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五十嵐青年は自室のベッドで目を覚ました。
辺りを見回すが、室内にいるのは五十嵐青年だけだ。
恐怖を与える存在はおらず、気を遣いながら過ごさなくて、怯えなくていい。
もうアヤカについて考えなくていい。
そう自分に言い聞かせるも、鼓動は依然早く脈打つままだ。
寝る前にシャワーを浴びたはずの身体はじっとりと湿っている。
ため息をつき、バスタオルを手に取ると、五十嵐青年は自室を後にした。
夢のせいで、2度目のシャワーの間も罵声が止まらない。
仮面を被った女が、罵倒と凌辱を繰り返す。
身体が勝手に反応し、五十嵐青年は目から涙を流しながら男性器を勃起させていた。
泣きながら勃起させてるの、気持ち悪いな。
冷静に分析をする五十嵐青年が現れたものの、その姿はすぐ仮面を被った女に変わる。
濁流のように暴れる感情に抗うことなど、出来るわけがなかった。
髪を乾かし、台所に立つ。
換気扇を回すと、流し台の上にい置いてある煙草を取り出した。
煙草を咥え、ライターがないことに気付く。
咥えた煙草を箱の上に戻すと、五十嵐青年は荷物を漁るが、ライターは見つからない。
渋々身なりを整え、外に出た。
最寄りのコンビニに着き、ライターと食品を買い物カゴに入れていると、五十嵐青年のポケットから着信音が流れる。
登録されていない番号が表示されるが、先ほどの電話番号ではない。
画面をスライドさせ、五十嵐青年は恐る恐る電話を耳に当てる。
「あの、五十嵐さんですか」
山本の声に、胸を撫で下ろした。
「はい」
「良かった。今度こそ五十嵐さんだった。さっき間違えて知らないおばあちゃんにかけちゃって」
置き手紙を見て、電話をかけてくれたであろう相手は、おばあちゃんとの間違え電話の話に花を咲かせている。
五十嵐青年は会計を済ませながらその話を聞いていた。
普段なら、用件を尋ねた方が良いのだろう。
しかし今は、罵倒も凌辱もしない声を1秒でも長く聴いていたかった。
「あっ、そうじゃない。あの、電話した用事なんですけど」
山本が本題を持ちかけてきた時には、五十嵐青年は台所の換気扇の下で紫煙をくゆらせていた。
しかも2本目だ。
「明日って、何か予定がありますが?」
「いえ、特には」
「じゃあ、1日空けておいてもらえませんか? 10時くらいから夜まで」
電話越しだが、山本が笑顔になったのが分かる。
「大丈夫です」
「じゃあ、また明日お願いします!」
「はい。ではまた明日」
五十嵐青年はそう言うと、相手が電話を切るのを待った。
しかし、なかなか電話が切れない。
「山本さん?」
「あの、その」
歯切れの悪い返事に、五十嵐青年は返す言葉を考える。
「い、いやまた明日!」
そう言うと、山本は電話を切った。
歯切れの悪い電話の切り方だった。
なにか言いたかったのか?
五十嵐青年が不思議に思っていると、再び同じ番号から電話がかかる。
「山本さん?」
「あの、服装について言い忘れてて」
「服装?」
「明日は買い物するんで、ジャージとかじゃなくて大丈夫です!」
「分かりました」
「では明日、楽しみにしてます!」
五十嵐青年は、電話番号を登録すると、画面を眺め、紫煙をくゆらせた。
辺りを見回すが、室内にいるのは五十嵐青年だけだ。
恐怖を与える存在はおらず、気を遣いながら過ごさなくて、怯えなくていい。
もうアヤカについて考えなくていい。
そう自分に言い聞かせるも、鼓動は依然早く脈打つままだ。
寝る前にシャワーを浴びたはずの身体はじっとりと湿っている。
ため息をつき、バスタオルを手に取ると、五十嵐青年は自室を後にした。
夢のせいで、2度目のシャワーの間も罵声が止まらない。
仮面を被った女が、罵倒と凌辱を繰り返す。
身体が勝手に反応し、五十嵐青年は目から涙を流しながら男性器を勃起させていた。
泣きながら勃起させてるの、気持ち悪いな。
冷静に分析をする五十嵐青年が現れたものの、その姿はすぐ仮面を被った女に変わる。
濁流のように暴れる感情に抗うことなど、出来るわけがなかった。
髪を乾かし、台所に立つ。
換気扇を回すと、流し台の上にい置いてある煙草を取り出した。
煙草を咥え、ライターがないことに気付く。
咥えた煙草を箱の上に戻すと、五十嵐青年は荷物を漁るが、ライターは見つからない。
渋々身なりを整え、外に出た。
最寄りのコンビニに着き、ライターと食品を買い物カゴに入れていると、五十嵐青年のポケットから着信音が流れる。
登録されていない番号が表示されるが、先ほどの電話番号ではない。
画面をスライドさせ、五十嵐青年は恐る恐る電話を耳に当てる。
「あの、五十嵐さんですか」
山本の声に、胸を撫で下ろした。
「はい」
「良かった。今度こそ五十嵐さんだった。さっき間違えて知らないおばあちゃんにかけちゃって」
置き手紙を見て、電話をかけてくれたであろう相手は、おばあちゃんとの間違え電話の話に花を咲かせている。
五十嵐青年は会計を済ませながらその話を聞いていた。
普段なら、用件を尋ねた方が良いのだろう。
しかし今は、罵倒も凌辱もしない声を1秒でも長く聴いていたかった。
「あっ、そうじゃない。あの、電話した用事なんですけど」
山本が本題を持ちかけてきた時には、五十嵐青年は台所の換気扇の下で紫煙をくゆらせていた。
しかも2本目だ。
「明日って、何か予定がありますが?」
「いえ、特には」
「じゃあ、1日空けておいてもらえませんか? 10時くらいから夜まで」
電話越しだが、山本が笑顔になったのが分かる。
「大丈夫です」
「じゃあ、また明日お願いします!」
「はい。ではまた明日」
五十嵐青年はそう言うと、相手が電話を切るのを待った。
しかし、なかなか電話が切れない。
「山本さん?」
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「い、いやまた明日!」
そう言うと、山本は電話を切った。
歯切れの悪い電話の切り方だった。
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「山本さん?」
「あの、服装について言い忘れてて」
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「明日は買い物するんで、ジャージとかじゃなくて大丈夫です!」
「分かりました」
「では明日、楽しみにしてます!」
五十嵐青年は、電話番号を登録すると、画面を眺め、紫煙をくゆらせた。
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