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フェンリル編
724.赤斜の樹海
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薄暗い山の中。
そこに広がるのは、今から数百年から数千年前にまで遡る木々達の群れ。
風に揺すられ、木の葉が擦れ合うと、奇妙な雑多の音を響かせた。
「赤斜の樹海……まさかここに潜んでいやがるとはな」
赤斜の樹海は広大だ。
単純に人一人見つけるだけでも至難の業。
果たして隠れている密猟者を全員見つけ出すことができるのか。
その真偽さえ怪しかったが、やるしかない。そう、ゴードは責任という名の十字架を背負っていた。
「ゴードさん、準備完了しました」
そこにやって来た男性冒険者が一人。
今回協力を要請し、集まった冒険者の中では、Aランクの冒険者とかなり高い。
それだけ信用のおける冒険者を率いたことで、優位性は圧倒的に傾いていた。
「そうか」
ゴードは踵を返して一瞥した。
集まった冒険者の質はかなり高い。
全員冒険者としての誇りを持っている証拠だ。
「あー、ここにいる冒険者達。今回の狙いはこの森に潜んでいるであろう、密猟者全員の謙虚だ。分かっているな」
「「「あー!」」」
「いい返事だ。相手は密猟者だが、バカみたいな金に釣られた憐れな冒険者達。俺達と同業だ。顔を一度は合わせたことのある奴も少なくないだろう」
赤壱島はかなり大きめの島ではあるが、冒険者の数はそれほど多くはない。
もちろん、ここ最近は例外的だった。
けれど島の中は閉鎖的だ。少なからず、顔を見かけることはあった程度の相手が敵。
上手く戦えるのか否か、恐らくそこに掛かっている。
「とは言え、金に釣られた同業だ。遠慮する必要は無い。俺達冒険者の名誉として、必ず捕らえる。分かっているな、相手は人間だ。しかも大小様々だろうが、戦闘の心得がある。心して掛かれ!」
相手が冒険者奈時点で、苦戦は必至だろう。
腕前には差があるのだろうが、それでも武器の扱いに長けている。
魔術師が冒険者になることは少ないだろうが、現状警戒するべきことだらけで山積みだ。
「極力は生け捕りが望ましいな。だが、最悪殺し合いになる可能性もある。その時は迷うな、迷う前に死ぬぞ」
「「「おー!!!」」」
「決まっているな」
ここにいる冒険者たちは、全員覚悟を決めている。
だからこそだろうか? 少ない会話で成立する。
ゴードはあまり話すのは得意ではない。それはルカを説得する時点で見えていた話だ。
「よし。後十分後に作戦を決行する。少し待てよな」
ゴードは冒険者達を制止させた。
本当は今すぐにでも突撃するのも手。
けれどまだ揃っていないピースがあった。
(クソッ、ルカの奴本当に来ないつもりか?)
ゴードは最後までルカを待っていた。
リュマミールに啖呵を切った手前、正直力を欲するのは骨頂だ。
それでもあの圧倒的な強さとカリスマ性に惹かれてしまうのは、弱い人間の性だろう。
(来ないなら、例の助っ人を用意しろ)
苛立った様子で助っ人を待ちわびていた。
出来るだけ早めに来て欲しかったが、まるで来る気配がない。
そのせいもあり、結構に時間の開きが出ていた。
(いや、それだと俺の面子が立たないな)
ゴードは冒険者ギルドのギルドマスターとして、手柄を立てる必要があった。
結局は信頼で成り立っている面も大きい。
ここでルカの手を借り続ければ、信頼は失われてしまうだろうなと、今更警戒した。
(だが、このままだと被害が……)
集まった正義の冒険者は優秀だ。
死ぬかもしれない危険と隣り合わせでも馳せ参じた。
それでも“絶対”がない。だからこそ、恐怖が隣り合わせになる。
「ああ、クソッ、考えることが多過ぎる!」
ゴードは元々冒険者。考えるのは好きではない。
これは前衛を張って来た攻撃役だったことが要因だ。
ギルドマスターの器ではない。今更ながら実感する。
「ギルドマスター、俺はそろそろ」
「ああ、持ち場に戻ってくれ」
「はい」
男性冒険者を返したゴード。
後輩の前でとんでもない姿を見せてしまった。
信用が落ちた可能性があるが、それは如何だっていい。
問題は、戦力的な面で、まだ心許ないことだった。
「ルカを信じるんじゃなかったな」
今更口にしても遅かった。
ゴードはルカに心酔し掛けていた。
それだけ惹かれるものがあるのが悪い。
理由は定かではないが、ゴードは自分が許せない。
「いや、大人が子供を信用し過ぎるのも問題か」
ゴードにとって、ルカは眩し過ぎる。
決して手が届かないからこそ嫌厭する。
それでも手を近付けたいのは、圧倒的なカリスマ性があるから。
何故か信用の方が勝ってしまう。圧倒的な信頼感から来る盲目さだった。
(だが、このままだと被害が……)
集まった正義の冒険者は優秀だ。
死ぬかもしれない危険と隣り合わせでも馳せ参じた。
それでも“絶対”がない。だからこそ、恐怖が隣り合わせになる。
「ああ、クソッ、考えることが多過ぎる!」
ゴードは元々冒険者。考えるのは好きではない。
これは前衛を張って来た攻撃役だったことが要因だ。
ギルドマスターの器ではない。今更ながら実感する。
「ギルドマスター、俺はそろそろ」
「ああ、持ち場に戻ってくれ」
「はい」
男性冒険者を返したゴード。
後輩の前でとんでもない姿を見せてしまった。
信用が落ちた可能性があるが、それは如何だっていい。
問題は、戦力的な面で、まだ心許ないことだった。
「ルカを信じるんじゃなかったな」
今更口にしても遅かった。
ゴードはルカに心酔し掛けていた。
それだけ惹かれるものがあるのが悪い。
理由は定かではないが、ゴードは自分が許せない。
「いや、大人が子供を信用し過ぎるのも問題か」
ゴードにとって、ルカは眩し過ぎる。
決して手が届かないからこそ嫌厭する。
それでも手を近付けたいのは、圧倒的なカリスマ性があるから。
何故か信用の方が勝ってしまう。圧倒的な信頼感から来る盲目さだった。
そこに広がるのは、今から数百年から数千年前にまで遡る木々達の群れ。
風に揺すられ、木の葉が擦れ合うと、奇妙な雑多の音を響かせた。
「赤斜の樹海……まさかここに潜んでいやがるとはな」
赤斜の樹海は広大だ。
単純に人一人見つけるだけでも至難の業。
果たして隠れている密猟者を全員見つけ出すことができるのか。
その真偽さえ怪しかったが、やるしかない。そう、ゴードは責任という名の十字架を背負っていた。
「ゴードさん、準備完了しました」
そこにやって来た男性冒険者が一人。
今回協力を要請し、集まった冒険者の中では、Aランクの冒険者とかなり高い。
それだけ信用のおける冒険者を率いたことで、優位性は圧倒的に傾いていた。
「そうか」
ゴードは踵を返して一瞥した。
集まった冒険者の質はかなり高い。
全員冒険者としての誇りを持っている証拠だ。
「あー、ここにいる冒険者達。今回の狙いはこの森に潜んでいるであろう、密猟者全員の謙虚だ。分かっているな」
「「「あー!」」」
「いい返事だ。相手は密猟者だが、バカみたいな金に釣られた憐れな冒険者達。俺達と同業だ。顔を一度は合わせたことのある奴も少なくないだろう」
赤壱島はかなり大きめの島ではあるが、冒険者の数はそれほど多くはない。
もちろん、ここ最近は例外的だった。
けれど島の中は閉鎖的だ。少なからず、顔を見かけることはあった程度の相手が敵。
上手く戦えるのか否か、恐らくそこに掛かっている。
「とは言え、金に釣られた同業だ。遠慮する必要は無い。俺達冒険者の名誉として、必ず捕らえる。分かっているな、相手は人間だ。しかも大小様々だろうが、戦闘の心得がある。心して掛かれ!」
相手が冒険者奈時点で、苦戦は必至だろう。
腕前には差があるのだろうが、それでも武器の扱いに長けている。
魔術師が冒険者になることは少ないだろうが、現状警戒するべきことだらけで山積みだ。
「極力は生け捕りが望ましいな。だが、最悪殺し合いになる可能性もある。その時は迷うな、迷う前に死ぬぞ」
「「「おー!!!」」」
「決まっているな」
ここにいる冒険者たちは、全員覚悟を決めている。
だからこそだろうか? 少ない会話で成立する。
ゴードはあまり話すのは得意ではない。それはルカを説得する時点で見えていた話だ。
「よし。後十分後に作戦を決行する。少し待てよな」
ゴードは冒険者達を制止させた。
本当は今すぐにでも突撃するのも手。
けれどまだ揃っていないピースがあった。
(クソッ、ルカの奴本当に来ないつもりか?)
ゴードは最後までルカを待っていた。
リュマミールに啖呵を切った手前、正直力を欲するのは骨頂だ。
それでもあの圧倒的な強さとカリスマ性に惹かれてしまうのは、弱い人間の性だろう。
(来ないなら、例の助っ人を用意しろ)
苛立った様子で助っ人を待ちわびていた。
出来るだけ早めに来て欲しかったが、まるで来る気配がない。
そのせいもあり、結構に時間の開きが出ていた。
(いや、それだと俺の面子が立たないな)
ゴードは冒険者ギルドのギルドマスターとして、手柄を立てる必要があった。
結局は信頼で成り立っている面も大きい。
ここでルカの手を借り続ければ、信頼は失われてしまうだろうなと、今更警戒した。
(だが、このままだと被害が……)
集まった正義の冒険者は優秀だ。
死ぬかもしれない危険と隣り合わせでも馳せ参じた。
それでも“絶対”がない。だからこそ、恐怖が隣り合わせになる。
「ああ、クソッ、考えることが多過ぎる!」
ゴードは元々冒険者。考えるのは好きではない。
これは前衛を張って来た攻撃役だったことが要因だ。
ギルドマスターの器ではない。今更ながら実感する。
「ギルドマスター、俺はそろそろ」
「ああ、持ち場に戻ってくれ」
「はい」
男性冒険者を返したゴード。
後輩の前でとんでもない姿を見せてしまった。
信用が落ちた可能性があるが、それは如何だっていい。
問題は、戦力的な面で、まだ心許ないことだった。
「ルカを信じるんじゃなかったな」
今更口にしても遅かった。
ゴードはルカに心酔し掛けていた。
それだけ惹かれるものがあるのが悪い。
理由は定かではないが、ゴードは自分が許せない。
「いや、大人が子供を信用し過ぎるのも問題か」
ゴードにとって、ルカは眩し過ぎる。
決して手が届かないからこそ嫌厭する。
それでも手を近付けたいのは、圧倒的なカリスマ性があるから。
何故か信用の方が勝ってしまう。圧倒的な信頼感から来る盲目さだった。
(だが、このままだと被害が……)
集まった正義の冒険者は優秀だ。
死ぬかもしれない危険と隣り合わせでも馳せ参じた。
それでも“絶対”がない。だからこそ、恐怖が隣り合わせになる。
「ああ、クソッ、考えることが多過ぎる!」
ゴードは元々冒険者。考えるのは好きではない。
これは前衛を張って来た攻撃役だったことが要因だ。
ギルドマスターの器ではない。今更ながら実感する。
「ギルドマスター、俺はそろそろ」
「ああ、持ち場に戻ってくれ」
「はい」
男性冒険者を返したゴード。
後輩の前でとんでもない姿を見せてしまった。
信用が落ちた可能性があるが、それは如何だっていい。
問題は、戦力的な面で、まだ心許ないことだった。
「ルカを信じるんじゃなかったな」
今更口にしても遅かった。
ゴードはルカに心酔し掛けていた。
それだけ惹かれるものがあるのが悪い。
理由は定かではないが、ゴードは自分が許せない。
「いや、大人が子供を信用し過ぎるのも問題か」
ゴードにとって、ルカは眩し過ぎる。
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