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第1章:始まりの街と仲間たちとの出会い
第1話:始まりの街と、始まりたくない俺の願い
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乾いた土の匂いと、芽吹き始めた若草の青い香りが混じり合った風が、丘の上まで俺の髪を運んできた。眼下に広がる街並みは、まるで腕利きのパン職人が丹精込めて焼き上げた、見事な模型のようだった。赤茶色の瓦屋根がリズミカルに並び、その間を縫うようにして、人々という名の小さな酵母菌たちがせわしなく動き回っている。生命力に満ち溢れた、実に美味そうな光景だ。
春の陽光は、まるで上質な蜂蜜のようにとろりとしていて、世界全体を穏やかな琥珀色に染め上げていた。遠くの教会の鐘が、のんびりとした調子で昼を告げている。カーン、コーン、という音は、空気に溶けていくそばから、風に乗った鳥のさえずりと入れ替わる。完璧だ。完璧なまでの平穏。俺が三千世界を転々としながら、喉から手が出るほど求め続けたものが、今、この眼下にある。
俺、リヒト。年は……まあ、見た目通り二十歳そこそこということにしておこう。特徴は、平凡な顔立ちと、ちょっとやそっとじゃ驚かない図太い神経。そして、神ですらドン引きするほどの、まったくもって無駄で、迷惑千万な力を持っていること。
「来た! ついに来たぞ、理想郷(エルドラド)! 俺だけの約束の地(カナーン)!」
俺は青空に向かって両手を大きく広げ、誰に聞かせるともなく、高らかに(ただし心の中で)宣言した。口に出したら、その声の振動で眼下の街が更地になりかねない。それくらいのデリカシーは、長い(長すぎる)人生経験の中でとっくに学んでいる。
「神よ! もし、どこかでこの哀れな子羊(俺)の独白を聞いているのなら、よくよく耳の穴かっぽじって聞いておくがいい! 俺はもう! 断じて! 世界など救わん! 魔王が復活しようが、古代竜が目覚めようが、隣の国の姫がまた家出しようが、知ったこっちゃない! 俺はただひたすらに! 石畳の道をあてもなく散歩し! カフェのテラス席で意味もなくコーヒーを冷まし! そして何より! 街角で見かける可憐な乙女たちを、安全な距離から! そう、あくまでセーフティーなディスタンスを保ちながら眺めては、心の中で『今日の君も輝いているね、ブラボー!』とスタンディングオベーションを送るだけの! そんな! そんな慎ましくも満ち足りたスローライフを送ると、今! ここに! 固く! 誓うのだッ!」
ふぅ、と一つ、息を吐く。心の中の絶叫でさえ、少し疲れる。
この決意に至るまで、どれほどの苦難があったことか。思い返せば涙も枯れ果てる。
ちょっとクシャミをしたら、目の前の山脈が地理の教科書から抹消されたり。寝ぼけて寝返りをうったら、大陸プレートがズレて大規模な地殻変動が起きたり。道端の石ころを蹴っ飛ばしたら、それが亜光速まで加速して大気圏を突破し、はるか彼方の月にクレーターを一つ増やしてしまったり。
俺の行動は、常に破壊と直結していた。良かれと思ってやったことなど、一度たりとも良い結果を招いたことがない。魔王を倒せば、その力の余波で魔王城ごと大陸の一部が消し飛び、人々から「破壊神」と崇められ(怖がられ)た。飢饉の村に雨を降らせば、加減を間違えて大洪水を引き起こし、村は湖の底だ。
もう嫌なのだ。俺は、何かに干渉することが、この世界にとってどれほどのリスクかを知っている。この世界というシステムは、無数の要因が複雑に絡み合って奇跡的なバランスで成り立っている、いわば超絶技巧のジェンガみたいなものだ。そこに俺という、一本だけタングステン製のブロックが混じっているようなものなのだ。俺が動けば、即、崩壊。
だから、俺がこの世界のためにできる唯一にして最大の貢献は、「何もしない」こと。そう、無為こそが至高の善。俺という圧倒的なイレギュラーが、ただそこにいるだけの「石」と化すことこそが、世界の平和を維持する唯一の方法なのだ。
これは、決して面倒くさいから言っているのではない。断じて。これは、深遠なる哲学と、数えきれない失敗から導き出された、崇高な結論なのである。……まあ、九割九分は面倒くさいだけなのだが、その事実は俺の胸の内に秘めておけばいい。
俺は丘を駆け下り、街の門へと向かった。石造りの立派な門には「始まりの街、アリア」と彫られている。実にいい名前じゃないか。俺の新しい人生の始まりに、これ以上ないほどふさわしい。
門をくぐると、途端に空気が変わった。人々の話し声、馬車の車輪が石畳を叩く音、どこかの店から漂ってくる焼きたてのパンの香ばしい匂い、露店で売られている色とりどりの果物の甘い香り、そして、人々の熱気。それら全てが渾然一体となって、俺の五感を優しく、しかし圧倒的な情報量で満たしていく。
「素晴らしい……」
思わず、声が漏れた。大丈夫、今の声量なら、せいぜい隣家の窓ガラスが軽く震える程度だ。セーフ。
俺はまず、宿屋を探すことにした。もちろん、最短距離で探すなどという無粋な真似はしない。この街の全てを味わい尽くすように、ゆっくりと、あてもなく歩を進める。
メインストリートから一本脇に入った、少し細い路地。そこに、そのパン屋はあった。開け放たれた扉から、小麦が焼ける甘く豊かな香りが、まるで「こっちへおいで」と手招きするように流れ出ている。その香りに誘われて顔を向けると、カウンターの向こうで、白いエプロンをつけた一人の少女が、にこやかに客と話していた。
亜麻色の髪を後ろで一つに束ね、頬にはうっすらとそばかすが散っている。年は十六、七といったところか。大きな瞳は快活な光を宿し、笑うたびに八重歯がちらりとのぞく。健康的で、屈託がなく、まるでこの街の太陽そのものをぎゅっと凝縮して、人の形にしたような少女だった。
俺の心臓が、ドクン、と大きく脈打った。
(き、来た……! 早速来たぞ、第一のエンジェルが! 見ろ、あの笑顔! 無防備すぎるだろう! あの笑顔一つで、小国の兵士くらいなら戦意を喪失させられるぞ! そしてあの八重歯! あれはなんだ、神が与えし最終兵器か!? あの破壊力は、そこいらの聖剣を遥かに凌駕する! くっ、なんだこの胸の高鳴りは……これが恋か! そうか、これが恋なのか!)
俺が心の中で一人、壮大なドラマを繰り広げていると、少女と目が合った。彼女は、見慣れない顔の俺に気づくと、こてん、と首を傾げ、次の瞬間、花が綻ぶような笑顔を向けた。
「いらっしゃいませ! お客さん、旅の方ですか?」
ぐはっ!
俺は心の中で吐血した。なんだその「こてん」は! 反則だろうが! 今、俺の世界ランキングで、暫定一位に躍り出たぞ!
俺は平静を装い、ぎこちなく会釈を返すと、そそくさとその場を離れた。危ない危ない。これ以上あの場にいたら、幸福感のあまり、無意識に半径五メートル以内の時間流を停止させてしまうところだった。
角を曲がると、今度は色とりどりの花々が咲き誇る花屋が目に入った。店先で、恰幅のいい女主人が、客の若い男に何やら力説している。
「あんた、プロポーズかい? だったら、こっちの真っ赤なバラにしときな! 花言葉は『情熱』! 女ってのはね、結局、こういう分かりやすいのが一番ぐっとくるもんなんだよ!」
女主人はそう言うと、日に焼けた腕で男の背中をバン! と力強く叩いた。男はよろめきながらも、嬉しそうにバラの花束を受け取っている。女主人の年は四十路手前だろうか。豊満な体に、母性と豪快さが同居している。皺の刻まれた目元は優しく、しかしその瞳の奥には、幾多の修羅場を乗り越えてきたであろう、したたかな光が宿っていた。
(……いい)
俺は、思わずゴクリと喉を鳴らした。
(若さだけが魅力ではない。あの、全てを受け入れ、全てを許してくれそうな包容力! まるで大地母神(ガイア)そのものではないか! あの豊満な胸に顔をうずめて「ママ……」と呟けば、俺がこれまで犯してきた数々の破壊活動の罪すら、浄化されるに違いない! あの包容力の前では、俺の無敵の力など、赤子の腕力に等しい! そして、あの豪快さ! あの力強い平手で叩かれれば、俺の歪んだ魂も少しはまともになるだろうか……いや、むしろご褒美か!)
俺は、自分の煩悩の底知れなさに若干の戦慄を覚えながら、再び歩き出した。
しばらく行くと、街の中心にある広場に出た。噴水を中心に人々が集い、吟遊詩人がリュートを奏で、子供たちが駆け回っている。平和そのものの光景だ。その人混みの中に、ひときわ目を引く存在がいた。
すらりとした長身に、陽光を反射して白銀に輝く長い髪。人間とは明らかに異なる、気品と鋭利さを併せ持った美貌。そして、尖った耳。エルフだ。彼女は、露店で売られている銀細工の首飾りを、興味深そうに眺めている。透き通るような白い肌は、まるで上質な陶器のようだ。伏せられた長い睫毛が、その頬に繊細な影を落としている。
俺は、息をするのも忘れていた。
(……神よ。あなたは、これほどまでに完璧な造形物を創造することがおできになったのか。俺という、欠陥品としか言いようのないバグを生み出した、あの同じ神が。見ろ、あのたたずまい。彼女が存在しているだけで、この雑多な広場が、まるで古代の神殿のような、神聖な空間に昇華されている。彼女の周りだけ、空気が澄んでいるように感じるのは、気のせいではあるまい。俺のような、煩悩と破壊衝動の塊が、彼女と同じ空気を吸うことすら、冒涜にあたるのではないだろうか……)
俺は、しばし自己嫌悪に陥った。しかし、俺の心は鋼鉄の精神と豆腐の感受性でできている。数秒後には、「いや、だがしかし! この目で見て、心の中で愛でるだけなら許されるはずだ! 観測する権利は、誰にでもある! そう、シュレディンガーの猫のように! 俺はただ、彼女という美しい存在を観測しているにすぎないのだ!」と、謎の理論で自らを奮い立たせていた。
エルフの少女がふと顔を上げ、こちらに視線を向けた。その翡翠のような瞳が、俺の姿を捉える。時間が、止まった。
まずい。本当に止めてしまったかもしれない。
俺は慌てて自分の能力を確認する。大丈夫、止まってはいない。ただ、俺の体感時間が、極度の緊張によって限りなくゼロに近づいただけだ。彼女の瞳は、まるで森の奥深くにある、誰にも知られていない湖のように、静かで、全てを見透かすような色をしていた。
俺は、カカシのように硬直した。何か、何かリアクションをしなければ。そうだ、こういう時は、穏やかに微笑み、紳士的に会釈をするのがマナーだ。
しかし、俺の顔の筋肉は、主人の命令を完全に無視した。口角は引きつり、目は泳ぎ、おそらくは「ヤバい薬でもキメてるんじゃないか」と通行人に通報されてもおかしくないような、奇怪な表情を浮かべていたに違いない。
エルフの少女は、俺の奇行にわずかに眉をひそめると、ふい、と興味を失ったように視線を外し、再び銀細工へと戻ってしまった。
……終わった。俺の恋が、始まる前に終わった。
俺は、崩れ落ちそうになる膝を叱咤し、逃げるようにその場を去った。心なしか、広場の子供たちの笑い声が、俺を嘲笑っているように聞こえる。
「落ち着け、リヒト……落ち着くんだ……」
俺は自分に言い聞かせながら、裏路地へと入った。壁に手をつき、荒い息を整える。
「何を焦っている。俺の目的はなんだ? そうだ、平穏なスローライフだ。恋だの愛だのは、そのオプションに過ぎん。メインディッシュではない。そうだ、まずは拠点だ。落ち着ける宿を確保することが先決だ」
自己完結型の説得を終え、俺は再び顔を上げた。すると、ちょうど目の前に、古びてはいるが、清潔そうな宿屋の看板がぶら下がっているのが見えた。
「宿屋『木漏れ日亭』」。
素晴らしい。名前からして、平穏と安らぎが約束されているようなものではないか。
ギィ、と音を立てる木の扉を開けると、そこはこぢんまりとしているが、手入れの行き届いた温かい空間だった。使い込まれて艶の出た木のカウンター。壁には、趣味の良い風景画が飾られている。そして、カウンターの奥から「はーい、いらっしゃい」と顔を出したのは、人の良さそうな、少し恰幅のいい女将さんだった。
完璧だ。美女もいいが、こういう安心感のある女将さんのいる宿こそ、長期滞在には最適だ。俺は、今日泊まりたい旨を告げ、一番安い部屋を頼んだ。
案内された二階の部屋は、広くはないが、掃除が行き届いており、窓からは街の裏手にある小さな森が見えた。ベッドのリネンからは、太陽と石鹸の匂いがする。俺は荷物を置くと、ベッドにどさりと倒れ込んだ。
ギシリ、とベッドが心地よく軋む。窓から吹き込む風が、カーテンを優しく揺らしている。
「はぁ……」
安堵のため息が、自然と漏れた。これだ。これこそが、俺が求めていたものだ。誰にも干渉されず、誰からも干渉されない、静かで、穏やかな時間。
この世界が、どれほど複雑な因果の糸で絡み合っていようと、俺には関係ない。俺はただ、この部屋の窓から見える木々が、季節の移ろいと共に色を変えていくのを眺め、時折、街に出ては、あの太陽のようなパン屋の娘や、大地母神のような花屋の女主人や、森の妖精のようなエルフの少女を、遠くから眺めては心の中で拍手を送る。それだけでいい。それだけで、俺の人生は満たされるのだ。
俺は起き上がると、明日からの計画を立て始めた。まずは、冒険者ギルドだ。旅をするには身分証が必要だし、何より、ギルドに登録しておけば、多少の雑務をこなすだけで日銭が稼げる。もちろん、受ける依頼は「薬草採取」や「迷子の子猫探し」といった、Dランク以下の、戦闘とは無縁のものだけだ。それでいい。それがいい。
「よし」
俺は、自分の完璧な計画に満足し、拳を握った。
念のため、ギルドの場所を確認しておこう。そう思い立ち、俺は再び宿屋を出た。女将さんが「お出かけかい?」と笑顔で手を振ってくれる。ああ、実家に帰ってきたような安心感だ。
ギルドは、メインストリートの突き当たりにあった。思ったよりも大きな、活気のある建物だ。中からは、荒々しい男たちの笑い声や、酒の匂いが漏れ出してくる。俺は、中には入らず、少し離れた場所から、その様子を窺った。
その時、一人の女性が、ギルドの扉から出てきた。
すらりとした体躯に、赤銅色の髪をポニーテールに揺らしている。夕暮れの光を浴びて、その髪は炎のように輝いていた。顔立ちはまだ若いが、その瞳には強い意志の光が宿っている。ギルドの受付嬢だろうか。手に持った書類に目を落とし、何かを確認している。
(……ほう)
俺の鑑定眼(という名のただの好み)が、即座に反応した。
(活発、快活、そして健康的! まるで、戦乙女(ワルキューレ)が現代に降り立ったかのようだ! あの引き締まった体躯、鍛え上げられたであろう四肢! ポニーテールというのも、実に、実に素晴らしい! 彼女が動くたびに、あの髪が鞭のようにしなるのだ! あれで叩かれたい! いや、むしろ踏まれた……いやいや、落ち着け俺。紳士であれ)
彼女は書類から顔を上げると、ふぅ、と一つ息をつき、空を見上げた。その横顔の美しさに、俺は再び心を鷲掴みにされた。
「よし、決めた。明日、ギルドに登録しよう。そして、あの子と話すんだ。『新人ですが、よろしくお願いします』と、爽やかな笑顔で」
俺は、明日への期待に胸を膨らませ、満足して宿屋への帰路についた。俺の思い描く完璧なスローライフは、もう手の届くところにある。この穏やかな街で、穏やかな人々に囲まれ、穏やかな日々を送るのだ。
俺が、この街で出会うことになる、極度の方向音痴の戦士や、常軌を逸したドジっ子のクルセイダーのことなど、もちろん知る由もない。俺の立てた完璧な計画が、彼女たちの巻き起こす複雑怪奇な因果の渦に飲み込まれ、木っ端微塵に砕け散ることになるなど、夢にも思わずに。
宿屋の、太陽の匂いがするベッドに身を沈めながら、俺は今日一日の出会いを反芻し、幸せな気持ちで目を閉じた。
「目立たず」
「騒がず」
「平穏に」
それが、俺の新しい人生の、唯一にして絶対のルール。
明日からは、何が起ころうと、俺はこのルールを鉄の意志で守り抜くのだ。
たとえ、その鉄の意志が、実際には豆腐くらいの強度しかなかったとしても。
おやすみ、世界。
おやすみ、俺の平穏な未来。
たぶん、すぐに、さよならだ。
春の陽光は、まるで上質な蜂蜜のようにとろりとしていて、世界全体を穏やかな琥珀色に染め上げていた。遠くの教会の鐘が、のんびりとした調子で昼を告げている。カーン、コーン、という音は、空気に溶けていくそばから、風に乗った鳥のさえずりと入れ替わる。完璧だ。完璧なまでの平穏。俺が三千世界を転々としながら、喉から手が出るほど求め続けたものが、今、この眼下にある。
俺、リヒト。年は……まあ、見た目通り二十歳そこそこということにしておこう。特徴は、平凡な顔立ちと、ちょっとやそっとじゃ驚かない図太い神経。そして、神ですらドン引きするほどの、まったくもって無駄で、迷惑千万な力を持っていること。
「来た! ついに来たぞ、理想郷(エルドラド)! 俺だけの約束の地(カナーン)!」
俺は青空に向かって両手を大きく広げ、誰に聞かせるともなく、高らかに(ただし心の中で)宣言した。口に出したら、その声の振動で眼下の街が更地になりかねない。それくらいのデリカシーは、長い(長すぎる)人生経験の中でとっくに学んでいる。
「神よ! もし、どこかでこの哀れな子羊(俺)の独白を聞いているのなら、よくよく耳の穴かっぽじって聞いておくがいい! 俺はもう! 断じて! 世界など救わん! 魔王が復活しようが、古代竜が目覚めようが、隣の国の姫がまた家出しようが、知ったこっちゃない! 俺はただひたすらに! 石畳の道をあてもなく散歩し! カフェのテラス席で意味もなくコーヒーを冷まし! そして何より! 街角で見かける可憐な乙女たちを、安全な距離から! そう、あくまでセーフティーなディスタンスを保ちながら眺めては、心の中で『今日の君も輝いているね、ブラボー!』とスタンディングオベーションを送るだけの! そんな! そんな慎ましくも満ち足りたスローライフを送ると、今! ここに! 固く! 誓うのだッ!」
ふぅ、と一つ、息を吐く。心の中の絶叫でさえ、少し疲れる。
この決意に至るまで、どれほどの苦難があったことか。思い返せば涙も枯れ果てる。
ちょっとクシャミをしたら、目の前の山脈が地理の教科書から抹消されたり。寝ぼけて寝返りをうったら、大陸プレートがズレて大規模な地殻変動が起きたり。道端の石ころを蹴っ飛ばしたら、それが亜光速まで加速して大気圏を突破し、はるか彼方の月にクレーターを一つ増やしてしまったり。
俺の行動は、常に破壊と直結していた。良かれと思ってやったことなど、一度たりとも良い結果を招いたことがない。魔王を倒せば、その力の余波で魔王城ごと大陸の一部が消し飛び、人々から「破壊神」と崇められ(怖がられ)た。飢饉の村に雨を降らせば、加減を間違えて大洪水を引き起こし、村は湖の底だ。
もう嫌なのだ。俺は、何かに干渉することが、この世界にとってどれほどのリスクかを知っている。この世界というシステムは、無数の要因が複雑に絡み合って奇跡的なバランスで成り立っている、いわば超絶技巧のジェンガみたいなものだ。そこに俺という、一本だけタングステン製のブロックが混じっているようなものなのだ。俺が動けば、即、崩壊。
だから、俺がこの世界のためにできる唯一にして最大の貢献は、「何もしない」こと。そう、無為こそが至高の善。俺という圧倒的なイレギュラーが、ただそこにいるだけの「石」と化すことこそが、世界の平和を維持する唯一の方法なのだ。
これは、決して面倒くさいから言っているのではない。断じて。これは、深遠なる哲学と、数えきれない失敗から導き出された、崇高な結論なのである。……まあ、九割九分は面倒くさいだけなのだが、その事実は俺の胸の内に秘めておけばいい。
俺は丘を駆け下り、街の門へと向かった。石造りの立派な門には「始まりの街、アリア」と彫られている。実にいい名前じゃないか。俺の新しい人生の始まりに、これ以上ないほどふさわしい。
門をくぐると、途端に空気が変わった。人々の話し声、馬車の車輪が石畳を叩く音、どこかの店から漂ってくる焼きたてのパンの香ばしい匂い、露店で売られている色とりどりの果物の甘い香り、そして、人々の熱気。それら全てが渾然一体となって、俺の五感を優しく、しかし圧倒的な情報量で満たしていく。
「素晴らしい……」
思わず、声が漏れた。大丈夫、今の声量なら、せいぜい隣家の窓ガラスが軽く震える程度だ。セーフ。
俺はまず、宿屋を探すことにした。もちろん、最短距離で探すなどという無粋な真似はしない。この街の全てを味わい尽くすように、ゆっくりと、あてもなく歩を進める。
メインストリートから一本脇に入った、少し細い路地。そこに、そのパン屋はあった。開け放たれた扉から、小麦が焼ける甘く豊かな香りが、まるで「こっちへおいで」と手招きするように流れ出ている。その香りに誘われて顔を向けると、カウンターの向こうで、白いエプロンをつけた一人の少女が、にこやかに客と話していた。
亜麻色の髪を後ろで一つに束ね、頬にはうっすらとそばかすが散っている。年は十六、七といったところか。大きな瞳は快活な光を宿し、笑うたびに八重歯がちらりとのぞく。健康的で、屈託がなく、まるでこの街の太陽そのものをぎゅっと凝縮して、人の形にしたような少女だった。
俺の心臓が、ドクン、と大きく脈打った。
(き、来た……! 早速来たぞ、第一のエンジェルが! 見ろ、あの笑顔! 無防備すぎるだろう! あの笑顔一つで、小国の兵士くらいなら戦意を喪失させられるぞ! そしてあの八重歯! あれはなんだ、神が与えし最終兵器か!? あの破壊力は、そこいらの聖剣を遥かに凌駕する! くっ、なんだこの胸の高鳴りは……これが恋か! そうか、これが恋なのか!)
俺が心の中で一人、壮大なドラマを繰り広げていると、少女と目が合った。彼女は、見慣れない顔の俺に気づくと、こてん、と首を傾げ、次の瞬間、花が綻ぶような笑顔を向けた。
「いらっしゃいませ! お客さん、旅の方ですか?」
ぐはっ!
俺は心の中で吐血した。なんだその「こてん」は! 反則だろうが! 今、俺の世界ランキングで、暫定一位に躍り出たぞ!
俺は平静を装い、ぎこちなく会釈を返すと、そそくさとその場を離れた。危ない危ない。これ以上あの場にいたら、幸福感のあまり、無意識に半径五メートル以内の時間流を停止させてしまうところだった。
角を曲がると、今度は色とりどりの花々が咲き誇る花屋が目に入った。店先で、恰幅のいい女主人が、客の若い男に何やら力説している。
「あんた、プロポーズかい? だったら、こっちの真っ赤なバラにしときな! 花言葉は『情熱』! 女ってのはね、結局、こういう分かりやすいのが一番ぐっとくるもんなんだよ!」
女主人はそう言うと、日に焼けた腕で男の背中をバン! と力強く叩いた。男はよろめきながらも、嬉しそうにバラの花束を受け取っている。女主人の年は四十路手前だろうか。豊満な体に、母性と豪快さが同居している。皺の刻まれた目元は優しく、しかしその瞳の奥には、幾多の修羅場を乗り越えてきたであろう、したたかな光が宿っていた。
(……いい)
俺は、思わずゴクリと喉を鳴らした。
(若さだけが魅力ではない。あの、全てを受け入れ、全てを許してくれそうな包容力! まるで大地母神(ガイア)そのものではないか! あの豊満な胸に顔をうずめて「ママ……」と呟けば、俺がこれまで犯してきた数々の破壊活動の罪すら、浄化されるに違いない! あの包容力の前では、俺の無敵の力など、赤子の腕力に等しい! そして、あの豪快さ! あの力強い平手で叩かれれば、俺の歪んだ魂も少しはまともになるだろうか……いや、むしろご褒美か!)
俺は、自分の煩悩の底知れなさに若干の戦慄を覚えながら、再び歩き出した。
しばらく行くと、街の中心にある広場に出た。噴水を中心に人々が集い、吟遊詩人がリュートを奏で、子供たちが駆け回っている。平和そのものの光景だ。その人混みの中に、ひときわ目を引く存在がいた。
すらりとした長身に、陽光を反射して白銀に輝く長い髪。人間とは明らかに異なる、気品と鋭利さを併せ持った美貌。そして、尖った耳。エルフだ。彼女は、露店で売られている銀細工の首飾りを、興味深そうに眺めている。透き通るような白い肌は、まるで上質な陶器のようだ。伏せられた長い睫毛が、その頬に繊細な影を落としている。
俺は、息をするのも忘れていた。
(……神よ。あなたは、これほどまでに完璧な造形物を創造することがおできになったのか。俺という、欠陥品としか言いようのないバグを生み出した、あの同じ神が。見ろ、あのたたずまい。彼女が存在しているだけで、この雑多な広場が、まるで古代の神殿のような、神聖な空間に昇華されている。彼女の周りだけ、空気が澄んでいるように感じるのは、気のせいではあるまい。俺のような、煩悩と破壊衝動の塊が、彼女と同じ空気を吸うことすら、冒涜にあたるのではないだろうか……)
俺は、しばし自己嫌悪に陥った。しかし、俺の心は鋼鉄の精神と豆腐の感受性でできている。数秒後には、「いや、だがしかし! この目で見て、心の中で愛でるだけなら許されるはずだ! 観測する権利は、誰にでもある! そう、シュレディンガーの猫のように! 俺はただ、彼女という美しい存在を観測しているにすぎないのだ!」と、謎の理論で自らを奮い立たせていた。
エルフの少女がふと顔を上げ、こちらに視線を向けた。その翡翠のような瞳が、俺の姿を捉える。時間が、止まった。
まずい。本当に止めてしまったかもしれない。
俺は慌てて自分の能力を確認する。大丈夫、止まってはいない。ただ、俺の体感時間が、極度の緊張によって限りなくゼロに近づいただけだ。彼女の瞳は、まるで森の奥深くにある、誰にも知られていない湖のように、静かで、全てを見透かすような色をしていた。
俺は、カカシのように硬直した。何か、何かリアクションをしなければ。そうだ、こういう時は、穏やかに微笑み、紳士的に会釈をするのがマナーだ。
しかし、俺の顔の筋肉は、主人の命令を完全に無視した。口角は引きつり、目は泳ぎ、おそらくは「ヤバい薬でもキメてるんじゃないか」と通行人に通報されてもおかしくないような、奇怪な表情を浮かべていたに違いない。
エルフの少女は、俺の奇行にわずかに眉をひそめると、ふい、と興味を失ったように視線を外し、再び銀細工へと戻ってしまった。
……終わった。俺の恋が、始まる前に終わった。
俺は、崩れ落ちそうになる膝を叱咤し、逃げるようにその場を去った。心なしか、広場の子供たちの笑い声が、俺を嘲笑っているように聞こえる。
「落ち着け、リヒト……落ち着くんだ……」
俺は自分に言い聞かせながら、裏路地へと入った。壁に手をつき、荒い息を整える。
「何を焦っている。俺の目的はなんだ? そうだ、平穏なスローライフだ。恋だの愛だのは、そのオプションに過ぎん。メインディッシュではない。そうだ、まずは拠点だ。落ち着ける宿を確保することが先決だ」
自己完結型の説得を終え、俺は再び顔を上げた。すると、ちょうど目の前に、古びてはいるが、清潔そうな宿屋の看板がぶら下がっているのが見えた。
「宿屋『木漏れ日亭』」。
素晴らしい。名前からして、平穏と安らぎが約束されているようなものではないか。
ギィ、と音を立てる木の扉を開けると、そこはこぢんまりとしているが、手入れの行き届いた温かい空間だった。使い込まれて艶の出た木のカウンター。壁には、趣味の良い風景画が飾られている。そして、カウンターの奥から「はーい、いらっしゃい」と顔を出したのは、人の良さそうな、少し恰幅のいい女将さんだった。
完璧だ。美女もいいが、こういう安心感のある女将さんのいる宿こそ、長期滞在には最適だ。俺は、今日泊まりたい旨を告げ、一番安い部屋を頼んだ。
案内された二階の部屋は、広くはないが、掃除が行き届いており、窓からは街の裏手にある小さな森が見えた。ベッドのリネンからは、太陽と石鹸の匂いがする。俺は荷物を置くと、ベッドにどさりと倒れ込んだ。
ギシリ、とベッドが心地よく軋む。窓から吹き込む風が、カーテンを優しく揺らしている。
「はぁ……」
安堵のため息が、自然と漏れた。これだ。これこそが、俺が求めていたものだ。誰にも干渉されず、誰からも干渉されない、静かで、穏やかな時間。
この世界が、どれほど複雑な因果の糸で絡み合っていようと、俺には関係ない。俺はただ、この部屋の窓から見える木々が、季節の移ろいと共に色を変えていくのを眺め、時折、街に出ては、あの太陽のようなパン屋の娘や、大地母神のような花屋の女主人や、森の妖精のようなエルフの少女を、遠くから眺めては心の中で拍手を送る。それだけでいい。それだけで、俺の人生は満たされるのだ。
俺は起き上がると、明日からの計画を立て始めた。まずは、冒険者ギルドだ。旅をするには身分証が必要だし、何より、ギルドに登録しておけば、多少の雑務をこなすだけで日銭が稼げる。もちろん、受ける依頼は「薬草採取」や「迷子の子猫探し」といった、Dランク以下の、戦闘とは無縁のものだけだ。それでいい。それがいい。
「よし」
俺は、自分の完璧な計画に満足し、拳を握った。
念のため、ギルドの場所を確認しておこう。そう思い立ち、俺は再び宿屋を出た。女将さんが「お出かけかい?」と笑顔で手を振ってくれる。ああ、実家に帰ってきたような安心感だ。
ギルドは、メインストリートの突き当たりにあった。思ったよりも大きな、活気のある建物だ。中からは、荒々しい男たちの笑い声や、酒の匂いが漏れ出してくる。俺は、中には入らず、少し離れた場所から、その様子を窺った。
その時、一人の女性が、ギルドの扉から出てきた。
すらりとした体躯に、赤銅色の髪をポニーテールに揺らしている。夕暮れの光を浴びて、その髪は炎のように輝いていた。顔立ちはまだ若いが、その瞳には強い意志の光が宿っている。ギルドの受付嬢だろうか。手に持った書類に目を落とし、何かを確認している。
(……ほう)
俺の鑑定眼(という名のただの好み)が、即座に反応した。
(活発、快活、そして健康的! まるで、戦乙女(ワルキューレ)が現代に降り立ったかのようだ! あの引き締まった体躯、鍛え上げられたであろう四肢! ポニーテールというのも、実に、実に素晴らしい! 彼女が動くたびに、あの髪が鞭のようにしなるのだ! あれで叩かれたい! いや、むしろ踏まれた……いやいや、落ち着け俺。紳士であれ)
彼女は書類から顔を上げると、ふぅ、と一つ息をつき、空を見上げた。その横顔の美しさに、俺は再び心を鷲掴みにされた。
「よし、決めた。明日、ギルドに登録しよう。そして、あの子と話すんだ。『新人ですが、よろしくお願いします』と、爽やかな笑顔で」
俺は、明日への期待に胸を膨らませ、満足して宿屋への帰路についた。俺の思い描く完璧なスローライフは、もう手の届くところにある。この穏やかな街で、穏やかな人々に囲まれ、穏やかな日々を送るのだ。
俺が、この街で出会うことになる、極度の方向音痴の戦士や、常軌を逸したドジっ子のクルセイダーのことなど、もちろん知る由もない。俺の立てた完璧な計画が、彼女たちの巻き起こす複雑怪奇な因果の渦に飲み込まれ、木っ端微塵に砕け散ることになるなど、夢にも思わずに。
宿屋の、太陽の匂いがするベッドに身を沈めながら、俺は今日一日の出会いを反芻し、幸せな気持ちで目を閉じた。
「目立たず」
「騒がず」
「平穏に」
それが、俺の新しい人生の、唯一にして絶対のルール。
明日からは、何が起ころうと、俺はこのルールを鉄の意志で守り抜くのだ。
たとえ、その鉄の意志が、実際には豆腐くらいの強度しかなかったとしても。
おやすみ、世界。
おやすみ、俺の平穏な未来。
たぶん、すぐに、さよならだ。
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