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第一章:銀髪執事は優游と主君を知る
お嬢ハン、クリスマスプレゼントは何がえぇ?
しおりを挟むホーシック家別館に”貴族狩“が潜入したというニュースはメテオ中の人々を震撼させた。
ホーシック家に潜入したという事だけでも、仕えている執事の信用問題に繋がると言うのに、別館と言う2文字が付くだけで、ノークスの執事+S1とS2だと分かってしまう。そのS1とS2が仕えているのに”貴族狩“の侵入を許したという事になってしまった。二人より完璧な執事などいないと言うのにっと、メテオ中の貴族が怯えて暮らしている事は言うまでもなかった。
そんな事になっていようとも、ホーシック家のクリスマスパーティーの準備は着々と進んで行った。そんなある日、ノークスは別館の寝室で一人で何かを作っていた。その顔はどこか寂しそうな顔だった。その時、ドアをノックする音が聞こえた。ノークスは作っていた”ある物“をベッドの中に隠した。
「誰?」
ノークスがドアを見ながら言うと、ドアは開きそこには、母のノリカが気品溢れる佇まいで立っていた。後ろにはシェルツとニコルがいた。予想外の訪問者に流石のノークスも言葉を失った。すると、ノリカはニコリっと柔らかな笑顔をし、後ろに居るシェルツとニコルにこう言った。
「シェルツ、貴方は出ていなさい。ニコル君も出来れば出ていて欲しいわ」
上品な口調で鋭い事を言うノリカ。シェルツは静かにノリカの背中に向かって頭を下げ、寝室から出て行った。ニコルはチラッとノークスの方を見ると、ノークスは仕方なさそうに首を縦にゆっくり振った。すると、頭を下げドアを閉めかけこう言う。
「何か御座いましたら、御呼び下さい、お嬢様」
ニコルの言葉の後にドアを閉める音が、寝室中に響き渡った。すると、ノリカはベッドに座っているノークスの元に一歩一歩、優雅な歩みで近付いて来た。すると、ノークスはベッドから立とうとした。
「そのままで、宜しくてよ、ノークスちゃん」
ベッドから立とうとしたノークスは、少し上げた腰を再び下ろした。ノリカはノークスのベッドの横に置いてある引き出しの上から、ノークスとイサミルが写っている写真立てを手に取った。
「最近の貴女は、この頃に戻って来たと思っていたの、お母さん」
「どう言う意味ですか?私が幼稚に戻っているとでも」
「そうかもしれませんね。ノークスちゃんは小さい頃から何でも出来る子だったから、小さい頃に目覚める感情って言うモノが、最近になって感じられる様になったわ」
「確かに、最近自分でも良く笑ったり怒ったりするようになったと思っています。それを言いにわざわざ?」
ノリカはノークスの方を見てクスッと笑った。ノークスはノリカの笑みの理由が分からなかった。そして、ノリカは窓の外を見ながらこう聞いた。
「ノークスちゃんは私とバンクスの慣れ染めってご存知?」
「リバ姉さんから断片的な事は聞いています。お父様は昔S1の執事で、お母様に仕えていたと」
「そう、あの人は執事だったのそれも有能な。
お嬢様と執事の恋愛は認められていたけれど、周囲には変な目で見られたわ。
『バンクスはホーシック家の財産目当てで、近付いている』とか変な噂も流れていたし、
結婚となったら大反対されてしまったわ。
『執事を止めるなら認めてやる』と貴方のお爺様が言った時は、私は諦めるしかないと思っていたの。
相手は未来有望なS1だもの、結婚したら執事免許剥奪されるから、私はこの人の人生を背よえないと思ったからよ。そしたら、あの人なんて言ったと思う?」
「分かりません」
と首を横に振りながら、真剣な口調で答えたノークス。すると、ノリカは気恥ずかしそうな顔をして笑いながらこう言った。
「『俺の資格とお嬢様の結婚を交換条件にしないでくれ!』ってお爺様に啖呵切ったの。そんな、あの人だからお爺様も私とあの人の結婚を許してくれたんだと思うわ」
「素敵なお話ですね。でも、なんでそんな事を私にわざわざ?」
と聞くと、ノリカはノークスを真剣に見つめながらこう言った。
「”貴族狩“に襲われた事で気が滅入っている時こそ、付け込まれやすいから少しアドバイス。
私達の決断は世の中を大きく動かす、そんな事どうだって良いけれど、
私達の決断は相手によって愛しい人の人生も変える恐れもある事を覚えておいて欲しかったの」
その話を聞いたノークスは顔を少し傾けた。その時、ドアをノックする音が聞こえた。ノークスはあっと言う顔をして返事をした。すると、二つカップが乗っているお盆を持ったニコルが入って来た。
「ご談笑中に失礼致します。喉が渇かれた頃かと思い、ハーブティーをお持ちいたしました」
「あら、流石S1ね、グッドタイミングだわ。だけど、私は二人にさせて欲しいと言って、ノークスはまだ貴方を呼んでいないわよ」
と言うノリカがニコルを見る目は鋭かった。それに対して、ニコルはいつもの模範的な笑みを決め込んでいたが、何か不機嫌なオーラをノークスだけに分かる様に醸し出していた。そして、ニコルはノリカにハーブティーを丁寧に差しだし、ニコッと笑うと、ノリカは何かに気付いた様にこう言った。
「心配性ね、ニコル君は」
「はい、私は心配性なようで、万全を期すのがポリシーなのですよ奥様」
「ますます、ノークスちゃんが心配になってしまうわ、母として。では、今日の所はこの辺で失礼するわ」
ノリカはニコルが出したハーブティーを置いて、ノークスの寝室から出ようとした。ニコルは先回りをして優雅にドアを開け、お辞儀をしていた。そして、ノリカがニコルの前を通り過ぎようとした時、小さい声でニコルにだけに聞こえる様にこう呟いた。
「これ以上、踏み込まないで下さい」
と言われたニコルは眉をピクリとも動かさなかった。そして、ノリカはシェルツと供に本館に戻って行った。
ニコルは寝室のドアを閉めて、ノークスに向かってこう言った。
「すいまへん~何や僕ぅ、お邪魔やった様やねぇお嬢ハン~」
「邪魔しに来たんだろ?ニコル。バレバレなんだよ、お前は」
「バレる様にしとるんやぁ!」
「まぁ、最後にお母様が何を言ったか知らんが、あまり気にするな。
あの人は私達姉妹にはまともな結婚をして欲しいだけなんだ。だから、親密になった執事には少しキツイんだ」
と言うとノークスはハーブティーを一口、口に含んだ。
「親密に…なぁ」
「まぁ、私がニコルに靡くなどあり得ん。絶対にだ」
そう断言したノークスの顔を見たニコルは口に軽く握った拳を当て、クスクスと笑っていた。それを見たノークスは頬を膨らませ、ニコルをギィッと睨んだ。
「何故笑う!」
「せやかてぇ、お嬢ハン~。僕が近づくと赤くなるやん~、八椥は平気なのにぃ」
と言うニコルに、ノークスはハーブティーを飲みながらビクッと体を飛び上がらせ、動揺してしまった。間一髪のところでハーブティーは零れずに済んだ。それを見てノークスは安堵した。そして、動揺している自分をシャキッとさせる様に咳払いをし、余裕があるような雰囲気をしてニコルにこう言った。
「あれは、そうアレよ。男の人に近づかれるのはお前が初めてだったからよ」
「初めてが僕だからぁ今でも赤くなるん~?」
「そう。言われてみたら男の人の裸を見たのもお前が初めてだった」
「あぁ、あったなぁ、そないな事も。僕も女の人に裸を見られたのは…、何度目だったなぁ」
「えぇぇぇぇぇぇッ!」
とノークスは大声量でニコルを見ながら目を丸め、驚いて咳き込んだ。すると、ニコルはいつもの笑顔を崩さず、ノークスの背中を優しく摩った。
「なにぃ、そんな大声出してぇ?僕の初めてが良かったん~?」
「そそそそそそそそ、そんな訳ないでしょ!男の人の裸見たのも初めてじゃないし」
すると隣に居たニコルは疑いの目を向け、クスッと笑い、人差し指を立て口の前に当てた。
「さっき初めてって言ったでぇ。ホンマにぃ、お嬢ハンって負けず嫌いと言うぁ、意地っ張りやなぁ」
「…誰が負けず嫌いの意地っ張りだ。私は負けず嫌いでも、意地っ張りでもない!」
ノークスはニコルに顔を背け、剥れていた。すると、ニコルは嬉しそうに呆れ顔をしていた。そして、ニコルはノークスの前に回り込み、跪きいつもの表情でこう言った。
「ホンマぁ、お嬢ハンは最初におぉた時よりもぉ、…」
ニコルは何かを言いかけて止めてしまった。それを見ていたノークスは顔を少し横に傾け、ニコルの言葉を復唱した。
「最初におぉた時よりも?何だ」
自分が言った言葉を復唱され、聞いてみるとニコルは少し目を開き、そう言った自分に驚いた。そして、その言葉の後に言おうとしていた言葉はノークスに告げられる事は無かった。ニコルは目を閉じ、話しを反らす様に立ち上がり、飄々とした口調でこう言う。
「せやぁ、お嬢ハン~、衣裳部屋の中にドレスが一着もなかったんやけどぉ?」
そう聞いたノークスは少しはぐらかされた気がした。だが、追求するのは止めておこうと思っていた。何故なら、ノークスもこの微妙な空気に耐えられなくなっていたからだ。ノークスはニコルに話しを合わせた。
「ドレスなんて、毎年リバ姉様が作ってくれるから大丈夫だ」
「ダメやぁ、S級執事を雇っておる以上ぉドレスぐらい作らせないとアカン」
「そういうものなのか?」
「そういうもんやの。と言う訳で、寸法測るでぇ」
と言うとニコルはポケットからメジャーを出して来た。それを見たノークスは目を見開き、頬を赤く染め、カップをベッドの横のチェストに置いて、近付いて来たニコルを押えた。
「自分でやる、自分でやるから」
「それもダメやでぇ?正確なサイズ測れへんやん~」
「正確じゃなくても良いから!」
「もう、成長期過ぎたんやからぁ、ここで計っとけば、当分は測んなくても大丈夫やぁ」
と言うニコルはメジャーをポケットから出して、手首から測って行った。そんな一つのドレスを創る作業工程に過ぎないかもしれないが、ノークスは顔を真っ赤にしてニコルと視線が合わない様に俯いていた。すると、ノークスの緊張が伝わったのかニコルはクスッと笑い、いつもの調子でこう言った。
「シェルツさんからぁ聞いたんやけどぉ、クリスマスに家族内でぇプレゼント交換せぇへんやてぇ?」
「あぁ、ウチはクリスマスプレゼントは各自、来客者から沢山もらうから、家族内では交換しない」
そう言うノークスは少し目を伏せていた。すると、作業を進ませていたニコルの手がピタッと止まった。数秒後にはまた作業を再開した。そして、手を動かしながらニコルはノークスにこう言う。
「そう言えばぁ、僕も誰かにモノを上げた事なかったなぁ。お嬢ハンに初めてプレゼントを上げるぅ人になってもらおうかぁ」
「なっ、何をそんな恥ずかしい事を良くもいけしゃあしゃあと言うな、ニコルは」
と言うノークスの顎の下に人差し指と中指を当てながら、上にクイッと向かせたニコル。すると、ノークスの瞳には自動的にニコルが写り込んで来た。ノークスはニコルが細く目を開け、赤い瞳で自分を見ていると自覚すると、ますます顔が火照るのを感じた。それを見たニコルは、優艶な微笑みを浮かべこう言った。
「何だって言うでぇ、お嬢ハンのそういう顔見たいんやぁ」
「ニコル…」
「お嬢ハン…、プレゼントは何がえぇ?」
「リクエスト制か!」
ノークスは驚いた様に目を丸くした。その時、寝室のドアが開き八椥が仏頂面で入って来た。それを見たノークスは、慌ててニコルから離れようとした。すると、ニコルはメジャーでノークスが離れるのを止めた。
「八椥ぃ、なんや八椥もやるぅ?お嬢ハン測りぃ」
と言うニコルは目を閉じ、いつもの様に八椥をからかった。すると、八椥はニコルとノークスの状態を見て、カァァッと顔が赤くなった。それを見たニコルは、怪しい笑みを浮かべノークスをグッと抱き寄せた。
「何ぃ、想像してるん~?八椥って意外とムッツリなんやなぁ?」
「なっ、それは違うぞニコル。お前が積極的なんだ。大体ドレスの寸法など、医師の診断のカルテを見れば十分だ。ノークス嬢にそんな事していいと思っているのか!」
人差し指でビシッとニコルを指し、勢い良くそう言う八椥。それを見たニコルは一言こう言い放った。
「えぇ」
何の躊躇いもない答えに八椥は肩を落として、こける様なリアクションをした。そして、八椥とニコルの会話を聞いていたノークスは、頬を膨らませニコルの束ねていた毛を引っ張った。すると、ニコルはノークスの手を掴みこう言った。
「イタッ、イタタタタタ!」
「フンッ、測らなくても良かっただと!ニコル、私があんなに…!」
「あんなに何ぃ?」
と言うニコルに不意を付かれたノークスは、自分が言おうとした言葉を頭の中で理解すると、再び頬を赤くした。その時、ノークスの手からニコルの掴んでいた髪がスルっと抜けた。ニコルはホッとした表情をした。
「全くぅ、お嬢ハンって直ぐに手が出るんやからぁ。やけどぉ、お嬢ハンが普通のお嬢ハンじゃぁ、僕も仕えなかったけどなぁ」
「それには、俺も同意だ。ノークス嬢が普通のお嬢様だったら、あんな出会いもなかっただろうし」
そして、ノークスは二人の会話を聞きながら溜息を付きフッと笑った。それを見た八椥は腰に手を当て、溜息を付いて笑顔を零した。それと同時にニコルはいつもの表情だったが、ノークスはその表情が優しく笑っていると分かった。
「ニコル」
「なんやぁ?」
不意を突かれたニコルはポカンとした表情でそう言った。すると、ノークスは目を少し伏せ、上目使いで恥ずかしそうにこう言った。
「ニコルが私に着せたいドレスを作れ、お前のセンスは…間違った事が無いからな。いいな」
「…ッ」
意外な言葉が飛び込んできたのか、ニコルは赤い瞳を全部見せ、意表を突かれた表情になり右手で口を押さえ黙ってしまった。それをノークスは頭の上に?マークを浮かばせている様な顔をしてニコルにこう言う。
「どうした?ニコル」
そのやり取りを見ていた八椥は、未だに固まっていたニコルの肩をポンポンと叩いた。すると、ニコルはハッとして直ぐにいつもの表情に戻り、右手を左胸に当てこう言った。
「あっ、任せといてぇ。ほんならぁ、僕、今からドレス作りに取り掛かるわぁ」
と言ってサッサッサッと寝室を後にした。その後を溜息を付きながら、右目に右手を当てながら呆れて追う八椥。残されたノークスは、ベッドの中に隠した物を取り出し、再び何かを作り始めた。
その頃、執事室に逃げる様に入って来たニコルと、その後から普通に入って来た八椥。八椥がニコルに声をかけようとした時。片手を机に付きながらもう片方を口に当て、顔を赤らめていた。
「お前、テレ方変んないな、直ぐ分かった」
と八椥が口角をクイッと上げて言った。それを聞いたニコルは、開いたままの目で八椥をギロッと睨んだ。そんなモノどうって事ないと言う風に振舞いながら、自分の机に付いた。
「照れたのは、ノークス嬢が不意にあぁ言う可愛い事言ったからか?」
「…ッ」
ニコルは顔の赤みを引かせ、目を閉じ、ドレスに使う布を選び始めた。そんなニコルを見た八椥は、フッと笑いながら自分の机に目を落とし、タッチパネルを叩き始めた。
その頃、本館のバンクスとノリカの執事室では、バンクスの執事のミクルが真剣な表情で携帯タッチパネルで何かを打っていた。その姿は普段見せるミクルとは、明らかに違っていた。そして、ミクルの手元にあったのは”クリスマスパーティー“の会場の警備員の配置図とパーティーの目次だった。そして、打ち終わると何処かに送るのか送信ボタンを押した。ミクルは”送信完了“の文字が表示されると、先程打ったメールを削除し携帯タッチパネルをポケットに入れ、執事室を出た。
「ミクルー?」
と言うトゥールシェの声が聞こえた途端、先程までのミクルとは打って変わって、いつもの表情と口調に戻った。
「な、何ですか?トゥールシェさん」
「あー、いやな、クリスマスパーティー。今回は特別なパーティーになる、いつもの様にやればヘーキだ。頼んだぞ」
と頭を掻きながら、面倒臭く言うトゥールシェ。それを見たミクルはゴクリと息を呑んだ。そして、警戒しながらこう言った。
「はい…。頑張ります…」
と言うミクルに何か違和感を感じたトゥールシェは、背中をパシッと叩いた。するとミクルは、驚いた表情をしトゥールシェを見た。トゥールシェは力を抜いた口調でこう言った。
「力入り過ぎだ」
「…はい」
その時、カンノの部屋ではカンノが豪華な椅子に座って足を組み、無駄に白い足を見せて、肘かけに肘を置き、頬杖を付いていた。そして、そんなカンノに手の平にカップが乗っている皿を持って来たホーツ。
「紅茶をお持ちしました、カンノ様」
「紅茶?そんな甘ったるいモン飲めないって、毎回言ってるんでしょう!」
「ですが、紅茶は立派なレディーの嗜みです」
「私はコーヒーが良いの!」
と言うとカンノはホーツが持って来た紅茶が入ったカップを取り、机に置いた。そして、カンノはホーツの手を取り引っ張ると、ホーツはカンノの横に座らせられた。
「カンノ様、どうかなさいましたか?」
「私は紅茶より、貴方が良いわホーツ。私の願いをかなえてくれる有能な執事」
「私は紅茶の代わりですか?ですが、貴女に呑まれるのも悪くない。
貴女の願いを叶えるのは、貴女の執事なら至極当たり前ですよ」
と言うホーツは怪しく眼鏡を光らせ、カンノの顎に親指と人差し指を添え、静かに唇を重ねた。そして、静かに時間が過ぎた。ホーツがゆっくり唇を離した。すると、カンノは中指で自分の唇をなぞる。
「あと数日で、私の願いが叶うのね。楽しみだわ」
「左様でございます、あと数日で願いが叶います。しかし、少々不安要素が残ります」
「不安要素?」
「えぇ」
「大丈夫よ、ホーツの経てた計画が上手くいかない筈ないじゃない」
「長い時間が掛かってしまいましたね。ですが、長い時間を掛けたおかげで成功する確率が上がりました。
同時に失敗する確率もあがりました」
すると、カノンは少し目を見開きこう言った。
「失敗する確率?その要因を潰せば良いじゃない?」
「そうですね、それも良いかもしれません。ですが、決行日まで後僅か、ココで行動をすれば、計画自体がまた流れてしまうかもしれません。それに…」
と言うホーツの口元は怪しげに口角を上げ、右手の人差指で眼鏡のブリッチ部分を押し上げた。そして、上品に笑いながらこう言った。
「その方が面白くなりそうですから…」
その言葉を聞いたカンノは、口元に手を当てニヤッと笑い、ホーツに聞こえぬ声でこう呟いた。
「怖いわね、本当に」
その頃、リバの部屋ではランドネルトが忙しそうに事務作業を行っていた。それを尻目にリバは可愛い椅子に座って、紅茶を飲んで何かを考えていた。
「ランドネルト、その後カンノお姉様の身辺調査はどうなっているのかしら?」
リバが真剣な表情と声色でそう言うと、ランドネルトは手を止め事務作業を一旦中止し、リバの方を向き左手を右胸に当てながら、いつもの無愛想な顔を真剣な顔にしこう話し始めた。
「それが、カンノ様の身辺調査を行った結果、怪しい所は一つたりとも見付ける事が出来ませんでした」
「そう、だったら良いけど。一応、姉だから何もやらないのなら追求はしませんが。もし、ノークスちゃんに何かしたら、私はどうするか分かりません」
「怪しい所は見つかりませんでしたが、見つからない所が私には怪しいと思えてなりません」
「アラッ、ランドネルトがそんな事言うなんて珍しい、普段なら大事にならない様にするじゃない。
やっぱり、ランドネルトもノークスちゃんが好きなのね。私も大好きよ、ノークスちゃん」
と言うリバはニコッと笑い、側に置いてあったノークスの幼少期の写真が入った写真立てを見た。それを見ていたランドネルトは、何かを想い抱いた様に優しく笑った。
「以前のノークス様は、人前では表情を出さない方でしたが、言葉には持って生まれた優しさがどんな時でも伝わってきました。リバお嬢様はそんなノークス様の優しさを知り、その優しさに御自分も助けられた。だから、優しさが引き立つように洋服をデザインして送ってらっしゃるのでしょう」
「そうね。でも、それも半年前に終わりを告げられたわ。ランドネルトがノークスちゃんを見守らなくて良い様に、私もお洋服でノークスちゃんの優しさを引き出す必要はなくなった。ノークスちゃんの良い所は全部、ニコル君が引きだしてくれるようになったから」
と言うリバはクスッと笑った。すると、ランドネルトは口の前に拳を当て、眉間にシワを寄せながら少し頬を赤くし、照れくさそうにこう言った。
「確かに、そうですね。
アイツを好評価するのはしゃくですが、アイツがノークス様の執事になってからノークス様が変わられた事は事実ですからね。いくら気に食わない奴だとは言え、評価しない訳にはいきません。
ですが、ノークス様を守る役をアイツらに全て任せるのは不安です。
リバお嬢様が大好きなノークス様に何かあったら大変ですからね」
ランドネルトの半ば言い訳染みた説明を聞いて、リバは口の前に手を当て小さく笑ってこう言った。
「負けず嫌いね、相変わらず。
ニコル君が絡むと、負けず嫌いが高まるわよね。
ですが、そうですね、ニコル君と八椥君は凄いのですが、ノークスちゃんを狙っているのが”貴族狩“ですから、
少し不安が残りますわ。それに…」
リバが言葉を濁すと、ランドネルトがキョトンとした表情をし、リバを見つめると、リバは口の前から手を下ろし膝に置いた。そして、真剣な表情でこう続けた。
「”貴族狩“だけではありません。恐らく、カンノお姉様もこの機に乗じて何か起こすかもしれませんし、他も考えられます。この家には安全な場所なんて存在しません。いつ裏切り者が現れ、紛れ込んでも分かりませんから、悲しい事ではありますけどね」
「そうですね、事実別館とは言えども潜入を許してますから。当家の中に内通者が居ると思っていいでしょう、パーティーまで全力で調べを続けてみます」
と言うとランドネルトは、右手を左胸に当てながら腰を曲げた。リバは窓の外に広がる青空を見上げると、一羽の鳥が青空に向かって羽ばたいて行くのが見えた。それを見たリバは、その鳥にノークスを重ねた。
「ここは窮屈なのかもしれませんね」
***
そしてクリスマスパーティー前夜、別館のノークスの寝室ではノークスが鼻歌交じりに嬉しそうに何かをプレゼント用にラッピングしていた。すると、誰かから電話が掛かって来た。携帯を手に取り画面に表示されていた名前を見ると、嬉しそうに歌っていた鼻歌を止め、無表情になり通話ボタンをタッチし、携帯を耳に当てた。
「どした?」
ノークスは誰かに上げるプレゼントを、ベッドの中に隠し電話の向こうの人物と会話を続けた。相手の声は聞こえない。ただ、ノークスと親しい者の様だ。
「へー、そんな動きが?分かった。…引き続き頼む。…こちらは大丈夫だ。…君が心配する必要はない、君は与えられた任務を遂行してくれ」
と言うノークスは窓の外に輝く三日月を見て、怪しい笑みを浮かべた。そして、携帯を耳から離し通話を切った。その時、寝室にニコルが入って来た。
「お嬢ハン~、明日はパーティーなんやからぁ、早ぅ寝ないとアカンでぇ」
「そうだな。早く寝ようと思ってはいたんだが、明日の事を思うとなかなか眠れなくてな、もっと今出来る事があるのではないのかとか」
溜息を付いたノークスを見たニコルは、ベッドの横に来て座りノークスに近づいた。ノークスは布団を首の前で両手で持ち、口を隠す。それを見たニコルは、ノークスの頭を優しく撫でた。
「お嬢ハンは僕と八椥が守るからぁ、安心しぃッ」
「本当か?」
「うん、ホンマぁ。僕がお嬢ハンを誰かに渡すわけ無いやろぉ?それともぉ、お嬢ハンは僕んとこよりぃ、他ンとこがえぇ?」
と言うニコルの手から優しさを感じたノークスは、頬を少し赤らめ布団をキュッと握りしめながら、気恥ずかしそうにニコルを見た。すると、ニコルは少し目を開きながらノークスの頭を撫でていた。ニコルの背には月が見えた。その光景はとても幻想的で、ニコルに良く似合っていたのでノークスは思わず見惚れてしまった。すると、ニコルの顔が急に互いのまつ毛が触れ合う距離まで近づいて来た。ノークスは咄嗟の事で反応が出来なかった。そしてニコルは、額に口付けをした。離れるとノークスの顔は真っ赤になり慌てた口調で人差し指を震わせニコルを指しこう言った。
「なっ、何をする!」
「おまじないやでぇ」
「おまじない?!」
ニコルが言った言葉を、キョトンとした表情で復唱したノークス。すると、ニコルは自分の事を指で指していた手ごと、両手で掴み布団の中に入れノークスを横にした。ニコルは優しく丁寧に布団をキチンと掛け、ベッドから立ち上がり、いつもの飄々とした表情でクスッと笑いこう言った。
「せやっ、ぐっすり寝れるおまじないやぁ。
ほら、こんなにぃ、顔が真っ赤なったんやからぁ、もうぐっすり寝れる筈やぁ」
「~~~~~っ」
ノークスはその言葉に反論出来ず、ただ悔しさと恥ずかしい感情が混ざった様な声で唸った。
そして、恥ずかしかったのか顔を布団で覆い隠してしまった。その一連の行動を見ていたニコルは笑わず、口を半分開け少し驚いた表情をしていた。すると、布団の中で丸まっていたノークスの頬のあたりに布団の上から何かが乗りかかって来た様な感触がした。数秒後、ニコルがドアを開けて部屋から出て行く音がした。だが、現在のノークスは眠気に襲われ、何が乗りかかって来たかという疑問の答えを導き出す気力はなかった。
***
ノークスの寝室を出たニコルは、衣裳部屋に行き自分で作ったノークス用のドレスの最終チェックをしていた。
クリーム色をベースにしたスリットが膝の上位まで入ったチューブトップのドレスに、えんじ色の長袖のボレロ、リボンは深緑、何ともクリスマスらしい色合いのドレスだ。
ニコルは、ニコニコしながらマネキンに着せていたドレスを整えていた。
「それか、明日ノークス嬢が着るドレスは」
と言いながら八椥が衣裳部屋に入って来た。
「せや、お嬢ハンにピッタシやろぉ?」
「確かに似あいそうだ。ドレスは良いとして、問題は”貴族狩“だ」
八椥が”貴族狩“の名を出した瞬間、ドレスを整えていたニコルの手が止まり、その表情から笑顔が消えた。八椥はニコルにこう聞いて来た。
「侵入された時に『今の君では”貴族狩”のリーダーには適していない。ノークス様、君は必ずこっちに来る。クリスマスの日に最高のプレゼントを持って、君に会いに来るから』と言われたとは本当か?」
「どう言う意味合いかは知らんけどぉ、
一つだけ言える事は”向こうはお嬢ハンをリーダーとして迎え入れたい“って言う事だけやぁ。
そして、リーダーに適する様になるっちゅう事もぉ~、言って来たしぃ。
クリスマスパーティーでお嬢ハンになんかしら接触して来るのは誰が聞いても明らかやぁ、
問題はどうやってパーティーに忍び込んで来るかやけどぉ」
ニコルが言葉を途中で濁らせ、八椥の見解を聞きたそうに促す。すると、八椥は見解を求められている事に気付き、少し考える素振りをして、こう切り出した。
「これは、俺の想像だが。ホーシックの内部に”貴族狩“に繋がっている者と、その他にノークス嬢を疎ましく思っている存在が居ると、俺は推測しているんだが」
「それやったら、話しは簡単やったんやけどなぁ、どうもそれだけじゃ、あらへん気がしてるんやぁ」
そう言ってニコルは窓から見える月を見た、その時、月が雲で隠れて行くのが不吉に思ってしまう。それは、八椥も同じだった。月が完全に雲に隠れてしまうと、執事室の中もより一層薄暗くなってしまった。
「明日は長くなそうやぁ」
***
翌日、パーティーの1時間前、ニコルはノークスの寝室でノークスに自分が作ったドレスに着替えさせていた。パーティー当日ということもあり、朝からノークスの様子がいつもと違い、落ち着かない。ニコルはノークスの支度を済ませて、寝室を後にして、数分後にティーカップを受け皿に乗せて持ってきた。
「紅茶?」
「そうやぁ、なんかお嬢ハン今日ぅ、緊張してるから柄に似合わずにぃ」
と言うとニコルは、明るい紅色の紅茶が入ったティーカップをノークスに渡した。受け取ったノークスは左手で受け皿を持ち、右手でカップを口に運び紅茶を一口飲んだ。すると、先程まで緊張していた顔が綻んでいくのを見たニコルは、左手を口の前に当てクスリと笑った。
「この紅茶は何?って笑わないで!」
ノークスが頬を膨らませ、そう言うとニコルは笑うのを止めて、左手を右胸に当て紅茶の説明をし始めた。
「本日のアフタヌーンティーはぁ、ウヴァやでぇ。芳醇で刺激的な味にぃ、香高いんやでぇ」
「ニコル、実は貴方も緊張しているでしょう。『本日』とか言って、”貴族狩“が怖いとか?」
と言いながらクスクスと笑うノークス。そして、ノークスがニコルを見ると、難しそうな顔をしていた。その表情を見たノークスは笑うのを止め、ムッとした顔をし、カップをテーブルに置き、立ち上がりニコルの手を取りフッと鼻で笑いながら、艶やかな髪を後ろに跳ね除け、妖艶な笑みを浮かべもう片方の手の人差指でニコルを指した。
「私は優秀な執事しか選ばない。安心しなさいニコル、アンタは私が認めた優秀な執事、”貴族狩“には負けないし、意外と貪欲で游優でしょ」
「そやねっ」
と言うニコルはクスッと笑い、そう言いながらノークスの手を取った。
「じゃぁ、パーティー会場まで僕がエスコートしたるぅ」
「プレゼントはいつくれるの?」
「パーティーが終わってからぁ、二人の時にゆっくりとなぁ」
「それは楽しみだ」
あらゆる思いが交錯し合う、クリスマスパーティー。
この後待ち受けている事件を、今現在、予想が付いているのは事件を起こす者しかいなかった。
そんな事知らぬ顔で、大騒動の舞台になるパーティー会場に向かって歩き始めた、ノークスとニコル。
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さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
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