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白秋
はくしゅう12
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とりあえず、蒼依に褒められたチャーハンの写真を投稿しようと考え、投稿に写真データをアップロードする。
適当な文章を入力し、投稿のボタンを押そうとして指を止めた。
「んー」
「どうしたよ」
スマホの画面を注視していた蒼依は顔を上げ、唸る俺を見ていた。
「今、とある可能性に気づいてしまった」
「とある可能性?」
「そうなのだ、これは重要視せねばならないだろう」
「なによそれ」
もったいぶるなと目線が訴えている。
「俺のアカウントだから反応が薄いのではないか、と。成長したチャーハンを、俺が投稿しても素通りされるのではなかろうか、という考えになった」
「あの読みにくい名前のアカウントじゃないやつがいいってこと?」
読みにくくて悪かったな、と言いたかったが飲み込み、俺は頷いた。
「俺のアカウントは貸さないぞ」
「そこは期待してない。もし、何枚も投稿するなら、新しいアカウント作ろうかなって」
「ならいいんじゃない? 俺にデメリット無いし」
蒼依は立ち上がって本棚に向かうと、背表紙を眺めて吟味している。
「んじゃそうするか」
入力したデータを消し、新規アカウント作成画面に移動する。
アカウント名とIDを入力する画面に映り、俺は再び手を止めた。
「蒼依」
「今度はなに」
背表紙から目を逸らさないが、返事はしてくれる。
「アカウント名どうしよう」
「いや、好きにしろよ」
「かっこいいのが良くて。いい名前ないかな」
「なら青春活動とかでいいんじゃないか?」
「あー、いいな、それ」
俺は言われたまま入力し、決定を押した。
まっさらな状態のアカウント画面が表示される。
「おし、出来た」
「作ったんだ。フォローしとくからID教えて」
ひと仕事終わらせ、蒼依に目を向けると寝転がって漫画を読んでいた。
俺の大好きな、名作ロボット漫画を読んでいる。
「あ、このアカウントから蒼依のアカウントをフォローしとくよ」
「助かる」
検索欄に『となりの晶』と検索し、何度も見た蒼依のアカウントをフォローした。
同じ要領で、俺のアカウントもフォローする。
あまり人の事は言えないが、よく分からない名前だ。
蒼依がこんなアカウント名を付けた理由がよく分からない。
『初めまして、青春活動です。青春を追体験したいです』
文章とハッシュタグを添えて、チャーハンの
蒼依が帰った後の俺は、青春活動のアカウントのフォローが10人程増えたこと、前回投稿したチャーハンよりも反応を貰っていることを知り、ガッツポーズを取るのであった。
適当な文章を入力し、投稿のボタンを押そうとして指を止めた。
「んー」
「どうしたよ」
スマホの画面を注視していた蒼依は顔を上げ、唸る俺を見ていた。
「今、とある可能性に気づいてしまった」
「とある可能性?」
「そうなのだ、これは重要視せねばならないだろう」
「なによそれ」
もったいぶるなと目線が訴えている。
「俺のアカウントだから反応が薄いのではないか、と。成長したチャーハンを、俺が投稿しても素通りされるのではなかろうか、という考えになった」
「あの読みにくい名前のアカウントじゃないやつがいいってこと?」
読みにくくて悪かったな、と言いたかったが飲み込み、俺は頷いた。
「俺のアカウントは貸さないぞ」
「そこは期待してない。もし、何枚も投稿するなら、新しいアカウント作ろうかなって」
「ならいいんじゃない? 俺にデメリット無いし」
蒼依は立ち上がって本棚に向かうと、背表紙を眺めて吟味している。
「んじゃそうするか」
入力したデータを消し、新規アカウント作成画面に移動する。
アカウント名とIDを入力する画面に映り、俺は再び手を止めた。
「蒼依」
「今度はなに」
背表紙から目を逸らさないが、返事はしてくれる。
「アカウント名どうしよう」
「いや、好きにしろよ」
「かっこいいのが良くて。いい名前ないかな」
「なら青春活動とかでいいんじゃないか?」
「あー、いいな、それ」
俺は言われたまま入力し、決定を押した。
まっさらな状態のアカウント画面が表示される。
「おし、出来た」
「作ったんだ。フォローしとくからID教えて」
ひと仕事終わらせ、蒼依に目を向けると寝転がって漫画を読んでいた。
俺の大好きな、名作ロボット漫画を読んでいる。
「あ、このアカウントから蒼依のアカウントをフォローしとくよ」
「助かる」
検索欄に『となりの晶』と検索し、何度も見た蒼依のアカウントをフォローした。
同じ要領で、俺のアカウントもフォローする。
あまり人の事は言えないが、よく分からない名前だ。
蒼依がこんなアカウント名を付けた理由がよく分からない。
『初めまして、青春活動です。青春を追体験したいです』
文章とハッシュタグを添えて、チャーハンの
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