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10:二人は仲良しエセ悪役令嬢、術式戦闘講義でゲス攻略演習②
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レイチェルは高みの見物をするかの様に可愛いらしい声で笑っている。
容姿は丸顔で凡そ12歳ほど。
ボブカットされた青色の髪とくりくりとした可愛らしい目をしている。
オリビアは長い金髪を纏めた清楚で女剣士を想像させる女性。
ジュリーはテリーゼと同い年程でマッシュショートの髪型と顔にそばかすがついている。
特技は全くない様だ。
テリーゼはレイチェルの魔法、アーススピアの攻撃によってかわそうと必死だ。
容姿はセミロングで茶色だが少し赤毛色の髪、清楚で可愛らしくも少し大人びている。
この状況でありながら開始から5分も経たずしてテリーゼ側の方が優位だ。
テリーゼの攻撃によってジュリーが装備した防具のダメージカウンターは1しか残っていない。
驚愕したオリビアはジュリーを引っ込める。
「ジュリー様、交代しましょう。」
「いえ、でもまだ・・・」
ジュリーは負けっぱなしで納得が行っていない様だ。
オリビアは自ら術式をかけなおすとジュリーの剣から火が消失した。
「術式ハードブレード!」
ジュリーは何もできず、口惜しさ一杯の顔で後退する。
そしてオリビアはテリーゼの防具に素早く切り込み攻撃を加えた。
するとオリビアの剣カウンターが残4、テリーゼの防具カウンターは残3になる。
形勢が少し変化した。
高を括っていたレイチェルは慌てて術式を掛けなおした。
更にアーススピアの魔法を解除する。
そして可愛らしい顔で柄にもなく拳を振るうと、ウインクまでお見舞いした。
「術式ブレードマスター!
てめぇの力でブチ込みやがれっ!❤」
「レイチェル!てめぇ攻撃しやがってぶっ殺すぞ!💢」
テリーゼはようやく味方からの攻撃から解放される。
暫く互いが構え直して機会を伺っていた所、運よくテリーゼがオリビアの防具に剣を突き立てた。
オリビアの防具カウンターが残2、テリーゼの剣カウンターは残3になる。
※状況は以下である。
オリビア:剣(残4)防(残2)
テリーゼ:剣(残3)防(残3)
更にテリーゼはオリビアの剣を目掛けて攻撃する。
剣が重なり合うとカウンターが変更される。
オリビアもテリーゼも剣カウンタは残1しか残ってはいない。
レイチェルは更に術式を掛けなおした。
「術式カウンターブロック!」
オリビアは詰んだ。
間合いを取りながら特攻でテリーゼの防具に切り込みを入れると同時に攻撃不可となった。
※状況は以下である。
オリビア:剣(残0)防(残2)
テリーゼ:剣(残1)防(残1)
残りはテリーゼの攻撃一方となり、勝敗は明らかとなった。
オリビアとジュリーは悔しそうな顔を浮かべた。
しかし、オリビアは今まで通りテリーゼに握手を求める。
テリーゼは快く応じ、自然と言葉が出た。
「良い演習でしたわ。」
これを聞いたオリビアはテリーゼに暖かいハグで返すのだった。
傍にいるジュリーはテリーゼをまだ許していない様だ。
すねて興味の無い様な顔をしている。
一方、ハグを終えたテリーゼはレイチェルに対して納得していなかった。
テリーゼはレイチェル睨むとレイチェルは冷汗をかきながら空笑いする。
「勝っただろ、許せ。💧」
「許さん。💢」
テリーゼは恨みを込めてレイチェルにヘッドロックをかける。
「悪かったと言っておろうにギブアップ!やめーや!!」
レイチェルは半泣き状態だ。
この姿を見たオリビア、ジュリーは間の抜けた顔をするのだった。
別人のテリーゼが現れたかの様に見えた様だ。
教会の鐘の音が鳴り響く。
魔法の力で大きな声が聞こえた。
「諸君、これで講義は終了とする!
これにて今日は解散だ、気を付けて帰宅する様に!」
テリーゼはもう一度振り返って考えてみる。
エドワードの姿が見当たらない。
あれだけ早朝から昼まで付きまとってきたのに不思議だ。
厄介払いをしなくて済むと言えばそれは間違いないのだが何故か気にはなる。
校舎の外を出て暫く歩くと噴水から先の所で馬車が留まっていた。
手を振ってみると黒のシルクハットを被った御者が帽子を外して一礼する。
そのまま近づいたテリーゼはスカートをつまんで軽く一礼し、馬車に乗り込むのだった。
一方、宮廷従者であるランスロットは首を竦めていた。
王子は春の日向を見るかの様な顔をしている。
「レオン王子、いい加減やめましょう。」
「何がダメなのかい?」
「女装ですよ。
馬車に乗り込むまでは魔法を解いてはなりませんよ。」
ランスロットは間の抜けた様な呆れ顔をしている。
「面白いじゃないか。
テリーゼ嬢も今日は一風変わって面白かったし手合いも手応えがあった。
負けたのがちょっと悔しい。」
「王子が面白くても私が面白くありませんっ!」
「僕が身バレしてしまってもいいのかい?
幾ら魔法で頑張っても本人と全く違う人にはなれないよ。」
オリビアの姿をしている王子は腰に手に当てて屈託なく笑った。
ランスロットは頭を抱えて失笑している。
「所でエドワード殿は?」
「あぁ・・・括り付けて置きました。問答無用で。」
「ランスロット、男爵のご子息だからもう少し丁重にね。」
「いや、ダメでしょう・・・アレは。」
「そろそろ解放してあげて。」
「はぁ・・・承知しました。」
エドワードのプレイボーイは女性の数だけ処構わず引っ掛けるのが慣例。
ランスロットは余り納得をしていない様な顔を見せたが、レオン王子の鶴の一声で解放するのだった。
一方、レオン王子もエドワードの扱いを考えあぐねていた。
下級身分である男爵に特段の役割が無ければ王族特権で追放なり処罰なりでも良い。
しかし、貿易を握るエドワード家のエドワードに追放や処罰でも与えようものなら親族からの反発は必至だ。
王国としての貿易の都合もあり、簡単に何かを処遇できるものではなかった。
容姿は丸顔で凡そ12歳ほど。
ボブカットされた青色の髪とくりくりとした可愛らしい目をしている。
オリビアは長い金髪を纏めた清楚で女剣士を想像させる女性。
ジュリーはテリーゼと同い年程でマッシュショートの髪型と顔にそばかすがついている。
特技は全くない様だ。
テリーゼはレイチェルの魔法、アーススピアの攻撃によってかわそうと必死だ。
容姿はセミロングで茶色だが少し赤毛色の髪、清楚で可愛らしくも少し大人びている。
この状況でありながら開始から5分も経たずしてテリーゼ側の方が優位だ。
テリーゼの攻撃によってジュリーが装備した防具のダメージカウンターは1しか残っていない。
驚愕したオリビアはジュリーを引っ込める。
「ジュリー様、交代しましょう。」
「いえ、でもまだ・・・」
ジュリーは負けっぱなしで納得が行っていない様だ。
オリビアは自ら術式をかけなおすとジュリーの剣から火が消失した。
「術式ハードブレード!」
ジュリーは何もできず、口惜しさ一杯の顔で後退する。
そしてオリビアはテリーゼの防具に素早く切り込み攻撃を加えた。
するとオリビアの剣カウンターが残4、テリーゼの防具カウンターは残3になる。
形勢が少し変化した。
高を括っていたレイチェルは慌てて術式を掛けなおした。
更にアーススピアの魔法を解除する。
そして可愛らしい顔で柄にもなく拳を振るうと、ウインクまでお見舞いした。
「術式ブレードマスター!
てめぇの力でブチ込みやがれっ!❤」
「レイチェル!てめぇ攻撃しやがってぶっ殺すぞ!💢」
テリーゼはようやく味方からの攻撃から解放される。
暫く互いが構え直して機会を伺っていた所、運よくテリーゼがオリビアの防具に剣を突き立てた。
オリビアの防具カウンターが残2、テリーゼの剣カウンターは残3になる。
※状況は以下である。
オリビア:剣(残4)防(残2)
テリーゼ:剣(残3)防(残3)
更にテリーゼはオリビアの剣を目掛けて攻撃する。
剣が重なり合うとカウンターが変更される。
オリビアもテリーゼも剣カウンタは残1しか残ってはいない。
レイチェルは更に術式を掛けなおした。
「術式カウンターブロック!」
オリビアは詰んだ。
間合いを取りながら特攻でテリーゼの防具に切り込みを入れると同時に攻撃不可となった。
※状況は以下である。
オリビア:剣(残0)防(残2)
テリーゼ:剣(残1)防(残1)
残りはテリーゼの攻撃一方となり、勝敗は明らかとなった。
オリビアとジュリーは悔しそうな顔を浮かべた。
しかし、オリビアは今まで通りテリーゼに握手を求める。
テリーゼは快く応じ、自然と言葉が出た。
「良い演習でしたわ。」
これを聞いたオリビアはテリーゼに暖かいハグで返すのだった。
傍にいるジュリーはテリーゼをまだ許していない様だ。
すねて興味の無い様な顔をしている。
一方、ハグを終えたテリーゼはレイチェルに対して納得していなかった。
テリーゼはレイチェル睨むとレイチェルは冷汗をかきながら空笑いする。
「勝っただろ、許せ。💧」
「許さん。💢」
テリーゼは恨みを込めてレイチェルにヘッドロックをかける。
「悪かったと言っておろうにギブアップ!やめーや!!」
レイチェルは半泣き状態だ。
この姿を見たオリビア、ジュリーは間の抜けた顔をするのだった。
別人のテリーゼが現れたかの様に見えた様だ。
教会の鐘の音が鳴り響く。
魔法の力で大きな声が聞こえた。
「諸君、これで講義は終了とする!
これにて今日は解散だ、気を付けて帰宅する様に!」
テリーゼはもう一度振り返って考えてみる。
エドワードの姿が見当たらない。
あれだけ早朝から昼まで付きまとってきたのに不思議だ。
厄介払いをしなくて済むと言えばそれは間違いないのだが何故か気にはなる。
校舎の外を出て暫く歩くと噴水から先の所で馬車が留まっていた。
手を振ってみると黒のシルクハットを被った御者が帽子を外して一礼する。
そのまま近づいたテリーゼはスカートをつまんで軽く一礼し、馬車に乗り込むのだった。
一方、宮廷従者であるランスロットは首を竦めていた。
王子は春の日向を見るかの様な顔をしている。
「レオン王子、いい加減やめましょう。」
「何がダメなのかい?」
「女装ですよ。
馬車に乗り込むまでは魔法を解いてはなりませんよ。」
ランスロットは間の抜けた様な呆れ顔をしている。
「面白いじゃないか。
テリーゼ嬢も今日は一風変わって面白かったし手合いも手応えがあった。
負けたのがちょっと悔しい。」
「王子が面白くても私が面白くありませんっ!」
「僕が身バレしてしまってもいいのかい?
幾ら魔法で頑張っても本人と全く違う人にはなれないよ。」
オリビアの姿をしている王子は腰に手に当てて屈託なく笑った。
ランスロットは頭を抱えて失笑している。
「所でエドワード殿は?」
「あぁ・・・括り付けて置きました。問答無用で。」
「ランスロット、男爵のご子息だからもう少し丁重にね。」
「いや、ダメでしょう・・・アレは。」
「そろそろ解放してあげて。」
「はぁ・・・承知しました。」
エドワードのプレイボーイは女性の数だけ処構わず引っ掛けるのが慣例。
ランスロットは余り納得をしていない様な顔を見せたが、レオン王子の鶴の一声で解放するのだった。
一方、レオン王子もエドワードの扱いを考えあぐねていた。
下級身分である男爵に特段の役割が無ければ王族特権で追放なり処罰なりでも良い。
しかし、貿易を握るエドワード家のエドワードに追放や処罰でも与えようものなら親族からの反発は必至だ。
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