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最終章
295.お見通し
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翌朝。未来と愛莉が自分達の世界に帰る、その当日の早朝。
「準備いい?」
「オッケー!」
「忘れ物無い?」
「無い!多分!」
昨夜あれほどの行為をしたのだが、何故か全員朝早くに目が覚めた。とは言え、すっきりとした目覚めとは到底言えず、身体中は痛いし思考もいまいち働かない。
そんな中、未来と愛莉の二人だけはいつもと同じように、いや、いつも以上に元気な素振りを見せた。
そんな二人を見たリーシャ達四人は内心で(タフだなぁ)と感嘆の声を上げたが、実は未来も愛莉も皆と同じように身体は気怠い。しかし皆には最後の瞬間まで元気な姿を見せていたいので、無理して強がっているのた。
そんな二人の服装はと言えば、初めてこの世界に来た時と同じ服装。未来はデニムのショートパンツに、半袖の黒いチュニック。
愛莉はスキニーデニムに、ベージュの半袖パーカーチュニックという格好。心なしかスキニーデニムが以前より大きい気がするのは、この世界に来て元々細かった身体が更に細くなったからだろう。
普段から運動していた未来とは違い、愛莉は生徒会に所属する文学系の少女だ。そんな少女がこの世界では半年もの間、仲間達と走り回ったり、ダンジョンを探索したりと、とにかく普段動かさなかった身体を動かしたのだから、痩せるのも無理は無かった。もちろん、本人にとっては嬉しい誤算だったのだが。
「それが二人の世界の服装なのね。すごく不思議なデザインだけど……すごく二人に似合ってる」
「本当……ミクちゃんもアイリちゃんも格好いい………」
リーシャとサフィーは一度見ているが、エストとリズは初めて見る。なので漏れ出た感想は二人の本音だ。
「あはは、ありがと!この世界の服も好きだけどね!」
「うん。可愛いデザイン多いよね」
今日の未来と愛莉は、服だけではなく肌着や下着から靴下に至るまで、元々着ていた衣類である。
と言うのも、この世界の物を元の世界に持って帰れる保証など何処にも無い。仮に持って帰れない場合、元の世界に帰り着いた瞬間に着ていた服が無くなり、真っ裸になるという事態も想像出来る。そういう事態を避ける為だ。
「それじゃ……行こっか」
「うん、そうだね」
半年間お世話になった部屋に別れを告げる。思えばこの部屋で毎日お互い愛し合い、時にはリーシャ、サフィー、エストも交えて行為に及んだ。そして昨夜はリズも含めた全員と。そんな思い出がたくさん詰まった部屋のドアを二人で一緒に閉め、そしてお辞儀をする。
それが終わると、さんざん昇り降りした宿屋の階段を最後に降りて、ホールに到着する。
「おや、随分と早いねぇ。朝ご飯は食べていかないのかい?」
ホールに降りると、まだ早朝なのに女将がホールの掃除をしていた。
「うん。女将さんの料理が恋しくなっちゃうから」
「あっははは!嬉しい事言ってくれるじゃないか」
本当に嬉しそうに笑う女将。そんな女将に、愛莉が少し大きな袋を手渡す。
「なんだいこれ?」
女将が袋を開くと、そこには大量の金貨や大金貨がギッシリと詰まっていた。日本円に直すと数億円はくだらない。全て、未来と愛莉が冒険者として稼いだ金である。
「お世話になった女将さんに宿代として貰って欲しいの」
「な、何言ってるんだい!?こんなもの凄い大金、受け取れる訳無いだろう!!?」
「いいのいいの。どうせあたし達の故郷に持ってっても使えないお金だし」
「だ、だったらリーシャ達にあげればいいじゃないのさ」
「うーん……それが駄目なのよ女将さん。ミクもアイリも昨日冒険者登録を抹消したから、わたし達冒険者は冒険者規約によって、仕事の報酬以外での一般人からのお金の受け渡しは禁止されているのよ」
リーシャに詳しく説明されるが、だからといってこんな大金など受け取れる訳が無い。愛莉は宿代と言ったが、宿代ならちゃんと毎月銀貨一枚を貰っている。
もちろん、これで納得しない事など愛莉には分かっていた事だ。なので女将に提案を持ち掛ける。
「それなら女将さん、わたしと未来が使ってた部屋、このお金で買い取りたいんだけど」
「か、買い取り……?」
「うん。いつかわたし達がこの街に戻って来た時の為に、あの部屋にいつでも泊まれるように買い取りたい。わたしも未来もあの部屋が大好きだから」
もちろんこれはただの口実だ。もうこの世界に帰って来る事は無いのは、自分達が一番良く分かっている。
だが女将は二人が異世界から来た事など知らない。であれば、いつかまた二人がこの街に現れたって不思議ではないと思っている。
とは言え、流石に額が額だ。こんな大金があれば、あんな部屋などではなく、こんな古ぼけた小さな宿屋など何十軒と建てる事が出来る。
「………分かった!じゃあこのお金であの部屋をあんた達に売った!」
しかし女将は了承する。おそらく頭の良い愛莉の事だ、ここで断っても次から次へと提案とやらを持ち掛けて来るに違いない。ならば、二人の願いを叶えてあげた方がいい。
もちろんこの金を自分の為に使う気など毛頭無い。買い取りと言うなら、毎月この袋から家賃分の銀貨一枚だけを貰うまでだ。それでも相当余るだろうが、その時は寄付でもなんでもすればいい。
「ありがとう女将さん!ところで、アメリはどうしてるかな?」
「アメリ?こんな時間だからねぇ、まだ寝てるんじゃないかねぇ」
顔を見合わせる未来と愛莉。最後にアメリと話をして、何とか元気になって貰いたかったのだが、寝ているなら仕方が無い。
「じゃあ……行くね。お世話になりました!」
「お世話になりました!」
そう言って深々と頭を下げる未来と愛莉。そんな二人に向かって女将は、
「あいよ!またいつでも帰っておいで!!」
と言って、元気に送り出してくれたのだった。
■■■
まだ早朝という事もあってか、街の大通りは閑散としていた。更に言えば、クローバーを初めとする死霊王討伐隊が、死霊王を倒したという情報がまだ、昨日の今日なので街に広がっていないのも原因だろう。だがその噂が広まれば、この街は再び活気に満ちた街へと立ち返るだろう。
「いやー、静かだねー」
そんな閑散とした大通りを、街中を見回しながらゆっくりと歩くクローバーの六人。イリアーナを初め、ファナやセセラには、出発は昼ぐらいと伝えていた未来。
だが、あまり湿っぽい別れは得意では無いし、会えば別れがより一層寂しくなると思い、こうして早朝に出発する事を最初から愛莉と決めていた。
「でも悪い事をしちゃったね。イリアーナさんなんて仕事休んでまで見送りに来るって行ってくれたのに」
「まったくよ……後であたし達が怒られそうだわ。何で引き止めなかったんだって」
「あはは……その時は宜しくねサフィー」
そんなサフィーの心配だが、それが杞憂に終わった事を悟ったのは、街の門に到着した時だ。
門の前にはイリアーナ、ファナ、セセラの他に、アメリ、オルガノフ、鑑定士のカタール、さらには領主であるアルディオまでクローバーを待ち構えていた。
「どうやら気づかれてたみたいだね」
「うん……みんな勘が鋭すぎ」
皆の待つ門の前に到着すると、皆が未来と愛莉を取り囲む。
「やっぱり!お二人の考えなんてお見通しですからね!」
「あっはは!ナイスイリアーナ!あたしは完全にお昼頃って信じてたよ」
「わたしも……アメリに叩き起こされて良かった」
「酷いですよ!黙って居なくなろうとするなんて!」
そう言いながら、瞳に涙を溜めて未来と愛莉に抱きつくアメリ。そしてセセラ。
「あはは、ごめんごめん。ってかアメリ昨日元気無かったし」
「それは……突然過ぎたから。でも一晩考えて仕方ないんだって納得しました。それならせめてきちんとお別れを言いたくて」
今回の未来と愛莉の嘘に気づいたたのは、イリアーナとアメリ、そしてオルガノフ。
「まあ、同じ冒険者だからな。何となくお前らの考えてた事は分かった」
「っとに水臭えなオイ、さんざん鑑定でいい値段付けてやっただろうが」
「その節はお世話になりましたカタールさん」
「はは、と言うか、私は昨日挨拶にすら来て貰えなかったけどね」
冗談交じりにそう言うのは、この街の領主アルディオ。いや、意外と目が笑っていないので、冗談では無いのかもしれない。
「いやー、アルディオさんは帝都往復の長旅で疲れてるかなーって」
「君たちほどじゃないさ。ギルドマスターに全部聞いたよ、すごい活躍じゃないか」
それは現在帝国中を恐怖のどん底に叩き落している死霊王の事。しかしその張本人は既に目の前の少女達に倒されて、もうこの世には居ない。
「これでまた街に活気が戻るよ。本当に君たちにはお世話になりっぱなしで心苦しい」
「まあまあ領主様!クローバーのみんなだって領主様の作った大衆浴場を毎日利用してるんですから、持ちつ持たれつですよ!」
「ちょ、ちょっとファナ!領主様に向かってそんな口を……」
「おっと、それは本当なのかい?」
「ホントホント!初日からお風呂入れてチョー助かったよね愛莉!」
「うん。それは本当で、大衆浴場には毎日お世話になりました」
それは良かったと嬉しそうに喜ぶアルディオ。彼にしてみても、こうして有り難く利用してくれる者が居て、作った甲斐があったという事だ。
「えっと、それじゃあそろそろ行くね。皆さん、お世話になりました!」
「お世話になりました!」
再び深々と頭を下げる未来と愛莉。そんな二人に泣きながらお別れを言うセセラとアメリ、あとイリアーナ。
オルガノフ、カタール、アルディオも大人らしい挨拶で別れを告げる。ファナはいつものファナらしく最後まで明るかった。
こうして、この世界に来て初めて訪れた街ファルディナを後にする未来と愛莉。たくさんの思い出が詰まった街を背に、二人を先頭に歩き出す。
目指すは始まりの地ーーーーーー
ーーーグローグの森。
「準備いい?」
「オッケー!」
「忘れ物無い?」
「無い!多分!」
昨夜あれほどの行為をしたのだが、何故か全員朝早くに目が覚めた。とは言え、すっきりとした目覚めとは到底言えず、身体中は痛いし思考もいまいち働かない。
そんな中、未来と愛莉の二人だけはいつもと同じように、いや、いつも以上に元気な素振りを見せた。
そんな二人を見たリーシャ達四人は内心で(タフだなぁ)と感嘆の声を上げたが、実は未来も愛莉も皆と同じように身体は気怠い。しかし皆には最後の瞬間まで元気な姿を見せていたいので、無理して強がっているのた。
そんな二人の服装はと言えば、初めてこの世界に来た時と同じ服装。未来はデニムのショートパンツに、半袖の黒いチュニック。
愛莉はスキニーデニムに、ベージュの半袖パーカーチュニックという格好。心なしかスキニーデニムが以前より大きい気がするのは、この世界に来て元々細かった身体が更に細くなったからだろう。
普段から運動していた未来とは違い、愛莉は生徒会に所属する文学系の少女だ。そんな少女がこの世界では半年もの間、仲間達と走り回ったり、ダンジョンを探索したりと、とにかく普段動かさなかった身体を動かしたのだから、痩せるのも無理は無かった。もちろん、本人にとっては嬉しい誤算だったのだが。
「それが二人の世界の服装なのね。すごく不思議なデザインだけど……すごく二人に似合ってる」
「本当……ミクちゃんもアイリちゃんも格好いい………」
リーシャとサフィーは一度見ているが、エストとリズは初めて見る。なので漏れ出た感想は二人の本音だ。
「あはは、ありがと!この世界の服も好きだけどね!」
「うん。可愛いデザイン多いよね」
今日の未来と愛莉は、服だけではなく肌着や下着から靴下に至るまで、元々着ていた衣類である。
と言うのも、この世界の物を元の世界に持って帰れる保証など何処にも無い。仮に持って帰れない場合、元の世界に帰り着いた瞬間に着ていた服が無くなり、真っ裸になるという事態も想像出来る。そういう事態を避ける為だ。
「それじゃ……行こっか」
「うん、そうだね」
半年間お世話になった部屋に別れを告げる。思えばこの部屋で毎日お互い愛し合い、時にはリーシャ、サフィー、エストも交えて行為に及んだ。そして昨夜はリズも含めた全員と。そんな思い出がたくさん詰まった部屋のドアを二人で一緒に閉め、そしてお辞儀をする。
それが終わると、さんざん昇り降りした宿屋の階段を最後に降りて、ホールに到着する。
「おや、随分と早いねぇ。朝ご飯は食べていかないのかい?」
ホールに降りると、まだ早朝なのに女将がホールの掃除をしていた。
「うん。女将さんの料理が恋しくなっちゃうから」
「あっははは!嬉しい事言ってくれるじゃないか」
本当に嬉しそうに笑う女将。そんな女将に、愛莉が少し大きな袋を手渡す。
「なんだいこれ?」
女将が袋を開くと、そこには大量の金貨や大金貨がギッシリと詰まっていた。日本円に直すと数億円はくだらない。全て、未来と愛莉が冒険者として稼いだ金である。
「お世話になった女将さんに宿代として貰って欲しいの」
「な、何言ってるんだい!?こんなもの凄い大金、受け取れる訳無いだろう!!?」
「いいのいいの。どうせあたし達の故郷に持ってっても使えないお金だし」
「だ、だったらリーシャ達にあげればいいじゃないのさ」
「うーん……それが駄目なのよ女将さん。ミクもアイリも昨日冒険者登録を抹消したから、わたし達冒険者は冒険者規約によって、仕事の報酬以外での一般人からのお金の受け渡しは禁止されているのよ」
リーシャに詳しく説明されるが、だからといってこんな大金など受け取れる訳が無い。愛莉は宿代と言ったが、宿代ならちゃんと毎月銀貨一枚を貰っている。
もちろん、これで納得しない事など愛莉には分かっていた事だ。なので女将に提案を持ち掛ける。
「それなら女将さん、わたしと未来が使ってた部屋、このお金で買い取りたいんだけど」
「か、買い取り……?」
「うん。いつかわたし達がこの街に戻って来た時の為に、あの部屋にいつでも泊まれるように買い取りたい。わたしも未来もあの部屋が大好きだから」
もちろんこれはただの口実だ。もうこの世界に帰って来る事は無いのは、自分達が一番良く分かっている。
だが女将は二人が異世界から来た事など知らない。であれば、いつかまた二人がこの街に現れたって不思議ではないと思っている。
とは言え、流石に額が額だ。こんな大金があれば、あんな部屋などではなく、こんな古ぼけた小さな宿屋など何十軒と建てる事が出来る。
「………分かった!じゃあこのお金であの部屋をあんた達に売った!」
しかし女将は了承する。おそらく頭の良い愛莉の事だ、ここで断っても次から次へと提案とやらを持ち掛けて来るに違いない。ならば、二人の願いを叶えてあげた方がいい。
もちろんこの金を自分の為に使う気など毛頭無い。買い取りと言うなら、毎月この袋から家賃分の銀貨一枚だけを貰うまでだ。それでも相当余るだろうが、その時は寄付でもなんでもすればいい。
「ありがとう女将さん!ところで、アメリはどうしてるかな?」
「アメリ?こんな時間だからねぇ、まだ寝てるんじゃないかねぇ」
顔を見合わせる未来と愛莉。最後にアメリと話をして、何とか元気になって貰いたかったのだが、寝ているなら仕方が無い。
「じゃあ……行くね。お世話になりました!」
「お世話になりました!」
そう言って深々と頭を下げる未来と愛莉。そんな二人に向かって女将は、
「あいよ!またいつでも帰っておいで!!」
と言って、元気に送り出してくれたのだった。
■■■
まだ早朝という事もあってか、街の大通りは閑散としていた。更に言えば、クローバーを初めとする死霊王討伐隊が、死霊王を倒したという情報がまだ、昨日の今日なので街に広がっていないのも原因だろう。だがその噂が広まれば、この街は再び活気に満ちた街へと立ち返るだろう。
「いやー、静かだねー」
そんな閑散とした大通りを、街中を見回しながらゆっくりと歩くクローバーの六人。イリアーナを初め、ファナやセセラには、出発は昼ぐらいと伝えていた未来。
だが、あまり湿っぽい別れは得意では無いし、会えば別れがより一層寂しくなると思い、こうして早朝に出発する事を最初から愛莉と決めていた。
「でも悪い事をしちゃったね。イリアーナさんなんて仕事休んでまで見送りに来るって行ってくれたのに」
「まったくよ……後であたし達が怒られそうだわ。何で引き止めなかったんだって」
「あはは……その時は宜しくねサフィー」
そんなサフィーの心配だが、それが杞憂に終わった事を悟ったのは、街の門に到着した時だ。
門の前にはイリアーナ、ファナ、セセラの他に、アメリ、オルガノフ、鑑定士のカタール、さらには領主であるアルディオまでクローバーを待ち構えていた。
「どうやら気づかれてたみたいだね」
「うん……みんな勘が鋭すぎ」
皆の待つ門の前に到着すると、皆が未来と愛莉を取り囲む。
「やっぱり!お二人の考えなんてお見通しですからね!」
「あっはは!ナイスイリアーナ!あたしは完全にお昼頃って信じてたよ」
「わたしも……アメリに叩き起こされて良かった」
「酷いですよ!黙って居なくなろうとするなんて!」
そう言いながら、瞳に涙を溜めて未来と愛莉に抱きつくアメリ。そしてセセラ。
「あはは、ごめんごめん。ってかアメリ昨日元気無かったし」
「それは……突然過ぎたから。でも一晩考えて仕方ないんだって納得しました。それならせめてきちんとお別れを言いたくて」
今回の未来と愛莉の嘘に気づいたたのは、イリアーナとアメリ、そしてオルガノフ。
「まあ、同じ冒険者だからな。何となくお前らの考えてた事は分かった」
「っとに水臭えなオイ、さんざん鑑定でいい値段付けてやっただろうが」
「その節はお世話になりましたカタールさん」
「はは、と言うか、私は昨日挨拶にすら来て貰えなかったけどね」
冗談交じりにそう言うのは、この街の領主アルディオ。いや、意外と目が笑っていないので、冗談では無いのかもしれない。
「いやー、アルディオさんは帝都往復の長旅で疲れてるかなーって」
「君たちほどじゃないさ。ギルドマスターに全部聞いたよ、すごい活躍じゃないか」
それは現在帝国中を恐怖のどん底に叩き落している死霊王の事。しかしその張本人は既に目の前の少女達に倒されて、もうこの世には居ない。
「これでまた街に活気が戻るよ。本当に君たちにはお世話になりっぱなしで心苦しい」
「まあまあ領主様!クローバーのみんなだって領主様の作った大衆浴場を毎日利用してるんですから、持ちつ持たれつですよ!」
「ちょ、ちょっとファナ!領主様に向かってそんな口を……」
「おっと、それは本当なのかい?」
「ホントホント!初日からお風呂入れてチョー助かったよね愛莉!」
「うん。それは本当で、大衆浴場には毎日お世話になりました」
それは良かったと嬉しそうに喜ぶアルディオ。彼にしてみても、こうして有り難く利用してくれる者が居て、作った甲斐があったという事だ。
「えっと、それじゃあそろそろ行くね。皆さん、お世話になりました!」
「お世話になりました!」
再び深々と頭を下げる未来と愛莉。そんな二人に泣きながらお別れを言うセセラとアメリ、あとイリアーナ。
オルガノフ、カタール、アルディオも大人らしい挨拶で別れを告げる。ファナはいつものファナらしく最後まで明るかった。
こうして、この世界に来て初めて訪れた街ファルディナを後にする未来と愛莉。たくさんの思い出が詰まった街を背に、二人を先頭に歩き出す。
目指すは始まりの地ーーーーーー
ーーーグローグの森。
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