1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について

水定ゆう

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魔術運動会編1

52.雑用は雑用なりに

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 ルカは校長室から戻る。
 その廊下では、なにやらこそこそ話で盛り上がっていて、如何やらスプラがパシリにされた挙句、あたふたどぎまぎしていて、てんやわんやな様子らしい。
 しかもそれをしたのは、二組の女子生徒で、《アンチスペル》なんて、貴重な魔術を得意としている変わった生徒らしいことまで、既に広まっていた。

 それを聞いているルカは、顔色を一切変えることはなく、その表情は無表情な鉄仮面。
 その理由はいたってシンプルで、「これはまずいことになったかも」と、内心たじたじだった。

 ルカ自身、こんなのんびりとかつまったりとした空気に溶け込む経験は少なかった。
 千年前は今よりも荒れていて、魔法が栄えていた狂喜乱舞の世界。
 少しでも気を抜けば、死ぬ。それこそ簡単に死んでしまい、何度も死んだ人を見てきた。

 頭が吹き飛んで、鳥に持っていかれる人、盗賊に腹を裂かれて死んだ人。
 そんな話は絶えず聞いてきた。もうたくさんだった。それをわかっているからこそ、ナタリーのような薄い笑みしか浮かべられない人は多い。

 しかしルカは違った。
 そんな中でも、メリハリはよく、物事を見極めて最善を尽くす。
 何よりも友のために行動できるのが好印象で、今の時代なら勲章ものだろう。それこそ、これまで殺したのはたった一人。しかも、誤った事故死で正当防衛とも取れることだった。

 だからこそ、ルカはお咎めなしであり、無法地帯な時代をルカは生き延びることができたのかもしれないんだ。よってルカは、

「一体如何したらいいんだろ」

 反応に困ってしまっていた。

 そんな中、軽い足取りで教室に戻ってくると、そこにいたのはクラスメイト達。
 しかも何だかルカの方を見ながら、内緒話をしているようで、気味が悪い。

「皆んな如何したの?」
「いや、えーっと」

 如何やら噂が浸透しているらしい。
 しかしそんな状況であれ、シルヴィアは、

「はい、皆んな手が止まっているわよ」
「そうだよー。そもそもルカは、元が強いんだから、そんなことで負けないって」
「そうよ。ルカ、貴女勝ったんでしょ?」
「ん?」
「だからスプラさんによ。当然かったんでしょ?」

 いや、勝ったとはいえない。正直中断したといった方がいい。
 しかしそれを言い出すこともできず、ルカは黙っていると、

「あれ? そのペンキは」
「これはスプラさんが持ってきたのよ。半分だけね。それとこれは伝言よ」
「伝言?」

 伝言を伝えるなんて、一体何を言い残したんだろう。
 あの性格だ、きっとしつこいぞと思っていたところ、

「次は負けませんからね。期待しておいてください。だってさ」
「き、期待って。私は《アンチスペル》で無効化しただけで」
「「「マジで!」」」

 クラス中が湧いた。
 軽快に湧き上がった。ルカはその空気間には馴染めず、惚けていると、

「凄いなルカ。まさかあのブルーウェブにそこまで言わせるなんて」
「これは逸材ね」
「しかも《アンチスペル》だよ。そんな高等魔術、私見たことないよ」

 完全に盛り上がったていた。
 しかし当事者はその凄さにわからず、置いてけぼりを食らう中、ライラックが耳打ちをした。

「スプラって、この学校でも優秀な魔術師候補らしくて、そんな子を黙らせるなんて、ルカってやっぱり変わってるねー」
「いや、私は別に
「そう言うのいいからさー。ほらほらー、もっと喜ぼうよー」

 いや、流石にそんなことはできない。
 ルカはこの状況に呆れるとともに、取り残されてしまって、かける言葉もなかったが、確かにスプラの腕はよかったので、そこまでだと知って、面白いと思ったみたいだ。
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