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帝国激震の章
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物事には順序があると、今ほど痛烈に実感した事が無いエスト。
全てをリズに話すつもりだった。皆と何度もキスをした事も、それ以上の行為も何度となくしている事も。
軽蔑されるかもしれない、自分への想いが一気に冷めてしまうかもしれない。
たとえそうなったとしても、それは全て自業自得。流されるまま、快楽の虜になってしまった自分が全て招いた事。
(何……この声……これってミクの声………?)
突如として壁の向こうから聞こえてきた、甘く切なそうな声。何だか聞いているだけで心の奥がざわつくような、柄も言えぬ気持ちが這い上がって来るような、そんな声音。
だが間違いない、この声は未来の声。いつも元気な未来からはとても考えられないが、それでも声質、声音は未来のそれと一致する。まだ昨日今日の付き合いだが、それでも間違える筈が無い。
「あの……この声って……ミクの声……だよね?」
「…………はい」
やはりそうだった。自分よりも彼女達と長く行動を共にしていたエストが言うのだから、もはや疑いようがない。
「えっと……何しているのかな……何だかいつものミクとは違う感じなのだけど………」
リズにとって、誰かの嬌声など聞いた事など無いし、女性がそういう声を出すという事も知らない。
もちろん人並みの性教育は受けている。だがそれは、女性が子供を懐妊する為の行為の事で、それだって実際に見た訳では無いのでピンと来ていない。男性器から出る精液を女性の体内で放出する事によって、女性は子を宿す。そんな説明を受けた所で、それがどんな行為の果てにあるのかなど、想像出来る筈も無い。
「こ、これはその……」
いつの間にかエストの顔が真っ赤だった。そんなエストを見た瞬間、リズの鼓動が僅かに跳ねる。
エストのこの表情、未来のこの声、これはきっとただ事では無い。何となく本能的にそう悟ったリズは、エストの手を握る自分の手に少し力を込める。
「教えてエスト。これは……ミクは何をしているの?わたしその……勉強不足でよく分からないの」
帝国貴族の家庭では、子供が年相応まで成長した際に、実際に性行為を見せて勉強させるという習わしがある。もちろん親の行為を見せる訳では無く、使用人やメイド、或いはその為だけに臨時で雇った男女が、実際に目の前で行為に及ぶのだ。
年相応とは大体、成人する十五歳から十八歳くらいの間であり、ほとんどの貴族家ではその数年の間に性行為の見学を教育に取り入れる。
だがリズの場合は成人したばかりなので、もちろん座学以外の教育はまだ受けていないし、エストもそれは同じだ。
余談として、エストの姉のメルティーナや、兄のフィリッツは既にこの教育を受けている。なので後は経験するだけなのだが、どちらもまだ経験は無い。
「こ、これはですね……その……ミクちゃんとアイリちゃんが………」
ここで愛莉の名が出るが、リズは特に驚かない。声がする隣の部屋は未来と愛莉が二人で住んでいるのだから、もちろん愛莉もこの声の正体に関わっていると考えるのが自然だからだ。
「その……ま、まぐわって………」
「…………え?」
聞き間違いだろうか?今「まぐわって」とエストが言ったように聞こえた。
だがまぐわるとは、つまりは性行為の事。教育ではそれは男女間で行う行為だと聞いていたので、女性である二人がまぐわうなどオカシイではないか。
「ですから……まぐわってるんです……ミクちゃんとアイリちゃんは………こ、恋人同士ですから………」
一瞬で思考が停止するリズ。意味が分からない。同性同士でまぐわう?それはどういう事だろうか?それは本来、女性が子を宿す為の行為だ。なので女性同士でまぐわった所で子は出来ないし、そもそもどうやってするのか。
「えっと……こ、恋人同士だと……まぐわうの……?」
「ミ、ミクちゃんが言うには………好きな人とは毎日身体を重ねたい………と」
今度は強い衝撃を受ける。好きな人とは毎日身体を重ねたい。それはつまり自分に置き換えるとーーーーー
(え……?それって……わ、わたしとエストが………え?)
想像した瞬間、見る見る顔が真っ赤に染まってゆくリズ。まぐわう、身体を重ねる、言い方は違うが、おそらく同じ意味だろう事は理解出来る。
好きな人とは毎日身体を重ねたい。それが普通の感情であれば、自分とてエストと身体を重ねたいという事であり、今やそれが許される間柄だ。
先ほどエストに愛の告白をした自分。そんな自分に、好きだと、愛していると答えを返してくれたエスト。あの瞬間から、自分達は世間で言う所の『恋人同士』になった筈だ。だとすればーーーーー
「あの……実は話そうと思っていたのはこの事についてなんです………」
「…………え?」
「実はわたし………もう何度も……ミクちゃん達と………か、身体を……重ねています」
言われた事の意味がすぐには理解出来なかった。
「え………?ウソ………だって……こ、恋人同士でするものでは………」
そう言っていたではないか。好き同士だから、好きな人とだから毎日したいのだと。
「わたし……みんなの事が好きです。大好きです。初めての時は………流れに流されてミクちゃん、アイリちゃんと身体を重ねました」
呆然とするリズに、当時の事を説明する。カルズバール迷宮の奥深くで、夜中に偶然未来と愛莉がしている所を目撃した事。
二人の行為を盗み見ていた事が知られてしまい、そのままなし崩し的に行為に参加した事。もちろん知識など無かったので、一方的に二人にされた事。
その日から、性行為が好きになってしまった事。未来と愛莉、リーシャとサフィーに誘われるままに、何度も何度も行為をした事。
最終的には五人全員でした事。その全てを、一切包み隠さずにリズに説明する。説明している間も、隣からは相変わらず未来や愛莉の嬌声が聞こえて来ていた。
「あ……え………と」
思考が覚束ない。まさかエストが、あのエストがほとんど毎日誰かとまぐわっていたなどと、どうして想像する事が出来ただろうか。
ただ一つ言える事は、エストはとっくに自分を置き去りにして大人への階段を駆け上がっていたという事実。そしてリズには、どうしても分からない事があった。
「ど……どうして……毎日……?」
話の流れは分かった。自分から望んだのではなく、仕方なく経験した事は理解した。だがそれならば何故、次もその次も?皆の事が好きだから?だから毎日身体を重ねたのだろうか?
そもそも、エストの「好き」とはどの程度なのだろうか。皆に対する「好き」と、わたしに対する「好き」は大差無いのだろうか?所詮は皆と同じくらいわたしの事も好き、それぐらいの「好き」なのだろうかと、リズは悲しい気持ちになる。
「………気持ちいいんです……信じられないくらい……」
「…………え?」
「その……まぐわうのが……ミクちゃん達は『エッチ』って呼んでますけど……エッチするのが凄く気持ちいいんです」
「気持ち………いい?」
「………はい」
恥ずかしそうに俯くエスト。握った手に無意識にギュッと力が入る。
「それが……断れなかった理由です。毎日みんなとエッチする理由です」
「あ……えっと………」
「ある時アイリちゃんが言いました。恋人のミクちゃん以外、わたしやリーシャちゃん、サフィーちゃんとするのはパーティの仲間としてのスキンシップだって。でもそれは……きっとわたしがみんなとエッチする理由として、アイリちゃんが考えてくれた口実だと思います。アイリちゃんにはミクちゃんが居て、リーシャちゃんにはサフィーちゃんが居ます。でもわたしには……相手が居ませんから」
つまりエストは性行為、彼女達の言葉を借りるなら『エッチ』の虜になってしまった。だが本来、恋人同士でするその行為を恋人の居ないエストは出来ない。だから愛莉はエストの為に適当な理由を付けて、彼女達の輪の中にエストを入れてくれたのだと、そう理解したリズ。
「軽蔑……しましたよね……」
軽蔑はしていない。そもそも、エストが虜になったというエッチを、自分は経験していない。経験もしていないのだから、それがどの程度中毒性があるのか、現時点では分からない。分からないのだから軽蔑も出来ない。
「一つだけ……エストのわたしに対する好きは………みんなに対する好きと同じくらい……?」
我ながら嫌な質問だと思った。そして声が震えているのが自分でも分かった。
この答えがもし肯定だったら、きっと悲しくて胸が張り裂けてしまう。ようやく想いを伝え、相思相愛の仲になれたと思ったのは実は勘違いで、仲間としての好きだったとしたらーーーーー
「違います」
だから、エストの言葉が否定だったのを聞いて魂が震えた。
「今さら信じて貰えないかもしれませんけど………わたし、誰よりもリズちゃんの事がーーーーーー」
気付いた時にはエストの唇に自分の唇を再び押し当てていた。
何度も何度も、エストの柔らかい唇の感触を味わうように、先ほどよりも激しく唇を重ねた。
「んっ……んんっ……」
「………んっ……」
もう止まれなかった。だって、エストの答えには嘘偽りなど無いと分かるから。隠したり、はぐらかしたり、嘘を付いたりする事無く、エストは全てを語ってくれた。
そして今、全てを語った後でも誰よりも好きだと、そう告げようとしてくれた。それだけで充分だった。これ以上嬉しい事は無かった。
「はぁはぁ……エスト……」
「はい………」
もっと先に進みたい。ここから先は知識もほとんど無く、どんなに恥ずかしい事なのか想像も付かない。でもだからこそ、エストと先に進みたい。恥ずかしい思いは、恥ずかしい姿を見せるのはエストだけにしたい。経験者のエストになら、安心して全てを委ねられる。
「わたしと……エッチしてくれる……?」
初めて使ったその言葉は、やけにしっくりと胸に落ちた。まどろっこしい事は必要無い。まどろっこしい言葉も必要無い。エストに直接伝わるのであれば、これ以上無い言葉だった。
「…………はい。わたしも……リズちゃんとエッチしたいです………」
そう言って微笑んだエストは、リズが今まで見た中で一番大人っぽい表情をしていたーーーーー
※と言う訳で、次回からエストとリズのエッチ編です。今回の章はこの先、話の展開的にエッチシーンが多分無いので(閑話を除く)貴重な数話になるかと(笑)
日頃から作者の書く官能が皆様の欲求を解消し、賢者へと覚醒する一助を担っているかは分かりませんが、一生懸命書きますので楽しんでいただけたら幸いです。
全てをリズに話すつもりだった。皆と何度もキスをした事も、それ以上の行為も何度となくしている事も。
軽蔑されるかもしれない、自分への想いが一気に冷めてしまうかもしれない。
たとえそうなったとしても、それは全て自業自得。流されるまま、快楽の虜になってしまった自分が全て招いた事。
(何……この声……これってミクの声………?)
突如として壁の向こうから聞こえてきた、甘く切なそうな声。何だか聞いているだけで心の奥がざわつくような、柄も言えぬ気持ちが這い上がって来るような、そんな声音。
だが間違いない、この声は未来の声。いつも元気な未来からはとても考えられないが、それでも声質、声音は未来のそれと一致する。まだ昨日今日の付き合いだが、それでも間違える筈が無い。
「あの……この声って……ミクの声……だよね?」
「…………はい」
やはりそうだった。自分よりも彼女達と長く行動を共にしていたエストが言うのだから、もはや疑いようがない。
「えっと……何しているのかな……何だかいつものミクとは違う感じなのだけど………」
リズにとって、誰かの嬌声など聞いた事など無いし、女性がそういう声を出すという事も知らない。
もちろん人並みの性教育は受けている。だがそれは、女性が子供を懐妊する為の行為の事で、それだって実際に見た訳では無いのでピンと来ていない。男性器から出る精液を女性の体内で放出する事によって、女性は子を宿す。そんな説明を受けた所で、それがどんな行為の果てにあるのかなど、想像出来る筈も無い。
「こ、これはその……」
いつの間にかエストの顔が真っ赤だった。そんなエストを見た瞬間、リズの鼓動が僅かに跳ねる。
エストのこの表情、未来のこの声、これはきっとただ事では無い。何となく本能的にそう悟ったリズは、エストの手を握る自分の手に少し力を込める。
「教えてエスト。これは……ミクは何をしているの?わたしその……勉強不足でよく分からないの」
帝国貴族の家庭では、子供が年相応まで成長した際に、実際に性行為を見せて勉強させるという習わしがある。もちろん親の行為を見せる訳では無く、使用人やメイド、或いはその為だけに臨時で雇った男女が、実際に目の前で行為に及ぶのだ。
年相応とは大体、成人する十五歳から十八歳くらいの間であり、ほとんどの貴族家ではその数年の間に性行為の見学を教育に取り入れる。
だがリズの場合は成人したばかりなので、もちろん座学以外の教育はまだ受けていないし、エストもそれは同じだ。
余談として、エストの姉のメルティーナや、兄のフィリッツは既にこの教育を受けている。なので後は経験するだけなのだが、どちらもまだ経験は無い。
「こ、これはですね……その……ミクちゃんとアイリちゃんが………」
ここで愛莉の名が出るが、リズは特に驚かない。声がする隣の部屋は未来と愛莉が二人で住んでいるのだから、もちろん愛莉もこの声の正体に関わっていると考えるのが自然だからだ。
「その……ま、まぐわって………」
「…………え?」
聞き間違いだろうか?今「まぐわって」とエストが言ったように聞こえた。
だがまぐわるとは、つまりは性行為の事。教育ではそれは男女間で行う行為だと聞いていたので、女性である二人がまぐわうなどオカシイではないか。
「ですから……まぐわってるんです……ミクちゃんとアイリちゃんは………こ、恋人同士ですから………」
一瞬で思考が停止するリズ。意味が分からない。同性同士でまぐわう?それはどういう事だろうか?それは本来、女性が子を宿す為の行為だ。なので女性同士でまぐわった所で子は出来ないし、そもそもどうやってするのか。
「えっと……こ、恋人同士だと……まぐわうの……?」
「ミ、ミクちゃんが言うには………好きな人とは毎日身体を重ねたい………と」
今度は強い衝撃を受ける。好きな人とは毎日身体を重ねたい。それはつまり自分に置き換えるとーーーーー
(え……?それって……わ、わたしとエストが………え?)
想像した瞬間、見る見る顔が真っ赤に染まってゆくリズ。まぐわう、身体を重ねる、言い方は違うが、おそらく同じ意味だろう事は理解出来る。
好きな人とは毎日身体を重ねたい。それが普通の感情であれば、自分とてエストと身体を重ねたいという事であり、今やそれが許される間柄だ。
先ほどエストに愛の告白をした自分。そんな自分に、好きだと、愛していると答えを返してくれたエスト。あの瞬間から、自分達は世間で言う所の『恋人同士』になった筈だ。だとすればーーーーー
「あの……実は話そうと思っていたのはこの事についてなんです………」
「…………え?」
「実はわたし………もう何度も……ミクちゃん達と………か、身体を……重ねています」
言われた事の意味がすぐには理解出来なかった。
「え………?ウソ………だって……こ、恋人同士でするものでは………」
そう言っていたではないか。好き同士だから、好きな人とだから毎日したいのだと。
「わたし……みんなの事が好きです。大好きです。初めての時は………流れに流されてミクちゃん、アイリちゃんと身体を重ねました」
呆然とするリズに、当時の事を説明する。カルズバール迷宮の奥深くで、夜中に偶然未来と愛莉がしている所を目撃した事。
二人の行為を盗み見ていた事が知られてしまい、そのままなし崩し的に行為に参加した事。もちろん知識など無かったので、一方的に二人にされた事。
その日から、性行為が好きになってしまった事。未来と愛莉、リーシャとサフィーに誘われるままに、何度も何度も行為をした事。
最終的には五人全員でした事。その全てを、一切包み隠さずにリズに説明する。説明している間も、隣からは相変わらず未来や愛莉の嬌声が聞こえて来ていた。
「あ……え………と」
思考が覚束ない。まさかエストが、あのエストがほとんど毎日誰かとまぐわっていたなどと、どうして想像する事が出来ただろうか。
ただ一つ言える事は、エストはとっくに自分を置き去りにして大人への階段を駆け上がっていたという事実。そしてリズには、どうしても分からない事があった。
「ど……どうして……毎日……?」
話の流れは分かった。自分から望んだのではなく、仕方なく経験した事は理解した。だがそれならば何故、次もその次も?皆の事が好きだから?だから毎日身体を重ねたのだろうか?
そもそも、エストの「好き」とはどの程度なのだろうか。皆に対する「好き」と、わたしに対する「好き」は大差無いのだろうか?所詮は皆と同じくらいわたしの事も好き、それぐらいの「好き」なのだろうかと、リズは悲しい気持ちになる。
「………気持ちいいんです……信じられないくらい……」
「…………え?」
「その……まぐわうのが……ミクちゃん達は『エッチ』って呼んでますけど……エッチするのが凄く気持ちいいんです」
「気持ち………いい?」
「………はい」
恥ずかしそうに俯くエスト。握った手に無意識にギュッと力が入る。
「それが……断れなかった理由です。毎日みんなとエッチする理由です」
「あ……えっと………」
「ある時アイリちゃんが言いました。恋人のミクちゃん以外、わたしやリーシャちゃん、サフィーちゃんとするのはパーティの仲間としてのスキンシップだって。でもそれは……きっとわたしがみんなとエッチする理由として、アイリちゃんが考えてくれた口実だと思います。アイリちゃんにはミクちゃんが居て、リーシャちゃんにはサフィーちゃんが居ます。でもわたしには……相手が居ませんから」
つまりエストは性行為、彼女達の言葉を借りるなら『エッチ』の虜になってしまった。だが本来、恋人同士でするその行為を恋人の居ないエストは出来ない。だから愛莉はエストの為に適当な理由を付けて、彼女達の輪の中にエストを入れてくれたのだと、そう理解したリズ。
「軽蔑……しましたよね……」
軽蔑はしていない。そもそも、エストが虜になったというエッチを、自分は経験していない。経験もしていないのだから、それがどの程度中毒性があるのか、現時点では分からない。分からないのだから軽蔑も出来ない。
「一つだけ……エストのわたしに対する好きは………みんなに対する好きと同じくらい……?」
我ながら嫌な質問だと思った。そして声が震えているのが自分でも分かった。
この答えがもし肯定だったら、きっと悲しくて胸が張り裂けてしまう。ようやく想いを伝え、相思相愛の仲になれたと思ったのは実は勘違いで、仲間としての好きだったとしたらーーーーー
「違います」
だから、エストの言葉が否定だったのを聞いて魂が震えた。
「今さら信じて貰えないかもしれませんけど………わたし、誰よりもリズちゃんの事がーーーーーー」
気付いた時にはエストの唇に自分の唇を再び押し当てていた。
何度も何度も、エストの柔らかい唇の感触を味わうように、先ほどよりも激しく唇を重ねた。
「んっ……んんっ……」
「………んっ……」
もう止まれなかった。だって、エストの答えには嘘偽りなど無いと分かるから。隠したり、はぐらかしたり、嘘を付いたりする事無く、エストは全てを語ってくれた。
そして今、全てを語った後でも誰よりも好きだと、そう告げようとしてくれた。それだけで充分だった。これ以上嬉しい事は無かった。
「はぁはぁ……エスト……」
「はい………」
もっと先に進みたい。ここから先は知識もほとんど無く、どんなに恥ずかしい事なのか想像も付かない。でもだからこそ、エストと先に進みたい。恥ずかしい思いは、恥ずかしい姿を見せるのはエストだけにしたい。経験者のエストになら、安心して全てを委ねられる。
「わたしと……エッチしてくれる……?」
初めて使ったその言葉は、やけにしっくりと胸に落ちた。まどろっこしい事は必要無い。まどろっこしい言葉も必要無い。エストに直接伝わるのであれば、これ以上無い言葉だった。
「…………はい。わたしも……リズちゃんとエッチしたいです………」
そう言って微笑んだエストは、リズが今まで見た中で一番大人っぽい表情をしていたーーーーー
※と言う訳で、次回からエストとリズのエッチ編です。今回の章はこの先、話の展開的にエッチシーンが多分無いので(閑話を除く)貴重な数話になるかと(笑)
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