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鉱石編
110.鉱石の谷について
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放課後、早速ルカ達は図書室で調べてみることにした。
今回はいつもよりも危険が多い。用意周到に掛からないといけない。そう思ったんだ。
「それじゃあ早速鉱石の谷について調べようか」
「そうね。鉱石の谷なんて、絶対危ない場所よね」
シルヴィアは文字通り真面目だ。四人掛けのテーブルの上に、大量の本を山のように積んでいた。一体いつ運んだのか気になる。
ほとんどがシルヴィアの横に積み置かれていて、ルカも一冊手に取った。
タイトルは、『魔石発掘の心得~一つのミスが大きな危険』と言う、かなり大々的な注意書きの施された本らしい。
「魔石発掘って。そう言えばダリア言ってたよね。魔石の洞窟があるって」
「はい。魔石の洞窟は鉱石の谷の最下層。そこにあるとされている。昔の鉱山跡のことです」
「鉱山跡ー? ってことは、昔は鉱山で、金とか銀とかが出てたのかなー?」
「なに言ってるのよ。ここには金や銀よりも価値のある、大粒の魔石がたくさん採れたのよ。有名な話じゃない」
「知らないよそんな話しー。それに私は鉱石とか魔石になんか興味ないからねー」
ライラックはあまりやる気がなかった。とりあえず単位さえ取れればそれでいいといった雰囲気さえ感じる。
しかしそれでは困ると、シルヴィアは眉根を寄せるとライラックを叱った。
「なに言ってるのよ。魔石は今でも価値があるのよ。自然由来の魔力を宿した魔石は、贈り物としても重宝されているぐらい有名で、価値があるんだから」
「物の価値を計るのは、その人の価値観に委ねるでしょー。そんなものに、意味があるのかな?」
「女の子は誰だって宝石が好きなはずよ」
「それは偏見だよね。ねー、ルカ」
ここでルカに話を振った。
とは言われてもルカは即答で、ライラックの肩を持つ。
「私も宝石には興味ないかな。魔石は確かに面白いけど、別に欲しいとは思わないよ」
「ただの石ですもんね」
「ルカにダリアまで。そんな乙女チックさが微塵もないなんて。特にダリアは問題ね」
確かに話だけを聞くと、ダリアのその言い方は王族としてはよろしくない。
宝石なんてもの、いくらでも贈られていそうと偏見を持ってしまうが、ダリア曰く、普通の考えとは全く以って異なっているようにも思える。それもそのはず、ダリアにとって重要なのは、加工しやすいかどうかだけ。
「硬い土や鉱石は剣にした時に重さや刃こぼれを起こして使いにくくなってしまう可能性がありますよね。先生からよく指摘されました」
「うーん。普通王族は、それこそ普通の女の子は、そんなこと気にしないんだけど……まあいいわ」
「いいんだ。シルヴィ甘いね」
ルカは適当にツッコんだ。
すると反応して、より一層助長させようとするライラックが性懲りもなく煽ったが、軽くいなされてしまう。何だか可愛そうだよ。
「それはそうと、鉱石の谷は渓谷なの。だから視線豊かで、きっと楽しいところよね」
「標高も高いんだねー。ってことは、空気は薄いけど澄んでるのかなー?」
「この写真に写っているのは、緑いっぱいの景色ですね。薪や食べ物にも困らないみたいですね」
「最悪虫食べればいいもんね」
「ぐはっ!」
「「そうですね。虫美味しいよね!」」
一人だけ傷ついている子がいた。
シルヴィアは項垂れて、テーブルにうつ伏せになる。よっぽど心に来るものがあるのかも。確かに生理的に無理なのは同感できるが、一度食べてしまったらもうなんてことはない。大体人間の慣れは怖いので、その美味しさに気づけば、苦みもなんでも関係なしに食べられるんだ。
「もう、如何して皆んな虫が食べられるのよ。あんなの気持ち悪いじゃない」
「食べてみたらいいよ。多分売ってるよ?」
「そうですね。揚げれば食べられますよね」
「そうだよー。好き嫌い言わずに食べないよー」
「虫を食べる食べないは、好き嫌いじゃなくて、生理的な問題でしょ!」
「「「まあ、確かに……」」」
シルヴィアは切れた。同情心を持っている三人は、シルヴィアに同感する。
ライラックは涙目になっているシルヴィアの頭を撫でてあげたが、実際行ってみないと何もわからないので、とりあえず調べものを続けてみることにした。すると、魔石の洞窟には、珍しい魔石が眠っているらしいので、楽しみになった。
今回はいつもよりも危険が多い。用意周到に掛からないといけない。そう思ったんだ。
「それじゃあ早速鉱石の谷について調べようか」
「そうね。鉱石の谷なんて、絶対危ない場所よね」
シルヴィアは文字通り真面目だ。四人掛けのテーブルの上に、大量の本を山のように積んでいた。一体いつ運んだのか気になる。
ほとんどがシルヴィアの横に積み置かれていて、ルカも一冊手に取った。
タイトルは、『魔石発掘の心得~一つのミスが大きな危険』と言う、かなり大々的な注意書きの施された本らしい。
「魔石発掘って。そう言えばダリア言ってたよね。魔石の洞窟があるって」
「はい。魔石の洞窟は鉱石の谷の最下層。そこにあるとされている。昔の鉱山跡のことです」
「鉱山跡ー? ってことは、昔は鉱山で、金とか銀とかが出てたのかなー?」
「なに言ってるのよ。ここには金や銀よりも価値のある、大粒の魔石がたくさん採れたのよ。有名な話じゃない」
「知らないよそんな話しー。それに私は鉱石とか魔石になんか興味ないからねー」
ライラックはあまりやる気がなかった。とりあえず単位さえ取れればそれでいいといった雰囲気さえ感じる。
しかしそれでは困ると、シルヴィアは眉根を寄せるとライラックを叱った。
「なに言ってるのよ。魔石は今でも価値があるのよ。自然由来の魔力を宿した魔石は、贈り物としても重宝されているぐらい有名で、価値があるんだから」
「物の価値を計るのは、その人の価値観に委ねるでしょー。そんなものに、意味があるのかな?」
「女の子は誰だって宝石が好きなはずよ」
「それは偏見だよね。ねー、ルカ」
ここでルカに話を振った。
とは言われてもルカは即答で、ライラックの肩を持つ。
「私も宝石には興味ないかな。魔石は確かに面白いけど、別に欲しいとは思わないよ」
「ただの石ですもんね」
「ルカにダリアまで。そんな乙女チックさが微塵もないなんて。特にダリアは問題ね」
確かに話だけを聞くと、ダリアのその言い方は王族としてはよろしくない。
宝石なんてもの、いくらでも贈られていそうと偏見を持ってしまうが、ダリア曰く、普通の考えとは全く以って異なっているようにも思える。それもそのはず、ダリアにとって重要なのは、加工しやすいかどうかだけ。
「硬い土や鉱石は剣にした時に重さや刃こぼれを起こして使いにくくなってしまう可能性がありますよね。先生からよく指摘されました」
「うーん。普通王族は、それこそ普通の女の子は、そんなこと気にしないんだけど……まあいいわ」
「いいんだ。シルヴィ甘いね」
ルカは適当にツッコんだ。
すると反応して、より一層助長させようとするライラックが性懲りもなく煽ったが、軽くいなされてしまう。何だか可愛そうだよ。
「それはそうと、鉱石の谷は渓谷なの。だから視線豊かで、きっと楽しいところよね」
「標高も高いんだねー。ってことは、空気は薄いけど澄んでるのかなー?」
「この写真に写っているのは、緑いっぱいの景色ですね。薪や食べ物にも困らないみたいですね」
「最悪虫食べればいいもんね」
「ぐはっ!」
「「そうですね。虫美味しいよね!」」
一人だけ傷ついている子がいた。
シルヴィアは項垂れて、テーブルにうつ伏せになる。よっぽど心に来るものがあるのかも。確かに生理的に無理なのは同感できるが、一度食べてしまったらもうなんてことはない。大体人間の慣れは怖いので、その美味しさに気づけば、苦みもなんでも関係なしに食べられるんだ。
「もう、如何して皆んな虫が食べられるのよ。あんなの気持ち悪いじゃない」
「食べてみたらいいよ。多分売ってるよ?」
「そうですね。揚げれば食べられますよね」
「そうだよー。好き嫌い言わずに食べないよー」
「虫を食べる食べないは、好き嫌いじゃなくて、生理的な問題でしょ!」
「「「まあ、確かに……」」」
シルヴィアは切れた。同情心を持っている三人は、シルヴィアに同感する。
ライラックは涙目になっているシルヴィアの頭を撫でてあげたが、実際行ってみないと何もわからないので、とりあえず調べものを続けてみることにした。すると、魔石の洞窟には、珍しい魔石が眠っているらしいので、楽しみになった。
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