献身の巫女 1~東の巫女編~

綾瀬 猫

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9.東の巫女 9※

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 ミリリアの細くて華奢な身体、その胸部を覆う純白のブラジャーがエトワールの手によって下ろされた瞬間、プルンッと弾力のある揺れと同時に露わになった、ミリリアの双丘。


(いや……いやぁ……ッ!!)


 エトワールによって持ち上げられた腕で、そのまま自分の目元を覆うように隠すミリリア。とてもでは無いが、今の自分の状態を直視など出来ないし、エトワールに顔だって見られたくない。およそ17年間生きて来た中で、今ほどの羞恥心に襲われた事など皆無だった。


「凄く……綺麗だよミリリア………」


 エトワールはと言えば、それは心の底から出た本心。今まで数多くの貴族令嬢、時には屋敷に従事するメイドを抱いて来たが、ミリリアほどに容姿端麗で、こんなにも身体の綺麗な女性になど出会った事が無い。
 白磁のような白い肌、細く長い手足、全体的に華奢ながらも、柔らかそうな双丘は決して小さ過ぎず、大き過ぎず、まだ触れてすらいないが、きっと今まで味わった事の無い甘美な感触なのだろう事が容易に想像出来る。

 ちらりとミリリアの方を見ると、その細い腕で目元を隠し、小さく震えている。その光景を見るだけで余程の恥ずかしさなのだろう事がうかがい知れるが、エトワール自身も今まで感じた事の無い興奮が全身に去来していた。
 
 『英雄』だから、『巫女』に対して興奮するのは当たり前。むしろ興奮してくれなければ性行為にまで至らない訳で、それは神にとっても不都合。
 

(文献で読んではいたが………これは……そういう事では無いな……)

  
 文献によれば『英雄』と『巫女』は神の意志によって惹かれ合う。そうでなければスムーズに性行為へと至れないし、自身の身を儚んで『巫女』に身投げなどされては堪らないからだ。
 だが、エトワールは思う。一目見た時から、目の前の少女ミリリアから目が離せなかった。
 今まで出会ったどんなに着飾った貴族令嬢よりも、とても純粋で、圧倒的に美しい少女。あまり視線を合わせてくれないのは、緊張からなのか、はたまた既に想い人が居るからなのか。


「…………」


 エトワール自身、初心なミリリアを抱く事には罪悪感がある。だが、その罪悪感に屈服してしまっては、この世界そのものが【大魔】によって滅ぼされてしまう。この世界を救う術が、自分とミリリアでしかないのであれば、どんなに気の毒でも、申し訳無くても、ミリリアとの性行為で自分の中に眠る『英雄』の力を解き放たなくてはならない。


 大陸東地区の総領主の次期当主としてーーーーー

 
 ーーそして『英雄』である身として、ミリリアという少女に対して、心を強く持たなければならない。
 たとえ彼女に嫌われようとも、蔑まされようとも、憎まれようとも、自分の使命は【大魔】を滅ぼす事なのだから。

 吸い寄せられるように、ミリリアの柔らかそうな双丘へと顔を近づけるエトワール。白くて柔らかな膨らみの頂点には、今まで見た事も無いほどの、まるで宝石を思わせるような綺麗な薄桃色の蕾。
 今まで見てきたその突起は、薄暗い赤色だったり、茶色だったり、黒かった女性も数多く居た。
 もちろん、それはそれで煽情的で、男性の興奮を高めるには十分だったのだが、ミリリアの薄桃色の蕾を見た瞬間、エトワールは今まで経験した事の無いほどの興奮を覚えた。


「本当に……綺麗だよミリリア」


 両手でミリリアの柔らかな双丘に手を掛けながら、エトワールの唇が薄桃色の蕾を口に含む。


「はっ……ふっ……うぅ………」


 思わず少しだけ甘い吐息が漏れ出すミリリア。だが、空いている方の手を口元に当てて、漏れ出す声を必死に押さえる。

 そんなミリリアの努力とは裏腹に、エトワールの愛撫は止まらない。口に含んだ薄桃色の蕾を舌でコロコロと刺激したり、優しく吸ったりを繰り返す。


「ふっ……うっ………んっ……はぁ………ッ」


 目元口元を両手で覆いながらも、乳首へと齎される快感で全身がピクピクと波打つ美少女。


(はぁ……はぁ………何………これ………)


 嫌なのに、恥ずかしいのに、今すぐ止めて欲しいのにーーーーー


 ーー経験した事の無い快感が、乳首から全身へと波及してゆく。
 今まで自分で弄った事も無いし、慰めた事も無い。そんな知識も無かったし、そもそも性欲という欲求不満すら、今まで意識した事すら無かった。それはロアとキスをした後も、偶然にも他人カップルが町外れの人目につかない場所でをしている場面を目撃した時ですら、そんな欲求には一切駆られなかった。

 なのに今、17年の人生を生きて来た中で、生まれて初めて『快感』という、麻薬のような危険な感覚を認識してしまった。感じてしまった。
 

「あっ……や………やめ………」


 本来なら全力で否定しないといけない。だって相手は幼馴染で恋人のロアでは無く、今日初めて会った、名前しか知らなかった総領主の長男エトワール。
 こんな事、とても有り得ない事で、ロアを思えば例え無理だと分かっていても、全身全霊で比定しなくてはならないのだ。


「はぁ…はぁ……あっ……や……ぁ………」


 なのに、初めて愛撫される乳首が信じられないほどの快感をミリリアへともたらす。恥ずかしいのに、見られたくないのに、舐めるなど以ての外なのにーーーーー快感は正直にミリリアを気持ち良くしてゆく。


「はぁ……はぁ、硬くなって来たね……気持ちいいのかい……?」
「ふっ……うぅ………そんな事………」


 目元を腕で隠し、口元を手を押さえながらも、乳首から生まれる快感は確実にミリリアの全身を甘く溶かしてゆく。
 今まで感じた事の無い”快感”という感覚に、思わず戸惑ってしまうミリリア。だが、それは当然だった。何せ、今まで”快感”という感覚を認識した事など一度も無いのだ。初めて遭遇した事象に対して、戸惑わない者などほぼ皆無に等しい。いくらミリリアが『巫女』とはいえ、感覚は普通の17歳の少女のそれでしか無いのだから、戸惑うのは当然だった。


「ひ……や…ぁ………」


 エトワールに乳首を舐められるたびに、吸われるたびに、ミリリアの身体に快感が駆け巡る。もの凄く恥ずかしいのに、消えてしまいたいぐらい恥ずかしいのに、とても嫌なのに、ロアに申し訳気持ちでいっぱいなのにーーーーー


「や…め……あっ……ひっ……あ………ッ……」


 生まれて初めて齎された快感が、ミリリアの思考を曇らせてゆく。


(はぁ…はぁ……何で………何これ……おかしいよ…、こんなの……)


 気持ち良くなんてなりたくないのに、快感なんて今まで経験した事ないのに、こんな行為は、ロアとしたいーーーー相手はロア以外有り得ないのにーーーーー


「ふぅふぅ……はっ……あ、やっ………」


 エトワールに舐められている乳首が気持ち良くて、気持ち良くなんてなってはイケナイのにーーーーーなのに、どうしようもなく気持ち良くてーーーーー


「も……やっ…め………あ……はっ……」


 閉じた目の奥がチカチカと、見えない筈の光が瞬く。身体はピクピクと小刻みに震えて、全身が熱を帯びてゆく。
 エトワールの手の感触、温もりを乳房全体で感じながら、硬く屹立した一番敏感乳首には、熱くヌルヌルとしたエトワールの舌の感触が、乳首の内側にまで溶け込むように快感をもたらし、その快感が自分の身体を支配し始める。

 17年生きて来て、生まれて初めて体験する性的な”快感”は、予備知識すらない初心な少女をあっという間に飲み込んでゆく。そしてーーーーーー


「ひっ………いや……ぁ……だ、だめ!だめ……です……ッ……もうやめ………ああっ……!」
「ん……ちゅ……ちゅぷ………はぁ……はぁ……ミリリアの綺麗な乳首がカチカチに硬くなっているよ」


 腕で目元を隠しながら、ぶんぶんと首を振るミリリア。そんな言葉、聞きたくない。例えそうだとしても、そんな事実を今日初めて会った見ず知らずの男性から聞かされたくない。


 だって、本当ならロアからーーーーー


「はぁ……あぁ……!やめ……やっ……もう……わ、わたし……んっ………んんんっ!!んんーーーッあぁ!!」


 そしてビクビクと痙攣するミリリアの白くて細い肢体。生まれて初めて迎えた絶頂は、大好きな幼馴染からもたらされたのではなくーーーーーー


(こんな……の……や……やぁぁーーーーッ!!!)


 今日初めて会った東の『英雄』エトワールによって、激しくもたらされたのだった。




 
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