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鉱石編
107.転入生に湧くクラス
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学校の校舎の中は涼しかった。
この校舎はありとあらゆるところに魔術が仕込まれている。
ちゃんと手入れをしているから使えるのだが、今回はパイプの中から冷気と水のミストが出ていた。水系統魔術、加えて氷系統魔術の合わせ技だ。
「うわぁ、涼しー!」
「本当だ。外の暑さが嘘みたいだよ」
さっきまで流していた汗が嘘みたいに引いていく。
ルカだけではない。ライラックも清々しい顔つきになった。
けれどもシルヴィアは澄ました顔で、教室に向かった。子供みたいにはしゃぐのが嫌なのかもしれない。
「ほら、二人とも行くわよ」
「あれー? シルヴィ、今年ははしゃがないの?」
「はしゃぐ?」
「ライ、私はそんなことではしゃがないわよ」
「嘘だぁー。一年生の時から感動してたじゃんかー」
「ちょっとライ! ルカの前でばらさないでよね。ルカは知らないんだから」
「えー、別にいいじゃんかー」
「よくないわよ。恥ずかしいんだから」
頬のガーゼをポリポリと掻いた。
少し頬も赤いから、本当に恥ずかしいんだと思った。昔の記憶を掘り起こされても、嫌なことが先行していた。
それが何とも可愛かったが、ルカは黙ったままで、クスッと笑っていた。
「ちょっと、ルカ。笑わないでよね!」
「ごめんごめん。なんだか子供みたいで」
「子供って、ルカも子供でしょうが!」
「うーん、否定はできない」
ルカは表情を曇らせた。
ここで変に説明する気はない。
混乱して、考えるのをやめて笑われるだけだ。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
クラスは廊下よりも涼しかった。
それもそうか、だって部屋なんだから。
しかも喚起してないのか、完全に冷気が滞留していた。
「あっ、シルヴィたち」
「おはよう、ツェイファン」
清々しく挨拶をしたのは、マサタカたちと話をするツェイファンだった。
「まだ治ってないの、その怪我?」
「う、うん」
「早く治してもらった方がいいぜ。なあ、グレイス」
「ええ。よかったら、すぐにでも治すけど?」
「も、もうちょっと頑張ってみるわ」
「やせ我慢しなくてもいいのに。努力家ね、シルヴィ」
「あはは。この間の小テストも、私の方が点高かったもんねー。それで怒っているのかなー? かなかなー?」
「うっ、うるさい!」
なるほど。シルヴィアはそんなことで怒っていたのかと、ルカは呆れてしまった。
まあ確かにこの間の五十点満点のテストで、ルカは五十点。ライラックは四十六点。シルヴィアは四十五点だった。たった一点でも、されど一点だった。
でも今日はそんな話で盛り上がらなくてもいい。何故なら、と言うまでもなくニッカ先生が教室に入ってきた。
「はいはーい。今日は先生が眠気に耐えながらやって来たから、早く席に着いてねー。それから、重大発表、転入生が来ますよー。ダリアが来てくれましたー」
「あっ、えっと、皆さんお久ぶりです。今日も、明るくて楽しいクラスですね」
ダリアが空気に負けずに教室に足を踏み入れる。
するとクラスは大いに湧いた。それもそのはず、無名のダリアはあの一組のゴロゴースに勝ったんだ。それだけで、既に強いことは確立されていた。
「よっ、転入生!」
「この間は凄かったわ」
「これから、頑張ろうぜ!」
「ルカチームにまた花が追加されたわね」
などと楽しい話をしていた。
その空気はとても居心地がいい。ルカが来た時のような、ギクシャク感は既に淘汰されていた。
すると、ダリアは改めて静かになったタイミングを見てから、綺麗なお辞儀をして自己紹介をした。
「改めまして、ダリアと言います。ダリア・E・デュランダールと申します。これから送れる学生生活で、私はもっと剣術を磨いて参りますので、是非ともよろしくお願いします」
クラスはぽわーんとした。
それもそのはず、皆んなダリアの姿にうっとりしていた。
自分では気づいていないのだろう。女王陛下の持つ、人を引き付ける力を、ダリアも持っていることに、ルカは気づけていた。
この校舎はありとあらゆるところに魔術が仕込まれている。
ちゃんと手入れをしているから使えるのだが、今回はパイプの中から冷気と水のミストが出ていた。水系統魔術、加えて氷系統魔術の合わせ技だ。
「うわぁ、涼しー!」
「本当だ。外の暑さが嘘みたいだよ」
さっきまで流していた汗が嘘みたいに引いていく。
ルカだけではない。ライラックも清々しい顔つきになった。
けれどもシルヴィアは澄ました顔で、教室に向かった。子供みたいにはしゃぐのが嫌なのかもしれない。
「ほら、二人とも行くわよ」
「あれー? シルヴィ、今年ははしゃがないの?」
「はしゃぐ?」
「ライ、私はそんなことではしゃがないわよ」
「嘘だぁー。一年生の時から感動してたじゃんかー」
「ちょっとライ! ルカの前でばらさないでよね。ルカは知らないんだから」
「えー、別にいいじゃんかー」
「よくないわよ。恥ずかしいんだから」
頬のガーゼをポリポリと掻いた。
少し頬も赤いから、本当に恥ずかしいんだと思った。昔の記憶を掘り起こされても、嫌なことが先行していた。
それが何とも可愛かったが、ルカは黙ったままで、クスッと笑っていた。
「ちょっと、ルカ。笑わないでよね!」
「ごめんごめん。なんだか子供みたいで」
「子供って、ルカも子供でしょうが!」
「うーん、否定はできない」
ルカは表情を曇らせた。
ここで変に説明する気はない。
混乱して、考えるのをやめて笑われるだけだ。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
クラスは廊下よりも涼しかった。
それもそうか、だって部屋なんだから。
しかも喚起してないのか、完全に冷気が滞留していた。
「あっ、シルヴィたち」
「おはよう、ツェイファン」
清々しく挨拶をしたのは、マサタカたちと話をするツェイファンだった。
「まだ治ってないの、その怪我?」
「う、うん」
「早く治してもらった方がいいぜ。なあ、グレイス」
「ええ。よかったら、すぐにでも治すけど?」
「も、もうちょっと頑張ってみるわ」
「やせ我慢しなくてもいいのに。努力家ね、シルヴィ」
「あはは。この間の小テストも、私の方が点高かったもんねー。それで怒っているのかなー? かなかなー?」
「うっ、うるさい!」
なるほど。シルヴィアはそんなことで怒っていたのかと、ルカは呆れてしまった。
まあ確かにこの間の五十点満点のテストで、ルカは五十点。ライラックは四十六点。シルヴィアは四十五点だった。たった一点でも、されど一点だった。
でも今日はそんな話で盛り上がらなくてもいい。何故なら、と言うまでもなくニッカ先生が教室に入ってきた。
「はいはーい。今日は先生が眠気に耐えながらやって来たから、早く席に着いてねー。それから、重大発表、転入生が来ますよー。ダリアが来てくれましたー」
「あっ、えっと、皆さんお久ぶりです。今日も、明るくて楽しいクラスですね」
ダリアが空気に負けずに教室に足を踏み入れる。
するとクラスは大いに湧いた。それもそのはず、無名のダリアはあの一組のゴロゴースに勝ったんだ。それだけで、既に強いことは確立されていた。
「よっ、転入生!」
「この間は凄かったわ」
「これから、頑張ろうぜ!」
「ルカチームにまた花が追加されたわね」
などと楽しい話をしていた。
その空気はとても居心地がいい。ルカが来た時のような、ギクシャク感は既に淘汰されていた。
すると、ダリアは改めて静かになったタイミングを見てから、綺麗なお辞儀をして自己紹介をした。
「改めまして、ダリアと言います。ダリア・E・デュランダールと申します。これから送れる学生生活で、私はもっと剣術を磨いて参りますので、是非ともよろしくお願いします」
クラスはぽわーんとした。
それもそのはず、皆んなダリアの姿にうっとりしていた。
自分では気づいていないのだろう。女王陛下の持つ、人を引き付ける力を、ダリアも持っていることに、ルカは気づけていた。
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