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第23話 医務室
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ガルクスを倒したアルベクは、隊員たちが戦っていた残りの傀儡兵を一掃する。強化された鎧殻装の前では、傀儡兵など他愛無いものだった。
傀儡兵を葬った後、隊員たちがアルベクに駆けよってくる。
「すまない、アルベク」
「お前……その姿は……」
隊員たちはアルベクの鎧殻装が変化したことに驚いた様子だった。しかし、すぐにダメージを負ったセートとライサーの姿を確認し、彼らの許に向かっていった。
(良かった……今回も誰も死んでない)
アルベクがそう思って鎧殻装を解除した時だった。今までにない強い疲労感が身体を襲い、アルベクは地面に倒れた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
目が覚めると、アルベクは医務室のベッドにいた。
隣のベッドにはセートが、その隣のベッドにはカインが横になっていた。
「おう、目覚めたか」
そう言ってライサーが部屋に入ってくる。
「ライサー、あんたに怪我はないのか?」
「はは、脚に攻撃をくらって一時動けなかったけど、すぐに回復したさ。しかし、お前さんはいきなり倒れたらしいじゃないか……大丈夫か?」
「疲れただけだよ…… 隊長とセートは?」
「二人ともダメージは負ったが大丈夫だ。今は寝ている。 ……そういえば、新しい形態を手に入れたって? 隊員たちが騒いでたよ」
ライサーはベッドの隣にあった椅子に腰かける。
「自分でもよくわからないんだ……いきなり力が沸き起こってきて……」
ガルクスの攻撃を頭部に食らい、意識が朦朧とする中で、走馬灯が見えた。その時、死にたくないと強く願い、鎧殻装に変化が起こったのだ。それは初めて起こった不思議な変化であった。
「まさか、一人であの強敵を倒してしまうんだからな、驚いたぜ」
「覚醒したのだから、あたりまえよ」
そう言いながら、セフィーネが医務室に入ってきた。彼女の顔は今までになく楽しげであった。
「覚醒?」
「そっ。核玉《コア》の秘められた力をあなたが引き出したのよ。言ったでしょう? あなたはまだ強くなるって」
「死の淵で、秘められた力を引き出した……か……」
アルベクは自分の胸部に手を当てる。心臓のような鼓動がその手に返ってくる。
「そうよ、私が開発した核玉《コア》は竜玉製の核玉《コア》以上のポテンシャルを秘めているのですもの。やはりあなたは適合者として最適だったわね」
「凄いなアルベク! しかし、俺もセフィーネの作った核玉《コア》を使ってるんだが、俺もいつか……その……覚醒だっけか? 出来るかな?」
「可能性はあるわ。まあ、あなたの適合力はアルベクより少し低いけど……」
「……やっぱりな。そんな気がしてたんだ。まあ、しゃーない」
特段悔しそうな様子もなく、ライサーは笑う。その顔を見ていたアルベクも、つられて笑顔になる。
「まあ、覚醒の力は強力な分、核玉《コア》の出力も上がるから、今回みたいに疲れやすくなるかもしれないわ。鍛えてなんとかするか、使いどころを考えなきゃいけないわね」
「たしかに、これまでの比じゃないくらい、力があふれてくるのを感じた。自分でも恐ろしかったよ……」
「大丈夫よ。きっとあなたなら使いこなせる」
「ああ、使いこなせるようにならなきゃな」
アルベクは改めて両親を殺した相手への復讐と、リーナを助け出すことを心に誓ったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後、しばらく話してから、ライサーとセフィーネは医務室を出て行った。
アルベクも身体に問題はなかったが、念のため明日まではここで休むこととなった。
「まだ、起きてる?」
隣のベッドからセートが声をかける。
「セート。おまえは大丈夫か?」
セートはガルクスの攻撃をかなり食らったはずだった。
「僕は問題ないっての。それより、あんたの新しい力、見てたよ」
「ああ、そうなのか……」
「強くなるって言ってたけど、こんなに早くだとは思わなかった」
「俺自身が一番驚いているよ」
「……今日は、あんたに助けられたね」
いつもは生意気なセートから感謝されたのは初めてかもしれないとアルベクは思った。
「なんだ。今日のセートはだいぶ素直なんだな」
「ばか…… 僕はいつだって素直な良い子だよ」
セートが頬を膨らませる。その様子がアルベクにはおかしかった。
「はは、そうかもな。俺の方こそ、セートには感謝してるんだ。お前のおかげで強くなれたんだと思う」
「違うよ。強くなったのはあんた自身の努力だ。僕はただ試合をしただけ」
「お前という存在がいてくれたかことで、俺もライサーも強くなれたんだ。そうだな、お互い、自信を持つべきかもな……」
セートという親衛隊から来た実力者がいたからこそ、アルベクとライサーは自分の実力に奢らずに訓練に励めたのだと思う。
「次は僕が強くなる番だ。竜の核玉だって、まだ潜在能力はこんなものじゃないはずさ。親衛隊には僕より強い人が大勢いる」
「そうだな。皆で強くなろう」
「うん、じゃあまた寝るよ。お休み……アル兄ぃ」
新しく考えた愛称でアルベクを呼んでから、セートは眠りについた。
傀儡兵を葬った後、隊員たちがアルベクに駆けよってくる。
「すまない、アルベク」
「お前……その姿は……」
隊員たちはアルベクの鎧殻装が変化したことに驚いた様子だった。しかし、すぐにダメージを負ったセートとライサーの姿を確認し、彼らの許に向かっていった。
(良かった……今回も誰も死んでない)
アルベクがそう思って鎧殻装を解除した時だった。今までにない強い疲労感が身体を襲い、アルベクは地面に倒れた。
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目が覚めると、アルベクは医務室のベッドにいた。
隣のベッドにはセートが、その隣のベッドにはカインが横になっていた。
「おう、目覚めたか」
そう言ってライサーが部屋に入ってくる。
「ライサー、あんたに怪我はないのか?」
「はは、脚に攻撃をくらって一時動けなかったけど、すぐに回復したさ。しかし、お前さんはいきなり倒れたらしいじゃないか……大丈夫か?」
「疲れただけだよ…… 隊長とセートは?」
「二人ともダメージは負ったが大丈夫だ。今は寝ている。 ……そういえば、新しい形態を手に入れたって? 隊員たちが騒いでたよ」
ライサーはベッドの隣にあった椅子に腰かける。
「自分でもよくわからないんだ……いきなり力が沸き起こってきて……」
ガルクスの攻撃を頭部に食らい、意識が朦朧とする中で、走馬灯が見えた。その時、死にたくないと強く願い、鎧殻装に変化が起こったのだ。それは初めて起こった不思議な変化であった。
「まさか、一人であの強敵を倒してしまうんだからな、驚いたぜ」
「覚醒したのだから、あたりまえよ」
そう言いながら、セフィーネが医務室に入ってきた。彼女の顔は今までになく楽しげであった。
「覚醒?」
「そっ。核玉《コア》の秘められた力をあなたが引き出したのよ。言ったでしょう? あなたはまだ強くなるって」
「死の淵で、秘められた力を引き出した……か……」
アルベクは自分の胸部に手を当てる。心臓のような鼓動がその手に返ってくる。
「そうよ、私が開発した核玉《コア》は竜玉製の核玉《コア》以上のポテンシャルを秘めているのですもの。やはりあなたは適合者として最適だったわね」
「凄いなアルベク! しかし、俺もセフィーネの作った核玉《コア》を使ってるんだが、俺もいつか……その……覚醒だっけか? 出来るかな?」
「可能性はあるわ。まあ、あなたの適合力はアルベクより少し低いけど……」
「……やっぱりな。そんな気がしてたんだ。まあ、しゃーない」
特段悔しそうな様子もなく、ライサーは笑う。その顔を見ていたアルベクも、つられて笑顔になる。
「まあ、覚醒の力は強力な分、核玉《コア》の出力も上がるから、今回みたいに疲れやすくなるかもしれないわ。鍛えてなんとかするか、使いどころを考えなきゃいけないわね」
「たしかに、これまでの比じゃないくらい、力があふれてくるのを感じた。自分でも恐ろしかったよ……」
「大丈夫よ。きっとあなたなら使いこなせる」
「ああ、使いこなせるようにならなきゃな」
アルベクは改めて両親を殺した相手への復讐と、リーナを助け出すことを心に誓ったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後、しばらく話してから、ライサーとセフィーネは医務室を出て行った。
アルベクも身体に問題はなかったが、念のため明日まではここで休むこととなった。
「まだ、起きてる?」
隣のベッドからセートが声をかける。
「セート。おまえは大丈夫か?」
セートはガルクスの攻撃をかなり食らったはずだった。
「僕は問題ないっての。それより、あんたの新しい力、見てたよ」
「ああ、そうなのか……」
「強くなるって言ってたけど、こんなに早くだとは思わなかった」
「俺自身が一番驚いているよ」
「……今日は、あんたに助けられたね」
いつもは生意気なセートから感謝されたのは初めてかもしれないとアルベクは思った。
「なんだ。今日のセートはだいぶ素直なんだな」
「ばか…… 僕はいつだって素直な良い子だよ」
セートが頬を膨らませる。その様子がアルベクにはおかしかった。
「はは、そうかもな。俺の方こそ、セートには感謝してるんだ。お前のおかげで強くなれたんだと思う」
「違うよ。強くなったのはあんた自身の努力だ。僕はただ試合をしただけ」
「お前という存在がいてくれたかことで、俺もライサーも強くなれたんだ。そうだな、お互い、自信を持つべきかもな……」
セートという親衛隊から来た実力者がいたからこそ、アルベクとライサーは自分の実力に奢らずに訓練に励めたのだと思う。
「次は僕が強くなる番だ。竜の核玉だって、まだ潜在能力はこんなものじゃないはずさ。親衛隊には僕より強い人が大勢いる」
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