681 / 733
フェンリル編
677.赤斜山がヤバい
しおりを挟む
私は冒険者ギルドの外に出た。
とりあえず、あの違和感の原因を探ろう。
ルカは幻島で感じた違和感の正体=魔力だと決め付け、赤斜山に行ってみることにした。
「それじゃあ、赤斜山に行ってみようかな」
赤壱島に来た以上、外す訳には行かない場所。
それが、赤斜山。赤壱島が誇る、最大規模のダンジョンだ。
「っと、人に気が付かれると面倒だね。《インビジブル》」
ルカは今、この町で注目されている。
変な噂が広まったせいで、正直これ以上絡まれるのは面倒だ。
そこで姿を消すことにした。これで大抵の人には気が付かれない。
「これでよし。後は《サイレント》」
ルカは姿だけではなく、音も消した。
これで誰にも気が付かれることはない。
安心して町の外に出ると、ルカは誰にも邪魔されなかった。
「来てみたはいいものの……」
ルカは赤斜山にやって来た。
緑豊か。地面が少しだけ赤みかかっている。
土の成分と、含まれる精霊由来の魔力。それらの影響で、赤斜山は特に斜面が赤いのだ。
「酷い魔力だね」
鼻を押さえたくなるくらい、気持ちの悪い魔力の乱れをしていた。
もちろん、ルカにとっては大したことではない。
けれどこれだけ魔力が乱れ、濃い濃度で充満すると、エグいことになる。
「まさか、これだけ乱れているなんて。コレ、魔術師が原因かな?」
勝手に決めつけていた自分を見直す。
もしかすると、別の角度からの死角かもしれない。
それこそ、普通だ。あくまでも、一般的な思考だ。
「魔力が乱れたのは、土地が原因? それとも……」
魔力が乱れたのは、土地が原因。そう考えるのが普通だ。
大気中に存在する魔素に、土地の魔力が影響を与えている。
そうなれば、一時的に乱れることはあるのだ。
けれどルカはそれだけでは留まらない。
それとも別の要因がまだ隠れているのかもしれないと睨んだ。
「モンスターが原因の可能性もあるよね」
モンスターの中には、特に強大な力を持つ個体も居る。
その魔力は、周囲の環境に影響を与えることもある。
土地の環境、それこと魔素や魔力に歪みをもたらすことは普通だった。
「まさか、なにかした?」
どんなモンスターが潜んでいるのかは分からない。
けれど一つだけ言えることがある。
それはごく一般的なモンスターとは違う。
過去に魔物と呼ばれたモンスターとは異なる存在。
それこそ、魔獣が該当するだろうか。
土地に影響を与える程の強い魔獣が息を潜めているとなると、油断はできなかった。
「面白くなって来たね」
ルカは笑みを浮かべていた。怯える所か楽しんでいる。
早く遭ってみたいと思うのは、速攻で終わらせたいから。
ニヤリとした笑みを浮かべ、早速冒険と探索を始めた……けど。
「ん?」
その足はすぐさま止まった。否、止めざるを得なかった。
遠くの方、男性の声が聞こえた。
しかも複数人で、ルカは草むらの影に身を隠す。
「この声、もしかして……」
ルカは気が付いていた。確か冒険者ギルドで見かけた冒険者の声だ。
まだ確信は持てないが、ルカはある種の確信を、今までの経験則で持っている。
多分間違いない。そう思って待っていると、案の定、複数人でパーティーを組んで、山道を歩いていた。
「うるせぇ、黙ってろ」
何やら怒り心頭だった。
イラついた声を上げると、仲間の冒険者に揶揄されている。
「どうしたんだよ、シルドン。なんか機嫌悪ぃぞ」
「そうだぜ。いつも怖い顔してる癖によ」
「全くだな。なぁなぁ、シルドンさんよ、教えてくださいよぉ」
「お前等、いい加減にしろよ」
「「「おぉ、怖っ」」」
愉快な冒険者パーティーだった。
話し声にだけ耳を澄ましてみたが、これはこれで面白い。
冒険者ギルドで急いでいたのは、パーティーメンバーを待たせていただけ。
それは悪いことをしたと、ルカは痛感する。
「これは放っておいてもいいかな?」
単に冒険者としての活動なら、制限を掛けるのも悪い。
ルカも大人で寛大な考えを持つと、迷惑を掛けるのは止めた。
既にルカが迷惑を被ったから、嫌でも気持ちが分かるのだ。
「んじゃ、とっととモンスターを狩るぞ」
「もちろん生け捕りだな」
「うっしゃ。稼ぐぞ!」
盾持ち冒険者達の会話が聞こえた。
何やら嫌な予感がしてしまう。
ルカは草むらの影から飛び出すのを止めた。
「いやいや、待った」
ルカは草むらの陰に隠れ、自問自答していた。
何故そんな意識が働くのか。
それはルカが千年以上も生きている魔法使いだから。
冒険者以上に、冒険の心得があるからに他ない。
「これ、尾行した方がいいんじゃないかな?」
何故かルカは尾行する考えに至った。
あまりにも逸脱した思考を抱くのには訳がある。
忘れてはいけない。ここは今、密猟が盛んだ。
「そうだよね。うん、そうしよう」
ルカは色々なことを考えた。
冒険者達の後を追えば、自然とモンスターとも接敵する。
それは何かと好都合で、ルカはニヤッと笑みを浮かべた。
それが抑止力になれば、尚のことだからだ。
「あの冒険者達、絶対になにかするからね」
ルカは盾持ち冒険者を始めとした冒険者達を怪しんでいた。
正直、密猟者の可能性をぬぐい切れない。
ここは頃合いを見て背後を取ろう。ルカは明らかに暗殺者の考えで、冒険者達を尾行することにした。
とりあえず、あの違和感の原因を探ろう。
ルカは幻島で感じた違和感の正体=魔力だと決め付け、赤斜山に行ってみることにした。
「それじゃあ、赤斜山に行ってみようかな」
赤壱島に来た以上、外す訳には行かない場所。
それが、赤斜山。赤壱島が誇る、最大規模のダンジョンだ。
「っと、人に気が付かれると面倒だね。《インビジブル》」
ルカは今、この町で注目されている。
変な噂が広まったせいで、正直これ以上絡まれるのは面倒だ。
そこで姿を消すことにした。これで大抵の人には気が付かれない。
「これでよし。後は《サイレント》」
ルカは姿だけではなく、音も消した。
これで誰にも気が付かれることはない。
安心して町の外に出ると、ルカは誰にも邪魔されなかった。
「来てみたはいいものの……」
ルカは赤斜山にやって来た。
緑豊か。地面が少しだけ赤みかかっている。
土の成分と、含まれる精霊由来の魔力。それらの影響で、赤斜山は特に斜面が赤いのだ。
「酷い魔力だね」
鼻を押さえたくなるくらい、気持ちの悪い魔力の乱れをしていた。
もちろん、ルカにとっては大したことではない。
けれどこれだけ魔力が乱れ、濃い濃度で充満すると、エグいことになる。
「まさか、これだけ乱れているなんて。コレ、魔術師が原因かな?」
勝手に決めつけていた自分を見直す。
もしかすると、別の角度からの死角かもしれない。
それこそ、普通だ。あくまでも、一般的な思考だ。
「魔力が乱れたのは、土地が原因? それとも……」
魔力が乱れたのは、土地が原因。そう考えるのが普通だ。
大気中に存在する魔素に、土地の魔力が影響を与えている。
そうなれば、一時的に乱れることはあるのだ。
けれどルカはそれだけでは留まらない。
それとも別の要因がまだ隠れているのかもしれないと睨んだ。
「モンスターが原因の可能性もあるよね」
モンスターの中には、特に強大な力を持つ個体も居る。
その魔力は、周囲の環境に影響を与えることもある。
土地の環境、それこと魔素や魔力に歪みをもたらすことは普通だった。
「まさか、なにかした?」
どんなモンスターが潜んでいるのかは分からない。
けれど一つだけ言えることがある。
それはごく一般的なモンスターとは違う。
過去に魔物と呼ばれたモンスターとは異なる存在。
それこそ、魔獣が該当するだろうか。
土地に影響を与える程の強い魔獣が息を潜めているとなると、油断はできなかった。
「面白くなって来たね」
ルカは笑みを浮かべていた。怯える所か楽しんでいる。
早く遭ってみたいと思うのは、速攻で終わらせたいから。
ニヤリとした笑みを浮かべ、早速冒険と探索を始めた……けど。
「ん?」
その足はすぐさま止まった。否、止めざるを得なかった。
遠くの方、男性の声が聞こえた。
しかも複数人で、ルカは草むらの影に身を隠す。
「この声、もしかして……」
ルカは気が付いていた。確か冒険者ギルドで見かけた冒険者の声だ。
まだ確信は持てないが、ルカはある種の確信を、今までの経験則で持っている。
多分間違いない。そう思って待っていると、案の定、複数人でパーティーを組んで、山道を歩いていた。
「うるせぇ、黙ってろ」
何やら怒り心頭だった。
イラついた声を上げると、仲間の冒険者に揶揄されている。
「どうしたんだよ、シルドン。なんか機嫌悪ぃぞ」
「そうだぜ。いつも怖い顔してる癖によ」
「全くだな。なぁなぁ、シルドンさんよ、教えてくださいよぉ」
「お前等、いい加減にしろよ」
「「「おぉ、怖っ」」」
愉快な冒険者パーティーだった。
話し声にだけ耳を澄ましてみたが、これはこれで面白い。
冒険者ギルドで急いでいたのは、パーティーメンバーを待たせていただけ。
それは悪いことをしたと、ルカは痛感する。
「これは放っておいてもいいかな?」
単に冒険者としての活動なら、制限を掛けるのも悪い。
ルカも大人で寛大な考えを持つと、迷惑を掛けるのは止めた。
既にルカが迷惑を被ったから、嫌でも気持ちが分かるのだ。
「んじゃ、とっととモンスターを狩るぞ」
「もちろん生け捕りだな」
「うっしゃ。稼ぐぞ!」
盾持ち冒険者達の会話が聞こえた。
何やら嫌な予感がしてしまう。
ルカは草むらの影から飛び出すのを止めた。
「いやいや、待った」
ルカは草むらの陰に隠れ、自問自答していた。
何故そんな意識が働くのか。
それはルカが千年以上も生きている魔法使いだから。
冒険者以上に、冒険の心得があるからに他ない。
「これ、尾行した方がいいんじゃないかな?」
何故かルカは尾行する考えに至った。
あまりにも逸脱した思考を抱くのには訳がある。
忘れてはいけない。ここは今、密猟が盛んだ。
「そうだよね。うん、そうしよう」
ルカは色々なことを考えた。
冒険者達の後を追えば、自然とモンスターとも接敵する。
それは何かと好都合で、ルカはニヤッと笑みを浮かべた。
それが抑止力になれば、尚のことだからだ。
「あの冒険者達、絶対になにかするからね」
ルカは盾持ち冒険者を始めとした冒険者達を怪しんでいた。
正直、密猟者の可能性をぬぐい切れない。
ここは頃合いを見て背後を取ろう。ルカは明らかに暗殺者の考えで、冒険者達を尾行することにした。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ
蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。
とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。
どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。
など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。
そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか?
毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる