」
スカイの方を見ながらスカイの言った言葉にはてなマークを浮かべるレステルトだが、リリエはなにかを察したかの様に突然スカイの後方へと下がった。
″なんだ…突然後ろに下がった……!ということはまさか…っ!″
リリエが後ろに下がったのに反応して、なにかを仕掛けてくると分かったレステルトはやらせるまいとスカイに召喚した剣を勢い良く放った。
「…っ……?!」
リリエは剣を払おうと魔法を放ちかけたが、前方にいるスカイになにかとても強いなにかを感じ、動きを止めた。
「…残念ながら、もう無駄だよ。…【アブソリュート・ゼロ】」
リリエが動きを止めたとほぼ同時にスカイはそう呟き、両手を横に広げながら詠唱を唱えた。スカイを中心として竜巻のような冷たい風が起こる。
「…っ!」
その風の強さと冷たさに1度目を閉じ、次に目を開けたときには、部屋全体がきれいな透明の氷に包まれていた。氷に包まれていたのは飛んできていた剣はもちろん、レステルトでさえも凍りついていた。それに対しリリエはどこも凍っておらず、強いて言えば足下までしか氷が迫っていなかった。
「…これ…」
「あれはあのまましばらく動けなくなるまで体力を削っていく。威力の割にコントロールはそこそこ効くけど、連発はもちろん出来ない。」
「すごい…本当にスカイって強いよね。羨ましいくらいに」
そのリリエの言葉にスカイは一瞬黙りこむと、ふと呟くように言った。
「…俺は…強くなんて無い…絶対に…あの時何も出来なかった俺が…強いわけ無い…」
「…あの時…?」
リリエの問いかけにスカイは少しハッとすると言った。
「いや、何でもない。昔のことを思い出しただけ」
スカイはそういうとレステルトの凍っている後ろにある扉を見た。
「…あの先に神の皇子と皇女がいる。強い上にここから先へ簡単に通すとは考えられない。…戦闘は確実だろうね」
「そっか…さっきは、スカイにほとんど任せちゃったから、次は私が頑張ろうかな?」
「いいけど、無理だけはしないでよ」
リリエはスカイの言葉に笑って頷くと、ふとなにかを思い出したようにスカイの方を向いて言った。
「ところで、魔力って何?」
「…?あ、リリエは知らないんだ。簡単に説明すると、魔力は魔法の威力を最大限引き出して使えるようになる力のこと。体力を使ってるとき使えなかった魔法が魔力を使えば簡単に使えるようになるんだ。」
「じゃあ、この部屋全体を凍らせたのは魔力を使ったからなんだ…ってことは今も魔力は発動してるの?」
リリエの問いにスカイは首を振って答えた。
「今はもう発動してない。俺もあんまりいうほど使いこなせてないから、ずっと発動してると疲れるんだ。」
「へぇ、そうなんだ」
「…さて、そろそろ皇の間に入ろう。」
スカイはそう言って皇の間への扉に手をかけ、前に押し出した。扉はゆっくりと開く。扉が完全に開いた先の皇の間の奥の椅子には神の皇子と皇女だと思われる者が威厳を放ちながら座っていた。
「…よくここまでこれたな。反逆者たちよ。私は神の皇子、レスデオ・ルディーラ。」
「私は神の皇女、シエルテ・ルディーラ。」
「…反逆者たちよ、まずお前たちがここまで来た理由を聞かせてもらおう。」
そう神の皇子レスデオは鋭い視線をスカイとリリエに向けた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる