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魔女の切り札
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新しい長に指名されたSは、未だ深い眠りの中にあった。そのSの寝かされている花舞台は、広場のどこからでも見える位置に組まれていた。そして、その高舞台はKが囚われている磔台を最も良く見下ろせる位置でもある。
「さて、新しい長の即位の儀式の前に、悪しき魔女Kの処刑を行うことにしよう」
ニロニロの長老の言葉に森の民から地鳴りのような歓声が沸き上がった。これが自分のやってきたことへの報いなのだ。殺されて当然の身であることは分かっていても、同じ道を妹に、Sに辿らせてはならない。何かチャンスはないか?Kは必死に反撃の端緒を探していた。その時導師がニロニロの長老に耳打ちをしているのが目に入った。口元がハッキリ見える。わざと見せているのだろう。その意図を伝える視線。『Kは処女だ』導師の言葉に、長老は驚きの表情を浮かべ、次の瞬間に厭らしい男の顔になる。
あの日と同じ。あの見張り番の男と同じ顔だ。Kはチャンスだと感じた。これも導師の仕組んだ罠、いやこの長交代のドラマを盛り上げる為の演出なのだろう。それでも、このまま火炙りにされて殺されるよりも、1%でも妹を助ける可能性が上がるならそれで良い。たとえあの不気味な巨大ニロニロに犯されることになったとしても。
案の定、長老の指示でKは磔台から降ろされた。死装束に着替えさせるというアナウンスに「そこで着替えさせろよ」「極悪人に情けは無用だ」「おっぱいみせろ」「バッチコー」森の民たちの罵声が上がる。導師が不快な顔で、黙らせろと指示を出す。笛や打楽器の音が消える。
「静粛に。静粛にしなさい。Kなき後、お前たちの自由を侵害する者はいない。だが、新しい長、そしてその生みの親である導師様に対する無礼は我らが許さぬ。よいな」
長老の言葉に、森のヤンキーを気取ったキツネが反抗を示した。
「なんだなんだ、いきなり為政者気取りかよ。ふざけんなよ、俺たちは今日から自由だーー」
同調する者たちが「オー」と雄叫びを上げた瞬間、両手を突き上げたキツネの首が宙を舞った。噴き上げた血が、周りを囲んでいたヤンキー仲間のリスやイタチまで真っ赤に染める。しかし、再び鼓笛隊の音が響き始め、ニロニロの大群があっという間に死んだイタチを片付けてしまうと、今そこで何が起こったのかさえ分からなくなった。
控室に連れて行かれたKは、再び巨大化した10体のニロニロに取り囲まれていた。こいつらには物理的な攻撃は通用しない。しかも今のKは満足に魔術を使える状態になかった。どうする?このままじゃだめだ。何か突破口はないか……。
「Kよ。お前は処女だと聞いた。もしそれが本当ならば、処女のまま殺してしまうのはあまりに不憫だと思ってな。せめてものレクイエムだ。我らの手で姦通させてからあの世に送ってやろう」
一か八か。
「本当だ。私は男を知らない。お前たちが教えてくれるというならば、喜んで身を捧げよう。だが、私は本当に初めてなんだ。お願いだ。乱暴しないでくれないか」
Kは高飛車な態度のままニロニロたちに懇願した。ニロニロは元来が優しい動物である。導師の術で巨大化して隠されていた粗暴な面が表出しているものの、本質は変わらない。急に猫撫で声を出されるよりも、あの長Kが懇願している様子にリアルな興奮を覚えるに違いない。Kはそう踏んだ。
「約束する。私は抵抗したりしない。だから、ほら」
Kは自ら胸の膨らみに纏っていた布を外して投げ捨てた。腕で隠した胸を、焦らすようにゆっくりとニロニロの前に晒していく。Kの釣鐘型のバストがニロニロたちの視界に露わになった。「うおおおっ」感嘆のため息の交じった低い声が響く。狂乱の魔女のストリップは、巨大化したニロニロたちの身体を更に硬直させ、ひと回り巨大化させていた。
「そんな大きいの。お願いだ。初めてなんだ。だから、お前たち、優しくしてくれ」
くだらない言葉だ。だが、今はこれが私の唯一の武器。女という切り札だ。Kは腰に纏った黒い布に手を掛けて、腰骨が見えるところまで引き下げる。ニロニロたちの熱を帯びた視線がその一点に集中した。
相手は10体。一撃で潰すには多すぎる。全員の20個の目を一点に集中させる方法は、今はこれしか思いつかなかった。
Kは腰布の両サイドの結び目を解くと、ゆっくりと足を広げた。Kはとびきりに美しい女だった。それは巨大化によって性欲も増大化されたニロニロにとってとびきりのご馳走だった。
十分に惹きつけ、そしてこれ以上待たせるのは危険なギリギリのところで、
「いくよ。しっかり見てて」
Kは股間に掛かった最後の一枚の布を取り去った。
興奮で最大限に膨張したニロニロたちがグッと身を乗り出し、Kの秘部を認識したと思った瞬間。
ブシャャーー
という音と共に、20本の矢に具象化された礫が、Kの股間から発射された。
「ぐうおああああ」
見事なまでに矢を目に突き刺されたニロニロたちの無様な叫び声は、鼓笛隊の賑やかな音にかき消された。巨大化ニロニロ10体がこの世で最後に見た景色は、天国だったのかそれとも地獄だったのか分からない。次の瞬間には、Kはもうその曼陀羅から姿を消していた。
(続く)
「さて、新しい長の即位の儀式の前に、悪しき魔女Kの処刑を行うことにしよう」
ニロニロの長老の言葉に森の民から地鳴りのような歓声が沸き上がった。これが自分のやってきたことへの報いなのだ。殺されて当然の身であることは分かっていても、同じ道を妹に、Sに辿らせてはならない。何かチャンスはないか?Kは必死に反撃の端緒を探していた。その時導師がニロニロの長老に耳打ちをしているのが目に入った。口元がハッキリ見える。わざと見せているのだろう。その意図を伝える視線。『Kは処女だ』導師の言葉に、長老は驚きの表情を浮かべ、次の瞬間に厭らしい男の顔になる。
あの日と同じ。あの見張り番の男と同じ顔だ。Kはチャンスだと感じた。これも導師の仕組んだ罠、いやこの長交代のドラマを盛り上げる為の演出なのだろう。それでも、このまま火炙りにされて殺されるよりも、1%でも妹を助ける可能性が上がるならそれで良い。たとえあの不気味な巨大ニロニロに犯されることになったとしても。
案の定、長老の指示でKは磔台から降ろされた。死装束に着替えさせるというアナウンスに「そこで着替えさせろよ」「極悪人に情けは無用だ」「おっぱいみせろ」「バッチコー」森の民たちの罵声が上がる。導師が不快な顔で、黙らせろと指示を出す。笛や打楽器の音が消える。
「静粛に。静粛にしなさい。Kなき後、お前たちの自由を侵害する者はいない。だが、新しい長、そしてその生みの親である導師様に対する無礼は我らが許さぬ。よいな」
長老の言葉に、森のヤンキーを気取ったキツネが反抗を示した。
「なんだなんだ、いきなり為政者気取りかよ。ふざけんなよ、俺たちは今日から自由だーー」
同調する者たちが「オー」と雄叫びを上げた瞬間、両手を突き上げたキツネの首が宙を舞った。噴き上げた血が、周りを囲んでいたヤンキー仲間のリスやイタチまで真っ赤に染める。しかし、再び鼓笛隊の音が響き始め、ニロニロの大群があっという間に死んだイタチを片付けてしまうと、今そこで何が起こったのかさえ分からなくなった。
控室に連れて行かれたKは、再び巨大化した10体のニロニロに取り囲まれていた。こいつらには物理的な攻撃は通用しない。しかも今のKは満足に魔術を使える状態になかった。どうする?このままじゃだめだ。何か突破口はないか……。
「Kよ。お前は処女だと聞いた。もしそれが本当ならば、処女のまま殺してしまうのはあまりに不憫だと思ってな。せめてものレクイエムだ。我らの手で姦通させてからあの世に送ってやろう」
一か八か。
「本当だ。私は男を知らない。お前たちが教えてくれるというならば、喜んで身を捧げよう。だが、私は本当に初めてなんだ。お願いだ。乱暴しないでくれないか」
Kは高飛車な態度のままニロニロたちに懇願した。ニロニロは元来が優しい動物である。導師の術で巨大化して隠されていた粗暴な面が表出しているものの、本質は変わらない。急に猫撫で声を出されるよりも、あの長Kが懇願している様子にリアルな興奮を覚えるに違いない。Kはそう踏んだ。
「約束する。私は抵抗したりしない。だから、ほら」
Kは自ら胸の膨らみに纏っていた布を外して投げ捨てた。腕で隠した胸を、焦らすようにゆっくりとニロニロの前に晒していく。Kの釣鐘型のバストがニロニロたちの視界に露わになった。「うおおおっ」感嘆のため息の交じった低い声が響く。狂乱の魔女のストリップは、巨大化したニロニロたちの身体を更に硬直させ、ひと回り巨大化させていた。
「そんな大きいの。お願いだ。初めてなんだ。だから、お前たち、優しくしてくれ」
くだらない言葉だ。だが、今はこれが私の唯一の武器。女という切り札だ。Kは腰に纏った黒い布に手を掛けて、腰骨が見えるところまで引き下げる。ニロニロたちの熱を帯びた視線がその一点に集中した。
相手は10体。一撃で潰すには多すぎる。全員の20個の目を一点に集中させる方法は、今はこれしか思いつかなかった。
Kは腰布の両サイドの結び目を解くと、ゆっくりと足を広げた。Kはとびきりに美しい女だった。それは巨大化によって性欲も増大化されたニロニロにとってとびきりのご馳走だった。
十分に惹きつけ、そしてこれ以上待たせるのは危険なギリギリのところで、
「いくよ。しっかり見てて」
Kは股間に掛かった最後の一枚の布を取り去った。
興奮で最大限に膨張したニロニロたちがグッと身を乗り出し、Kの秘部を認識したと思った瞬間。
ブシャャーー
という音と共に、20本の矢に具象化された礫が、Kの股間から発射された。
「ぐうおああああ」
見事なまでに矢を目に突き刺されたニロニロたちの無様な叫び声は、鼓笛隊の賑やかな音にかき消された。巨大化ニロニロ10体がこの世で最後に見た景色は、天国だったのかそれとも地獄だったのか分からない。次の瞬間には、Kはもうその曼陀羅から姿を消していた。
(続く)
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