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47話 冒険者達の称賛
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「ふはぁー、眠い」
気が付けば陽が昇り始めていた。
月が隠れてしまい、代わりに太陽が顔を出す。
朝焼けが浮かび上がると、背中に浴びるコージーはファインを背負いながら欠伸をしていた。
「辛い、眠い、こっちでも徹夜か」
コージーはデバッグ作業に追われる日々を思い出した。
姉の手伝いと部活。どっちも楽しいけれど大変だった。
けれど今回は少し違う。
それとはまたベクトルが異なっているので、ヨタヨタともつれていた。
「そろそろ起きて欲しいんだけどな」
コージーは未だに眠っているファインにボヤいてしまった。
しかし寝息を立てることもせず、目を瞑って深い眠りに落ちていた。
そのせいもあり、コージーは身体的にも精神的にも疲労していた。
「はぁ、あっ、見えて来た。おーい、ファイン、そろそろ起きろー」
俺は欠伸を一つ掻くと、目の前にアメリアの街が見えた。
ようやく辿り着けたようで、コージーはファインを起こす。
上下に揺すると嫌がる素振りを見せながら、ファインは薄っすら目を開けた。
「あ、あれ? ふはぁー……ん?」
「おい、起きろファイン」
「ん? あれ、コージー君? 私、どうして……はれっ!?」
ファインはようやく気が付いたらしい。
コージーに背負われていて、全身を押し付けていた。
恥ずかしい気持ちが膨らみ出すと、顔が真っ赤に腫れてしまった。
「な、な、なんでコージー君に私背負われているんだっけ?」
「お前のせいだろ。それよりそろそろ下りてくれ。もうすぐアメリアだ」
「アメリア!? もう、そこまで……それじゃあコージー君が、ありがとう」
「それなら後でしてくれ。流石に、恥ずい」
コージーは顔を背けると、ファインに一度下りて貰った。
マントのように羽織った毛布を全身にくるむと、顔が真っ赤になっている。
「コージー君、ここに居るってことは、倒せたってことだよね?」
「当り前だ。ファインのおかげでな」
「コージー君も頑張ってくれたからでしょ? それよりコージー君、これでみんな助かるかな?」
「それより……って、まあいいか」
コージーは頭を抱えてしまった。
しかしファインらしさが出ているので、何も言わないことにする。
だからこそ、無意味な沈黙が起こってしまうと、気が付けばアメリアまで辿り着いていた。
「帰って来たね」
「当り前だ。帰る場所は、帰るためにあるんだ」
「……深いこと言ってるの?」
「どうでもいい。冒険者ギルドに行くぞ」
コージーはファインを連れて冒険者ギルドに向かった。
黒馬騎士を倒した報告を一応はしないといけない。
とは言え何も証拠は無く、あくまでも証言だけが全てなので、信用が得られるかは分からなかった。
「コージー君、こんな時間に行っても、誰も居ないよ」
「そうだろうな。それなら一回宿に帰るか?」
「そうしよ、コージー君も仮眠を取って元気になろ」
「誰のせいでこんなことに……ん?」
コージーとファインが街中を歩いていると、目の前に人が集まっていた。
数は十人から二十人ほど。みんな武装しており、コージーとファインは武器を構える。
「疲れた俺達を狙う気か? 朝っぱらからだと、誰も見ていないからな」
「う、うん。一応は警戒して……あれ?」
コージーは一人無駄な警戒をする中、ファインは武器を構えるのを止めた。
と言うのも集まっているのはたくさんの冒険者。
しかも中には顔見知りもあるようで、コージーとファインの顔を見ると、盛大な拍手を贈った。
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!
「な、なんだなんだ?」
「コージー君、もしかしたら私達、称賛されているのかもしれないよ」
「称賛? 確かに武器は持っていないな」
コージーも冒険者達の姿を下から上へと移動させると、武器を持っている様子は一つもなかった。
つまり攻撃の意思はない。ともなれば、コージー達のことを讃えてくれていると捉えるべきだろうか。
「な、なんでだ? こんな時間からどうして」
「う、うん。なにが起きたのかとか、いつ帰って来るとか知っているのは、私達だけなのにね」
コージーとファインは首を捻った。
この時間帯でこれだけの冒険者が待っている。
つまりコージー達が帰って来ることを予期していたようで、些か疑問だった。
「コージーさん、ファインさん、無事に戻って来たんですね」
「シャープさん! それに……烏?」
「も、もしかしてその烏、夜回り烏ですか! 凄い、だから私達のことを待っていたんですね。ありがとうございました」
コージーが理解できていない中、ファインだけが分かった顔をする。
置いて行かれたコージーの視線が右往左往する中、シャープ達冒険者が拍手喝采を贈った。
「無事にモンスターを討伐し、戻って来てくださって私達も安心しました。これで街の平和は守られたんですね」
「一応な。とは言え、証拠は何処にもないぞ」
「そんなことはありません。この子が見ていてくれたんです。一部始終をですが」
「烏が見ていた? さっぱり分からないな」
コージーは烏型のアイテムは知っている。
けれどずば抜けた射程範囲の烏型アイテムは知らない。
もしかするとこのゲームオリジナルのものだろうか。
分からないことだらけになると、コージーは目を丸くする。
「大した活躍だったらしいな」
「まさか永久の勇者がな。見直したぜ」
「みんなを助けてくれてありがとうね」
「ううっ、私達が討伐に行かなくて良かったよー」
冒険者達から言葉が次々贈られた。
如何やら街中で待機していた冒険者の集団は、コージー達の代わり。
つまりは第二陣のようで、万が一のために集められていた、微かに腕に自信のある冒険者の選抜隊だったらしい。
そうともなれば武器を用意していないのは些か不明。
もしかしなくても、最悪の事態を想定した隊ではなく、いざとなれば逃げる算段だったのかもしれない。そうでも無ければ、武器を所持していない第二陣には意味が無い。
コージーはムッとした表情を浮かべる中、ファインが腕を振り上げる。
「皆さんありがとうございました。でも安心してください、こんな私だけど、コージー君と一緒に倒してきたよ!」
「ファイン、お前な……」
「コージー君、こういう時は素直に喜ぼう。ねっ」
「ううっ、仕方ないか」
ファインはみんなに讃えられて嬉しいようだ。
それもそのはず、今まで“最弱”と罵られ、苦汁を舐めて来たフィアンが称賛されているからだ。
必要されること。完全に手のひら返しではあるのだが、そんなことさえ忘れてしまっている。
にこやかな表情を浮かべると、楽しそうに駆け寄って行く。
「王道だな。これでブレインにはざまぁできたかも……いや、それはいいか」
コージーはフィアンが這い上がる姿に感銘を受ける。
同時に、今回活躍の機会が無かったブレインを憐れに思った。
代わりにファインが立場的にはざまぁをするも、そんなことをフィアンは望んでいない。
溜息一つ零すも、コージー自身も称賛の渦の中に消えるのだ
気が付けば陽が昇り始めていた。
月が隠れてしまい、代わりに太陽が顔を出す。
朝焼けが浮かび上がると、背中に浴びるコージーはファインを背負いながら欠伸をしていた。
「辛い、眠い、こっちでも徹夜か」
コージーはデバッグ作業に追われる日々を思い出した。
姉の手伝いと部活。どっちも楽しいけれど大変だった。
けれど今回は少し違う。
それとはまたベクトルが異なっているので、ヨタヨタともつれていた。
「そろそろ起きて欲しいんだけどな」
コージーは未だに眠っているファインにボヤいてしまった。
しかし寝息を立てることもせず、目を瞑って深い眠りに落ちていた。
そのせいもあり、コージーは身体的にも精神的にも疲労していた。
「はぁ、あっ、見えて来た。おーい、ファイン、そろそろ起きろー」
俺は欠伸を一つ掻くと、目の前にアメリアの街が見えた。
ようやく辿り着けたようで、コージーはファインを起こす。
上下に揺すると嫌がる素振りを見せながら、ファインは薄っすら目を開けた。
「あ、あれ? ふはぁー……ん?」
「おい、起きろファイン」
「ん? あれ、コージー君? 私、どうして……はれっ!?」
ファインはようやく気が付いたらしい。
コージーに背負われていて、全身を押し付けていた。
恥ずかしい気持ちが膨らみ出すと、顔が真っ赤に腫れてしまった。
「な、な、なんでコージー君に私背負われているんだっけ?」
「お前のせいだろ。それよりそろそろ下りてくれ。もうすぐアメリアだ」
「アメリア!? もう、そこまで……それじゃあコージー君が、ありがとう」
「それなら後でしてくれ。流石に、恥ずい」
コージーは顔を背けると、ファインに一度下りて貰った。
マントのように羽織った毛布を全身にくるむと、顔が真っ赤になっている。
「コージー君、ここに居るってことは、倒せたってことだよね?」
「当り前だ。ファインのおかげでな」
「コージー君も頑張ってくれたからでしょ? それよりコージー君、これでみんな助かるかな?」
「それより……って、まあいいか」
コージーは頭を抱えてしまった。
しかしファインらしさが出ているので、何も言わないことにする。
だからこそ、無意味な沈黙が起こってしまうと、気が付けばアメリアまで辿り着いていた。
「帰って来たね」
「当り前だ。帰る場所は、帰るためにあるんだ」
「……深いこと言ってるの?」
「どうでもいい。冒険者ギルドに行くぞ」
コージーはファインを連れて冒険者ギルドに向かった。
黒馬騎士を倒した報告を一応はしないといけない。
とは言え何も証拠は無く、あくまでも証言だけが全てなので、信用が得られるかは分からなかった。
「コージー君、こんな時間に行っても、誰も居ないよ」
「そうだろうな。それなら一回宿に帰るか?」
「そうしよ、コージー君も仮眠を取って元気になろ」
「誰のせいでこんなことに……ん?」
コージーとファインが街中を歩いていると、目の前に人が集まっていた。
数は十人から二十人ほど。みんな武装しており、コージーとファインは武器を構える。
「疲れた俺達を狙う気か? 朝っぱらからだと、誰も見ていないからな」
「う、うん。一応は警戒して……あれ?」
コージーは一人無駄な警戒をする中、ファインは武器を構えるのを止めた。
と言うのも集まっているのはたくさんの冒険者。
しかも中には顔見知りもあるようで、コージーとファインの顔を見ると、盛大な拍手を贈った。
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!
「な、なんだなんだ?」
「コージー君、もしかしたら私達、称賛されているのかもしれないよ」
「称賛? 確かに武器は持っていないな」
コージーも冒険者達の姿を下から上へと移動させると、武器を持っている様子は一つもなかった。
つまり攻撃の意思はない。ともなれば、コージー達のことを讃えてくれていると捉えるべきだろうか。
「な、なんでだ? こんな時間からどうして」
「う、うん。なにが起きたのかとか、いつ帰って来るとか知っているのは、私達だけなのにね」
コージーとファインは首を捻った。
この時間帯でこれだけの冒険者が待っている。
つまりコージー達が帰って来ることを予期していたようで、些か疑問だった。
「コージーさん、ファインさん、無事に戻って来たんですね」
「シャープさん! それに……烏?」
「も、もしかしてその烏、夜回り烏ですか! 凄い、だから私達のことを待っていたんですね。ありがとうございました」
コージーが理解できていない中、ファインだけが分かった顔をする。
置いて行かれたコージーの視線が右往左往する中、シャープ達冒険者が拍手喝采を贈った。
「無事にモンスターを討伐し、戻って来てくださって私達も安心しました。これで街の平和は守られたんですね」
「一応な。とは言え、証拠は何処にもないぞ」
「そんなことはありません。この子が見ていてくれたんです。一部始終をですが」
「烏が見ていた? さっぱり分からないな」
コージーは烏型のアイテムは知っている。
けれどずば抜けた射程範囲の烏型アイテムは知らない。
もしかするとこのゲームオリジナルのものだろうか。
分からないことだらけになると、コージーは目を丸くする。
「大した活躍だったらしいな」
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「みんなを助けてくれてありがとうね」
「ううっ、私達が討伐に行かなくて良かったよー」
冒険者達から言葉が次々贈られた。
如何やら街中で待機していた冒険者の集団は、コージー達の代わり。
つまりは第二陣のようで、万が一のために集められていた、微かに腕に自信のある冒険者の選抜隊だったらしい。
そうともなれば武器を用意していないのは些か不明。
もしかしなくても、最悪の事態を想定した隊ではなく、いざとなれば逃げる算段だったのかもしれない。そうでも無ければ、武器を所持していない第二陣には意味が無い。
コージーはムッとした表情を浮かべる中、ファインが腕を振り上げる。
「皆さんありがとうございました。でも安心してください、こんな私だけど、コージー君と一緒に倒してきたよ!」
「ファイン、お前な……」
「コージー君、こういう時は素直に喜ぼう。ねっ」
「ううっ、仕方ないか」
ファインはみんなに讃えられて嬉しいようだ。
それもそのはず、今まで“最弱”と罵られ、苦汁を舐めて来たフィアンが称賛されているからだ。
必要されること。完全に手のひら返しではあるのだが、そんなことさえ忘れてしまっている。
にこやかな表情を浮かべると、楽しそうに駆け寄って行く。
「王道だな。これでブレインにはざまぁできたかも……いや、それはいいか」
コージーはフィアンが這い上がる姿に感銘を受ける。
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