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第1章イラストレス 6
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昼間ずっと走り続けた二人は、少し道を外れた所にあった川で夜営の準備をしていた。
ミルは周りにモンスター避けの結界を張りつつ食料になりそうな木の実やキノコを探している。
楓は、料理の準備と川で寝ている魚を捕まえて、焼いている。
「そろそろ、魚が焼けるぞ。」
楓はミルに届く声で呼びだすと、ミルは返事だけしてきた。少し待ったが全く戻ってこないミルに痺れを切らした楓は『もう食い始めるぞ』森に向かってもう一度叫んだ。
「楓さんは酷くないですか?私がこんなに取ってきたのに」
上着を袋替わりにして戻ってきたミルは、どうですか?この量と今日の収穫を見せてきた。
上着には木の実やキノコが大量に入っていてすごく満足そうだった。
ひとしきり食べ終えると、二人は就寝するため、寝床を作り目を閉じた。
就寝して数時間がすぎた頃『お父様、必ず』声が聞こえ、ふと目覚めた楓は、ミルの頬に涙が見えた。
早朝、昨晩の事は何も見ていないと自分に言い聞かせミルに挨拶をしてから出発の準備に取り掛かる。
楓は昨日の事を忘れようとしたが、忘れようとするとどうにも頭から離れなれずミルを見ていた。
「どうかされましたか?」
ミルと目が合い少したじろぎながら『何でもない』というのが精一杯で、それからは何も話さなかった。
二人とも支度が整い歩を進める。道中、モンスターに気をつけつつ他愛ない話をしながら歩いていると、目的地である鍛冶屋が見えてきた。
「やっと着いたな。」
鍛冶屋は村長が言った通り、ぽつんと家が立っているだけであった。玄関のドアをノックすると
「開いてるよ!勝手に入んな!」
少し野太い声で入出の許可を貰いドアを開けるとそこには見た目50歳ぐらいの大男が立っていた。『何の用だ?』たぶんだが怒っているわけじゃないだろうが、かなりの威圧感がある。
これを打って欲しいと真剣を出すと
「ほぉ、こりゃ珍しい剣だな。だが俺は打たねぇよ!帰んな!」
やはり何も無しじゃやってくれそうに無いので、村長書いてもらった紹介状を渡した。大男は紹介状を読むなり、不機嫌そうにこっちに来なと奥の部屋に案内させれる。
「俺の名前はヤガンってんだ!なんであいつがこんなもん持たせたかは知らねーが、打ってやるよ!だけどもうここには来んなよ!」
ヤガンと名乗る大男はもう一度真剣を見つめると、完成されてる剣にただただ魅入ってしまう。そのヤガンに楓はあるお願いをした。
「その真剣の柄にこの鉱石を埋め込んで貰えないでしょうか?」
取り出した鉱石は昨日の夜、ミルが見つけ楓に渡すと、煌びやかに光マナが集まってきた鉱石だった。ミル曰く、この鉱石は楓を選んだらしい。ごく稀だがそういう鉱石があり、その功績のことを通称『リミテッドオーレ』と言う。
それを受け取ったヤガンは不思議そうな顔をしたが、何も言わずに受け取り鍛冶の準備に取り掛かった。
二人は出来上がるまですることが無かったがただ待つ事が出来ず、家の中と周りを掃除し始めた。
「なんでこんな所に1人で住んでるんたろ?」
外の掃き掃除をしていた楓はふと疑問になり独り言を喋った。
「1人じゃないよ」
驚いた楓は辺りを見渡すが、声の主は見当たらない。不思議に思っているとまた声がした。
「どこ見てんの?上だよ。上」
言われた通り上を見ると、屋根の上に人影が見えたと思ったら、その人影が屋根から落ちた。
楓は慌てて助けようとしたが、人影は軽い身のこなしで着地した。
人と思ったが、人にしてはかなり違和感がある人物を見つめていると
「そんなに見つめられると僕、困るんだけどなぁ」
耳をピクピクしながら答える子は、見た目が人間で頭部に猫の耳みたいなアクセサリーを付けて尻尾のアクセサリーをしていた。
楓は『ごめん、ごめん』と言いながらその子に近寄り、さっきから動いてる耳のアクセサリーを触った。
「本物みたいだな。」
耳を触った後に、尻尾を触り驚いていると、その子の顔がみるみると赤くなる。
「ちょ、ちょっとどこ触ってるの!」
その子は後に飛び退き目に涙を溜めながら『シャー』と威嚇して楓を見ていた。
楓はいきなりの行動に驚いていると、ミルが『どうしたの?』と言いながらこちらにきた。
ミルに今の状況を話すとそれは楓さんが悪いよと言われ、ミルはその子に向き直り私の友人が変な事をしてごめんなさいと謝った。
「この子は獣人だよ。だから、この子の耳も尻尾も本物ですよ。」
ミルがこの子は獣人だと話すと、楓は驚いたが改めてその子に向かい心から謝罪して、今まで獣人に会ったことが無いことを説明した。
その獣人の子は未だに涙を溜めていたが、少しずつ近寄ってきた。
「もう、変なことしない?」
触れるぐらいまできた獣人の子は上目遣いでこちらを見てきたので、もうしないと答えると、楓の手を掴んで遊ぼうと言ってきた。
楓はまだ時間が掛かるだろうと思いいいよと答えるが、ヤガンの声で遮られた。
「おい!小僧、出来たぞ!取りに来い!」
その声に楓は獣人の子に謝ると、ヤガンの元に向かった。
ヤガンから打ち直した真剣を見た楓は刃を見て、最高の仕事をしたヤガンにお礼をし、試し斬りをするため外に出て軽く素振りをしてから、近くにあった細い木を斬った。
斬られた木は数秒間何も起きなかったが、楓が地面を1回踏むとその振動でゆっくりズレていき倒れた。
その動きを見た楓はヤガンに向き直りもう一度感謝した。
「おう!金はいらねぇからとっとと帰んな!」
ヤガンは疲れたのだろう、ドアに腰掛けながら手でシッシッとしている。楓は獣人の子を見ると、遊べなくてごめんと話してから帰路につこうとした。
「もう帰るの?じゃ僕も一緒に行く」
この提案に楓は驚いて動けないでいると、ミルが獣人の子に近づきあなたの家はここでしょ?と問いかけた。
「そいつは俺がこの山で怪我してたから拾っただけだ!怪我が治っんだから持ってきたきゃ持ってけ!」
意外な所からの解答にミルも驚いていた。楓は躊躇ったが、『ここを追い出されても僕行くところも無いんだ、だから一緒に行きたい』この声で決心して、一緒に帰ることにした。
三人はヤガンの家を離れようとしたが、楓は先に行っててくれと言い残しヤガンの所に戻った。
「あの子は俺達が責任を持って預かります。」
ヤガンに一言残すと、みんなの元に戻った。
『あいつがいなくなるとここも寂しくなるなぁ』ヤガンは楓が去った後、ボソリと呟いて、家の中に入っていった。
「僕の名前はフリージア、見ての通り獣人だよ」
帰り道に自己紹介をして帰路についた。
ミルは周りにモンスター避けの結界を張りつつ食料になりそうな木の実やキノコを探している。
楓は、料理の準備と川で寝ている魚を捕まえて、焼いている。
「そろそろ、魚が焼けるぞ。」
楓はミルに届く声で呼びだすと、ミルは返事だけしてきた。少し待ったが全く戻ってこないミルに痺れを切らした楓は『もう食い始めるぞ』森に向かってもう一度叫んだ。
「楓さんは酷くないですか?私がこんなに取ってきたのに」
上着を袋替わりにして戻ってきたミルは、どうですか?この量と今日の収穫を見せてきた。
上着には木の実やキノコが大量に入っていてすごく満足そうだった。
ひとしきり食べ終えると、二人は就寝するため、寝床を作り目を閉じた。
就寝して数時間がすぎた頃『お父様、必ず』声が聞こえ、ふと目覚めた楓は、ミルの頬に涙が見えた。
早朝、昨晩の事は何も見ていないと自分に言い聞かせミルに挨拶をしてから出発の準備に取り掛かる。
楓は昨日の事を忘れようとしたが、忘れようとするとどうにも頭から離れなれずミルを見ていた。
「どうかされましたか?」
ミルと目が合い少したじろぎながら『何でもない』というのが精一杯で、それからは何も話さなかった。
二人とも支度が整い歩を進める。道中、モンスターに気をつけつつ他愛ない話をしながら歩いていると、目的地である鍛冶屋が見えてきた。
「やっと着いたな。」
鍛冶屋は村長が言った通り、ぽつんと家が立っているだけであった。玄関のドアをノックすると
「開いてるよ!勝手に入んな!」
少し野太い声で入出の許可を貰いドアを開けるとそこには見た目50歳ぐらいの大男が立っていた。『何の用だ?』たぶんだが怒っているわけじゃないだろうが、かなりの威圧感がある。
これを打って欲しいと真剣を出すと
「ほぉ、こりゃ珍しい剣だな。だが俺は打たねぇよ!帰んな!」
やはり何も無しじゃやってくれそうに無いので、村長書いてもらった紹介状を渡した。大男は紹介状を読むなり、不機嫌そうにこっちに来なと奥の部屋に案内させれる。
「俺の名前はヤガンってんだ!なんであいつがこんなもん持たせたかは知らねーが、打ってやるよ!だけどもうここには来んなよ!」
ヤガンと名乗る大男はもう一度真剣を見つめると、完成されてる剣にただただ魅入ってしまう。そのヤガンに楓はあるお願いをした。
「その真剣の柄にこの鉱石を埋め込んで貰えないでしょうか?」
取り出した鉱石は昨日の夜、ミルが見つけ楓に渡すと、煌びやかに光マナが集まってきた鉱石だった。ミル曰く、この鉱石は楓を選んだらしい。ごく稀だがそういう鉱石があり、その功績のことを通称『リミテッドオーレ』と言う。
それを受け取ったヤガンは不思議そうな顔をしたが、何も言わずに受け取り鍛冶の準備に取り掛かった。
二人は出来上がるまですることが無かったがただ待つ事が出来ず、家の中と周りを掃除し始めた。
「なんでこんな所に1人で住んでるんたろ?」
外の掃き掃除をしていた楓はふと疑問になり独り言を喋った。
「1人じゃないよ」
驚いた楓は辺りを見渡すが、声の主は見当たらない。不思議に思っているとまた声がした。
「どこ見てんの?上だよ。上」
言われた通り上を見ると、屋根の上に人影が見えたと思ったら、その人影が屋根から落ちた。
楓は慌てて助けようとしたが、人影は軽い身のこなしで着地した。
人と思ったが、人にしてはかなり違和感がある人物を見つめていると
「そんなに見つめられると僕、困るんだけどなぁ」
耳をピクピクしながら答える子は、見た目が人間で頭部に猫の耳みたいなアクセサリーを付けて尻尾のアクセサリーをしていた。
楓は『ごめん、ごめん』と言いながらその子に近寄り、さっきから動いてる耳のアクセサリーを触った。
「本物みたいだな。」
耳を触った後に、尻尾を触り驚いていると、その子の顔がみるみると赤くなる。
「ちょ、ちょっとどこ触ってるの!」
その子は後に飛び退き目に涙を溜めながら『シャー』と威嚇して楓を見ていた。
楓はいきなりの行動に驚いていると、ミルが『どうしたの?』と言いながらこちらにきた。
ミルに今の状況を話すとそれは楓さんが悪いよと言われ、ミルはその子に向き直り私の友人が変な事をしてごめんなさいと謝った。
「この子は獣人だよ。だから、この子の耳も尻尾も本物ですよ。」
ミルがこの子は獣人だと話すと、楓は驚いたが改めてその子に向かい心から謝罪して、今まで獣人に会ったことが無いことを説明した。
その獣人の子は未だに涙を溜めていたが、少しずつ近寄ってきた。
「もう、変なことしない?」
触れるぐらいまできた獣人の子は上目遣いでこちらを見てきたので、もうしないと答えると、楓の手を掴んで遊ぼうと言ってきた。
楓はまだ時間が掛かるだろうと思いいいよと答えるが、ヤガンの声で遮られた。
「おい!小僧、出来たぞ!取りに来い!」
その声に楓は獣人の子に謝ると、ヤガンの元に向かった。
ヤガンから打ち直した真剣を見た楓は刃を見て、最高の仕事をしたヤガンにお礼をし、試し斬りをするため外に出て軽く素振りをしてから、近くにあった細い木を斬った。
斬られた木は数秒間何も起きなかったが、楓が地面を1回踏むとその振動でゆっくりズレていき倒れた。
その動きを見た楓はヤガンに向き直りもう一度感謝した。
「おう!金はいらねぇからとっとと帰んな!」
ヤガンは疲れたのだろう、ドアに腰掛けながら手でシッシッとしている。楓は獣人の子を見ると、遊べなくてごめんと話してから帰路につこうとした。
「もう帰るの?じゃ僕も一緒に行く」
この提案に楓は驚いて動けないでいると、ミルが獣人の子に近づきあなたの家はここでしょ?と問いかけた。
「そいつは俺がこの山で怪我してたから拾っただけだ!怪我が治っんだから持ってきたきゃ持ってけ!」
意外な所からの解答にミルも驚いていた。楓は躊躇ったが、『ここを追い出されても僕行くところも無いんだ、だから一緒に行きたい』この声で決心して、一緒に帰ることにした。
三人はヤガンの家を離れようとしたが、楓は先に行っててくれと言い残しヤガンの所に戻った。
「あの子は俺達が責任を持って預かります。」
ヤガンに一言残すと、みんなの元に戻った。
『あいつがいなくなるとここも寂しくなるなぁ』ヤガンは楓が去った後、ボソリと呟いて、家の中に入っていった。
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