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参ノ怪:砂に埋もれる
37 星霜の光が眩しくて
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砂の中に閉じて込められたユウ。
だけど必死に堪えていた。
「ううっ、なんとか、なってるの?」
ユウは訳が分からない。
だけど星の形をしたバリアが、砂からユウを守る。
おかげで砂による攻撃を受け止めることが出来、ユウは無事でいられた。
「でも、いつまでもは持たない?」
このバリアも、いつまでも持つ訳ではない。
ユウもそれだけは分かるから、急いで対処しようした。
この状況、セナの助けも借りられない。
まさかの、ユウ一人で相手をすることになるとは思わなかった。
「コウタロウ君、みんなを返して」
「ダメダメダメダメ、ダレモ、ダレモカエサナイ」
コウタロウ君の姿をした怪異、砂男は退かない。
誰も返す気はないようで、砂が手の形になって襲い掛かる。
「うわぁ!?」
伸びた腕が分厚い。
ユウの首を掴むと、息が出来なくなる。
このままだと死んでしまう。ユウは目から涙が出た。
「うっ、ぷぁッ、く、苦しぃ……」
ユウは息が出来ない。
本当に死んでしまうかもしれない。
そうさせているのは、砂で出来た手。
分厚い腕を伸ばして、ユウの首を締め上げる。
視界が徐々に歪んでしまう。
このままだと、バリアも消えてしまう。
バチンバチンと叩いて反撃するけど、全然効かない。
「く、ッあ!」
ユウは何とか杖を振った。
パンと音を立てると、眩い光が迸る。
「コノヒカリ、キライ!」
砂男は少しだけたじろぐ。
怯んで動かなくなると、ユウはなんとか手から抜け出す。
「はぁはぁはぁはぁ」
もう汗でダラダラだ。
周りや砂の波に囲まれていて、逃げることなんて出来ない。
砂男と対面すると、ユウは言葉を掛ける。
「コウタロウ君!」
ユウは未だにコウタロウ君として接する。
でもその瞳には光が無い。
魂が入っていないので、目の前のソレはコウタロウ君ではない。
「じゃないんだよね」
ここでようやく諦めた。
ユウの目の前に居るのは、コウタロウ君ではない。
その思い出を糧にして生まれた、正真正銘の怪異だ。
「ウルサイウルサイウルサイウルサイ」
「コウタロウ君じゃないんだよね。もしそこにいるなら返事をして!」
砂男は頭を抱えた。
温かい光が、砂男の怪異としての姿を揺るがす。
ソレでも必死に呼び掛け続け、ユウは声を高らかに上げる。
「返事をしてよ、コウタロウ君!」
ユウは必死に呼び掛けた。
だけど届くことはないみたい。
だってソレは、コウタロウ君の形を真似しているだけだから。
「……コウタロウ君のことを想って今も悲しんでいる人がいる。それでも忘れないで、未来に進もうとしている人がいる。こんな事件、早く終わらせないとダメなんだよ!」
コウタロウ君のことを今も想ってくれる人が居る。
たとえ時間が残酷で、コウタロウ君のことを忘れてしまう人が居たとしてもだ。
過去の悲しみを背負って、未来へと歩みを進める。そんな人が居るから、ユウも諦めきれない。そんな正義感が溢れる。
「私にはなにができるかなんて分からない。でも、やるって決めたんだ。必ずなんとかするって、この事件を終わらせるって!」
ユウには権力は無い。
おまけに実力も知識も無い。
才能なんて欠片、持ってるのかも分からない。
それでも何かをしようとした。
その思いだけは真実で、変わることはない。
こんな悲しみを終わらせる。そう決めたから、その瞳には星霜が宿る。
「お願い、星霜のステッキ。私に力を貸して、応えて!」
ユウは必死に祈った。
その思いを汲んでくれたのか、ピカーン! の眩い光が星の形をした先端から走る。
砂の波で覆われた狭い空間。
全体が明るくなると、とても温かくて勇気が出る。
ユウの気持ちが突き動かされる。
メンタルがモリモリ回復した。
それだけじゃない。勇気が力になると、あり得ない魔力を生み出して、その光が放たれる。
「応えてくれるんだね、ありがとう。それじゃあ、終わらせるよ!」
ユウは応えてくれる魔法に感謝した。
目の前の砂男を消し去る魔法が出来た。
だったら使うしかない。ユウは覚悟を決め、打ち込んだ。
だけど必死に堪えていた。
「ううっ、なんとか、なってるの?」
ユウは訳が分からない。
だけど星の形をしたバリアが、砂からユウを守る。
おかげで砂による攻撃を受け止めることが出来、ユウは無事でいられた。
「でも、いつまでもは持たない?」
このバリアも、いつまでも持つ訳ではない。
ユウもそれだけは分かるから、急いで対処しようした。
この状況、セナの助けも借りられない。
まさかの、ユウ一人で相手をすることになるとは思わなかった。
「コウタロウ君、みんなを返して」
「ダメダメダメダメ、ダレモ、ダレモカエサナイ」
コウタロウ君の姿をした怪異、砂男は退かない。
誰も返す気はないようで、砂が手の形になって襲い掛かる。
「うわぁ!?」
伸びた腕が分厚い。
ユウの首を掴むと、息が出来なくなる。
このままだと死んでしまう。ユウは目から涙が出た。
「うっ、ぷぁッ、く、苦しぃ……」
ユウは息が出来ない。
本当に死んでしまうかもしれない。
そうさせているのは、砂で出来た手。
分厚い腕を伸ばして、ユウの首を締め上げる。
視界が徐々に歪んでしまう。
このままだと、バリアも消えてしまう。
バチンバチンと叩いて反撃するけど、全然効かない。
「く、ッあ!」
ユウは何とか杖を振った。
パンと音を立てると、眩い光が迸る。
「コノヒカリ、キライ!」
砂男は少しだけたじろぐ。
怯んで動かなくなると、ユウはなんとか手から抜け出す。
「はぁはぁはぁはぁ」
もう汗でダラダラだ。
周りや砂の波に囲まれていて、逃げることなんて出来ない。
砂男と対面すると、ユウは言葉を掛ける。
「コウタロウ君!」
ユウは未だにコウタロウ君として接する。
でもその瞳には光が無い。
魂が入っていないので、目の前のソレはコウタロウ君ではない。
「じゃないんだよね」
ここでようやく諦めた。
ユウの目の前に居るのは、コウタロウ君ではない。
その思い出を糧にして生まれた、正真正銘の怪異だ。
「ウルサイウルサイウルサイウルサイ」
「コウタロウ君じゃないんだよね。もしそこにいるなら返事をして!」
砂男は頭を抱えた。
温かい光が、砂男の怪異としての姿を揺るがす。
ソレでも必死に呼び掛け続け、ユウは声を高らかに上げる。
「返事をしてよ、コウタロウ君!」
ユウは必死に呼び掛けた。
だけど届くことはないみたい。
だってソレは、コウタロウ君の形を真似しているだけだから。
「……コウタロウ君のことを想って今も悲しんでいる人がいる。それでも忘れないで、未来に進もうとしている人がいる。こんな事件、早く終わらせないとダメなんだよ!」
コウタロウ君のことを今も想ってくれる人が居る。
たとえ時間が残酷で、コウタロウ君のことを忘れてしまう人が居たとしてもだ。
過去の悲しみを背負って、未来へと歩みを進める。そんな人が居るから、ユウも諦めきれない。そんな正義感が溢れる。
「私にはなにができるかなんて分からない。でも、やるって決めたんだ。必ずなんとかするって、この事件を終わらせるって!」
ユウには権力は無い。
おまけに実力も知識も無い。
才能なんて欠片、持ってるのかも分からない。
それでも何かをしようとした。
その思いだけは真実で、変わることはない。
こんな悲しみを終わらせる。そう決めたから、その瞳には星霜が宿る。
「お願い、星霜のステッキ。私に力を貸して、応えて!」
ユウは必死に祈った。
その思いを汲んでくれたのか、ピカーン! の眩い光が星の形をした先端から走る。
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ユウの気持ちが突き動かされる。
メンタルがモリモリ回復した。
それだけじゃない。勇気が力になると、あり得ない魔力を生み出して、その光が放たれる。
「応えてくれるんだね、ありがとう。それじゃあ、終わらせるよ!」
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だったら使うしかない。ユウは覚悟を決め、打ち込んだ。
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