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7章
第75話 呪いの猟銃
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店の奥に誰かいる。俺はすぐに気が付くと、扉に向かおうとした。
しかし扉を先に開けられてしまい、そこにいたのはエクレアだった。
不思議そうな顔をして店の前を見ていたが、俺の顔を見るや否や「あっ!」と声を上げた。
「あっ、カイ君。どうしてcloseになっているの?」
「その話題はスルーだ」
「いいや、スルーできないよ。ってお客様!」
エクレアはいつもの調子で好奇心旺盛に噛み付いて来ようとした。
一度噛み付くときりがないので得意のスルーパスを決めようとしたのだが、エクレアは許してくれない。
けれど店の中に人がいることに気が付くと、すぐさま自分から食いつく対象を変えた。
俺は安堵してホッと胸を撫で下ろすと、「可愛そうに」と同情してしまう。
「いらっしゃいませ、お客様。今日はどのようなご用でしょうか?」
「……ぐすん」
「えっ、泣いてるの! ちょっとカイ君。この子泣いてるよ!」
マズいことになった。このままじゃ俺が泣かしたみたいになる。
とは言え泣いた奴を泣き止ませる方法何て俺は知らない。
そこで黙り込んでやり過ごそうとしたのだが、エクレアお顔が詰め寄ってきた。
「どういうこと? ちゃんと説明してよね」
「説明も何も、そいつが勝手に泣いたんだ」
「勝手に泣いたわけないでしょ! 絶対にカイ君がやったに決まってるよ!」
「人を勝手に決めつけるな。おい、お前からも何か言え!」
俺は弁明した。しかし聞いてもらえないので、当人に話を振る。
しかし猟銃が壊れて直せないことがわかると、頭の中がそれだけでいっぱいになってしまう。
どれだけ狙撃手と自分に入れ込んでいるのか。それとも狩猟者の誇りなのか。
一向に話してくれる様子はなく、「どうしよう」とまたしても目が潤んでいた。
「ほら、やっぱりカイ君が悪いよ。どういうことか、ちゃんと説明してよね!」
「……仕方ないか」
俺は自分から折れることにした。
ここで変に話を引っ張っても無駄だとどこか自分の中で諦めがついていたらしい。
*
「ふむふむ。なーるほど。私、全部理解しちゃった!」
エクレアが決め顔をしていた。そう言うの要らないと素直にツッコミを入れたくなるのは人差し指をくるりとする無駄なモーションが加えられていたからだ。
とは言え、流石はエクレアだ。理解力は早く、ビシッと人差し指を俺に向けてきた。
「つまり、カイ君が直せばいいんだね!」
「だから無理な話だ。それに俺は直すことは仕事じゃない!」
「えっ? 自分の武器は手入れしているよね? 壊れた武器も直してたでしょ?」
「……やっぱり、直せるの?」
少女は俺の顔を見た。
余計なことを言いやがってと無性に腹が立ってきたが、それは俺が知っている武器だ。
知識として知っているだけのものを直したことはない。それにこのタイプの猟銃は何度も言うが骨董品レベルの旧式で、俺が同行できる代物じゃない。
「いっそのこと、現代のものと取り換えればいいんだがな……」
「えっ? それならできるの!」
「それなら新しいものを俺の魔法で作ればいい。だが、コイツの反応が渋いんだ」
俺は少女を見た。すると小さくだが、首を縦に振る。
何か裏があると思うと、少女は肩にかけていた猟銃を取り出し引き金を引こうとした。
別に引いたって構わない。先端の銃身は既に折れ曲がり白く劣化している。弾を放つことはできないのだが、俺とエクレアは威圧感を感じた。
「カイ君、私の後ろに隠れてて」
「それは俺の台詞じゃないのか?」
「男のプライドとかいいから。この銃、普通じゃないよ」
それは確かに言えるが、俺にくだらないプライドは存在しない。
とは言え、エクレアの言う通り子の銃は普通ではない。
そう思わせたのは、引き金を引こうとした瞬間、少女の腕に黒い蔓のようなものが巻き付いたからだ。
「これが私の銃との契約」
「……これってもしかして、呪い?」
「ああ。しかも骨董品によくある不良品。呪具の一種だな」
俺とエクレアは絶句した。
これは直す直さない以前の問題で、まさかこんな凶悪な代物に出会えるとは思え仲た。
それからお爺様に貰ったの意味から、ここまでにかけての全てが意味を逆転させていく。誇りじゃない。これは縛りだ。
「私は小さい頃にお爺様のコレクションを散々見てきた。その中でこの銃に触れた。それ以来、私は銃の才能とこの銃の縛りに苦しめられてきた」
「押し付けられたわけだね。確か呪具って気に入った人と勝手に契約を結ぶこともあるんだよね」
エクレアが俺の顔を見てきた。どうやら補足が欲しいらしい。
「そうだな。呪具は様々なタイプが存在しているが、そのどれもが強力な力と引き換えに信じられないような代償を契約に請求してくる。……お前は一体、何が代償なんだ?」
俺は少女に尋ねた。すると小さな声で呟いている。
よく聞こえない。だけどこの感じ、この猟銃に因縁があるのは確実だった。
しかし扉を先に開けられてしまい、そこにいたのはエクレアだった。
不思議そうな顔をして店の前を見ていたが、俺の顔を見るや否や「あっ!」と声を上げた。
「あっ、カイ君。どうしてcloseになっているの?」
「その話題はスルーだ」
「いいや、スルーできないよ。ってお客様!」
エクレアはいつもの調子で好奇心旺盛に噛み付いて来ようとした。
一度噛み付くときりがないので得意のスルーパスを決めようとしたのだが、エクレアは許してくれない。
けれど店の中に人がいることに気が付くと、すぐさま自分から食いつく対象を変えた。
俺は安堵してホッと胸を撫で下ろすと、「可愛そうに」と同情してしまう。
「いらっしゃいませ、お客様。今日はどのようなご用でしょうか?」
「……ぐすん」
「えっ、泣いてるの! ちょっとカイ君。この子泣いてるよ!」
マズいことになった。このままじゃ俺が泣かしたみたいになる。
とは言え泣いた奴を泣き止ませる方法何て俺は知らない。
そこで黙り込んでやり過ごそうとしたのだが、エクレアお顔が詰め寄ってきた。
「どういうこと? ちゃんと説明してよね」
「説明も何も、そいつが勝手に泣いたんだ」
「勝手に泣いたわけないでしょ! 絶対にカイ君がやったに決まってるよ!」
「人を勝手に決めつけるな。おい、お前からも何か言え!」
俺は弁明した。しかし聞いてもらえないので、当人に話を振る。
しかし猟銃が壊れて直せないことがわかると、頭の中がそれだけでいっぱいになってしまう。
どれだけ狙撃手と自分に入れ込んでいるのか。それとも狩猟者の誇りなのか。
一向に話してくれる様子はなく、「どうしよう」とまたしても目が潤んでいた。
「ほら、やっぱりカイ君が悪いよ。どういうことか、ちゃんと説明してよね!」
「……仕方ないか」
俺は自分から折れることにした。
ここで変に話を引っ張っても無駄だとどこか自分の中で諦めがついていたらしい。
*
「ふむふむ。なーるほど。私、全部理解しちゃった!」
エクレアが決め顔をしていた。そう言うの要らないと素直にツッコミを入れたくなるのは人差し指をくるりとする無駄なモーションが加えられていたからだ。
とは言え、流石はエクレアだ。理解力は早く、ビシッと人差し指を俺に向けてきた。
「つまり、カイ君が直せばいいんだね!」
「だから無理な話だ。それに俺は直すことは仕事じゃない!」
「えっ? 自分の武器は手入れしているよね? 壊れた武器も直してたでしょ?」
「……やっぱり、直せるの?」
少女は俺の顔を見た。
余計なことを言いやがってと無性に腹が立ってきたが、それは俺が知っている武器だ。
知識として知っているだけのものを直したことはない。それにこのタイプの猟銃は何度も言うが骨董品レベルの旧式で、俺が同行できる代物じゃない。
「いっそのこと、現代のものと取り換えればいいんだがな……」
「えっ? それならできるの!」
「それなら新しいものを俺の魔法で作ればいい。だが、コイツの反応が渋いんだ」
俺は少女を見た。すると小さくだが、首を縦に振る。
何か裏があると思うと、少女は肩にかけていた猟銃を取り出し引き金を引こうとした。
別に引いたって構わない。先端の銃身は既に折れ曲がり白く劣化している。弾を放つことはできないのだが、俺とエクレアは威圧感を感じた。
「カイ君、私の後ろに隠れてて」
「それは俺の台詞じゃないのか?」
「男のプライドとかいいから。この銃、普通じゃないよ」
それは確かに言えるが、俺にくだらないプライドは存在しない。
とは言え、エクレアの言う通り子の銃は普通ではない。
そう思わせたのは、引き金を引こうとした瞬間、少女の腕に黒い蔓のようなものが巻き付いたからだ。
「これが私の銃との契約」
「……これってもしかして、呪い?」
「ああ。しかも骨董品によくある不良品。呪具の一種だな」
俺とエクレアは絶句した。
これは直す直さない以前の問題で、まさかこんな凶悪な代物に出会えるとは思え仲た。
それからお爺様に貰ったの意味から、ここまでにかけての全てが意味を逆転させていく。誇りじゃない。これは縛りだ。
「私は小さい頃にお爺様のコレクションを散々見てきた。その中でこの銃に触れた。それ以来、私は銃の才能とこの銃の縛りに苦しめられてきた」
「押し付けられたわけだね。確か呪具って気に入った人と勝手に契約を結ぶこともあるんだよね」
エクレアが俺の顔を見てきた。どうやら補足が欲しいらしい。
「そうだな。呪具は様々なタイプが存在しているが、そのどれもが強力な力と引き換えに信じられないような代償を契約に請求してくる。……お前は一体、何が代償なんだ?」
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