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フェンリル編
700.密猟者の情報を
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物音を聞き付け、ゴードとリュマミールがやって来た。
冒険者達が氷漬けにされた異様な光景を目の当たりにする。
言葉を詰まらせると、早速ルカににじり寄った。
「おい、アンタ。一体なにをしたんだ!」
「なにも? 私はしていないよ」
「つまらねぇ嘘は止めろ。俺達の誰も、アンタには敵わないんだ。抵抗する気は無ぇ、だから白状しろ」
ゴードは一方的にルカが犯人だと決めつける。
残念だが、ルカは本当に何もしていない。
白状する義務もなく、いつものふてぶてしい態度を取る。
「私は関係ないよ」
「アンタなぁ……そんじゃ、そっちのオオカミの仕業か? 見た所、“タダのオオカミじゃない”ように見えるが?」
ご名答。実際に、タダのオオカミではない。
ゴードの視線が横切り、ルカからフェンリルに向けられた。
それを皮切りに、リュマミールも参戦する。
「凄まじい魔力だね」
「ん?」
「とぼけなくてもいいよ。タダのオオカミではないにしては、妙に魔力が強い。モンスターなんだろう?」
リュマミールは冷静に分析した。
……概ねあってはいるが、間違ってもいる。
フェンリルは魔物ではなく、上位種族の幻獣。
単なるモンスターと一括りにするには恐れ多い存在だ。
「まぁね」
とは言えここはそれでいい。何でもいいから伝われば御の字。
そう思ってルカは誤魔化すと、リュマミールは納得する。
「なるほどね。つまりこのオオカミは、ルカの使い魔と言う訳だね」
「使い魔? 召喚獣とか契約獣のことか? それにしても妙だぞ、リュマ」
「そうだね。どうして召喚魔術を使わないんだい?」
大抵の人間と同じミスをした。
せめてゴードは知っていて欲しい。ルカは内心愕然とする。
使い魔だからとはいえ、召喚魔術用の魔術陣を介さないことはある。
「この子はそれが嫌いなんだよ」
「そうなんだ……あれ? それにしては妙だね。確か、さっきこの冒険者ギルドにいた時は、連れていなかったように見えるけど?」
「そうだね。この子はさっき連れて来たんだ。その辺の山の中から」
「!? そうか、つまりこの氷は……なるほどな」
リュマミールはよく見ていた。
確かにルカが最初、冒険者ギルドに足を運んだ際には連れていなかった。
けれど魔術師は突飛だ。近くのダンジョンから連れてきたことを伝え、遠い点と点が繋がる。
「ソイツを襲おうとしたバカな冒険者共がいたって訳だな」
「そうだね。この子はあくまでも事実を伝えるための証人……いや、証魔物として連れて来たんだ。それなのに……ねぇ?」
ゴードも気が付いたらしい。
ご明察。冒険者達に襲われたフェンリル自身が、抵抗したに過ぎない。
足りない想像力を補うと、これ以上、ルカにも罪の視線が向きそうな話題は終わらせることにした。
「ん? 証魔物、なんの話だ」
「そうだね。詳しく聞かせてくれるかな?」
ゴードとリュマミールは食い付いた。
上手く話を逸らすことに成功した。
ルカはフェンリルの話題からできるだけ遠ざかろうと、更に話を動かす。
そろそろ本題に入るべきだと、圧力で叩き潰す。
「そんなことより情報が欲しいな」
ルカは話を逸らした。
冒険者全員が凍らされている状況。
目の前にはレジェ以外の受付嬢の影も無い。
秘匿情報のやり取りをしても、誰にも文句は言われない。
「アンタ、随分と勝手だな」
「魔術師は勝手だよ」
「あはは、面白いね。でもそう言う所がいいね」
「御託はいいよ。情報は集まっているだよね?」
ルカは早急に情報の開示を要求した。
実際にダンジョンに潜ったルカが見て来たんだ。
机上で物事を見ているだけの人間には決して見えて来ない。
「はぁ……奥で話すぞ」
「奥? もしかして、相当情報が集まったのかな?」
ゴードは親指を立てた。
受付カウンターの奥には部屋がある。
如何やらあの部屋に連れ込もうというのだ。
確かにあれだけ散らかっていれば、資料を盗み出そうにも、見つからないだろう。
「……」
「あはは、黙らないであげなよ、ゴード」
ルカはゴードの思惑を言い当てた。
そのせいか黙ってしまうと、リュマミールは背中を押す。
確実に表には出せない情報が出て来てしまったのだろう。
「相当表には出せない情報なんだね。いいよ、ただし」
パチン! とルカは指を鳴らした。
するとフェンリルの魔法が一発で解ける。
凍っていた人達の体が自由になると、氷の結晶が砕け散った。
「はっ?」
「一体なにが起きたんだ!?」
「確か体が……寒っ!?」
冒険者達はてんやわんやになっていた。
一体何が起きたのか、自分の身に起きた筈の出来事に困惑する。
分からないのも無理はない。思考まで停止していたのは確定だ。
「ワフッ!?」
「そんな顔しないでよ。さてと、それじゃあ行こうか」
フェンリルは凄く悲しそうな顔をした。
自分の自慢の魔法がルカの魔法の前に、しかも単なる指パッチンで打ち消された。
限りなく自信を喪失しそうになると、尻尾が垂れる。
「本当、アンタは常識外れだな」
「それが面白いね」
「なんとでも言えばいいよ」
ルカとしてみればこの程度普通だ。
しかし、ゴードもリュマミールもルカのことを異常に思う。
それ程までにルカの魔法が常軌を逸しているのだろうが、ルカには興味も無かった。
冒険者達が氷漬けにされた異様な光景を目の当たりにする。
言葉を詰まらせると、早速ルカににじり寄った。
「おい、アンタ。一体なにをしたんだ!」
「なにも? 私はしていないよ」
「つまらねぇ嘘は止めろ。俺達の誰も、アンタには敵わないんだ。抵抗する気は無ぇ、だから白状しろ」
ゴードは一方的にルカが犯人だと決めつける。
残念だが、ルカは本当に何もしていない。
白状する義務もなく、いつものふてぶてしい態度を取る。
「私は関係ないよ」
「アンタなぁ……そんじゃ、そっちのオオカミの仕業か? 見た所、“タダのオオカミじゃない”ように見えるが?」
ご名答。実際に、タダのオオカミではない。
ゴードの視線が横切り、ルカからフェンリルに向けられた。
それを皮切りに、リュマミールも参戦する。
「凄まじい魔力だね」
「ん?」
「とぼけなくてもいいよ。タダのオオカミではないにしては、妙に魔力が強い。モンスターなんだろう?」
リュマミールは冷静に分析した。
……概ねあってはいるが、間違ってもいる。
フェンリルは魔物ではなく、上位種族の幻獣。
単なるモンスターと一括りにするには恐れ多い存在だ。
「まぁね」
とは言えここはそれでいい。何でもいいから伝われば御の字。
そう思ってルカは誤魔化すと、リュマミールは納得する。
「なるほどね。つまりこのオオカミは、ルカの使い魔と言う訳だね」
「使い魔? 召喚獣とか契約獣のことか? それにしても妙だぞ、リュマ」
「そうだね。どうして召喚魔術を使わないんだい?」
大抵の人間と同じミスをした。
せめてゴードは知っていて欲しい。ルカは内心愕然とする。
使い魔だからとはいえ、召喚魔術用の魔術陣を介さないことはある。
「この子はそれが嫌いなんだよ」
「そうなんだ……あれ? それにしては妙だね。確か、さっきこの冒険者ギルドにいた時は、連れていなかったように見えるけど?」
「そうだね。この子はさっき連れて来たんだ。その辺の山の中から」
「!? そうか、つまりこの氷は……なるほどな」
リュマミールはよく見ていた。
確かにルカが最初、冒険者ギルドに足を運んだ際には連れていなかった。
けれど魔術師は突飛だ。近くのダンジョンから連れてきたことを伝え、遠い点と点が繋がる。
「ソイツを襲おうとしたバカな冒険者共がいたって訳だな」
「そうだね。この子はあくまでも事実を伝えるための証人……いや、証魔物として連れて来たんだ。それなのに……ねぇ?」
ゴードも気が付いたらしい。
ご明察。冒険者達に襲われたフェンリル自身が、抵抗したに過ぎない。
足りない想像力を補うと、これ以上、ルカにも罪の視線が向きそうな話題は終わらせることにした。
「ん? 証魔物、なんの話だ」
「そうだね。詳しく聞かせてくれるかな?」
ゴードとリュマミールは食い付いた。
上手く話を逸らすことに成功した。
ルカはフェンリルの話題からできるだけ遠ざかろうと、更に話を動かす。
そろそろ本題に入るべきだと、圧力で叩き潰す。
「そんなことより情報が欲しいな」
ルカは話を逸らした。
冒険者全員が凍らされている状況。
目の前にはレジェ以外の受付嬢の影も無い。
秘匿情報のやり取りをしても、誰にも文句は言われない。
「アンタ、随分と勝手だな」
「魔術師は勝手だよ」
「あはは、面白いね。でもそう言う所がいいね」
「御託はいいよ。情報は集まっているだよね?」
ルカは早急に情報の開示を要求した。
実際にダンジョンに潜ったルカが見て来たんだ。
机上で物事を見ているだけの人間には決して見えて来ない。
「はぁ……奥で話すぞ」
「奥? もしかして、相当情報が集まったのかな?」
ゴードは親指を立てた。
受付カウンターの奥には部屋がある。
如何やらあの部屋に連れ込もうというのだ。
確かにあれだけ散らかっていれば、資料を盗み出そうにも、見つからないだろう。
「……」
「あはは、黙らないであげなよ、ゴード」
ルカはゴードの思惑を言い当てた。
そのせいか黙ってしまうと、リュマミールは背中を押す。
確実に表には出せない情報が出て来てしまったのだろう。
「相当表には出せない情報なんだね。いいよ、ただし」
パチン! とルカは指を鳴らした。
するとフェンリルの魔法が一発で解ける。
凍っていた人達の体が自由になると、氷の結晶が砕け散った。
「はっ?」
「一体なにが起きたんだ!?」
「確か体が……寒っ!?」
冒険者達はてんやわんやになっていた。
一体何が起きたのか、自分の身に起きた筈の出来事に困惑する。
分からないのも無理はない。思考まで停止していたのは確定だ。
「ワフッ!?」
「そんな顔しないでよ。さてと、それじゃあ行こうか」
フェンリルは凄く悲しそうな顔をした。
自分の自慢の魔法がルカの魔法の前に、しかも単なる指パッチンで打ち消された。
限りなく自信を喪失しそうになると、尻尾が垂れる。
「本当、アンタは常識外れだな」
「それが面白いね」
「なんとでも言えばいいよ」
ルカとしてみればこの程度普通だ。
しかし、ゴードもリュマミールもルカのことを異常に思う。
それ程までにルカの魔法が常軌を逸しているのだろうが、ルカには興味も無かった。
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